離乳食のツナ缶レシピ
離乳食のツナ缶は水煮がベスト!中期からOKな段階別レシピ
離乳食のツナ缶を使いこなそう!ツナの栄養素、離乳食に取り入れるメリットともに、赤ちゃんにはいつから、どんな種類のツナ缶を与えていいのか解説。ツナ=まぐろとは限らず、かつお原料のものもあります。栄養価UPが期待できる食材の組み合わせ、中期・後期・完了期のレシピも紹介。
離乳食にツナ缶はいつから?使える缶詰の種類
ツナ缶は離乳食を開始しておおよそ1ヶ月か2ヶ月後の離乳食中期生後7カ月・8カ月頃から与えられます。缶詰は調理時短を短縮でき鮮度を心配する必要がないので、離乳食にはおすすめの食材ですが、ツナ缶の選び方にはポイントがあります。
ツナ缶は、使われる魚肉の種類や調理方法によって分類できますので、離乳食に向いているツナ缶の種類を知っておきましょう!
「ツナ=まぐろ」にあらず!魚の種類による分類
一般的にツナ缶は、原料となる魚の種類によって「ホワイト」「ライト」「マイルド」の3種類に分けられます。
ホワイト~びんながまぐろ原料でお高めのツナ缶
原料は「びんながまぐろ」です。白っぽい身をしており、脂肪分は少なめです。回転寿司の「ビントロ」としても有名なまぐろで、きはだまぐろやかつおに比べて高級な魚なので、缶詰の価格も高い傾向にあります。
身の原型を保っているブロック状の缶詰もあり、フレークにしても、しっかりとした歯ごたえがあるものが多いです。
ライト/L~きはだまぐろ原料で一般的なツナ缶
「びんながまぐろ」以外を原料にしたツナ缶で、「きはだまぐろ」「めばちまぐろ」を使ったものが主流です。比較的安価な一般的なツナ缶です。スーパーなどで最も見かけるタイプと考えて良いでしょう。「L」と表記されていることもあり、これは「まぐろ」の意味です。
淡泊でいろいろな料理との相性がよく、ほぐしやすいので、離乳食に向いています。
ただし、「ライト=低カロリー」という意味ではないので、誤解しないようにしましょう。
マイルド~かつお原料のツナ缶!価格はライトと同程度かさらに安い
「ツナ=まぐろ」とは限らず、かつお原料のツナ缶も存在します。マグロ原料のツナ缶「ライト/L」と区別するために、「マイルド」という表記がなされていたり、はっきりと「かつお」と記されているものもあります。
ただし、メーカーによっては、かつお原料のツナ缶も「ライト」扱いなケースもあります。
価格は「ライト(きはだまぐろ)」と同じぐらいか、少し安いぐらいで、様々な料理に合いますので、離乳食にはどちらを使っても良いでしょう。
まぐろのツナ缶は食べられたけれど、かつお原料のツナ缶にアレルギー反応が起こる可能性もあります。原材料をチェックし、初めての食品を食べさせるときは、まずは少量から試すようにしてください。
「シーチキン」というのは商品名であり食品の名前ではない
ツナ缶を「シーキチン®」と呼ぶこともありますが、これははごろもフーズの商標です。ツナが鶏肉のささみに似ていることから名づけられました。
ツナ缶の調理方法による分類!離乳食に使えるのは?
ツナ缶は、原料となる魚だけでなく、調理方法でも分類されます。離乳食には水煮・ノンオイルのものを使用してください。
水煮(ノンオイル・オイル無添加)が離乳食には最もオススメ
魚肉を水や食塩、魚や野菜のエキスとともに缶詰したタイプで、あっさりとした味わいが特徴です。
食塩不使用・食塩無添加タイプも存在します。離乳食には、水煮かつ食塩不使用タイプが最も望ましいでしょう。
食品成分データベースによると、100gあたりの食塩相当量は0.5~0.7g程度で、脂質も0.7~2.5gと少なめです。カロリーもオイル漬けの1/4程度です(注1~5)。
油漬けの缶詰は1歳以降に少しずつ挑戦
魚肉を食塩と綿実油、大豆油で調理し缶詰にしたものです。コクがあるおいしさが楽しめますが、脂質が多いので、離乳食には不向きです。
調味液のうち、油が半分未満の「油入り水煮(油ひかえめ)」タイプもありますが、やはり離乳食には控えた方が良いでしょう。
離乳食にツナ缶はいつから?水煮缶を8ヶ月頃から与えよう!
ツナ缶は、水煮であれば、ホワイト、ライト、マイルド(かつお)に限らず、中期から離乳食に使えます。
ただし、まぐろやかつおなど、ツナ缶の原料は、すべて赤身魚です。
離乳食の魚は、白身魚→赤身魚→青魚の順番に食べさせていくのが基本ですので、ツナ缶を与えるのは白身魚に慣れてから、生後8カ月頃を目安にすると良いでしょう。
水煮であっても、食塩が添加されている商品が多いので、熱湯をかけて塩抜きをしましょう。
離乳食にツナ缶がおすすめな理由
ツナの栄養素と活用方法をご紹介します。ストックしておけば、買い物に行けないときにも役立ちます。
ツナ缶の栄養素
意外にもツナ缶は、高たんぱくな食品で、ダイエットや筋肉をつけたい人たちにとってもおすすめの食材として紹介されています。
たんぱく質~骨や筋肉を作るもと
まぐろやかつおの魚肉が原料となっているツナ缶は、筋肉のもととなるたんぱく質がたっぷり含まれています。
鶏ささみ肉のたんぱく質が100gあたり24.6gなのに対し、ツナ(まぐろ類・ライト)は16.0gとなかなかのもの。しかも、エネルギーや脂質は水煮缶の方が低いです(注6,7)。
ビタミンB6~たんぱく質を活用する働きがある
ツナ缶には、たんぱく質を体内で有効活用するために必要なビタミンB6もたくさん含まれています。そのため、体の中で摂取したたんぱく質をそのまま有効活用できる食品でもあるのです。
ビタミンB6は体に貯蔵しておくことができないビタミンなので、継続的に摂取しなければならないという特徴もあります。
DHA・EPA~脳の働きを活性化
DHAやEPAは、n-3系脂肪酸の仲間で脂質の1種ですが、必須脂肪酸と呼ばれ摂取が推奨されています。ツナ缶の原料であるまぐろやかつおといった大型の魚類に多く含まれている栄養素で、生活習慣病予防や脳の機能発達に役立つとされています。
ツナ缶は離乳食に使いやすい!
ツナ缶は離乳食に使いやすい食材なので、中期を過ぎたら自宅にストックしておきましょう。離乳食作りにおけるツナ缶のメリットをまとめました。
下ごしらえが簡単
ツナ缶は蓋をあければ、下ごしらえや骨の心配もなく、フレーク状の魚肉はフォークなどでほぐすだけで赤ちゃんに与えられます。
魚には、脳の機能発達を促すDHAやEPAが含まれているので、離乳食に使いたいと思う方も多いはず。DHAはサバやイワシなどにも多く含まれていますが、青魚は後期からしか使えず、下ごしらえや衛生管理、骨の処理も大変です。
ツナ缶なら、まぐろやかつおなどの赤身魚を手軽に赤ちゃんに食べさせられますし、火の通り具合にも神経質にならずに済みます。
旨味がある
ツナ缶の原料であるまぐろやかつおには、イノシン酸という旨味成分が含まれています。
離乳食は薄味が基本で、調味料の使用は少量です。ツナ缶を使えば、イノシン酸の旨味で美味しい離乳食を簡単に作ることができます。
長期保存も可能
缶詰は常温で約3年程度保存が可能な食品です。
また、腐敗のもととなる微生物を殺滅処理しているためとても衛生的です。
ただし、賞味期限内であっても缶が錆びている、缶が膨張している、蓋をおすとペコペコ凹むといった異変がある場合は使わないようにしましょう。
開封後の冷凍保存もOK
ツナ缶は、開封後も小分けをすれば冷凍保存が可能です。冷凍した場合は1週間以内に使い切るようにしましょう。
離乳食のツナ缶レシピ
赤ちゃんにツナ缶を与える際のかたさ目安、一緒に使うと美味しさや栄養価UPが期待できる食材をご紹介します。
ツナ缶と相性の良い食材
ツナ缶に使用されているのはマグロやカツオなどの魚ですから、骨や筋肉のもととなるたんぱく質が多く含まれています。ビタミン類が豊富な野菜や炭水化物とあわせて栄養バランスを整えましょう。
緑黄色野菜
ツナ缶にはビタミンCが含まれていないので、ビタミンCをたっぷり含んでいるトマト、ブロッコリー、かぼちゃ、ほうれんそう、小松菜などの緑黄色野菜を組み合わせると栄養バランスが良くなります。
特にトマトは旨味成分のグルタミン酸を含んでいるので、ツナ缶に含まれるうまみ成分イノシン酸と組み合わせると相乗効果で旨味がUP。赤ちゃんに美味しく食べてもらえる離乳食作りにおすすめの組み合わせです。
ごはんやうどんなどの炭水化物
ツナ缶にはたんぱく質がたっぷり含まれているので、ごはんやうどん、パン、パスタといった主食と組み合わせると、エネルギー源が確保できる軽食になります。
また、主食はたんぱく質食材と組み合わせて食べることで、血糖値の上昇が緩やかになり、腹持ちがよくなります。離乳食期から食べ方の基礎を赤ちゃんに習慣づけられるでしょう。
ツナのかたさ目安
離乳食中期(7~8カ月) | |
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塩抜きして、すり鉢などですりつぶします。 | |
離乳食後期(9~11ヶ月) | |
フォークなどでほぐします。汁は調味として少量の活用OK。 | |
離乳食完了期(1歳~1歳半) | |
ほぼそのまま使用できます。汁は調味として活用OK。 |
中期(7・8カ月)のレシピ
ツナは旨味の強い食材ですから、野菜と一緒にお粥に混ぜ合わせれば、おいしくて栄養バランスも良い一品が簡単に完成します。
ツナとトマトのお粥
材料
- ツナ水煮缶 小さじ1弱(5g程度)
- トマト 1/8個(実だけで10g程度)
- 5分粥
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ツナの水煮は熱湯をかけて塩抜きをしてすりつぶします。
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トマトは、皮をむいて種を取り除き、小さく刻みます。
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耐熱容器にツナとトマトを入れて、電子レンジ600Wで30秒加熱し、お粥にかけます。
後期(9~11ヶ月)のレシピ
離乳食後期になると赤ちゃんは手づかみ食べをしたがりますが、おやきを作る際にもツナ缶は活躍します。肉類や魚と違って火の通りを気にしなくていいので、生地にそのまま混ぜればいいので楽ちんです!
ツナのうどんおやき
材料
- ツナ水煮缶 小さじ1(7g程度)
- 小松菜(葉先) 15g
- うどん 1/4玉(50g)
- 卵 1/3個
- サラダ油 少々
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うどんは細かく刻み、小松菜はみじん切りにしてラップに包んで電子レンジ600Wで30秒加熱して柔らかくしておきます。
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ボウルにツナの水煮を入れてほぐし、小松菜、うどん、卵と混ぜ合せます。
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フライパンを熱して薄くサラダ油を敷き、2のたねを赤ちゃんの1口サイズに流し入れて両面を良く焼きます。
完了期(1歳以降)のレシピ
1歳を過ぎて離乳食完了期になれば、赤ちゃんも大人とほぼ同じようなものが食べられます。ロールサンドは汚れにくく、家族みんなで朝食に食べられるのでおすすめの料理です。
ツナ入りかぼちゃとブロッコリーのロールサンド
材料
- サンドイッチ用食パン(12枚切り) 2枚
- ツナ水煮缶 大さじ1(20g程度・汁を含む)
- かぼちゃ 20g
- ブロッコリー 10g
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かぼちゃとブロッコリーはそれぞれラップに包んで電子レンジ600Wで1分程度加熱し、ラップに包んだままつぶします。
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ボウルにかぼちゃ、ブロッコリー、ツナの水煮をいれて混ぜ合わせます。ツナ水煮の汁は調味として少し加えます。
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ラップの上に食パンを置いて、2の具を広げます。
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3を手前から巻いてキャンディのようにラップで包みます。ラップから取り出して6等分に切ります。
完了期の主食1食分の量は食パン8枚切り1枚程度なので、食べられれば1.5枚分程度は与えてもOKです。
残りそうな場合は1本は乾燥防止のため切らずにそのまま冷蔵庫にて保存しましょう。また、翌日までには食べきるようにしましょう。
ママおすすめのツナ缶レシピ
【後期】ツナ入りじゃが餅
kako(30代前半)
材料:じゃがいも1個(約150グラム)、ツナ水煮缶 半分、人参 50グラム、片栗粉小さじ2、バター少量
- じゃがいもはよく洗い、濡れた状態のままラップに包み、600Wのレンジで4分加熱。竹串がすっと入る状態にする。
- じゃがいもを布巾で包み3分間放置。その後、皮をむいてマッシュする。
- 人参はすりおろし、ふんわりラップをかけ600Wのレンジで30秒加熱。
- じゃがいもに、水分を切ったツナ、片栗粉を入れ混ぜる。子供が手づかみ食べしやすい大きさの小判型に成型する。
- バターを熱したフライパンで両面を焼いたら出来上がり。
手づかみ食べの練習にピッタリです。溶けるチーズを包んで焼いても美味しいです。
【後期】ツナ入りフレンチトースト
ひまわり(28歳)
材料:6枚切り食パン1枚、卵1/2個、牛乳100ml、ツナ適量、ミックスベジタブル、スライスチーズ1/2枚、シリコンスチーマー
- シリコンスチーマーにミックスベジタブルを入れて1分程チンする。
- 卵、牛乳、ツナを加えて混ぜる。
- 食パンをちぎって2に浸す。(食パンの耳も入れても大丈夫です)
- チーズを混ぜるか上に乗せる。(お好みで)
- レンジで500w・5分加熱する。お好みでケチャップをかけて完成。
食パンのふわふわ感がなくなってきたら作っています!
【完了期】ツナときゅうりの手巻き寿司
misono(20代)
材料:焼き海苔、白米、ツナの水煮、マヨネーズ、きゅうり
- ツナの水分を切り、マヨネーズを混ぜる
- きゅうりを切る
- 焼き海苔の上に、ご飯を乗せて その上にツナときゅうりを乗せる
- 海苔で巻く
お刺身を食べさせられないので、子供用手巻きはツナが大活躍!
ツナ缶は離乳食に使いつつ災害に備えたストックにも有効!
内閣府は、災害に備えて「ローリングストック」という方法を推奨しています(注8)。
ローリングストックとは、缶詰や乾麺などの保存性の高い食品を日常的に食べ、食べたら買い足すという行為によって食料を備蓄する方法です。
ローリングストックには、以下のメリットがあります。
- 非常食も常に新しいものを備蓄できる。
- 食べ慣れているものが災害時の食卓にも並ぶ。
赤ちゃんがいるご家庭でも、災害時の備えは大切。万が一のときも、ツナ缶なら安心して与えられます。日々の離乳食作りにも役立ちますので、赤ちゃんにツナの味に慣れてもらい、ご家庭に常備しておきましょう。
参考文献