キッズウィークとは?

キッズウィークとは?2018年開始!あなたは賛成・反対?

キッズウィークとはなにか、目的やいつから開始するのか、賛成派・反対派の意見をもとに、メリットとデメリットをまとめました。夏休みなど子供の長期学校休業日を分散化させるキッズウィーク。2018年からの開始が決定しましたが、何月に休みが増えるのか、地域ごとの年間スケジュールも予想します。

キッズウィークとは?2018年開始!あなたは賛成・反対?

キッズウィークとは?2018年開始!あなたは賛成or反対?

2017年7月18日、首相官邸にて、安倍総理大臣や関係省庁の大臣、教育や経済の有識者がそろい、『大人と子供が向き合い休み方改革を進めるための「キッズウィーク」総合推進会議』の第1回が開催されました(注1)。

ですが、キッズウィークとはどのような制度なのか、「キッズ」とついているのだから子供に関係する制度であることは推測できても、詳細はまだまだ周知されているとは言い難い状況です。

キッズウィークとはなにか、いつから始まるのか、メリットやデメリットをまとめました。

※本記事は、政府等から新たな発表があり次第、随時更新していきます。
最終更新日:2017年9月11日

キッズウィークとは?

キッズウィークとは、夏休みや冬休みなどの学校の長期休業日を分散化し、都道府県や市町村などの地域別に、他の月にまとまった休み(連休)を作り出す取り組みです。政府は、小・中・高の公立校では義務化、私立校には協力を求める方針を示しています。

例えば、東京都の夏休みは、7月20日頃~8月31日までの計40日間というのが一般的ですが、この夏休みを5日間短縮し、35日間の夏季休業とします。代わりに、この5日間分の学校休業日を11月5日~9日に移すと、計9日間の長期休業ができます。

キッズウィークで夏休み8月後半を11月に移した場合

ここまで大型の連休にしなくても、8月31日を始業式とし、夏休みを1日短縮。10月第月曜日の体育の日(祝日・ハッピーマンデー)とあわせて、10月に4連休を作ることも可能です。

キッズウィークで夏休みの最終日を10月のハッピーマンデーにくっつけた場合

ただし、キッズウィークは、新たな祝日を作り出すのではなく、あくまで本来の学校休業日を別の期間に充て、分散化を図るもの。休みが増えるわけではありませんので、この点は誤解しないようしましょう。

キッズウィークの目的・政府の狙いは?

子供の長期休みを分散化させるキッズウィークは、子供がいる家庭には当然影響を及ぼしますが、それだけにとどまらず、経済面や日本人の働き方にも影響を与えます。

キッズウィークの目的をまとました。

教育改革:家庭や地域社会で過ごす時間を増やす

政府はキッズウィークによる新たな連休の創出により、「大人と子供が一緒に過ごす時間を確保する」という目的を掲げています。

キッズウィークにより新たに作り出された連休中は、旅行やスポーツ、地域社会との交流などの活動を充実させるのが望ましく、キッズウィークにあわせて父親や母親などの保護者も休みを取得し、子供と一緒に過ごすというのがキッズウィークの基本方針です(注2)。

ちなみに、2017年6月1日に行われた教育再生実行会議の資料にも、『家庭・地域の教育力の向上』の欄に「キッズウィーク(仮)」という言葉は登場しています(注3)。

休み方革命:有給休暇の取得率を向上

キッズウィークの大きな目的の1つは、有給休暇の取得の促進です。
キッズウィークにより、地域ごとに設定される新たな休みは、本来なら平日にあたり、多くの保護者は仕事をしている日です。つまり、子供と一緒に過ごそうと思ったら、有給を取得する必要があります。

政府は、経済団体や企業に、学校休業日に合わせた休暇取得を強く要請し、有給休暇取得率70%の達成を目指すとしています(注4)。日本は2016年の有給休暇の取得率は約48.7%のため(注5)、約20%のアップです。実は民間会社の調査では、日本の有給休暇取得率は、世界28国の中で2016年に最下位を記録するほど低い水準です。

安倍晋三首相は、推進会議の開催にあたり、「キッズウィークは働き方革命と表裏一体の、いわば休み方革命の推進」と述べています(注6)。

経済成長:旅行やレジャーによる「消費の活性化」

大型連休があると家族での旅行に行きやすくなる

当然のことながら、キッズウィークには消費の活性化も狙いとして存在します。特に、観光や旅行業への影響が期待されます。

国土交通省が発表している平成28年のお盆期間の「高速道路の交通状況ランキング」によると、渋滞損失時間の合計は、1,041万人・時間(注7)。10キロを超える渋滞も珍しくありません。

政府は、キッズウィークの導入により、観光需要の平準化を図り、地域社会の活性化や雇用拡大に繋げたいと考えているのです。

キッズウィークはいつから始まる?

キッズウィークは、平成30年度、つまり2018年4月からの実施を目指しており、2017年9月8日の教育再生会議により、学校教育施行令の一部を改正する政令が決定されました。今後、自治体への周知を勧め、経済団体とも連携していくことが予想されます。

2018年の夏休みを一部短縮し、その日数分が他の月に割り当てられる地域も登場するでしょう。

キッズウィーク賛成派の意見・考えられるメリット

キッズウィークに賛成する人の意見やメリットをまとめました。
メリットの多くは、設置の目的とほぼ共通しています。

長期休暇の分散による、渋滞や観光地の混雑緩和

日本の代表的な長期休暇といえば、お盆休みとお正月休みです。その他、G.W.などが代表的ですが、こうした期間は、どこへ行っても人で溢れかえっています。

キッズウィークが導入されれば、混雑を避けて、帰省や旅行などに出かけることも可能です。航空運賃や宿泊費も抑えられるでしょう。

有給がとりやすくなり、子供と過ごす時間が増える

政府がキッズウィーク導入の目的に掲げている通り、キッズウィークが有給休暇の取得を後押しし、子供と余暇活動を楽しめるのなら、親子で充実した時間が過ごせます。買い物や旅行などのレジャーに行けば、消費喚起にも繋がるはずです。

しかし、詳しくはデメリットで述べますが、こうした恩恵を受け取れるのは、一部の家庭だけという指摘も多く聞かれます。

キッズウィーク反対派の意見・起こりうるデメリット

現段階では、キッズウィークは反対する人の声が目立っています。その理由をご紹介します。

キッズウィークだからといって簡単に有給はとれない

キッズウィークだろうが有給を取れるとはかぎりません

日本の有給消化率は、約50%というのが現状。人員不足などもあり、「休みたくても休めない!」という声は少なくありません。政府は、企業にも協力を求めると言っていますが、どこまで効果があるかは疑問が残ります。
また、病院や介護施設など、一度に多くの人の有給休暇取得が難しい職種は数多く存在します。

保護者が有給を取得できない場合、結局、子供たちは保育園や預かり保育、学童などに通うことになります。もし、そうした預かり先も休みになってしまう場合は、親子での時間の創出どころか、かえって負担増にもなりかねません。

「子供のいる・いないに関わらず、だれでも有給休暇をとりやすい環境を作る方が先」「政府に本当にしてほしいのは、そうした職場環境を改善するための働き掛け」といった声は数多く聞かれます。

非正規雇用は収入減につながる

パートタイマーや派遣社員など、時給で給料が計算される非正規雇用の場合、有給休暇が付与される条件にない人も少なくありません。キッズウィークに子供の預け先がないと、こうした保護者は仕事を休まなくてはならず、収入減に繋がってしまいます。

また、例え有給があったとしても、子供の行事や体調不良のために、とっておきたいという考えの人もいるでしょう。

サービス業は逆に忙しくなる

日曜・祝日など、多くの人が買い物や旅行に出かける時ほどサービス業の人たちは忙しく仕事をこなさなくてはなりません。キッズウィークにより、閑散期と混雑期のバランスをとり、観光需要の平準化を図りたいと政府は掲げていますが、働いている人たちの負担は避けられません。

子供のいない世帯への負担増

例え子育て中の人が休めたとしても、その分のしわ寄せが子供がいない人にいってしまう状態は健全とはいえません。子供がいない人は「好きなタイミングで有給休暇を取得して良い」としても、キッズウィークに一度に大量の人が有給休暇を取得すると、仕事の負担が増してしまう可能性もあります。

生活リズムが乱れ、学校現場が混乱する

子供も大人も、大型連休の後は、やはり生活リズムを戻すのに苦労するものです。特に、子供は夏休みの後は、気持ちの切り替えも大変であり、学校の先生方は苦労すると言います。

夏休みが終わった後に、またキッズウィークとなると、現場の教員の負担は増してしまいます。学校行事の準備などにも支障が出るのでは?という指摘も聞かれます。

キッズウィークは本当に実現する?学校制度や海外の状況

「キッズウィークは本当に実現するの?」と怪訝な気持ちを抱いている方もいるでしょう。
確かに、保護者の有給取得などのハードルなど、労働環境の改善や社会全体への周知など、課題は数多く存在しています。

しかし、学校制度や海外の状況をみると、キッズウィークはそこまで奇異な取り組みという訳でもありません。

夏休みや冬休みの期間は、全国一律のものではない

夏休み・冬休みは全国一律ではない

ご存知の方も多いと思いますが、小・中・高の夏休みが40日間で8月末までというのは、全国一律のものではありません。北海道や東北の一部地域では、夏休みは7月25日前後に始まり、8月半ばまでの25日間。その代わり、冬休みも25日間あるのが一般的です。

また、現在ではあまり見られなくなりましたが、長野県の豪雪地帯では、冬休みは短く、2月頃に1週間~10日ほどの寒中休みをとる学校もありました。

学校休業日は教育委員会や市町村が定める権利がある

義務教育では、国によって年間の最低授業時間数が定められています。しかし、学校休業日をいつ設けるかに関しては、各都道府県の教育委員会や市町村の意向によって、変更が可能です(注8)。

本来、夏休みや冬休みなどの長期休業の目的とは、暑さによる勉強への支障や悪天候による通学困難さけるため、更に遡ると農業など家業の都合を考慮した結果として設けられたものです。そのため、休業日の設定に関しては、地域差が重視されてきたという背景があります。

そのため、キッズウィークにより、長期休業の時期に地域差を作るのは、歴史的にも制度的にも難しくはないのです。

学校休業日を独自に設けている地域も存在

現在も、教育委員会や市町村によって、地域で独自の休業日を設けている例は存在します。

例えば、東京都渋谷区の小中学校では、10月第2週月曜日(ハッピーマンデー)の体育の日と合わせて、10月に秋休みとして5日間の秋季休業日を設定しています。二学期制のため、この連休明けが後期始業式にあたります。その代わり、夏休みは8月29日までです(注9)。

本来の夏休み2日間分を秋休みにあてているともとれますので、キッズウィークの実践例といっても良いのではないでしょうか。

外国では、長期休みの分散化はよく見られる現象

ドイツやフランスなどのヨーロッパ諸国でも、子供の長期休みの分散化は、珍しくないものです。フランスでは、国を3つに分割し、1週間ずつずらしながら冬休みや春休みを設定し、渋滞や混雑の緩和を図っています。

ただし、フランスは労働者は1年に1度12連休以上の有給休暇をとることが義務化されています。そのため、子育て世帯は、子供の休みに合わせて有給休暇を取るのが社会全体として当たり前なのです。また、学校の休暇中は、サービス業も同様に休むことも珍しくありません。

政府の資料でも、『フランスの学校休業日の分散化』を例に挙げていますが、日本とフランスでは、そもそもの価値観や社会構造が違うという点は無視できません。

キッズウィーク導入後の年間スケジュールを予想

キッズウィークで長期休みを分散する場合、何月頃を連休とする地域が多いのか、予想してみました。

夏休みが40日間ある地域の場合は、夏休みの短縮が有力

キッズウィークは、夏休み・冬休み・春休みなど、短縮する長期休暇は限定されていません。しかし、本州など、やはり現在7月~8月末にかけて夏休みを40日間設けている地域では、夏休みを短縮する可能性が最も高いと思われます。

8月の夏休みが減ると暑い時期に授業を受けなければいけなくなる

ただし、あまり夏休みを短縮しすぎると、残暑が厳しいなか授業を行う必要が出てきてしまいますので、慎重な実施が求められるでしょう。

北海道などは、各長期休みから1~2日を短縮

北海道や東北地方など、夏休み・冬休みが25日ずつある地方は、どの長期休暇を短縮し、分散化するというのは非常に悩ましい問題です。

北海道とはいえ、最近は8月半ば猛暑日となる地方もありますし、また、ただでさえ夏が短い北海道の休みを短縮すると、かえって子供たちの自然体験を奪うことにもなりかねません。しかし、雪国ゆえに、冬休みを短縮するというのも、リスクが伴います。

北海道・東北で冬休みが減ると子供たちの自然体験を奪う可能性も…

キッズウィークを導入する場合は、夏休み、冬休み、春休みをそれぞれ1日ずつ減らすなど、本州とは違った方針をとるべきでしょう。

キッズウィークは何月に設けるべき?

現在の日本の暦や祝日を考えると、有力なのは6月と10月です。
6月は、前月5月にGWがあるものの、12ヶ月のうち祝日が1日も存在しません。
また、10月というのは秋休みとしてもちょうどいいですし、既に東京都渋谷区の導入例もあり、二学期制の学校なら、メリットも多いというのがその理由です。

4月:上旬は春休み、下旬よりG.W.開始
5月:G.W.
6月:祝日が存在しない
7月:夏休み開始
8月:夏休み終了
9月:シルバーウィーク
10月:祝日1日のみ(体育の日・ハッピーマンデー)
11月:祝日あり(文化の日、勤労感謝の日)
12月:祝日あり(天皇誕生日)冬休み開始(年末年始休業)
1月:冬休み終了
2月:祝日あり(建国記念の日)※1ヶ月が短い
3月:春休み開始

柔軟な働き方・休み方が求められてはいるけれど…

キッズウィークは現状では反対の意見も多く、実現されるかどうかは今後の議論を見守る必要があるでしょう。実現における最大の問題は学校制度ではなく、労働環境であり、日本人の働き方や休み方は、今後も変化していくことが予想されます。

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