離乳食への取り分けはいつから始める?
「取り分け」とは、大人用の食事を作りながら、赤ちゃん用のご飯やおかずを用意する離乳食作りの方法です。大人用のご飯と赤ちゃん用のご飯を一緒に作れるので、食事作りの時間を短縮できます。
離乳食の取り分けは、赤ちゃんが食べられるものが増えてきて、モグモグと歯茎で食材をつぶせるようになった頃から可能です。月齢でいえば、生後9カ月以降の離乳食後期、1日3回食になると、取り分けのメリットを感じやすいでしょう。
取り分け離乳食のメリットは赤ちゃんにもあり!
離乳食として、大人の料理を取り分ける方法は、赤ちゃんにもメリットがあります。
取り分けなら、赤ちゃんもママやパパとほぼ同じようなメニューを食べられるので、離乳食への興味や意欲が維持しやすいのです!
赤ちゃんは親の行動をよく観察しています。大人の食事に興味を持っている赤ちゃんは多いので、ママやパパと同じものが食べられるのは嬉しい出来事なはずです。
離乳食を取り分けるときの4つの注意点
離乳食の取り分けと言っても、大人が食べるものをそのまま別のお皿に移すのはNGです。味の濃さや食材の大きさ、かたさなど、赤ちゃんが食べるものには配慮が必要です。
1.味付けする前に取り分ける
赤ちゃんに食べさせるメニューは、大人用に味付けする前に取り分けましょう。味付けしたい場合は、お出汁や野菜スープ、赤ちゃん用のコンソメスープなどが便利です。
赤ちゃんの味覚は大人よりも敏感なので、食の進みが悪いときのみ、ごく少量の調味料で味を調整してあげれば十分です。
離乳食期の赤ちゃんの内臓は未発達なので、大人と同じ量の調味料は内臓の負担になる可能性があります。また濃い味の食べ物に慣れてしまうと、薄味に物足りなさを感じるようになります。
スーパーなどのお惣菜は調味料や香辛料、さらに脂質も多く含まれているので、お湯で薄めたとしても赤ちゃんには不向きです。
2.新鮮な食材で作る
取り分け料理・離乳食は、出来る限り新鮮な食材で作るようにします。大人なら多少鮮度が落ちている食材でも問題なく食べられたりしますが、赤ちゃんは消化不良や下痢などを引き起こす恐れがあります。
また、新鮮な野菜や果物の方が栄養は豊富ですし、味も濃く感じます。味付けしない赤ちゃんも食べるのですから、おいしくて新鮮な食材を使うのが理想的です。
3.赤ちゃん用は加熱時間を長くする
野菜の煮物、うどんなどの料理は、赤ちゃんの分をお皿に入れてレンジで再加熱したり、逆に赤ちゃんの分のみお鍋の中に残して、大人用より長く加熱してください。
赤ちゃんの食事は、離乳食後期・完了期も、基本的に「歯茎でつぶすことができる」固さが目安です。多くの赤ちゃんは離乳食を進めていくうちに、前歯が生えてかじり取ることにできるようになりますが、乳歯がすべて生えそろうのは2~3歳にかけてです。
離乳食期はまだまだ歯茎に頼ることが多いはずですので、大人よりも柔らかめに茹でるようにしましょう。
4.食材の大きさに注意する
食材の固さと同じく、大きさにも注意が必要です。赤ちゃんが小さな口の中でつぶせるように、また、のどに詰まらせないように、完了期でも6㎜程度の大きさに留めましょう。
取り分けに便利な簡単メニュー5選
実際に取り分けしやすい大人のメニューの材料と、赤ちゃんの離乳食用に取り分けの仕方をご紹介します。コツさえ覚えてしまえば、赤ちゃんと大人のご飯を同時進行で、すぐに作れるようになるでしょう。
1.豆腐ハンバーグ
材料(大人2人分+離乳食1食分の材料)
- 鶏胸挽き肉 100g
- 木綿豆腐 1/2丁
- 乾燥ひじき 3g
- 玉ねぎ 1/4個
- にんじん 40g
- 玉子 1/2個
- 塩・こしょう 適量
豆腐も、鶏ひき肉も、赤ちゃんにとって食べやすいたんぱく源です。大人にとってはヘルシーで健康的な主菜になります。
ハンバーグに使う食材は、みじん切りが基本ですので、大人用と赤ちゃん用で切り分ける必要がないですし、フードプロセッサー等を使えば更に時短になります。成形の大きさを変えて、味付けのみ変更しましょう。
作り方
- 木綿豆腐は水切り、乾燥ひじきは水でもどしてレンジで1分加熱する。
- 玉ねぎ・にんじんはみじん切りにしてからレンジでしんなりするまで加熱する。
- 鶏胸挽き肉を練って粘り気を出してから全ての材料と塩こしょうを加えて混ぜる。
◆塩コショウは少なめにするのがポイント!
- 大人用と、赤ちゃん用の大きさに成形し、表面に少し焦げ目がつくまで焼く。
物足りないときは、大人用はバター醤油やケチャップソースなどをかけて与えましょう。赤ちゃんは基本そのまま、もし味が薄すぎて食べづらそうなら、少量の醤油を追加してあげてください。
2.野菜たっぷりオムレツ
材料:大人2人分+離乳食1食分
- 卵 2~3個
- じゃがいも 1個
- にんじん 1/4本
- 玉ねぎ 1/4個
- 牛乳 大2
- 塩・こしょう 適量
- バター 適量
- お好みで粉チーズ
豆腐同様、卵料理も取り分けの定番です!オムレツなら野菜はみじん切りにしますので、大きさに気を使う必要もなく、フードプロセッサーなどを使えば更に時短できるでしょう!
作り方
- 野菜をみじん切りにし、電子レンジで1分程度加熱する。
- ボウルに卵を溶いて、牛乳、塩・胡椒を少量入れる。
- フライパンにバターをひく(赤ちゃん用は薄めに)
- 2を流し入れて、1を上にのせて包む。
- 味が物足りないときは、赤ちゃん用のオムレツを先につくり、大人用のオムレツの具にはソースやケチャップで味付けしましょう。ハムなどを加えてOKです。
- ケチャップが使えるのは、1歳以降です。
それ以前は、赤ちゃん用のケチャップかトマトピューレなどを使って味付けしましょう。
1の段階で、少量のケチャップやトマトピューレを入れて、ご飯を入れればオムライスになります。ひき肉をいれてもおいしいです。
3.さつまいものコロッケ&揚げないコロッケ
材料:大人2人分+離乳食1食分
- さつまいも 200g
- 鶏むねひき肉 80g
- 玉ねぎ 1/4個 玉ねぎ
- バター 5g
- 赤ちゃん用ホワイトソース
- 牛乳 大2 (分量は全て適量で)
- 塩・こしょう 適量
- 小麦粉・卵・パン粉 適量
「コロッケは油が多いから、赤ちゃんには無理では?」と思われがちですが、油で揚げなければ問題ありません!チーズやコーンを入れてもおいしいですし、ジャガイモのコロッケももちろんOKです。
作り方
- 玉ねぎはみじん切りに、鶏むねひき肉と一緒に炒める。
- レンジでさつまいもを柔らかくして、潰す。
- 1と2を混ぜ、他の材料や塩・こしょうを入れる。
チーズなどを入れても良い。
- 大人用、赤ちゃん用の大きさに成形する。
- フライパンに薄く油を引き、パン粉をきつね色に炒めます。
- フライパンの上に、赤ちゃん用のコロッケを入れて、パン粉をまぶします。
- 大人用は油で揚げるか、フライパンで揚げ焼きにします。
揚げ物のカロリーが気になるママやパパは、大人用もヘルシーに揚げないコロッケにしても構いません。
4.タラ鍋&タラと野菜のクリーム煮
材料:大人2人分+離乳食1食分
- タラ 3切 1切れは1/2にカット
- 木綿豆腐 1/2丁
- 白菜 1/4個
- 大根 1/4本
- ねぎ 1本
- しめじ 1パック
- 出汁 600ml
- しょうゆ 大1/2
- 酒 大1
- みりん 小1
- 塩 少々
- 赤ちゃん用ホワイトソース
鍋は取り分けしやすい料理です。出汁で煮た状態で食べさせてもOKですが、赤ちゃん用のホワイトソースを加えると、また違った味に仕上がります。
作り方
- 野菜を小さめにカットし、出汁で煮る。
- 離乳食用のタラ半切れ・白菜・にんじん・しめじを耐熱皿に取り分ける。
- ホワイトソースと和えてからレンジで加熱する。
- 大人用はそのままタラ鍋として、味付けする。
多めに茹でた野菜を取り分けておいて、夜は鍋の取り分け、次の日にクリーム煮すれば、離乳食2回分のメイン料理ができるので楽ちんです!
5.麻婆豆腐&あんかけ豆腐
材料:大人2人分+離乳食1食分
- 豚ひき肉 100g
- 絹ごし豆腐 1/2丁
- 長ネギ 1/2本
- しょうが・にんにく 1片
- 豆板醤 小1
- 酒 大1
- 砂糖 大1/2
- 味噌 大1
- しょうゆ 大1/2
- 中華スープの素 大1/2
- 水 1/2カップ
- 水溶き片栗粉 適量
- 赤ちゃん用の出汁
赤ちゃんは、しょうがやにんにくなどの刺激物は食べられませんし、豆板醬などの辛味香辛料は絶対にNGですが、豆腐やひき肉は食べられますので、似た見た目の料理を作ることは可能です。
作り方
- 豆腐を一口サイズに切り、長ネギ・生姜・にんにくはみじん切りにする。
- 離乳食用に白菜や人参などの野菜を追加でカットしてOK。
- 赤ちゃん向けの出汁に離乳食用の野菜類と豚ひき肉大さじ1程度を入れて柔らかくなるまで煮込む。
- 豆腐を入れて、ひと煮立ちさせ、水溶き片栗粉を入れてとろみをつければ、離乳食は完成。
- 大人用はフライパンに油を入れ、生姜・にんにく、豚ひき肉を入れ、調味料で味付け。
- 最後に豆腐を入れて、水溶き片栗粉を入れれば完成。
取り分けしやすい料理
- 味噌汁・スープ
- 鍋
- 豚汁
- 肉じゃが
- ラタトゥイユ
- ミネストローネ
- うどん
- カレー・シチュー
(赤ちゃん用のルウもあり)
汁物や煮込み系の料理は、取り分けしやすいものが多く、具沢山にしやすいので栄養バランスもとりやすいです。お肉は鶏ひき肉やももなど、脂身の少ない部分を使いましょう。
離乳食への取り分けで食事が楽しくなる!
コツさえ覚えてしまえば、取り分けは簡単です!
取り分けができるようになれば、大人も赤ちゃんも一緒に食事タイムを楽しみやすくなります。離乳食作りの負担が減れば、家事の負担も少しは軽減されるはず。ぜひチャレンジしてみてください!