赤ちゃんのお昼寝は大切です!月齢別のお昼寝時間&回数
赤ちゃんのお昼寝は成長や発達のために欠かせないものでありますが、お昼寝をさせすぎると夜の寝かしつけに影響が出て、昼夜逆転生活になってしまう事態を招くこともあります。
日中にお昼寝がうまくできるかどうかは、寝ぐずりや夜泣きにも関係しますので、赤ちゃんに規則正しい生活を送ってもらい、育児を楽にするためにもポイントを押さえておきましょう。
赤ちゃんの睡眠メカニズムについて知り、月齢別のお昼寝時間や回数の目安を解説します。
赤ちゃんの睡眠メカニズム
赤ちゃんの睡眠が大人と同じだと考えると、「どうしてこんなに寝てくれないの?」と疑問に思ってしまうと思います。その疑問は当然のことで、大人と赤ちゃんの睡眠メカニズムは大きく違うのです。
生後間もなく~生後3ヶ月頃の赤ちゃん
そもそも生まれたばかりの赤ちゃんは、昼夜の区別がつきません。実は人間の脳には25時間の体内時計があります。地球での時間と1時間ずれていますが、毎朝日の光を浴びることで体内時計は24時間にリセットされているのです。
生後間もない赤ちゃんは体内時計がまだ未熟なので、3時間おきに泣く・哺乳・眠るを繰り返しているのです。授乳時間や家族の生活リズムを手掛かりに『昼夜の区別』をつけられるようになります。
生後3~4ヶ月に生体リズムが整ってきます
昼夜の区別がついて24時間周期の生活ができるようになると現れる変化を紹介します。
- 朝日を浴びると14~16時間後にメラトニン(眠くなるホルモン)が分泌される。
- 夜になり体温が下がると赤ちゃんの手足の温度が上がり、メラトニンが大量に分泌され眠る。
- 脳が休息し、成長ホルモンが大量に分泌する深い眠り(※ノンレム睡眠)と、身体の調節をしたり夢を見たりする浅い眠り(レム睡眠)が交互に現れる。
- 朝に向かって眠りは浅くなり体温が下がってくる。体温が1日のうち最も低くなり、脳が朝日を感じると目が覚める。
※成長ホルモンが眠りと関連して出てきたり、大人と同じように寝入ってすぐに深いノンレム睡眠が来るのは生後6ヶ月以降からです。
赤ちゃんや幼児が昼寝をする意味
昔から「寝る子は育つ」とよく言われているように、睡眠中に成長ホルモンが分泌されるので睡眠は赤ちゃんにとってとても大切です。
保育園などに通うとお昼寝の時間がありますが、家庭にいたり出かけたりすると「今日はお昼寝できなかったな」「眠くなさそうだしお昼寝はしなくていいかな」と夜のみの睡眠の赤ちゃんもいると思います。
ふと疑問に思ったのが「本当にお昼寝は必要なのか?」ということです。
まずはお昼寝の意味について解説します。
最近子どもの睡眠時間減少が問題になっています。寝起きが悪くなかなか起きられなかったり、夜10時や11時頃まで起きていたりしませんか?『夜型』の生活になってしまったり、夜でも明るい環境を作ってしまうと赤ちゃんが寝る時間を認識できないのです。
睡眠中は成長ホルモンが分泌される貴重な時間です。成長期など、身体が大きくなる時期には睡眠をたっぷり取り、成長ホルモンを沢山分泌させることが成長の秘訣です。
成長ホルモンには起きている間に起きた運動や怪我、疲労などをメンテナンスする働きがあります。そして、体力の回復だけでなく免疫力を高めてくれます。
また、お昼寝をすることによって脳の中で情報の整理がされます。それまでの記憶を悩にしっかり書き込むことができるので、記憶力が高まり、これを繰り返すことによっていろいろなことを覚えていきます。
そのため、小さな赤ちゃんほどお昼寝は必要不可欠になっているのです。
何時間寝かしたらいい?月齢別お昼寝時間の目安と生活リズム
お昼寝が必要だということがわかりましたが、では何時間寝かせればいいのでしょうか。
月齢別に見ていきましょう。
- 赤ちゃんの寝る時間はどれくらい?気になる特徴や傾向
赤ちゃんの寝る時間と発育との関係と気になる月齢別平均睡眠時間など赤ちゃんの眠りに関する悩みを解決します。睡眠時間が遅いと発育への影響はあるの?赤ちゃんの気になる睡眠時間について紹介します。
生後0~1ヶ月頃の新生児の赤ちゃんの平均睡眠時間
1日の睡眠時間:約14~20時間
お昼寝時間:2~3時間毎に寝たり起きたりを繰り返す
生まれたばかりの赤ちゃんは寝る・哺乳・排泄をするシンプルなサイクルを繰り返しています。まだ昼夜の区別がついていないので、一般的には2~3時間おきに目を覚ますといわれています。生活リズムがまだ定まっておらず、よく寝る赤ちゃんやあまり寝ない赤ちゃんもおり睡眠時間には個人差があります。
生後1~3ヶ月の赤ちゃんの平均睡眠時間
1日の睡眠時間:約14~20時間
お昼寝時間/回数:午前1時間・午後2~3時間・夕方1時間程度/1日3回程度
生後3ヶ月頃にかけて少しずつ昼夜の区別がつくようになり、1回の起きている時間が3時間前後とだんだん長くなっていきます。また、哺乳量が増えることで夜中の授乳回数も減り、寝る時間もまとまってきます。3ヶ月頃までの赤ちゃんはレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルが短く浅い眠りの割合が多いため、目を覚ましやすいのが特徴です。
生後4~6ヶ月の赤ちゃんの平均睡眠時間
1日の睡眠時間:約13~16時間
お昼寝時間/回数:午前1時間・午後2~3時間程度/1日2回程度
徐々にお昼寝の回数も定まり、夜はまとまって眠るようになります。生後4ヶ月頃から体内時計が少しずつ発達しはじめ、昼夜の区別がつくようになってきます。朝起きたら朝日を浴びる、お風呂は決まった時間に入る等生活にメリハリをつけてあげましょう。
生後7~12ヶ月の赤ちゃんの平均睡眠時間
1日の睡眠時間:11~14時間
お昼寝時間/回数:午前1時間・午後2時間程度/1日1~2回程度
生後半年を過ぎると生活リズムが整い夜にまとまって寝る時間が長くなります。お昼寝の回数も徐々に3回から2回へと減っていく時期です。メリハリをつける為、昼間はお散歩に行ったり室内での遊びでたっぷり運動させてあげましょう。
赤ちゃんのお昼寝を守るために環境を整えよう
夜寝るときに暗くするのは一般的ですが、赤ちゃんが快適なお昼寝をするにはどのような環境を作ってあげるといいのでしょうか。
必要最低限の条件
赤ちゃんが快適に眠りにつくためにはお腹が満たされていることや、オムツがきれいであることも最低条件となります。月齢に応じた母乳やミルクの量の調整、こまめなオムツ替えを心がけてあげたいですね。
理想的なお昼寝の場所・明るさ
まず、お昼寝環境の理想は静かで木陰くらいの明るさがあるところだそうです。あんまりうるさい環境だと、寝ようにも寝られませんよね。兄弟がいたり、近所の騒音などかあっても、赤ちゃんが音に慣れて不安を感じずに眠れるのであれば問題はないと思います。
昼夜の睡眠の区別をつけるためにも、真っ暗ではなくいつものリビングで、多少の明かりや生活音があってもいいと思います。保育園ではカーテンを閉めるところもあり、薄暗いのも落ち着いていいかもしれません。
赤ちゃんのお昼寝は、日常の中で安心できて不自然な環境でなければどこでも大丈夫ということですね。
お昼寝しやすい温度
大人でも夏の暑い時は寝苦しかったり、寒いと手足が冷えてなかなか寝付けなかったりしますよね。赤ちゃんにも、より快適な室温を作ってあげたいです。室温の目安としては、夏場は26~28度、冬場は20~23度、湿度は60%程度です。
またエアコンの風が直接赤ちゃんに当たらないように注意しましょう。
赤ちゃんにも個人差がありますので、赤ちゃんの汗の状態をみて快適な温度を判断してあげましょう。
お昼寝の寝具はベッド?布団?
ベッドがいいのか布団がいいのか悩む方も多いと思います。赤ちゃんのお昼寝の場所はお母さんの目が届きやすいことが大切です。兄弟やペットがいる場合はベッドにするなど、各家庭の環境に合わせた寝具を選んであげましょう。
また、どこにでも簡単に広げられるお昼寝マットというものもあります。軽くて持ち運びしやすかったり、洗うのが簡単というメリットがあります。お昼寝をしないときにはパパやママが使うことのできる長座布団なども販売されているので、用途によって探してみてくださいね。
うちの子は大丈夫?お昼寝に関する疑問
赤ちゃんのお昼寝に関することは子育て中のママたちにとって悩みの種だったりしませんか?ママもストレスをためないようにしたいですよね。ここではお昼寝に関する様々な疑問を解説していきます。
1歳近くになりお昼寝をしないけど大丈夫?
お昼寝の必要性を見てきましたが、やはり成長の為にもお昼寝は最低1~2時間程度はさせてあげた方がいいと思います。
たいていの赤ちゃんは「勝手に昼寝していた」なんてことはめったにありません。赤ちゃんの頃は昼夜関係なくお昼寝をしていても、1歳を過ぎた頃からお昼寝をさせるのも大変になってきます。
お昼寝をしやすい時間帯はお腹が満たされている午後1時頃がねらい目です。夕方のおやつの後のお昼寝は、夜の睡眠の妨げになるので気を付けましょう。
また、赤ちゃんが眠りやすい環境を整えてあげることも大切です。薄暗く静かな場所で、室温にも気をつけながらお昼寝できるように見守ってあげましょう。
お昼寝からすぐ起きてしまう赤ちゃん
中には「お昼寝を30分しかしてくれない」という赤ちゃんもいるとよく聞きます。赤ちゃんはお昼寝の途中でまだ寝たりない様子なのに、なぜすぐに起きてしまうのでしょうか。お昼寝が短くても、機嫌よく目覚めてその後も機嫌よく過ごしているのなら心配はいりません。
そういう赤ちゃんはお昼寝が短くても大丈夫なんだと受け止めてあげてください。
反対にまだ眠たそうなのにすぐに起きてしまう赤ちゃんは「ママは近くにいるかな」という不安が強いそうです。
ママの存在を確認してからまた眠りにつく…そんな赤ちゃんにはママも一緒にお昼寝をすることをお勧めします。ママもゆっくり休憩する時間を作ってストレスをためないようにしましょう。
指吸いやおしゃぶり、添い乳は直さなくて大丈夫?
赤ちゃんの指吸いは、早い子で新生児の頃からはじまり、遅くとも5歳頃には終わるようです。1歳までの指しゃぶりは全く心配する必要はありません。
2~3歳でも短い時間なら問題はありませんが、長時間指吸いをしていると成長に影響を及ぼすこともあるので、3歳ごろから少しずつ頻度を減らしていくようにしましょう。
また、おしゃぶりも赤ちゃんが泣き止んだり寝つきがよくなる半面デメリットもあります。歯並びが悪くなってしまったり、泣くとすぐにおしゃぶりを与えることで赤ちゃんとのスキンシップも減ってしまいます。
徐々に使用頻度を減らし、2歳半を目安に卒業できるようにしましょう。
最後に添い乳についてですが、赤ちゃんが泣くと添い乳で寝かしつけるママも多いのではないでしょうか。
すんなり寝付いてくれる半面、窒息の危険や虫歯のリスクもあります。できれば毎日同じ時間に寝かしつけたり、お気に入りのぬいぐるみやタオルを持ったり、赤ちゃんとのスキンシップ(トントンしてあげるなど)で添い乳以外の寝かしつけ方法を見つけてあげましょう。
赤ちゃんの寝かしつけがうまくいかない
いろんなものに興味を持ち始めた赤ちゃんは寝かしつけも一苦労ですよね。あかちゃんがスムーズに眠りにつくには入眠儀式が大切です。入眠儀式とは、毎日同じ方法で寝かしつけ、寝る前の合図を作ってあげることです。
同じ子守唄を歌ってあげたり、夜泣き用のアロマオイルを嗅がせてあげるなどの合図を作ることで「今から寝る時間なんだ」と体に覚えてもらいましょう。
お気に入りのタオルやぬいぐるみを持たせてあげるのもおすすめです。筆者の長女と長男は、4歳ごろまでお気に入りのタオルケットを抱きしめて寝ていました。
目が覚めたときにお気に入りのものが目の前にあると、1度目覚めても安心して1人で眠りにつけるようです。
また、ママとのスキンシップが赤ちゃんは大好きです。お腹やお尻をトントンしたり、ぴったりとくっついてあげると赤ちゃんは安心して眠りやすくなります。
寝かしつけに困ったときには色々試してみてくださいね。
抱っこでしか寝てくれない赤ちゃん
寝かしつけで悩むママ達の中には「抱っこしないと寝てくれない」という方もいます。抱っこでの寝かしつけは小さな頃はまだいいですが赤ちゃんが大きくなってくるとママの体力的にも、精神的にも辛くなってきますよね。
そんな赤ちゃんは、抱っこ自体が入眠儀式になっているのかもしれません。先程記載したように、抱っこではなく別の入眠儀式を見つけて徐々に一人で眠りにつけるようにしていきたいですね。
長時間お昼寝をしている赤ちゃん。起こしたほうがいいの?
長時間寝ている赤ちゃんを起こすかどうかは、赤ちゃんの月例によっても変わってきます。
新生児の場合は1日のほとんどを寝て過ごすとはいえ、低血糖や脱水を避けるため3~4時間以上授乳間隔を空けないことが大切です。
この時期は、2~3時間おきに赤ちゃんを起こしてあげましょう。
新生児期を過ぎると、厳密に3~4時間おきの授乳にこだわる必要はありません。1回の授乳でたっぷり飲み、ぐっすり眠っているなら赤ちゃんの睡眠リズムを尊重してあげましょう。
赤ちゃんの体重があまり増えていなかったり、夜泣きや寝ぐずりがある場合は起こしてあげましょう。
お昼寝のしすぎによって夜眠れない場合は昼夜が逆転してしまっているかもしれません。
赤ちゃんに合ったお昼寝時間を見つけてあげましょう。
- 赤ちゃんの睡眠時間の月齢による変化・睡眠時間を伸ばす方法
赤ちゃんの睡眠時間が短いと発育が心配ですし、第一ママだって疲れます。どうしたら赤ちゃんがぐっすり寝てくれるのか、赤ちゃんが寝ない原因と、ぐっすり寝るための生活習慣のポイントについてまとめました。
お昼寝との関係性は?夜泣きの原因と対策
赤ちゃんの睡眠に関する夜泣きに悩むママは多いと思います。抱っこしたりミルクを飲ませたり…でも簡単には泣き止んでくれません。実際筆者も、次女の夜泣きには半年ほど悩まされました。
ママも睡眠不足になり、日中もイライラ…悪循環ですよね。辛い夜泣きの原因と対処法を解説します。
夜泣きとは
夜泣きとは、お腹も空いておらず、オムツも濡れていないのに赤ちゃんが夜中に突然泣き出し、抱っこしてあやしてもなかなか泣き止まないことです。その状況が朝まで続くこともあります。
夜泣きは早い子だと生後3ヶ月頃から始まり、1歳半頃にはおさまります。一般的には生後8ヶ月頃に夜泣きに悩まされるママが多いようです。遅い子だと2歳頃になっても夜泣きする子もいて、時期や期間にも個人差があります。
夜泣きの原因
赤ちゃんの夜泣きの原因ははっきりとはわかっておらず、個人差があるものです。不安だったり、興奮して寝付けない・眠り方がわからないといった不快症状の他に、睡眠サイクルの乱れ、刺激やストレスなどが原因と考えられています。
昼間に眠りすぎたり、逆にお昼寝をしなかったり、夜中に遊び始めたりと睡眠サイクルが乱れてしまうといつまでも生活リズムが整いません。生活リズムを整えることが夜泣き軽減の秘訣のようです。
夜泣きの対処法
赤ちゃんの夜泣きにはどう対処すればいいのでしょうか。赤ちゃんによっても原因はさまざまです。いくつか方法を試しながら対処してみましょう。
- 夜泣きはいつから?みんなが夜泣きに困った時期とメカニズム
赤ちゃんの夜泣きがいつから始まったかを137人ママにリサーチしてみました!体力と精神力を削いでいく日々の激しい夜泣きにお困りのママのために、発達と夜泣きの関係やどうしても泣き止まないときの対策をご紹介。
2~3分何もせず見守る
赤ちゃんは寝言の一つとして泣くこともあります。泣き始めたらまずは2~3分何もせず見守ってみましょう。何事もなかったかのように再び眠りにつくこともあります。
抱っこしてあやす
しばらく泣くようなら、抱っこしてあやしてみましょう。背中をトントンしながらゆっくり揺れてみてください。
ミルクor授乳してみる
哺乳瓶や乳首をくわえると赤ちゃんは安心します。
音を鳴らしてみる
リラックスできる音楽を流してみたり、赤ちゃんが大好きな歌、ビニール袋のカサカサ音を聞かせてみましょう。
また、最近ではスマホのアプリに赤ちゃんの泣き止み音が入ったものもあるので活用してもいいかもしれません。
外の空気を吸わせる
外に出て、夜風にあたってみましょう。抱っこひもやベビーカーでお散歩しても気分転換になりますよ。
ドライブに出かける
車の心地よい揺れが眠りを誘います。
服を脱がせてみる
暑かったり、服の素材が不快症状の原因かもしれません。着替えさせたり赤ちゃんの汗の様子を見て服を脱がせてあげましょう。
ママにとっても辛い夜泣きですが、この時期特有のことだと割り切っていろいろ試しながら乗り切りましょう。
赤ちゃんのお昼寝で大切なこと
お昼寝には、赤ちゃんの学習効果が上がったり、生活リズムが整えられたりといったメリットがたくさんあります。
お昼寝だけでなく朝日を浴びることから1日が始まり、毎日同じ時間に眠りにつくことで体内時計も成長していきます。保育園でもお昼寝をするのにはきちんとした理由があるのですね。
様々なことに興味を持ち始めた赤ちゃんは遊びに夢中でなかなか寝てくれないかもしれません。
お昼寝の必要性をしっかりと知った上で、規則正しい生活を送らせてあげたいですね。