離乳食にトマト!栄養満点レシピで赤ちゃんの成長をサポート
離乳食にトマトは取り入れやすく、もっとも使う頻度が高い野菜の一種といっても良いでしょう!1さじのおかゆからスタートする離乳食はおかゆの味に慣れてきたら、ビタミン・ミネラルを含む野菜に移行します。トマトは栄養満点で加熱によって甘味を増し、食事の彩りを良くしてくれる離乳食の超優秀食材なのです!
離乳食のトマトは初期後半から、皮と種を取り除いて使おう!
離乳食のトマトは、おかゆの味に慣れてきた初期の後半から使うことができます。ただし離乳食では、皮と種を取り除き、加熱して与えることが基本です。
普通サイズのトマト、ミニトマト、離乳食にはどちらでもOK。離乳食に使う量や、家族の食事の都合に合わせて使い分けてみてはどうでしょうか。また、食塩や添加物が入っていないトマトジュースやトマトピューレも使うことができます。スープやシチューを作るときに利用すると、お手軽です。
トマトは離乳食におすすめ?トマトの成分・栄養価
トマトには、風邪や美肌に効果的なビタミンC、血管や肌を健康に保つビタミンE、体内の塩分量を調節するカリウム、腸を健康に保つ食物繊維などが豊富に含まれています。中でも注目したいのが、トマトの栄養の特徴ともいえる「リコピン」です。リコピンはトマトの赤い色素ですが、どんなはたらきをしてくれるのでしょうか。
トマトには健康増進効果の高いリコピンがたっぷり!
リコピンには、次のような効果があることが明らかになっています。
リコピンの効果
・抗酸化作用があり、がんや生活習慣病を予防する
・花粉症やハウスダストなどのアレルギー症状を改善する
・シミやしわの原因となるメラニンの生成を抑える
生活習慣病やシミは、赤ちゃんとは関係のないことのようにも思えます。ですが、リコピンが体を健康に保つために大切な栄養素であることには変わりありません。小さなころから好き嫌いなくバランスのよい栄養を摂ることは、丈夫な体を作る第一歩といえます。
リコピンは加熱に強いので、離乳食でも摂取可能!
トマトが赤ければ赤いほどたくさん含まれているリコピン。リコピンは熱に強く、油と炒めると吸収率が高くなります。また、生で食べるよりも、缶詰やトマトジュース、トマトピューレなどの加工品で摂取したほうが、体への吸収率のよいのだそうです。
生をサラダで食べるだけではなく、加熱したり、加工食品を使ったり、さまざまに工夫して離乳食や日々の食事に取り入れていきましょう。
かゆみを引き起こすヒスタミンも含まれているが心配いらない!
トマトには、ヒスタミンという成分が多く含まれています。
ヒスタミンは、かゆみを引き起こす作用がある物質で実はトマトだけではなくほうれん草や肉、魚類、お醤油など様々な食品に含まれています。
トマトをわしづかみにして食べたり、お醤油が肌に触れたりした部分が赤くなった、少し痒くなった…このような現象は、ヒスタミンの仕業。「食物アレルギー!?」と心配になりますが、特にアトピーやアレルギー体質の方は体調によりじんましんが出ることもあるものの、トマトなどの仮性アレルゲンは食物アレルギーとは区別されています。
離乳食に使うときはヒスタミンの多く含有された食品の摂り過ぎには注意し、離乳食に取り入れるときは少量から始め、様子を見ながら与えるようにすれば心配ありません。むしろ、食品や調理方法によっては色々な健康効果も期待できるので、基本的にはあれダメこれダメと言わずにバランスよく積極的に取り入れていきましょう。
離乳食にトマトを使うときの下準備
トマトの皮と種は、赤ちゃんにとっては消化がよくないので、離乳食では皮をむき、種を取り除いて使いましょう。
【つるん】トマトの皮をむく3つの方法【てろん】
トマトソースを作る際などに、大玉トマトを湯むきした経験がある方もいると思いますが、離乳食では中玉トマトやミニトマトをよく使います。熱湯やガスコンロ、レンジを使って簡単につるんと皮を剥く方法をご紹介します。
1.熱湯を使ってむくトマトの「湯むき」の方法
熱湯を使ってむく方法を「湯むき」といいます。するりと簡単に皮がむけます。
湯むきの手順
1.トマトをよく洗い、底の部分に包丁で十字の切り込みを入れる。
2.ヘタの部分を切り落とし、フォークを刺す。
3.フォークを持って、トマトを熱湯につける。
4.切り込みを入れた部分の皮がめくれてきたら冷水に取る。
5.さらに皮がめくれてきたら、冷水から上げて手で皮をむく。
2.ガスコンロを使ってむく方法
湯むきの手順の1、2までは同じです。3で熱湯につける代わりに、ガスコンロの火であぶります。皮がめくれてきたら、冷水につけてください。
3.電子レンジを使ってむく方法
湯向きの手順2でヘタを取ったら、そのままヘタを下にして耐熱皿に置きます。ラップをかけて電子レンジで30秒ほど加熱したら冷水につけ、めくれてきた皮をむきます。
ミニトマトの皮をむくときには爪楊枝が便利!
ミニトマトはヘタのところが汚れていることが多いので、注意して洗いましょう。
ミニトマトの皮のむき方
1.トマトをよく水洗いする。
2.ヘタを取り、おしりの方に楊子を刺して穴を開ける。
3.2を熱湯に浸して、しばらく置く。
4.取り出して冷水に浸す。
5.冷水から取り出したら、穴の開いた方を上にし、指で中身を押し出すようにする。
トマトの種も忘れず取りのぞいて初期(5か月・6ヶ月)はピューレ・ペーストに!
皮をむいたトマトを縦半分か1/4に切り、スプーンを使って種を取り出しましょう。その後、月齢に合わせた大きさに細かく切って使います。初期の赤ちゃんの場合は、みじん切りにしたものを裏ごししたり、すり鉢でなめらかにしたり、フードプロセッサーでピューレ状にしたりして使います。
トマトは製氷皿に入れて冷凍保存したものをストック
種を取って細かく切ったトマトやピューレ状にしたトマトは、冷凍保存することができます。製氷皿を使ってキューブ状に冷凍したものをストックしておきましょう。
トマトの栄養たっぷり!簡単おいしい離乳食レシピ
トマトを使った簡単でおいしい離乳食レシピを初期(5か月・6ヶ月)、中期(7ヶ月・8カ月)、後期(9ヶ月~11ヶ月)、完了期(1歳~)に分けてご紹介しますので、ぜひ作ってみてください。
離乳食初期(5ヶ月~6ヶ月)のレシピ
初期の離乳食では、ミニトマト(プチトマト)が活躍します。生のまま食べる印象の強いミニトマトですが、加熱すると青臭さが抑えられ甘さが増すので食べやすくなります。
ミニトマトで楽々!トマトトッピングのおかゆ
- ミニトマト1個の皮をむいて種を取る。(ミニトマトの皮のむき方を参照してください)
- 1をみじん切りにしてから裏ごしする。(すり鉢ですりつぶしてもOKです)
- 10倍がゆに小さじ1の裏ごしトマトをのせ、ラップをして電子レンジで15秒加熱する。
★アドバイス★
初期に使うトマトは少量なので、ミニトマトを使うと便利です。初めてのトマトは、おかゆに混ぜると彩りもきれいですし、赤ちゃんも食べやすいのではないでしょうか。10倍がゆを、絹豆腐20gをすりつぶしたものにしてもよいでしょう。
酸味なしで食べやすい!しらすのトマトスープあえ
- しらす5gをゆでて、みじん切りにする。
- ミニトマトの皮をむいて種を取り、みじん切りにする。
- 2を野菜スープ50ccで煮てから、1を加えてひと煮立ちさせる。
- 火を止めて3をすりつぶす。
★アドバイス★
スープで煮ると、トマトの酸味がやわらぎます。暑い季節にも、さっぱりとのどを通る一品です。
離乳食中期(7ヶ月~8カ月)のレシピ
中期は食べられる食材が増えますが、トマトは野菜や果物、豆腐や肉、白身魚などとも合います。赤ちゃんの好きなミルクとまぜてもOKです。
まろやかトマトミルクのパンがゆ
- トマト15gの皮と種を取り除き、みじん切りにする。
- 野菜スープ80ccに、1と食パン(ミミを除く)15g分を細かくちぎって入れ、弱火で煮る。
- 赤ちゃんが食べやすいように粗くすりつぶし、粉ミルクを好みで混ぜる。
★アドバイス★
ミルクをプラスするとまろやかな味になりますが、混ぜなくてもかまいません。赤ちゃんの好みに合わせてどうぞ。
離乳食の進みが悪い日にもOK!トマトとリンゴのミックスゼリー
- 食塩が入っていないトマトジュース200ccを中火にかける。
- 温まったら、赤ちゃん用のリンゴジュース100ccを加える。
- 沸騰したら火を止め、粉ゼラチン5gをよく混ぜる。
- 型に流し、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。
★アドバイス★
トマトジュースを使ったレシピです。ひんやりつるんと食べられるので、食欲がないときや風邪をひいたときなどにも、おすすめです。
離乳食後期(9ヶ月~11ヶ月)のレシピ
トマトには旨味成分であるグルタミン酸が多く含まれているので、全卵やツナなどやはり旨味が多い食品と一緒にまぜると、調味料による味付けがほとんど必要なくなります。
炒めたトマトと卵は相性抜群!トマたま炒め
- トマト20gの皮と種を取り除き、小さめに切る。
- フライパンに油少々を熱し、溶き卵1/3個分を炒める。
- 2に火が通ったら、1と野菜スープ大さじ2を加える。
- 3にふたをして、弱火で蒸しながら火を通す。
★アドバイス★
トマトと卵の相性は、抜群です。弱火で蒸すと卵がふんわり仕上がるので、赤ちゃんにも食べやすくなります。
ツナの出汁で食べ応えあり!トマト煮込み
- トマト20gの皮と種を取り除き、小さく切る。
- 野菜スープ大さじ3に、1と水煮のツナ15gを入れ弱火で煮る。
★アドバイス★
柔らかくゆでたマカロニをプラスしたり、おかゆに混ぜてリゾット風にしたりと、使い勝手のいい一品です。レパートリーに加えると重宝なので、ぜひ。
離乳食完了期(12ヶ月~18ヶ月)のレシピ
トマト皮は意外に噛み切れないことが多く、口の中に残ってしまいがちですので、赤ちゃんのお口の成長具合を確認しながら与えることが大切です。1歳を過ぎてから少しずつ種や皮を取り除かないで与えてみて、しっかり奥歯でモグモグできているかを確認しましょう。
取り分けもOK!トマトとささみのチーズ焼き
- 鶏のささみ20gに片栗粉をまぶして、ゆでる。
- 1を小さく切る。
- トマト30gの皮と種を取り除き、小さく切る。
- 耐熱容器に2と3を入れ、ピザ用チーズ少々をちらし、オーブントースターでこんがり焼く。
★アドバイス★
パンにもごはんにも合うおかずです。ささみに片栗粉をまぶすと、食べやすくなります。
味付けなしでもおいしい!トマト味パスタ
- スパゲティ15本分を柔らかくゆでて、2~3cmの長さに切る。
- トマト半分の皮と種を取り除き、細かく切る。
- タマネギ1/10個をみじん切りにする。
- 2と3をオリーブオイル少々で炒め、トマトの水分がなくなってきたら1をあえる。
★アドバイス★
シンプルなトマト味パスタです。トマトのうま味とタマネギの甘味で、味つけをしなくてもおいしい! ちなみに、トマトのうま味成分は、昆布のうま味成分と同じグルタミン酸です。
離乳食で生のトマトはいつから食べさせていい?
生食のトマトはいつから食べられるか、本や先輩ママによって言うことは様々ですが、種と皮と取り除き細かく刻めば生後8ヶ月~9ヶ月頃、離乳食中期の終わりから後期にかけてモグモグと食べられる赤ちゃんが多いでしょう。
しかし、消化の負担を考えると、生のトマトを与えれば食べられるけれどオススメではありません。与えるとしても生の場合は少量のみとして、歯がしっかり生えてくる1歳までは生野菜は控え、加熱したものを与えた方がよいでしょう。
真っ赤なトマトで離乳食に栄養と彩りを添えてあげましょう
加熱すると甘味が増して、生とは違った味わいで楽しめるトマト。リコピンをはじめとした栄養も豊富ですし、トマト料理が一品あると食卓が華やぎます。ミニから大玉までサイズもたくさん出ているので、赤ちゃんが食べる量に合わせて使い分けていきましょう。赤ちゃんがトマト大好きになってくれますように!