赤ちゃんの睡眠時間、これって短すぎ?長すぎ?
赤ちゃんの睡眠時間は十人十色。
寝る時間が遅く、夜泣きもして、朝も早いというママ泣かせの赤ちゃんもいれば、低月齢なのに朝までぐっすり、という親孝行?赤ちゃんもいます。
赤ちゃんの睡眠時間が短ければ、当然悩んでしまうママは多いものですが、一方であんまり寝すぎる赤ちゃんも心配の種。
赤ちゃんの睡眠時間はどのくらいが一般的なのか、平均と比較して睡眠時間が足りないとき、寝ないときはどうしたらよいかを見ていきましょう!
赤ちゃんの睡眠時間の月齢別目安
赤ちゃんの平均的な睡眠時間について解説します。一般的には、月齢が進むにつれて睡眠時間は短くなり、夜寝る時間が同じだとしても、お昼寝の回数や時間は短くなります。ただし、あくまで平均であり、ひとつの目安ですから、これより短い・長いからといって、気にしすぎることはありません。
お腹の中~新生児期は、平均17時間で寝たり起きたりの繰り返し
産まれる前のお腹の中にいる時期や、生まれたばかりの赤ちゃんは、ねんねのリズムがまだ整っていません。1~2時間ごとに寝たり起きたりを繰り返し、1日のトータルで平均約16~17時間ほどは眠って過ごします。
そう聞くと、生まれたばかりの赤ちゃんは寝てばかりの時期だから、ママも楽なのでは?と思う人もいるかもしれませんが、新生児期の赤ちゃんのお世話は一番睡眠不足になりがちですし時間的にも拘束されがち。1~2時間おきに起こされ、起きている間はほぼ泣いたりミルクを飲んでいたり、何かと目も手も離せない大変な時期です。
1~2ヶ月は、平均15時間で徐々に睡眠時間がまとまってくる時期
1~2ヶ月頃は、新生児期と比較すると少しずつ眠る時間がまとまって、睡眠時間が長くなっていきます。が、新生児期ほどではないにしても、まだ寝たり起きたりの繰り返しです。1日の睡眠時間はトータルで平均約14~15時間ほど。
少しずつ昼夜の区別もついてくるので、夜には日中よりも長い時間寝られるようになる子も増え、新生児期の頃のように3時間おきの授乳を気にし過ぎなくてもよくなります。
3~4ヶ月は、平均14時間で昼夜の区別がさらにはっきりしてくる
この頃になると、赤ちゃんによっては20時頃に就寝してから朝まで寝てくれる子も出てきます。
一方で、まだまだ夜中に何度も目を覚まし、おっぱいがないと眠れない子も。睡眠のリズムに個人差が大きくなる頃ですが、1日の睡眠時間はトータルで平均約13~14時間ほどです。
どちらのケースでも、赤ちゃんの個性に過ぎないので心配はいりません。
朝まで寝てくれない赤ちゃんのママは睡眠不足になりがちなので、昼間は赤ちゃんと一緒に昼寝するようにしましょう。
5~11ヶ月は、平均11~13時間でねんねのリズムが整ってくる
生後半年頃からはもう、1日の中で寝たり起きたりを繰り返すようなことはあまりありません。
就寝時間と起床時間はその子その子のタイミングで徐々に一定になっていきます。お昼寝は、午前と午後、1回ずつ、1日の睡眠時間は平均約11~13時間くらいになります。
月齢が上がってくると、赤ちゃんもだんだんパワーがついてくるので、夜中に起きて遊びだす子もいます。夜中に起きて遊びだす場合は、日中に遊び足りなかったという可能性もあります。
あんよがまだの子の場合は、お外で身体を動かすのが難しいかもしれませんが、しっかりパワーを使えるよう、お家の中で体を使って遊べる工夫をしましょう。ハイハイできるスペースを広く取ったり、追いかけっこなどをして赤ちゃんにたくさん運動をさせましょう。
1歳以降は、平均12時間でお昼寝が昼間1回になる子もいる
1歳を過ぎると、就寝時間・起床時間がほぼ定まり、お昼寝も午前午後1回ずつの計2回から、午前か午後にまとめて1回、1時間~2時間程度の睡眠に変わって行きます。1日の睡眠時間は合計で平均約11~12時間ほどになります。
就寝時間が一定になる赤ちゃんが多い一方、早く寝る日となかなか寝ない日と、就寝時間にムラが出てくる場合があります。雨の日など、赤ちゃんが外出できず、体力を持て余してしまった場合はなかなか寝ないことが多くあります。赤ちゃんに、さらにパワーがついてきた証拠です。
赤ちゃんの睡眠時間に関する気がかりQ&A
特に赤ちゃんの睡眠時間が短い場合は、身体に影響があるのでは?と気になる方も多くいるのではないでしょうか?
赤ちゃんの睡眠時間に関する気がかりをまとめました。
夜寝るのが遅いと成長に影響する?
昼間にたくさんお昼寝をしてしまったり、夜遅く帰ってきたパパと遊んだりして夜の寝る時間が遅くなってしまう赤ちゃんは、珍しくありません。
でも育児書には、赤ちゃんは20時までに就寝するのが理想的、などと書かれている場合もあり、寝る時間帯が遅い赤ちゃんのママは心配になることも多いようです。
よく、成長ホルモンは22時~2時の間に多く分泌されるという説を耳にすることがありますが、専門家によれば、この時間帯には信頼できる根拠はないようです。何が何でもこの時間に寝かせなきゃいけない!など、そこまで神経質になる必要はありません。
成長ホルモンは眠り始めて3時間が最も分泌される
「成長ホルモン」が活発に分泌されるのは、深い眠りに入っている時間帯。
22時~2時の時間帯に限定されず、「眠り始めて3時間」の間に分泌されるのだそうです。ただし、不規則な生活や睡眠不足は、赤ちゃんはもちろん、ママの美容と健康にも大敵です。
赤ちゃんともども、快適な朝の目覚めから元気な一日を過ごすには、できれば「早寝早起き」が望ましいことには違いありません。
睡眠時間が長いと身体にどんな影響があるの?
寝る時刻にはそこまで神経質になる必要はありませんが、成長ホルモンを分泌させるためには睡眠時間はしっかりとっておく必要があります。
睡眠は、骨や筋肉が成長する大切な時間。特に、眠りについてから2~3時間の間に成長ホルモンはたくさん分泌されるので、眠りの浅い傾向がある赤ちゃんはぐっすり寝かせてあげられる環境を整えてあげましょう。
睡眠時間が長いなら、赤ちゃんは特に心配する必要はありませんが、おっぱいが良く出るママは授乳時間が開くことで乳腺炎になってしまう可能性も…。
ちょっとつらいですが、赤ちゃんが夜中にぐっすり眠ってしまう場合は、ママは1回か2回、夜中に起きて軽くおっぱいを絞ると乳腺炎の予防になります。
就寝時間が遅くなった場合はどう対処したら?
成長ホルモンの分泌と就寝時間には明確な因果関係はないとはいえ、赤ちゃんの就寝時間が遅くなるとママはとっても疲れてしまいます…。夜寝る時間が遅いと、朝起きる時間も遅くなってしまうので、これから赤ちゃんを保育園に入れる予定なら困ってしまいますよね。
赤ちゃんの睡眠時間の改善には、朝早く起こすことと、昼寝を早い時間で切り上げることが大切なポイントとなります。最初のころこそ、朝のみならず一日中眠くてぐずってしまうこともあると思いますが、睡眠リズムが整うと楽になるので頑張りましょう。
- 赤ちゃんの寝かしつけ|基本から応用まで7つのテクニック
赤ちゃんの寝かしつけは、コツやテクニックを知っていれば随分楽になります。寝かしつけに悩むママへ、多くの実践例がある効果的な方法をご紹介。安眠に導く下準備や寝かしつけ習慣のメリットにも解説します!
赤ちゃんの睡眠時間が短い原因
赤ちゃんの睡眠時間はさまざまな要因によって左右されます。赤ちゃんの個人差によるところも大きいのですが、赤ちゃんの睡眠時間が短くなってしまう、外的要因としては次のようなことが考えられます。もし思い当たる部分があるのなら、少しずつ改善してみましょう。
室温や寝具が適切でないため、暑くて目が覚めてしまう
だいたいの赤ちゃんは暑がりです。大人にとっての快適な室温は、赤ちゃんにとっては暑いと受け止めましょう。赤ちゃんが睡眠の間、頻繁に起きてしまうようであれば、汗をかいていないか、体幹が熱くなっていないかを確認してあげて。
赤ちゃんの睡眠中の「暑さ」はSIDS(乳幼児突然死症候群)を引き起こすリスク要因でもあります(※原因ではありません)!赤ちゃんに着せる衣類は、新生児以降は大人より1枚少なくするのが基本。掛け布団も薄めのものにしてあげましょう。
暑くて汗をかくと、汗で衣類や布団が濡れ、その不快さから起きてしまうこともあります。敷きパッドは通気性がよい、吸汗・冷感素材のものがおすすめです。
- 乳幼児突然死症候群(SIDS)リスクから赤ちゃんを守るには
乳幼児突然死症候群(SIDS)とは赤ちゃんが睡眠時に突然呼吸停止してしまうことを指します。なぜSIDSが起こるのか、発症率を上げる要因と下げる要因から予防や対策を考え赤ちゃんをSIDSから守りましょう。
お腹が空いて、朝まで寝ていられない
赤ちゃんが夜中に起きてしまうのは、お腹が空いてしまうことも原因のひとつ。低月齢の赤ちゃんは胃が小さい上にしっかり出来上がっていないため、一度におっぱいやミルクをたくさん飲むことができません。離乳食が始まっても、最初のうちは消化の良い10倍がゆを赤ちゃんスプーンで1~2さじから…という少量なので、朝までにお腹がすいてしまうこともしばしば。
しかし、寝る前におっぱい・ミルクをあげるのは、虫歯になるのでは?太ってしまうのでは?と心配になるママも多いかもしれません。
虫歯はおっぱいやミルクではなくミュータンス菌が原因
まず、虫歯については、おっぱいやミルクそのものが虫歯の原因になるのではなく、ミュータンス菌の感染が原因です。
ミュータンス菌は乳歯の生えない赤ちゃんの腔内には存在できないため、乳歯が生えてから、スキンシップや食器の使い回しを通して感染します。
その後、食べかすなどが口内に残り、歯垢となって乳歯に付着、ミュータンス菌が歯を溶かして虫歯は起こります。
赤ちゃんのお口に歯が生えてきたら、フッ素入りの歯磨きでしっかり乳歯ケアをしてから寝かせるようにしましょう。
大切なのは母子ともに「平和」なこと
寝る前のミルクは太りすぎの原因になるのでよくない…とする説もあります。確かに、ミルクは脂肪分が多く、多少太ってしまう要因には違いありませんが、寝る前に160ml程度飲んだとしても太りすぎになるほどのことはないでしょう。
昭和の時代から読み継がれている「定本育児の百科」を執筆された医師の松田道雄先生によれば、寝かしつけは母子ともに平和が一番の条件だと言います。寝る前にミルクを飲んで、それで赤ちゃんがぐっすり眠ることができるならママも赤ちゃんも楽になりますよね。
運動不足のため、体力を持て余して夜中・明け方に起き出してしまう
赤ちゃんにパワーがついてくると、日中運動不足になりがち。そうすると、夜中に目が覚めて今度はなかなか寝てくれません。
こうなると、泣いて起きるよりももっと寝かしつけが大変。泣いている場合は、安心させてあげるとコテンと寝てくれることも多いですが、元気に遊びはじめると、おっぱいをあげたとしても、ただお腹が満たされ喜ぶだけで寝てはくれません。夜泣きならぬ、赤ちゃん期の「夜遊び」にも困ってしまいますね。
この場合は、できるだけ「夜遊び」に付き合わず寝たふりを通しましょう。夜中は寝る時間だということを赤ちゃんにわかってもらう必要があります。
赤ちゃんの安全だけは気を付けながらも、電気もつけないようにしましょう。
ベッドマットなどが固すぎて、体の負担になっている
乳幼児突然死症候群の発生確率を下げる方法の一つとして、ベッドマットを硬くする対策があるのは良く知られた話。ベッドマットが固ければ、赤ちゃんの顔が沈んでしまうことがないので、窒息も予防できるためある程度の固さは大切です。
しかし、必要以上に寝床が硬いと赤ちゃんの背中に負担がかかり、背中が痛くて起きてしまうこともあります。
心当たりがあり、赤ちゃんも実際に度々起きてしまうなら、その環境は改善の必要があるかもしれません。
赤ちゃんを自然な姿勢にする「まんまるねんね」
赤ちゃんの背中を楽にしたいなら、「まんまるねんね」がおすすめ。赤ちゃんの背中を自然なカーブに保ってくれる、助産師さんおすすめの安心な寝かせ方です。
まんまるねんねは、専用のグッズも販売されていますが、授乳クッションとバスタオルを使っても簡単に作ることができます。
まんまるねんねの作り方と使用法
- U字の授乳クッションの、カーブ側を頭側として、足側に丸太状にまるめたバスタオルを置き、くぼみをつくります。
- 授乳クッションとロールしたバスタオルの上全体を大判バスタオルで覆い、くぼみに赤ちゃんのお尻をはめて寝かせます。
まんまるねんねのくぼみにすっぽりと赤ちゃんが入り、赤ちゃんはママに抱っこされているときと同じような姿勢のまま寝られ、寝返りによるうつぶせ寝や窒息のリスクも回避できます。まんまるねんねは、赤ちゃんがぐっすり眠れるようになったというママの声が多く聞かれますので、ぜひお試しあれ!
もっと長く寝てほしい!赤ちゃんの睡眠時間を伸ばす方法
必要とする睡眠時間に個人差はあるもの、赤ちゃんに長く寝てもらうためには、生活習慣を整えていくのが有効です。どれも簡単に実践できることなので、毎日の習慣に取り入れてみてください。
体内時計を整えるために、早起きして日の光を浴びることく
「早寝早起き」といいますが、早寝よりもまずは早起きが重要です。朝は7時までにカーテンを開けて外の光を入れ、赤ちゃんを起こしましょう。
赤ちゃんが気持ちよさそうにぐっすり寝ていると、起こしたくない気持ちもありますが、小さい頃から早起きの習慣をつけておいたほうがあとあと楽です。早く起きることで夜は寝かしつけに時間をかけず早寝でき、寝始めからぐっすりと眠らせることができます。
夏の暑い時期には、日中暑くて外に出られないこともあるので、早朝にお散歩をするのもおすすめです。
日中はお散歩などで刺激を与え、体を使う遊びも取り入れましょう
夜には疲れてぐっすり眠れるようにするため、日中は赤ちゃんに充分な刺激を与えましょう。ハイハイができるようになった赤ちゃんなら、児童館や子育て支援センターなどの広い場所で思う存分ハイハイさせてあげるのも良いですね!
あんよができるようになったら、公園でたくさん遊びましょう。同じぐらいの年のお友達が遊んでいるのを見ることも良い刺激になります。
生活リズムを一定に保ちつづけることも大切
離乳食やお風呂の時間は、その日の都合や赤ちゃんのお昼寝の時間帯によってついバラバラになってしまいがちですが、できれば毎日同じ時間帯にするように心がけてみましょう。
離乳食やお風呂を毎日同じ時間帯にすることは、寝る時間と起きる時間を一定にすることに役立ちます。
就寝前のお風呂は、寝付きにくくしてしまうこともあるので寝る2時間前までに済ませるのがベター。3回目の食事も、遅い時間帯だと消化機能に負担がかかるので19時までに終えるのが理想的です。
寝る前の遊びははしゃぎすぎないようにし、入眠儀式を実践
お仕事を終える時間が遅く、やっと帰ってきたパパが赤ちゃんと遊ぶときは、ついダイナミックな遊びで赤ちゃんもキャーキャーとはしゃいでしまうことが多いですが、寝る前にあまりはしゃぐと目が覚めてしまいます。また、はしゃぎすぎが原因で夜中に目が覚めてしまうことも。
パパは赤ちゃんと楽しく遊びたいかもしれませんが、それはお休みの日の日中の楽しみにとっておき、事情をわかってもらって、静かに絵本を読むなどの遊びに切り替えてもらいましょう。寝る前の絵本は入眠儀式としてもおすすめです。寝る前に読む本を決めておくのもいいですね。
眠くなる前に部屋を暗く、「寝る時間」を意識させましょう
赤ちゃんが寝てから明かりを消し、部屋を暗くする人も多いと思いのですが、時間を決めて先に暗くしてしまうことがおすすめ。大人も、明るい部屋ではなかなか眠くならないように、赤ちゃんも明るいままだと眠くならないことがあります。
例えば、20時になったら部屋の照明を落として、寝る時間だと意識させるのが良いでしょう。明るさを調節できる照明がある場合は、なるべく暗くして、寝る前におもちゃを一緒に片づけましょう。静かな子守歌代わりの音楽をかけるのもいいですね。
赤ちゃんの睡眠改善は、生活習慣全体を整えるのが◎
赤ちゃんの睡眠時間が短いことは、生活習慣に何らかの見直すべきポイントがあるサインかもしれません。赤ちゃんとの1日を振り返って、どこか改善すべき点がないか、考えてみましょう。
赤ちゃんがぐっすり長く眠れるようになることは、ママにとっても赤ちゃんにとっても嬉しいこと。定着してしまった生活習慣の改善は大変かもしれませんが、頑張りましょう。