赤ちゃんが「かわいそう」と言われやすい状況
赤ちゃんを見て「かわいそう」と言ってくる人の中には、ほんとうに取るに足らないことで「かわいそう」と言います。決してママが悪い訳ではなく、何をしていても言われる可能性があるということです。
赤ちゃんが「かわいそう」と言われやすい状況をご説明しますが、どれも赤ちゃんと生活していれば珍しくないことばかりです。そんなことで、いちいちかわいそうと言われていたら、ママが子育てをできなくなってしまいます。
泣いているとき|赤ちゃんは泣くのが仕事です
泣いている赤ちゃんを見て、思わず「泣いて、かわいそう」と言う大人は結構います。確かに泣いているというその一場面だけを見ると、かわいそうと言ってしまう気持ちもわからなくはないですが、赤ちゃんは必ずしも悲しいから泣いている訳ではありません。
まだ言葉を話せない赤ちゃんにとって泣くということは、赤ちゃんの意思表示の1つです。赤ちゃんが泣くことで、ママは、「お腹が空いたかな?」・「暑いかな?寒いかな?」・「眠たいかな?」と赤ちゃんの様子を伺います。
風邪をひいたとき|病気を繰り返し、丈夫になります
赤ちゃんが風邪を引いて鼻水を垂らしているのも、かわいそうと言われやすい状況です。
赤ちゃんが健康で居てくれるのが1番ですが、時には風邪を引くこともあります。お母さんの健康管理が悪い訳でもないのに、「かわいそう」と言われると、責められているような気持ちになってしまいます。
湿疹が出ているとき|肌質なので仕方ありません
赤ちゃんの顔に湿疹が出ているのを見て、「痒そうで、かわいそう」と声をかけてくる人がいます。
確かに赤ちゃんの顔に湿疹が出て赤くなっているのをみるとかわいそうですが、一時的な乳児湿疹のこともあります。
また、生まれつきアトピー体質の赤ちゃんもおり、そうした子の親御さんは日々ケアに悩んでいることでしょう。
ママにはどうしようもない赤ちゃんの湿疹をまるでママが悪いかのように、「かわいそう」と言われてしまうと気分がよくありません。
保育園に行くとき|愛情は一緒にいる時間では測れません
赤ちゃんを保育園に通わせるのも、「かわいそう」の標的になりやすいです。
赤ちゃん保育園に通わせるのを知った身内やたまたま出会った人に「小さい時から保育園なんてかわいそうに」と言われるケースは非常に多いです。
2014年の総務省の調査では、共働き世帯は専業主婦世帯の約2倍です。保育園に預けて働くワーキングマザーは非常に多く、今後も増加していくのは間違いありません。
しかし、特に年配の方の中には、保育園に対する偏見があり、「3歳までは家庭で育てるべき」という3歳児神話を信じている方もいます。
予防接種をしたとき|病気になる方がかわいそうです
予防接種をした赤ちゃんを見て、「痛くて、かわいそう」と思わず言ってしまう人もいます。
確かに、予防接種を打つ時に赤ちゃんは痛くて泣くことが多いですが、予防接種をしないで重い病気にかかる方がよっぽどかわいそうです。
外食しているとき|子連れでのおでかけは当然OKです
赤ちゃんを連れて外食していると、周りの人から「こんな所につれてきてかわいそうに」と言われたことありませんが?言われた方としては、「たまの外食ぐらいいいでしょ!」と言いたくなりますし、余計なお世話です。
子育てに追われているママにとって、赤ちゃんを連れての外食は息抜きになります。赤ちゃん連れOKのお店で食事をしていて、赤ちゃんが大泣きするなどして迷惑をかけている訳でないなら、堂々としておきましょう。
抱っこ紐やスリングを使っているとき|育児グッズは日々進化中
現代では育児用品も発達し、低月齢のうちから縦抱きにできる抱っこ紐やスリングなどの育児グッズが充実しています。
しかし、そうした育児グッズの存在を知らない人にとっては、「あんなに小さいのに縦抱っこなんて首に悪い!」「布の中にいられて赤ちゃんは窮屈に違いない」と勘違いしていることがあります。
赤ちゃんを心配するゆえの「かわいそう」ではあるので、あまり邪見にもしたくありませんが、説明しても理解しようとしない方には閉口することも多いでしょう。
暑い中・寒い中外出しているとき|各家庭に事情があります
暑い時や寒い時に赤ちゃんを連れて外出していると、「暑いのに(寒いのに)かわいそう」と声をかけられることがあります。
別にママも外出したくて外出している訳でなく、赤ちゃんの予防接種や健診など、様々な用事があります。状況を知らないのに、何でもひとまとめにかわいそうと言われると困ってしまいます。
電車に乗っているとき|移動できません
赤ちゃんを連れて電車に乗っていると、「電車に乗せられて、かわいそう」と話しかけられる場合があります。確かに、満員電車の中に赤ちゃんを乗せていては、狭くて赤ちゃんもかわいそうですし、周りにも迷惑になります。
ただ、空いた時間に乗せているなら、そっとして欲しいものです。赤ちゃんの中には、知らない人に話しかけるとビックリして泣いてしまうこともあります。電車の中で泣いてしまうと、周囲に迷惑になるのでママとしても困ってしまいます。
薄着・厚着させているとき|赤ちゃんと大人の体温は違います
赤ちゃんが薄着だと「寒そうでかわいそう」、厚着をしていると「沢山着せてかわいそう」と言われることがあります。
赤ちゃんは、新生児の時を除けば大人より1枚ほど薄着をしているものです。また、寒いときにも、厚手のものではなく、薄手のものを重ねて着せる方が温度により枚数を調節できるので良いとされています。
赤ちゃんが暑がっているか寒がっているかということは、ママが一番よくわかるはずですから、周りの声を気にしすぎないようにしましょう。
ミルクを飲ませているとき|粉ミルクは栄養価が高く、メリットも多いです
赤ちゃんがミルクを飲んでいるのを見て、「ママのおっぱいを飲ましてもらえないなんて、かわいそう」と言われると、ママはとても傷ついてしまうことでしょう。最近の粉ミルクは成分がとてもすぐれています。他人の言うことは、あまり気にせず堂々とミルク育児をしてください。
持病や体質、ライフスタイルにより母乳育児を選択しなかったのかもしれませんし、混合育児で外出先のみミルクを飲ませているのかもしれません。ミルクを飲ませているその一瞬しか見ていないのに、「可哀想」と言ってくるのは本当にビックリです。
離乳食を食べさせているとき|赤ちゃんにとってはご馳走です
離乳食を食べている赤ちゃんの姿を見て、「赤ちゃんだけ違うもの食べさせて、かわいそう」と言われることがあります。特に義両親や実親などにこの手の人がいると、厄介です。
「少しだけならいいでしょ?」と赤ちゃんに自分の料理を取り分けようとしたり、中には口の中でかみ砕いたものを与えようとする人もいます。
味のない離乳食を赤ちゃんに食べさせてかわいそうと言っているのでしょうが、離乳食は素材の味を教えるものです。大人用の料理は味つけも濃いですし、食べさせたことのない食材が入っている場合はアレルギーのリスクもあります。当然口移しは、虫歯菌やピロリ菌感染のリスクがあるのでNGです。
赤ちゃんにかわいそうと言う人の心理
赤ちゃんを見るとつい「赤ちゃんがかわいそうに」と言う人には、年配の女性が多く、『可哀想婆さん』と呼ばれています。
可哀想婆さんは、多くの場合、悪意を持って赤ちゃんに「かわいそう」と言っているのではありません。では、なぜ「かわいそう」という言葉を使ってしまうのでしょうか。
現代の育児方法への無理解
「自分のときは、離乳食は口でかみ砕いて与えた」など、可哀相婆さんには子供を育てあげた自信や当時の育児方法への信頼があります。
そのため、現代の育児方法に従うママが神経質に見えたり、育児における便利グッズに違和感を覚えることもあるようです。
アドバイスしたいという気持ちの裏返し
赤ちゃんを頑張って育てているママに、何か声をかけてあげたい、アドバイスをしてあげたいという気持ちから、「かわいそう」という言葉がつい出てしまう場合もあります。
ただ、「かわいそう」と言われて方は決して良い気持ちはしません。そのことを可哀想婆さんも気付いて、もっと別の言葉で話しかけてもらえるとママの気分も違ってきます。
1 2