離乳食でヨーグルトはいつからOK?
ヨーグルトは下ごしらえや加熱をしなくても使えるので、離乳食に使いやすい食材です。ヨーグルトはとろみがあるので、飲み込みづらい食材に混ぜ合わせるのにも活躍します。
独特の酸っぱさが苦手な赤ちゃんもいますが、調理方法によって酸味も抑えられます。単にそのまま与える以外に、混ぜる食材や食べさせ方を工夫しましょう。
ヨーグルトは中期からOK!
ヨーグルトは、生後7カ月を過ぎた離乳食中期から使える食材です。ただし、6カ月頃から食べられる市販の赤ちゃん専用ヨーグルトもあります。
ヨーグルトはたんぱく質を豊富に含む食材です。豆腐や白身魚に慣れてから与えた方がよく、急いで食べさせる必要はありません。
赤ちゃんの体の成長や離乳食の進み方に合わせて、ゆっくりと進めてあげましょう。
開封したら早めに食べきること!冷凍保存NG
赤ちゃんに食べさせてあげるヨーグルトは、開封したての新鮮なヨーグルトを使いましょう。
ヨーグルトは冷凍できない訳ではありませんが、解凍すると分離して味も落ちてしまうので、おすすめしません。
できるだけ小さなヨーグルトを買って、清潔なスプーンで取り分け、早いうちに使い切るのがベストです。
離乳食に使うヨーグルトは加熱するべき?
離乳食の食材は加熱調理が基本ですが、ヨーグルトは火を通す必要はなく、そのまま食べさせて大丈夫です。
ただし、冷蔵庫から出してすぐだと冷たく、赤ちゃんが食べるのを嫌がったり、お腹が冷えて下痢などを引き起こす可能性もあります。室温に戻してから与えるようにしましょう。
急いで食べさせたい場合は、電子レンジで10秒~30秒様子を見ながら少しだけ温めても構いません。
離乳食のヨーグルトの選び方
赤ちゃんが食べられるヨーグルトは、無糖のプレーンヨーグルト、又は赤ちゃん用のヨーグルトです。
市販で販売されているヨーグルトにはたくさんの種類がありますが、ほとんどのメーカーのものに砂糖が入っていて、赤ちゃんには甘過ぎます。
無糖のプレーンヨーグルトはやや酸味がありますので、果実や甘味のある野菜と一緒に食べさせるようにしましょう。
赤ちゃんが食べられる市販ヨーグルトの種類
スーパーで見かける無糖ヨーグルトといえば、
- 明治ブルガリアヨーグルトLB81 プレーン
- 雪印メグミルク ナチュレ恵
- 森永ビヒダスBB536プレーンヨーグルト
などが代表的です。だいたいのスーパーで手に入りますし、200円未満で購入できることが多いので、個包装のヨーグルトを買う場合に比べて、量に対して価格が安いというメリットがあります。
味や栄養素に大きな違いはありませんが、入っている乳酸菌の種類は異なっています。便秘解消・腸内環境の改善を目的とする場合、同じ種類のヨーグルトを継続して食べ続けた方が効果は高いと言われています。
個包装・小分けのヨーグルトも便利
無糖のプレーンヨーグルトは、400~450gの内容量のものが多く、ママやパパも一緒に食べる分には良いですが、離乳食にのみ少しだけ使いたいという時にはやはり小分けの小さいサイズの商品が便利です。
小分けの加糖されていないヨーグルトとしては、
- ダノンビオ プレーン・砂糖不使用
がおすすめです。大き目のスーパーではだいたい手に入るでしょう。
ダノンは「プレーンの加糖タイプ」もありますので、購入時は間違いないように気を付けましょう。
「ベビーダノン」とは?
赤ちゃん用のヨーグルトで有名な「ベビーダノン」は、プレーンヨーグルトと野菜やフルーツのピューレの2層になっていて、赤ちゃんが食べきれる量(45g)がひとパックのサイズになっているのが特徴です。生後6ヶ月から与えることができるとメーカーは記しています。
着色料は含まれていないが、砂糖は含まれている
香料・着色料・人工甘味料不使用ですが、ピューレ部分には砂糖が含まれています。砂糖は離乳食で生後7カ月頃からの使用が可能で、味付けなどに少量使用する分には問題ありません。
しかし、ベビーダノンのようなピューレによって味がついたヨーグルトは甘味が強く、赤ちゃんが通常のプレーンヨーグルトを食べなくなったり、ヨーグルト以外の離乳食にも濃い甘い味付けを欲するようになることもあり得ます。
毎日与えるのは控え、たまにご褒美程度に食べさせてあげましょう。
本来、赤ちゃんの味覚は敏感なので、果実や野菜の自然な甘味だけでも十分に美味しく感じることができるはずです。
1回に与えて良いヨーグルトの量
厚生労働省の離乳ガイドによると、1回に与えて良いヨーグルトなどの乳製品の目安量は以下の通りです。
- 【中期】生後7~8カ月 50g~70gまで
- 【後期】生後9~11ヶ月 80gまで
- 【完了期】生後12カ月~18ヶ月 100gまで
注意してほしいのは、これは主にタンパク質を摂取するための食品を1回1食品から摂取した場合の量だという点です。肉や魚、豆腐や卵などと一緒にヨーグルトを食べさせる場合は、もっと控えめにする必要があります。
肉や魚などと違い、ヨーグルトのみを主菜にすることは困難ですので、ヨーグルトはあくまで肉・魚・豆腐・卵などのタンパク源を補う食品と考えた方が良いでしょう。
ヨーグルトは乳アレルギーに注意
ヨーグルトは、牛乳やチーズなどと同様に、「乳アレルギー」が出る可能性のある食品です。0歳児のアレルギーの内訳をみると、鶏卵、牛乳などの乳製品、小麦がトップ3を占めますので、ヨーグルトもアレルギーのリスクは比較的高い部類です。
特に家系に乳アレルギーの人がいる場合は、定期健診などで医師に相談してから、ヨーグルトを食べさせるようにした方が良いでしょう。
ヨーグルトにはちみつは絶対NG
無糖のプレーンヨーグルトには、はちみちをかけて食べる方も多いと思いますが、1歳未満の赤ちゃんには絶対にはちみつを与えてはいけません!
はちみつには「ボツリヌス菌」が含まれている可能性があり、1歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べると「乳児ボツリヌス症」を引き起こし、重篤な症状を招く危険があります。
ヨーグルトを使った離乳食レシピ
ヨーグルトを使った離乳食でおすすめのレシピをご紹介します。
離乳食で使う無糖のプレーンヨーグルトは、そのままだと酸味が強く、嫌がる赤ちゃんもいます。そんな時は、甘味のある野菜や果物と一緒に調理すると、赤ちゃんも食べやすくなります。
また、朝食や食後のデザートとして食べるイメージの強いヨーグルトですが、おかずやメイン料理にも使えますし、肉や魚にソースとしてかけても美味しく食べることができます。
色々な調理法で、赤ちゃんが喜ぶヨーグルト料理を作ってみましょう。
ヨーグルトと相性の良い食材・おすすめの食べ方
無糖のプレーンヨーグルトは赤ちゃんにはそのままだとやや食べにくいので、甘味のある果物や野菜を砂糖の代わりにしたり、きな粉などと混ぜるのがおすすめです。
甘味のある野菜や果物と組み合わせよう
離乳食のヨーグルトは、甘味のある野菜や果物と組み合わせるのが基本です。
野菜では、甘味の強いかぼちゃやさつまいもとの相性が抜群。茹でた後に、マッシュするか、月齢に合わせて小さく切り、ヨーグルトにあえるだけで美味しい一品になります。
果物はほとんどのものが合いますが、特にいちごやバナナ、りんごがおすすめです。
いちごやバナナは赤ちゃんが食べやすい大きさに切り、りんごは加熱して、すりおろすか小さく角切りにします。
きな粉をプラスして栄養価アップ
ヨーグルトにかけるものの定番といえば、きな粉です。きな粉は、大豆原料のため、豆腐などに食べ慣れた離乳食初期後半~中期にかけて与えてよい食品です。
きな粉にはオリゴ糖が沢山含まれており、ヨーグルトの乳酸菌の餌になってくれるので、一緒に食べると健康効果がアップします。
マヨネーズの代用品としてもOK
ヨーグルトは、様々な食品の代替品にもなります。
例えば、マヨネーズの代わりにヨーグルトを使用し、かぼちゃサラダやマカロニサラダなどの味付けに活用することも可能です。
マヨネーズの原料である卵は、「卵黄→卵白→全卵」と進めていき、マヨネーズを離乳食を使用するには、全卵が食べられるようになった生後10カ月以降が目安です。しかし、ヨーグルトなら生後7カ月頃から使用できます。
水切りヨーグルトも試してみよう
水きりヨーグルトとは、その名の通り、ヨーグルトの水分を切ったものを指します。通常のヨーグルトに比べて、もったりとした食感が特徴です。
キッチンペーパーなどを敷いたザルのうえにヨーグルトを乗せ、時間を置いて水気を切ると簡単に水きりヨーグルトが完成します。離乳食では生クリームの代わりにケーキやサンドイッチに使えます。
水切りして出た水分の乳清(ホエイ)にも栄養素がたっぷりと入っているので、スープなどに入れて使いましょう。お肉などを焼く前に浸けておけば、柔らかくふっくらと焼くこともできます。
中期(7カ月・8カ月)のレシピ
中期はヨーグルトを加熱した果物や野菜とまぜるのはもちろん、牛乳代わりに使ってスープなどにするのもオススメです。
じゃがいものヨーグルトポタージュ
じゃがいもとヨーグルトを使った、とろとろで濃厚なポタージュスープです。じゃがいもの炭水化物は、赤ちゃんのパワーの源となり、エネルギーを補給できます。
煮込んだ玉ねぎやじゃがいもの甘味で、そのままのヨーグルトが苦手な赤ちゃんでも食べることができます。熱を冷ましてから最後にヨーグルトを加えるのがポイントです。
材料
- じゃがいも 50g
- 玉ねぎ 30g
- プレーンヨーグルト 大さじ1
- だし汁80cc
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じゃがいもと玉ねぎを10㎝程度の幅に切ります。
-
鍋に水を入れ、中火で15分程度、柔らかくなるまで煮込みます。
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ミキサーにだし汁と煮込んだじゃがいも、玉ねぎを入れます。
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ミキサーにかけます。
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ヨーグルトを入れます。
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混ぜ合わせたら完成です。
さつまいもとりんごのヨーグルトサラダ
さつまいもとりんごの自然な甘味たっぷりのヨーグルトサラダです。さつまいもとりんごのホクホクとした食感も楽しいレシピです。
十分に甘味もあり、ヨーグルトでとろみもつくので、砂糖を使わなくても赤ちゃんも食べやすい味付けに仕上がります。栄養価が高い組み合わせなので、レシピのバランスも取りやすい一品です。
材料
- さつまいも 30g
- りんご 30g
- プレーンヨーグルト 25g
- 水100cc
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りんごを5mm幅程度に角切りします。
-
さつまいもを5mm幅程度に角切りし、水にさらしてあく抜きします。
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鍋に100ccの水と、りんごとさつまいもを入れます。
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水気がなくなるまで煮込みます。
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柔らかくなったらヨーグルトを加えます。
-
混ぜ合わせたら完成です。
後期(9カ月以降)のレシピ
ヨーグルトは食パンやパンケーキ、蒸しパンなどとも相性が良いので、中に混ぜて焼くのはもちろん、水切りしてクリームチーズのように塗るのもおすすめの食べ方です。
かぼちゃのヨーグルトケーキ
かぼちゃの甘味とヨーグルトの風味を感じる、美味しいケーキのレシピです。
ケーキの生地にも、クリームにもかぼちゃを加えているので、Bカロテンもたっぷり摂れます。
かぼちゃで甘味をつけることで、ヨーグルトの酸味が苦手な赤ちゃんでも、美味しく食べることができます。見た目も鮮やかで、おやつにぴったりな栄養満点な野菜ケーキです。
材料
- かぼちゃ 50g
- プレーンヨーグルト 130g ※130gのうち100gは水切りヨーグルト用
- 薄力粉 50g
- ベーキングパウダー(アルミフリー)小さじ1/2
- 牛乳(豆乳または粉ミルクでもOK) 40cc
- 無塩バター3g
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かぼちゃを茹でて潰し、小さじ1はトッピング用に取り分けておきます。
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多い方のかぼちゃに、ヨーグルト、薄力粉、ベーキングパウダー、牛乳、を入れます。
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ざっくりと素早く混ぜ合わせます。
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熱したフライパンにバターを敷き、生地を丸く形成して、弱火でじっくり両面を焼きます。
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水切りヨーグルト手順
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ボウルにザルを乗せキッチンペーパー敷き、ヨーグルト100gを入れます。
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キッチンペーパーで包んでいきます。
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ビニール袋にたっぷりの水を入れて結び、重しにします。
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30分放置したら、水切りヨーグルトができます。
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水切りヨーグルトと、取り分けておいたかぼちゃ小さじ1をボウルに入れます。
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良く混ぜ合わせたら、かぼちゃのヨーグルトクリームの完成です。
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焼いたケーキの上にトッピングします。
ツナとヨーグルトのパスタ
ツナの旨味とヨーグルトの酸味がよく合うおすすめのパスタです。一見変わった組み合わせですが、ヨーグルトを入れることで、さっぱりとまろやかになり、食べやすくなります。
ツナとヨーグルトでたんぱく質もたっぷり摂れ、調理も簡単なので、忙しい時でも簡単に作れるレシピです。ツナは塩分や油分が入っていない、食塩不使用の水煮缶をつかいましょう。
材料
- パスタ25g
- ツナ 15g
- 玉ねぎ 20g
- ヨーグルト 大さじ1
- だし汁大さじ1
- 無塩バター3g
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パスタを標準時間より2〜3分長めに、柔らかくなるまで茹でます。
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玉ねぎをみじん切りにします。
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少量のバターを敷いたフライパンで玉ねぎがしんなりするまで炒めます。
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パスタ、ツナ、だし汁を加え、中火で1〜2分炒めていきます。
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火を止めて、あら熱が取れたらヨーグルとを加えます。
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再度火はつけず、混ぜ合わせたら完成です。
ヨーグルトの栄養素
ヨーグルトには、赤ちゃんに食べさせてあげたい栄養素が含まれています。腸内環境を整え、便秘解消にも効果の高い乳酸菌が有名ですが、それ以外にも、たんぱく質やカルシウムも豊富です。
乳酸菌・ビフィズス菌
人間の腸内では、消化吸収を助け病気に対して抵抗する善玉菌と、炎症を引き起こし便通を悪くする悪玉菌が戦っています。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌は、善玉菌が増殖するのを助け、腸内環境を整えたり、免疫力をアップさせるために働いてくれます。
カルシウム
ヨーグルトは乳原料ですので、牛乳やチーズと同じくカルシ組むは豊富です。カルシウムは、赤ちゃんの骨を丈夫に育ててくれる栄養素であり、成長著しい0歳時期には特に大切です。
離乳食が進み、母乳やミルクを飲む量が少なくなっていくと、カルシウムが不足しがちです。意識的に摂っていきましょう。
たんぱく質
たんぱく質は、赤ちゃんの体の基礎となる、血や臓器、筋肉などを作る大切な栄養素です。離乳食では、肉・魚、大豆製品・卵、そして乳製品から毎日毎食バランスよくたんぱく質を摂取する必要があります。
ヨーグルトの栄養素は加熱すると失われる?
ヨーグルトを60℃以上で加熱すると、乳酸菌は徐々に死滅してしまいます。ヨーグルトを蒸しパンやホットケーキなどに混ぜ込むレシピもありますが、加熱しない方が効率よく栄養を吸収できるのは確かです。
なお、たんぱく質とカルシウムは、加熱しても変質しません。
ホットヨーグルトとは?
60度以上になると死滅する乳酸菌ですが、40度前後の温度では最も活発に活動できます。そのため、ヨーグルトを温めて食べるのがダイエットに関心のある人たちの間でブームです。
温め過ぎると分離してしまいますが、ひとはだ程度に温める分には、栄養価も失われず、酸味を抑えられます。美容に関心のあるママ自身も1度試してみても良いでしょう。
離乳食にヨーグルトを取り入れよう
ヨーグルトは健康効果も高く、そのまま使える便利食材です。おやつとしてだけでなく、お料理にも活用してみましょう。
水切りヨーグルトにするといつもと違う口当たりで楽しめますし、たんぱく質も凝縮されるので、少量で効率的に栄養を摂ることもできます。栄養豊富なヨーグルトを、色々な調理方法で離乳食に取り入れてください。