赤ちゃんの成長過程ずりばいってなに?始まる時期や怪我対策
ずりばいは、赤ちゃんの首が座り、寝返りやお座りができるようになった次のステップです。「ハイハイ」は知っているけど、「ずりばい」は馴染みがない言葉なのでよくわからない…という人もいるでしょう。
実はずりばいは成長過程に大切な運動のひとつ。手足をしっかり動かすことで、筋肉や脳の発達に良い影響があると言われます。パパやママが知っておきたい、ずりばいの概要、ずりばいが始まる時期やメリット、赤ちゃんの怪我対策をご紹介します。
「ずりばい」は「ハイハイ」の前段階
ずりばいは、寝返りができるようになってからハイハイが始まるまでの1〜2ヶ月間行われます。うつぶせの状態でお腹を床につけたまま、腕や足をつかって体を引きずるようにはって進みます。ほふく前進のような格好を想像してもらえるとわかりやすいでしょう。
ずりばいは、ハイハイや一人歩きを始めるための筋力トレーニングも兼ねており、赤ちゃんの成長に欠かせない運動のひとつです。
今までお座りだけだった赤ちゃんが前や後ろに進めるようになり、赤ちゃんの行動範囲も一気に広がります。
ずりばいが始まる時期は7〜8ヶ月!メリットもある
- 7ヶ月の赤ちゃんの発育・心身の成長とおすすめの遊び
7ヶ月の赤ちゃんの発達の様子やお世話の仕方について気になっているママに役立つ情報をまとめています。身体と心の発達、離乳食の進め方、夜泣き対策や発達を促す遊びとおもちゃ、絵本について解説しています。
赤ちゃんは生後7〜8ヶ月になるとずりばいが始まります。
最初は後ろの方向へ這って進む子も多いのでびっくりすることもあるでしょう。赤ちゃんはお座りするときに、前に倒れないように腕で支えるため、足よりも腕の筋肉が発達しています。
そのため足で蹴る力よりも腕の力が勝るため、後ろの方向へ進むのです。
ずりばいが上手になってくると腕や足の使い方を自分で学習して自然に前に進めるようになるので、安心して見守ってあげましょう。
その他にも、両腕を前に出して進んだり、片足だけで床を蹴って進んだり、ずりばいのスタイルは赤ちゃんによって個人差があります。上体を起こして肘をついた「ひじばい」の状態で前や後ろに這って進むこともあります。
赤ちゃんは慣れないながらも、頑張って前後へ体を進めようとします。一生懸命腕や足を使うことで、筋肉や脳の発達が促されるなど、ずりばいによるメリットもあります。
ずりばいは筋肉が鍛えられる
赤ちゃんは足や胸、背中などの筋肉を使ってずりばいをします。体幹も鍛えられ、筋肉の発達に役立ちます。この動きはハイハイや一人歩きなど、次のステップに向けた筋力トレーニングも兼ねています。
さらに、しっかりと体を動かして運動することで筋肉がバランスよく発達し、大きくなってから姿勢がよくなったり、転びにくくなったりすると言われています。
ずりばいは脳の発達にいい影響がある
ずりばいは手や足の指を活発に動かすことで、今まで使っていなかった脳の部分に刺激が届きます。この刺激は知性や運動能力に影響するので、脳の発達にとって大切な運動です。
O脚や外反母趾の防止
ずりばいをしないと内股になり、親指もねじれた状態で育ってしまうことがあります。ずりばいで親指をしっかり使うことによって、大きくなってからO脚や外反母趾になりづらくなります。
ずりばいが始まったらお部屋の環境を整えてケガ防止!
ずりばいが始まると赤ちゃんの行動範囲が一気に広がるので、ケガの心配も増えますね。赤ちゃんはリスクを予想して行動できないので、あちこちで頭をぶつけたり、いろんなものを口に入れてしまう危険性があります。
大きな怪我や病気を避けるためにも、ずりばいが始まったらお部屋の環境を整えてあげてください。
ずりばいをはじめたら床にクッションマットを敷く
ずりばいの時期の赤ちゃんはバランスを崩すことが多く、スムーズにずりばいをしていても、ふとした瞬間に重い頭を床にゴツンとぶつけてしまうことがあります。さらにフローリングは冷たくなる上に、硬くて滑りやすいので赤ちゃんには適さない素材です。フローリングの家庭は頭をぶつけたときの刺激を少なくするために、床にクッションマットを敷いてあげましょう。
頭をぶつけるリスクを取り除き、安心してずりばいをしている姿を見守ることで、赤ちゃんの自発心を育ててあげましょう。。
こまめな掃除でずりばい中の誤飲を防ぐ
赤ちゃんは何でも口に入れてしまうので、ずりばいをしながら落ちているホコリを食べてしまったり、小さなメイク道具やボタン電池などを誤飲したりと、トラブルの原因になることもあります。
ガラスの破片で怪我をしてしまったり、上の子供の食べこぼしを拾って食べてしまう危険性も考えられます。
赤ちゃんは視線が低いので、大人が気づかなかったものを見つけて誤飲してしまうことがあります。ずりばいを始めて赤ちゃんが自分で移動できるようになったら、こまめに掃除をして、床にゴミがない状態をキープしましょう。
ずりばいで行動範囲が広がるので家具の配置を考えよう
ずりばいに慣れた赤ちゃんは一気に行動範囲が広がります。少し目を離したすきに、赤ちゃんが予想以上に進むことがあるので、家具の角に頭をぶつけてしまったり、低い位置の引き出しを開けたり、床に置いてある雑貨に手を伸ばしてしまったり…などドキリとする瞬間が出てきます。
家具の角に貼れるコーナークッションやコンセントカバー、引き出しストッパーなど赤ちゃんのケガを防止する便利グッズが販売されているので、ずりばいが始まったタイミングで、一度部屋の中の家具の安全性を見直して、ケガのない環境を整えてください。
- 赤ちゃんがハイハイするのはいつ?お家の安全対策&練習方法
赤ちゃんがハイハイを始める時期には個人差があるものですが、我が子がいつまでもハイハイしないと少し心配になりますね。赤ちゃんがハイハイを開始する平均時期、赤ちゃんの気持ちを応援する練習方法やお部屋の安全対策をご紹介。
ずりばいスタート時期が早い・遅い…大丈夫?
ずりばいを始める時期は赤ちゃんによって差があります。基本の月齢よりも早すぎたり遅すぎたりすると、ついつい「うちの子の成長は大丈夫?」と心配してしまいます。ずりばいのスタート時期が早い・遅い赤ちゃんのお悩みを解消します。
生後9ヶ月…まだずりばいをしない!原因は?
一般的な成長過程は、ずりばいからハイハイ、つかまり立ちという段階を踏みます。しかし成長に決まったルールはなく、ずりばいをしないままハイハイやつかまり立ちを始める子もいます。
必ずみんながずりばいをするわけではないので、ずりばいを始めなくても心配しすぎる必要はありません。
ずりばいをしない原因は性格や部屋の環境など様々なことが考えられますが、代表的な3点をご紹介します。
ずりばいをしないシャフリングベビー
お座りをしたままおしりを床から浮かせて前方へズリズリ動き、足を使う運動をしない子を「シャフリングベビー」や「いざりっこちゃん」と言います。
生後6ヶ月〜1歳頃になってもハイハイが始まらないので、心配になってしまうこともあります。ゆっくり成長しているだけのことが多く、シャグリングベビーからずりばいやハイハイを飛び越して、いきなり立つようになる赤ちゃんもいます。。赤ちゃんの体重が重くてずりばいできない!?
赤ちゃんの体重がずりばいを始める時期に影響することもあります。腕の力で体を引っ張ったり、足でキックする力で体を前に押し出したりするのは、体重の重い赤ちゃんにはとても大変です。
10ヶ月頃までにつかまり立ちや伝い歩きができれば問題ないので、長い目で様子を見ましょう。
ずりばい・ハイハイしない子は促すべき?
ずりばいやハイハイが始まらなくても、赤ちゃんの成長スピードには個人差があるので心配しすぎる必要はありません。
スキンシップやコミュニケーションのひとつとして、ずりばいやハイハイの練習をすることはおすすめです。無理やり促すと赤ちゃんが嫌がってしまうので、パパやママも楽しみながら行うことがポイントです。
生後4ヶ月でずりばい!早すぎるのはダメ?
生後7〜8ヶ月頃にずりばいを始める赤ちゃんが多いですが、中には生後4ヶ月頃にスタートする特急スピードの赤ちゃんもいます。
発達のステップが早すぎて戸惑ってしまうこともあるでしょう。小さな体で前へ動こうとする姿は、あまりにたどたどしくて体への負担が気になったり、周りの人から心配されることもあるでしょう。しかし発達には個人差があるため、ずりばいのスタート時期が早すぎても問題はありません。
無理のないずりばいのおすすめ練習方法
ずりばいの練習を開始する目安は、寝返りができるようになってからです。うつぶせの状態で手足をばたつかせるようになったら、早速練習をしてみましょう!ずりばいを行うコツを教えてあげることと、「ずりばいをやってみたい!」という積極的な心を育てることがポイントです。
- 赤ちゃんのずりばいはメリットだらけ!楽しく練習するコツ
赤ちゃんがずりばいをする時期、片足を引きずる・後ろに進むなどずりばいへの疑問・不安を解説し、遅い子・しない子に楽しく練習してもらう方法も紹介。ハイハイ前のずりばいには、多くのメリットがありますよ!
ずりばいの教え方&練習方法
生後9ヶ月を過ぎてもずりばいを始める気配がなくて心配なときは、ずりばいを練習をしてみましょう。「「赤ちゃんに練習させる!?」「ずりばいって自然にできるようになるんじゃないの!?」と疑問に思う人もいるでしょう。
もちろん放っても、おいてもいつかはずりばいやハイハイができるようになりますが、ずりばいは、赤ちゃんが生まれて初めて自分の力で前後に移動する運動なので、方法がわからないだけの子もいます。
練習といってもスパルタな方法ではないので、遊びやコミュニケーションのひとつとして捉え、パパやママも一緒に楽しみながら優しくサポートしてあげてください。
1.ずりばいの基本!うつぶせに慣れる
現代はフローリングのご家庭が多く、赤ちゃんを床でゴロゴロさせることが少なくなっているので、うつぶせや寝返りの経験をあまりしない赤ちゃんもいます。
しかし、ずりばいの基本はうつぶせです。うつぶせでしっかり筋肉が付いているとずりばいに移行しやすいので、1ヶ月健診が終わった頃から赤ちゃんの機嫌がいいときに、時々うつぶせの状態にさせるようにしましょう。
うつぶせの練習方法は、仰向けの状態で片方の手で首と肩を持ち、もう片方の手でお腹を支えながら、体をひねってしまわないようにゆっくりと動かしてあげます。最初は10秒程度うつぶせの状態をキープするところから始め、少しずつ時間や回数を増やします。
回数を重ねると、ただ横を向いて寝転がっていただけの赤ちゃんが、だんだんと頭を持ち上げようと頑張りを見せてくれるようになります。
うつぶせにしたまま放っておくと窒息する危険があるので、必ず見守りながら行うように気をつけましょう。
2.ママやパパがずりばいのお手本を見せる
赤ちゃんは、目で見たものを真似する習性があります。パパやママが赤ちゃんの横に寝っ転がり、隣でずりばいのお手本を見せると、じっと観察して動きを覚えるようになります。
最初は両手、両腕を使って移動する様子を見せ、徐々に片方ずつ腕や足を動かすようにします。大人が笑顔で楽しそうにずりばいをしていると、赤ちゃんも「自分もやってみたい!」という意欲が湧いてきます。
3.赤ちゃんの足裏を手で支えてあげる
赤ちゃんがうつぶせの状態で足をキックするような動作を見せたら、赤ちゃんの足裏を持って床につけるような格好を取り、床を蹴るお手伝いをしてあげましょう。床をキックすることで前進する感覚をつかめるようになります。
床を蹴る動作がまだでない赤ちゃんには、大きめの箱などを足裏に当てて、キックすることで前に進めるという感覚を教えてあげます。
4.赤ちゃんの目線の先におもちゃを置く
手が届きそうで届かない位置にお気に入りのおもちゃを置いて「このおもちゃで遊ぼうね〜」と声がけしてあげると、赤ちゃんは「おもちゃを取りたい!」という意欲が湧き、体を一生懸命動かして前に進もうとします。
パパやママも腹ばいになり、同じ目の高さで赤ちゃんを呼んであげると効果倍増です。
最初はうまく進めないため、長時間放っておくと思い通りにいかないので赤ちゃんが泣き出してしまうこともあります。数分頑張ったらパパやママの方から近づいてあげるようにしましょう。
番外編:赤ちゃん自身にずりばいの達成感を!
「これをしたい」と思ったことが実際にできたとき、大人からかけてもらう褒め言葉よりも、赤ちゃんが身をもって感じる達成感の方がその後の意欲につながります。
赤ちゃんが充実感をたくさん感じられるように、床にマットを敷く、頭をぶつけそうなものは移動するなど、赤ちゃんが安心、安全な環境でずりばいに挑戦できるよう身の回りを整えてあげてください。
赤ちゃんがこけそうになったときには、先回りして手や口を出すのではなく、見守ってあげることを意識してください。
ずりばいができたら拍手やハグをしてあげると「ずりばいをするとみんなが喜んでくれる」とインプットされてもう一回してみよう!という気持ちが湧いてきます。
みんなで注目してあげることも効果的です。モノではなく態度でごぼうびをあげましょう。
ずりばいの時期は赤ちゃんによってそれぞれ!成長を優しく見守って!
赤ちゃんがなかなかずりばいを始めなくても焦る必要はありません。お部屋の環境を整えたり明るく声をかけながら一緒に練習をすることで、優しくサポートしてあげましょう。
赤ちゃんの成長を楽しみながら、ゆったりした気持ちで赤ちゃんの成長を見守ってあげることが大切です。