離乳食にいちごはいつから食べられる?
離乳食にいちごはいったいいつから食べることが出来るのでしょうか?イチゴなら赤ちゃんも喜んでくれそうと思っても、あまり早いうちからあげたら果実アレルギーになってしまうんじゃないか、赤ちゃんにあげるには酸味が強すぎるんじゃないかなど、心配な点もあります。
しかし、実は、いちごは赤ちゃんの成長にも嬉しい栄養素がたくさん含まれていて、離乳食にもおすすめな食材なんです。
離乳食にいちご、いつからOK?
いちごは、実は離乳食として月齢に合わせて調理してあげれば、離乳食がスタートする生後5、6ヶ月のごっくん期から食べさせてあげられます。
いちごに果物アレルギーの心配は?
離乳食を始めたママにとって、食べ物アレルギーには非常に敏感になっていることかと思います。
食べ物アレルギーとは、特定の食材を口にしたときに体にアレルギー反応が起きることで、特に多くの人に出やすく、重篤な症状になる可能性がある食品を食品衛生法で「特定原材料」として食品に表示するよう定められています。また、表示が推奨されている「特定原材料に準ずるもの20品目」の中には果物のバナナやりんごなど、離乳食にあげやすい果物も含まれています。(注1)
特定原材料7品目
たまご(うずらや鶏)、小麦、牛乳および乳製品、えび、かに、そば、落花生
特定原材料に準ずる20品目
あわび、いか、いくら、さけ、さば
オレンジ、キウイフルーツ、りんご、桃、バナナ
牛肉、豚肉、鶏肉(およびゼラチン)
大豆、ごまカシューナッツ、くるみ
まつたけ、山芋
いちごは、この20品目の中には指定されておらず、アレルギーは出にくい果物ですが、全員がまったくアレルギーが出ないというわけではなく、体質によって口の周りに多少の湿疹が出来たり、口の中、周りがイガイガするなどの口腔アレルギー症候群が起きることもあります。また、花粉症を持っている人がいちごやりんごなどの果物を口にした際、口腔アレルギー症がでることがありますが、この場合花粉症由来のアレルギーであることが考えられます。
もしそういった症状が出た場合は、いずれの場合もアレルギーの専門医を受診したほうが良いでしょう。
赤ちゃんに初めてイチゴをたべさせるときは平日の昼間
イチゴだけに限らず、赤ちゃんがはじめて口にする食材を使ったメニュー与えるときは、万が一のことを考えて赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ与えていくようにします。
いちごも同様に初めは1匙ずつ様子を見てあげるようにしてください。
特にパパママきょうだいにアレルギー持ちの人がいるなど心配なとき、アレルギー症状が出てしまってもすぐに病院を受診できるよう「平日の昼間」に食べさせて様子を見るというのも重要です。
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離乳食の時期に合わせたおすすめのいちごの食べさせ方
いちごには、赤ちゃんの成長にも嬉しいビタミンCが豊富な食材ですが、いちごのビタミンCは熱に弱く水溶性のため、加熱したりへたを取って水洗いをすると、ビタミンCが壊れてしまったり切り口から流れ出てしまいます。
そのため、いちごはへたを取らずに水洗いをして、加熱調理せずに生のままで与えるのが一番!離乳食は赤ちゃんの成長に合わせ必要に応じて食材を食べやすく調理してあげる必要がありますが、いちごはそのままでもフルーティーで食べやすい果物なので、加熱せずに与えられるようになってからはぜひ生のままで食べさせてあげましょう。
離乳食の初期、中期、後期別にいちごをどの時期にどうやって与えたらいいのか、かわいくて美味しいおすすめレシピとともにご紹介します。
離乳食初期(5、6ヶ月)ゴックン期のいちごレシピ
離乳食が始まる生後5、6ヶ月のことをゴックン期と呼びます。この間は離乳食で栄養を取るというよりは、食べるということに慣らす期間。10倍がゆに慣れてきたら、人参や白身魚も1さじづつ増やしていきます。食材に味付けなどはせず素材のおいしさそのままで食べさせてあげるようにしましょう。
また、この時期は口の中で食べ物をすりつぶしたりはできないため、離乳食をそのままごっくんと飲み込むだけになります。なめらかでのどごしが良くないとなかなか飲み込めない赤ちゃんも。
茶こしでぷつぷつと繊維を取り除いてあげましょう
離乳食の食材がある程度多岐にわたってきたらイチゴに挑戦してみるのも良いですが、いちごのぷつぷつはのどごしに影響するだけでなく、離乳食初期の赤ちゃんにとっては消化しにくいので取り除いてあげましょう。繊維も残るとのどにひっかかるので裏ごししてなめらかにしてあげてくださいね。
いちごをよくすりつぶし茶こしを使って裏ごしするなら、ぷつぷつも繊維も一気に取り除くことができます。
ちなみにいちごのぷつぷつは種ではなく「実」で、正確にはいちごは野菜に分類されます。お間違えなく!
アレルギー対策にもなるので、初期は加熱して与えると良い
いちごに含まれているビタミンCは熱に弱いため、加熱すると本来の栄養素を失ってしまいます。いちごを離乳食で食べさせる場合は生のいちごを食べやすくしてあげるのが一番なのですが、加熱しない果物は加熱したものと比べてアレルギー症状を引き起こす可能性は高くなります。
また、離乳食の初期のうちは栄養摂取が目的ではなく、「食べること」「ミルクやおっぱい以外の食材に慣れること」が目的。栄養補給はミルクや母乳がメインですので、現時点では安全に美味しく食べさせてあげることを優先してあげましょう。特に初期のうちは最初は加熱して食べさせてあげると安心です。
ごっくん期におすすめレシピ とろとろいちごの作り方
- いちごのへたはつけたまま水洗いをする
- いちごのへたをとり、へた付近の取り赤くない部分も切り落とす
- いちごを小鍋で軟らかく煮ます。レンジで加熱してもOK!
- 細かく刻んで、すり鉢やスプーン・フォークでつぶす
- こし器でこす
ワンポイント
イチゴは加熱することで酸味がとんで甘味が増しますが、濾したいちごとろとろ(要するにいちご液)は、ミルクと混ぜてあげるとなおいっそう食べやすくなります。慣れたらもちろん加熱なしでもOK。いちごを潰すときは、「いちごスプーン」が便利!ですが、今はあまり見かけません・・・。
ひと手間加えて冷凍保存
赤ちゃんの食べる量は限られているため、いちごをパパ・ママが食べないのであれば、いちごはつぶしてペースト状にしてから小分け冷凍すると離乳食にも使いやすくなります。冷凍いちごペーストは一週間以内に使い切るようにしましょう。
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離乳食中期(7、8ヶ月)もぐもぐ期のいちごレシピ
赤ちゃんが離乳食にも慣れ始め、柔らかく煮た食材ならすりつぶしや裏ごしをしなくても赤ちゃん自身の舌や歯茎で食材をつぶしてモグモグ食べられるようになってくる時期です。
日が経つにつれ細かめのみじん切りやマッシュ野菜なども食べられるようになってきます。固さの目安は、指でつまむとラクにつぶせる絹ごし豆腐の柔らかさがお手本!
口をもぐもぐせずに飲み込もうとしたり、吐き出したりするときは食材が固すぎるのかもしれません。もう少し柔らかく食べられるよう形状やかたさを見直し調整してあげましょう。離乳食中期になると食べられる食材もぐんと増えてくるので、いちごと一緒に他の食材も合わせて食べさせたり、離乳食の色どりもぐんと鮮やかでママも赤ちゃんも楽しくなりますね。
もぐもぐ期におすすめレシピその1 いちごとバナナヨーグルト
材料…いちご1個、バナナ3分の1個、赤ちゃんヨーグルト大さじ1
- いちごはへたがついたまま水洗いし、バナナはレンジで加熱しておく
- イチゴのへたをとりバナナと一緒にざく切りにしてスプーンなどでなめらかになるまでつぶす
- ヨーグルトを加え、よくまぜる
ワンポイント
いちごのぷつぷつは赤ちゃんがいやがらなければそのままでもOK。ペースト状にしたいちごと切ったバナナを一緒にフリージングしておけば、手軽に食卓に出せます♪ヨーグルトは1パックが小ぶりの赤ちゃん用が衛生面でも安心ですしムダがありません。
もぐもぐ期におすすめレシピその2 いちご豆腐
材料…いちご1個、絹ごし豆腐大さじ2、粉ミルク適量
- いちごはへたがついたまま水洗いし、つぶしておく
- 豆腐をレンジで加熱する
- 豆腐につぶしたいちご&粉ミルクを混ぜ、全体的になめらかになるまでつぶしながら混ぜます
ワンポイント
いちご豆腐は酸っぱいヨーグルトに比べて味がまろやか。ミルクが入っていちごの酸味が苦手な赤ちゃんでも食べやすいかも?
離乳食後期(9ヶ月から11ヶ月)カミカミ期のいちごレシピ
離乳食後期はいよいよ離乳食の回数も1日3回に増え、栄養のメインがミルクから離乳食へと変わるタイミングですね。カミカミ期に入ると、まだまだつぶす力は弱くとも今まで以上に口を動かして食べるようになりますが、食材を急に固くすると食べ物を丸呑みしてしまう癖がついてしまうので、しっかりと口を動かしてモグモグ食べている様子を確認しながら柔らかさの調整をしてあげましょう。
食材の固さの目安は、力を入れるとつぶれるバナナくらいの柔らかさがお手本です。
チャレンジ食材のレパートリーがぐっと広がるので、大人の料理を味付けする前に小分けしてあげられるようになりますし、いろいろな形のものを食べることは噛む力を育むことにもつながります。
ですが、反面で赤ちゃんの好き嫌いが出てくることも。なかなか食べない食材は好きな食材と組み合わせてあげたり、のどごしが良くないパサパサした食材にはとろみをつけてあげるなどといった工夫を加えていろいろな食材に慣れ親しませてあげましょう。
おススメの離乳食レシピ いちごのフレンチトースト
手づかみ食べもできるので、早くも食べ物を自分でつかみたがる子におすすめレシピです。
材料…いちご3個、食パン1枚、牛乳40mL、バター少量
- いちごは洗って角切りにしておく
- パンの耳を落とし、2枚にスライスして角切りにしたいちごを挟む
- いちごを挟んだパンを2つに切って牛乳に浸す
- バターを溶かしたフライパンで、両面に焼き目がつくくらい焼く
ワンポイント
パンはひたひたに浸してあげると食べやすい!お好みで牛乳液に卵黄を溶くと栄養価が上がります!
いちごが嫌いな子には1番甘い部分を与えてみよう
大人とっては甘酸っぱくて美味しいいちごですが、子供にとっては酸っぱさのほうが勝ってしまうのか、あまり好んで食べない子もいます。いちごはへた側のほうが酸味が強く、とんがっているほうが甘みが強いので、へた側3分の1ほどを落として食べさせてみては?へた側はパパママがいただきましょう。
また離乳食初期なら、つぶしたいちごに粉ミルクを混ぜてあげたりしても食べやすくなりますが、加熱をしても甘みが引き立ち美味しくいただけます。蒸しパンにしてあげたりジャムにするなど生以外の食べ方に加工してあげると食べてくれることもありますよ。
知ってる?いちごは栄養たっぷり&赤ちゃんにもおすすめ食材です!
いちごはビタミンCなど赤ちゃんの成長に必要な栄養素がたくさん入っているうえに、甘くフルーティーでパクパクと食べられて、風邪気味のときやお疲れモードのときにも無理なく効率的に栄養を摂取できるいちご。
バナナやリンゴなどの他の離乳食に使われる果物に比べてアレルギーも出にくいので、離乳食初期から赤ちゃんに食べさせてあげられます。赤ちゃんの離乳食にも積極的に取り入れていきたいいちごの栄養をチェックしてみましょう。
レモンよりも効果的に摂取可能な「ビタミンC」
いちごはレモンを食べるよりも効率的にビタミンCを摂取できるといわれるほど、ビタミンCを豊富に含んでいます。
ビタミンは、三大栄養素である炭水化物、たんぱく質、脂質を体内でうまく働くように手助けをして体の調子を整える役割をしてくれます。その中でも美肌効果でよく知られるビタミンCは、その他にも免疫力を高めたり他の栄養素と協力して血液をサラサラにしてくれる効果を持ち風邪予防や疲労回復の鍵としても知られますが、赤ちゃんの成長にも必要不可欠な栄養素なのです。
ビタミンCは代謝されやすく、たくさん摂ったとしてもほとんどがおしっこと一緒に体外に排出されてしまいます。極端な過剰接種をしない限り問題となることはほとんどなく、食べ物からたくさん摂取できるのならどんどん取りたい栄養素です。
胃腸に優しい「ペクチン」
ペクチンは親水性の多糖類ですが、ヒトの体内では食物繊維に似た働きをするため、腸内環境を整える役割があります。体の中で水分を吸ってどろどろの状態になったペクチンは、胃や腸をゆっくりと通過していきます。
便に適度な水分を取り込むためにはペクチンが含まれたいちごはもってこいの食材!つまり、便秘がちな赤ちゃんの離乳食にいちごを取り入れるなら、お通じ改善効果も期待できます。
赤ちゃんの歯のケアにおすすめの「キシリトール」
いちごには歯磨き粉や虫歯ケアでもよく耳にする「キシリトール」がたくさん含まれています。
キシリトールは唾液の分泌を促し歯の再石灰化を促すだけでなく、ミュータンス菌の活動も阻害する働きを持つことが、甘味料なのに虫歯ケアによく利用されている理由です。
乳歯はエナメル質が薄く虫歯になりやすいので、歯が生えた手の赤ちゃんの虫歯予防の観点からもいちごは嬉しい食材ですね。
ですが、いちごにはキシリトールだけでなく果糖という糖分もがっちり含まれているので、いちごを食べたらきちんと歯磨きの必要がないというわけではないので注意してくださいね。
栄養がたくさんで、子供が好きなイチゴを離乳食に取り入れよう
甘くて美味しいいちごは、見た目も可愛くて赤ちゃんの興味を引く食材です。甘さとほのかな酸っぱさのあるいちごは、赤ちゃんの成長に不可欠な栄養がたっぷりで毎日でも食べさせてあげたいですね。離乳食にいちごを取り入れるなら赤ちゃんの味覚も発達させてくれるかも?離乳食の彩りもぐんと広がる苺の季節は積極的に活用していきましょう!
参考文献