赤ちゃんがつねる原因と対処法

赤ちゃんがつねるのはなぜ?癖になる前にやめさせる方法

赤ちゃんがつねる時は、どう対処するのが正解?赤ちゃんとはいえ、授乳中に容赦なくつねられたり、爪を立てられたりすると、その痛みはかなりのもの。癖になる前にやめさせたいママに向けて、赤ちゃんがつねる理由や月齢による予防策を紹介します。適切な対処法を知って、イライラを抑えましょう。

赤ちゃんがつねるのはなぜ?癖になる前にやめさせる方法

赤ちゃんがつねるのはなぜ?

赤ちゃんがつねるのは悪意からの行為ではないとわかっていても、意外に痛く、腹が立つこともあります。つねられて痛い思いをした経験があるママは多いのではないでしょうか。

特に授乳中、おっぱいを飲みながらつねることが多く、赤ちゃんによっては力が強かったり、爪を立てたりしますから、思わず「痛い!」と大きな声が出ることも。

なぜ赤ちゃんはつねるのか。
赤ちゃんがママの身体をつねる理由、そして癖になる前につねるのをやめさせる方法をご紹介します。

赤ちゃんがつねる6つの理由

赤ちゃんが「つねる」という行動をとるのは、一応意味があります。
また、原始反射など、赤ちゃんの意志とは無関係のものもあります。単に楽しいから、面白いからという理由も含まれますが、赤ちゃんがつねるのはなぜか、見ていきましょう。

1.生後6ヶ月以前の赤ちゃんはつねるのではなくギュッと握る

把握反射で母親の指を握る赤ちゃん

授乳中におっぱいをつねられて痛いという方は多いですが、実はそれは「つねる」という行為ではなく、「把握反射」である可能性も考えられます。

把握反射とは、生まれてすぐから始まって生後6カ月頃に自然になくなる赤ちゃんの原始反射の一つです。手のひらに触れたものを無意識にギュッと握るので、力が強い赤ちゃんや手の位置が悪かった場合はつねられたような痛みを感じることもあるでしょう。

おっぱいが欲しくて、赤ちゃんが手で探っていた時に偶然手にあたった乳首をギュッと握ってしまうこともあります。「つねる」行為ができるのは、一般的には生後7ヶ月以降ですから、それ以前の月齢では故意的につねっているわけではない可能性を視野に入れ、授乳時は赤ちゃんの手の位置を工夫してあげましょう。

把握反射はいつまで見られる?消失しない場合は異常?
把握反射はいつまで見られる?消失しない場合は異常?

2.ママへの「こっち見て」アピール

赤ちゃんは大好きなママの行動をよく見ていて、とても寂しがり屋です。自分はママのことをずっと見ているのに、ママはテレビやスマホに夢中になっていると良い気持ちがしません。

おっぱいを飲んでいるからといって他の事をしていると「ママ!ちゃんと見て!」と言わんばかりにでキュッとつねって意思表示をすることがあります。

ただし、ママに痛い思いをさせようとする意志があるのではなく、「こっち見て!」と気を引くための手段としてつねっているだけですので、その点は誤解しないようにしましょう。

3.「つねる」つもりはなく、ママを触りたいだけ

母親の顔を見つめる赤ちゃん

赤ちゃんはママの肌に触れることで安心感や幸福感を得ることができます。これは「愛情ホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」が分泌されるからです。

赤ちゃんがママの肌に触れるのは無意識ですが、二の腕やおっぱいなどの触り心地が良いところに触れているうちに、ついつい力が入って、つねってしまうのでしょう。

スキンシップで幸せを感じるから

「幸せホルモン」とも言われているオキシトシンは、妊娠や出産、子育てに重要な役割を果たします。

オキシトシンは母乳を分泌させる働きがあり、実は赤ちゃんにおっぱいを吸われたママの脳からもオキシトシンは分泌されています。

オキシトシンは産後うつや育児ノイローゼを予防する効果もあるので、赤ちゃんとのスキンシップやアイコンタクトは産後のママ自身にとっても大きなメリットがあるのです。

4.つねった後のママの反応を楽しんでいる

いきなり赤ちゃんにつねられると、ママも「痛い!」と大きなリアクションをとったり、顔をしかめたりして普段とは違う表情になります。そんなママの態度や表情の変化を見て、「ママの顔が変わった!」と赤ちゃんは面白く感じます。

また、つねられた時に思わず笑ってしまった場合は、それを記憶している可能性もあります。

この場合、赤ちゃんは『つねる=遊びの1種』だと認識してしまっています。放っておくと癖になりますので、早めに対処した方が良いでしょう。

5.もっとおっぱいが飲みたいので、指で押しているつもり

赤ちゃんの手を握り授乳する母親

赤ちゃんは母乳を飲む時に、おっぱいを押すことがあります。これはおっぱいの出をもっと良くしようとしている無意識の行動です。

お腹がペコペコでおっぱいをゴクゴク飲みたい時は、ママのおっぱいを手で押すつもりが、力が入り過ぎてつねってしまう場合もあります。

6.入眠儀式として「つねる」行為が定着してしまった

寝る前にママの乳首をつねる赤ちゃんの場合、もしかしたらそれが「入眠儀式」として定着している可能性があります。入眠儀式とは、寝る前に行うルーティンのようなものです。

赤ちゃんの場合、おっぱいを吸うのは入眠儀式の定番です。他にも、抱っこでゆらゆらしてもらう、背中を規則的に叩いてもらうなど行動で眠りに着く赤ちゃんは多いのですが、中にはママの二の腕や耳たぶなどの体の一部をモミモミしたがる子もいます!

眠りにつく赤ちゃんとスキンシップをとることは悪いことではありません。しかし、寝る前の授乳が入眠儀式として定着した結果、寝ぼけながらついつい力が入り、おっぱいを噛む、強い力で触る(=つねる)など、ママにとっては負担となってしまうケースも見受けられます。

赤ちゃんがつねる時の対処法

いくら赤ちゃんとはいえ、人をつねる癖がついてしまうのは問題です。
放っておくとエスカレートし、たまに会うだけの祖父母やママ友、児童館などでお友達をつねって泣かせてしまっても困ります。本人のためにも、できるだけ早めにやめさせるのが賢明です。
赤ちゃんがつねるのをやめさせるのに、効果が高い方法をまとめました。

つねるのは痛いし遊びではないことを目を見て真剣に伝える

赤ちゃんに抓ったらダメと伝える母親

赤ちゃんがつねったり、爪を立てたりした時は、ママが本当に嫌がっていることを伝えるためにも、赤ちゃんの手を取って、真剣に目を合わせて「つねったらダメ」と伝えましょう。

初めて「ダメ」と言われた時は、何のことを言われているのかわからないかもしれませんが、根気よく続けていくうちに理解できるようになります。

つねることを遊びと思っている赤ちゃんはなかなか手強いですが、負けないように頑張りましょう。

つねる以外のスキンシップ方法を教える

赤ちゃんがつねる時は、まず目を見ながら「ママはつねられると痛いよ」と伝えてから、ハグをしたり、頬をくっつけたりして「こっちの方が良い」という感覚を教えてあげます。

つねった後にすぐ教えてあげることで、赤ちゃんの頭に「ママはこっちの方が楽しそう」という情報がインプットされやすくなります。

赤ちゃんにつねられてもリアクションしない

抓る赤ちゃんに反応を抑える母親

赤ちゃんはわかりやすいリアクションが好きです。つねられた時にママが「痛い~!離して~!」と大げさに騒いだり、叫んだりしているのを見て面白がる場合もあります。

また笑いながら注意をしたり、逆に感情的になって怒ったりすると、つねればママに構ってもらえると勘違いします。

つねられた時も冷静さを保ち、できるだけいつも通りのテンションを保ちましょう。特にリアクション(反応)がないと、つねっても面白くないと赤ちゃんの意識も変わってきます。

つねる赤ちゃんにイライラ…でも、怒ったり、大きな声を出すのはNG

つねられるとイライラして、「どうしてそんなことするの!」と大きな声で叱りたくなることもあるでしょう。

しかし、赤ちゃんに対して怒鳴ったところで、何がどういけなかったのか、怒られる理由を理解していなければ意味がありません。大きな声にビックリして、つねるのを止めることはありますが、本質的にわかっていなないので、恐らくまたつねります。
また、授乳中に怒られた場合は、「おっぱいを飲むのがいけない」と誤解する可能性もあります。

怒るのではなく「諭す」方が赤ちゃんには効果的です。イライラする気持ちを抑えて、根気よくママの気持ちを伝えていきましょう。

もし怒鳴ってしまった場合はごめんねと謝る

つねられた時に条件反射で怒鳴ったり、思わずペシンっと手を叩くようにはらった場合は、目を見て謝りましょう。泣いてしまった場合は抱きしめてあげて、一旦落ち着かせてから「大きな声を出してごめんね」と謝りましょう。その上で、「ママ痛かったから、つい大きな声がでちゃったんだよ」とつねるのは良くないことだと教えてください。

授乳中のときだけつねるならおっぱいの出を良くする

胸をマッサージする女性

もっとゴクゴクおっぱいが飲みたい赤ちゃんは、乳首をくわえながらおっぱいをしぼり出そうとして、つねってしまう場合があります。『授乳中のみ、飲みながらつねる』という時は、母乳の出が悪くなっていることも疑いましょう。

赤ちゃんがつねるのは母乳が足りないサイン

母乳の出に関係するのは、食事や睡眠、ストレス、運動不足などです。忙しくて、しっかりした食事や十分な睡眠をとっていないなど、思い当たることがあれば改善してみましょう。外に出かける運動が難しい場合は、ストレッチなどがおすすめです。

母乳が足りないときに赤ちゃんが出すサインは9つ
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授乳姿勢を時々変えてみよう

乳首の形や乳腺の発達、赤ちゃんの個性によって、快適な授乳姿勢というのは一人ひとり違います。ママにも赤ちゃんにも負担が少ない体勢が見つかれば、赤ちゃんはもちろん、ママのストレスも軽減されるはずです。

授乳姿勢をマスター!赤ちゃんもママも快適な基本の抱き方
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うとうとしながら「つねる」赤ちゃんには他の入眠儀式を試してみよう

赤ちゃんが寝る前の入眠儀式としてつねる場合は、寝かしつけ方法を再検討してみましょう。
寝かしつけ時に添い乳での授乳を行っている場合は、この機会に添い乳を卒業したり、月齢によっては夜間断乳を決断しても良いでしょう。

添い乳のやめ方10選!寝かしつけの授乳を卒業するには?
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子守唄を歌いながら寝かしつける

子守歌を聞くと、赤ちゃんは心拍数が下がり、安心した気持ちで眠りにつけます。
どんな体勢でも子守歌を歌ってあげれば寝るというルーティンが確立されれば、自宅以外での寝かしつけが楽になります。また、子守歌の代わりに、静かなクラシックの曲などを流すという方法もあります。

背中トントンで寝付いてくれると今後も楽

赤ちゃんの背中やお腹をトントンと優しく叩く寝かしつけの定番方法です。背中をトントンされると、赤ちゃんはママのお腹にいた時の心音を思い出し、安心できると言われています。
トントンのペースは赤ちゃんの呼吸に合わせて、叩く場所は背中やお尻辺りが効果的です。

赤ちゃんがつねるのを防ぐ月齢別の予防策

赤ちゃんがつねるのには理由がありますが、そもそも「つねる」という行為は赤ちゃんにとっては成長の証でもあります。

赤ちゃんがつねる行為ができるのは7ヶ月過ぎ!

一般的に、赤ちゃんがママなどをつねるようになるのは、生後7ヶ月頃からです。
それ以前も把握反射によってつねっているように思えることはありますが、赤ちゃんの意思ではありません。

「最近、よくつねるな…」というのは、赤ちゃんが手先が順調に発達している証でもあるのです。

生後1~3ヶ月は「自分の手」を認識する時期

ラトルを掴む赤ちゃん

早い赤ちゃんは2ヶ月くらいで物を握れるようになり、ラトル(ガラガラ)などを振って遊ぶことができるようになります。

自分の意思で手を握ったり、開いたりできるということに気付き、手に興味を持ち始めてジッと見つめたり、口の中に入れたりする仕草も見られます。

授乳中も手が落ち着かないことがあるかもしませんが、そっとしておきましょう。力は強くなく、指先も未発達なので、つねることはできないはずです。

生後4~6ヶ月は手の位置を工夫して「つねる」行為がでないよう予防したい

テーブルの端を掴む赤ちゃんの手

筋肉がついてきて、物を落とさずに握ったままいられるようになります。自分の手ではなく、掴んだものを口に入れて確認するようになります。指先を動かせるようになるので、小さいものは無理ですが大きいものの端っこなら掴めるようになります。

手のひらに触れたものを握る把握反射がまだ見られる赤ちゃんも多いです。つねったように思えても偶然に過ぎませんので、授乳時は手の位置を工夫するなどして予防しましょう。

この頃に、授乳中の赤ちゃんの手の位置を決めおいたり、ママの指を掴むなどの習慣を身に着けておけば、生後7ヶ月以降はつねられる心配が減るでしょう。

生後7~9ヶ月は「つねる」行為がマイブームに!

おしゃぶりを掴もうとする赤ちゃん

手先が器用になりいよいよ「つねる」ことができるようになる時期です。人差し指でつついたり、小さいものでもつまむ動作ができるようになりますので、ママはつねる動作に加えて、爪を立てられたような痛みを感じることもあります。

親の言うことは理解しているので、つねるときは「痛いからやめてね」と伝えていきましょう。
つねる以外の動作、積み木を重ねたり、カチカチと音を鳴らせる遊びなど、他に楽しい手の使い方を教えてあげましょう。

生後10か月以降は「つねる」以外の遊びを教えて!

自分の意思に沿って自由に手を動かせるようになり、離乳食を手で食べたり、お絵かきができるようになります。

親指と人差し指を使って摘まむこともできるので、つねる時もこの2本の指を器用に使います。ただし、手先は器用になりますが、力加減がわからないので、つねるときや爪を立てるときは容赦がないのが悩ましいところです。

スマホやリモコンのボタンを器用に押したり、ピアノの鍵盤やパソコンのキーボードも1つずつ押せるようになります。やはりつねる行為以外に、楽しい指先の使い方を教えてあげるのが1番の予防策です。

赤ちゃんの「つねる」は癖になる前にやめさせよう

赤ちゃんはママが大好きなので、スキンシップのつもりでママをつねっているのかもしれませんが、赤ちゃんとはいえつねられると結構痛く、大きな声を出して感情的になりがちです。もしもつねられて痛い思いをしたら、赤ちゃんの目を見てやさしくダメよと諭してあげてください。繰り返し伝えることで少しずつ落ち着いてくるはずです。