離乳食に蒸しパンはいつから食べられる?
離乳食に蒸しパンは、軽食として外出時のおやつ代わりになるのはもちろん、バナナやいちごなどの果物、ほうれん草・にんじん・コーンなどの野菜を混ぜ込んで朝食代わりにもできます。
蒸しパンは、色々な食材を混ぜ込めば栄養も取れ、ふわふわで柔らかいので赤ちゃんも喜んで食べてくれるメニューです。アレルギーがある赤ちゃんも、蒸しパンならアレルギー食材を除去したうえで、色々と材料を代替してアレンジできるのでぜひ作り方を覚えておきましょう。
また、蒸しパンと言っても絶対に蒸し器が必要という訳ではなく、フライパンや電子レンジでも調理可能ですし、「混ぜて型に流して蒸す」だけで作れるので、蒸し器がないご家庭でもぜひ挑戦してみてください!
蒸しパンは離乳食後期(9カ月過ぎ)からOK!
蒸しパンは、手づかみ食べ盛んになる離乳食後期の生後9ヶ月頃から食べられます。赤ちゃんが上手にもぐもぐと口を動かせるようになったら、蒸しパンを与えてみましょう!
ただし、コンビニやスーパーなどで販売されている市販の大人が食べるような蒸しパンには砂糖や塩、アルミ使用のベーキングパウダー、添加物が多く入っている可能性がありますので、1歳未満には食べさせない方が良いでしょう。
赤ちゃんに与える蒸しパンは、手作りするか、ベビー用品店などで販売されている赤ちゃん用の蒸しパンにしてください。
市販の赤ちゃん用蒸しパンも、9カ月頃から食べられます。多くが牛乳を注ぎ、レンジで温めれば完成します。ほうれん草やさつまいもなどの野菜入りやヨーグルト風味、ココア風味など、様々な味が手軽に食べられ、赤ちゃんにお腹が空いた!とグズられても1分程度で完成する手軽さが魅力です。
1歳未満にはちみつは絶対に与えないで!
普段蒸しパンなどを作るときに、甘味を足すため砂糖ではなくハチミツを加えるご家庭もあるかもしれませんが、1歳未満の赤ちゃんにハチミツは絶対に与えてはいけません。手作りする場合ももちろん、市販の大人用蒸しパンに加えられている場合もありますので、材料のわからない蒸しパンは安易に与えないようにしてください。
はちみつにはボツリヌス菌が含まれていることがあり、1歳未満の赤ちゃんが食べると乳児ボツリヌス症によって重篤な症状を引き起こす可能性があります(注1)。
蒸しパンはよく加熱したものを食べさせること
手作りする場合も、市販の赤ちゃん用蒸しパンを作る場合も、生地の加熱は十分に行って下さい。蒸しパンの原料である薄力粉(小麦粉)や米粉は、水分を加えて加熱することで消化が良いでんぷんに変わります。
小麦粉の加熱が不十分だとデンプンに変わらないため、赤ちゃんが上手く消化できず、おなかを壊してしまう可能性があります。
離乳食の蒸しパンの材料は?
蒸しパンを作る時に使う材料は主に薄力粉、ベーキングパウダー、砂糖になります。
中に混ぜ込む具材は、赤ちゃんが食べられる食材なら何を入れてもOKです。甘味のある果実や野菜れて、赤ちゃんが喜ぶ美味しい蒸しパンを作ってあげましょう。
小麦粉・ベーキングパウダー・砂糖が基本
市販の蒸しパンミックスを使わなくても、薄力粉・ベーキングパウダー・砂糖を混ぜて、自家製ミックス粉を作れます。
薄力小麦粉を使用!米粉でも代用可
小麦粉には、薄力粉、中力粉、強力粉があり、小麦粉の中のグルテンの量が違います。蒸しパンには、薄力粉を使いましょう。小麦アレルギーの赤ちゃんは、米粉に代替えして作ることが可能です。
離乳食に使うベーキングパウダーは「アルミフリー」が安心
赤ちゃんに作る蒸しパンのベーキングパウダーは「アルミフリー」「焼ミョウバン不使用」のものを選んであげて下さい。
ベーキングパウダーは生地を膨らませる膨張剤ですが、原料のひとつに「焼ミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム)」が含まれているものがあります。
アルミニウムは多量に摂取すると、腎臓や膀胱などへの影響があると指摘されている物質で、体重1kg、1週間あたり2gが暫定許容量にあたります。日本では、推定摂取量が許容量を超えることはほとんどないとされていますが、1~6歳の幼児は許容量に対する摂取量の割合が最も高く、許容量の約43%摂取しているというデータがあります(注2)。
ペーキングパウダーは、パンや焼き菓子などによく使われる食品です。市販品を買う際には、ベーキングパウダーがアルミフリーかどうかは確かめようがありません。
「手作りしたい」と考えている人は、できるだけ安心・安全なものを食べさせたいという気持ちが強いと思いますので、子供が小さいうちはできるだけ材料にも気を付けた方が良いでしょう。
砂糖は少量にとどめて!野菜や果物の自然な甘さを加えよう
砂糖を使用する場合は、できるだけ控えめにしましょう。離乳食における1回の摂取量は、1食3g以内が目安です(注3)。
蒸しパンに入れる材料には、甘さのある野菜や果物を混ぜ込めば、砂糖控え目でも自然な甘味で美味しく食べることができます。
ちなみに、はちみつはNGですが、メープルシロップは使用可能です。
ホットケーキミックスも使用できるが無糖タイプがおすすめ
ホットケーキミックスなどの市販のミックス粉は、分量などを気にせずに簡単に蒸しパンを作れるので、忙しい方にとってはとても便利です。
しかし、一般的なミックスには、砂糖が多く含まれています。他に香料や着色料、乳化剤や食物油脂など、赤ちゃんには必要のない添加物が多く含まれている場合が多いです。
ホットケーキミックスなどを使う場合は、無糖で原材料がシンプルなタイプを選んで下さい。
アレルギーのある子の蒸しパン作りのコツ
アレルギーのある赤ちゃんは、以下のように材料を変更して、蒸しパンを作りましょう。
- 小麦アレルギー…「米粉」使用。
- 牛乳アレルギー…「豆乳」や「水」を使用。
- 卵アレルギー…卵は使わなくてOK。
「卵白」には、蒸しパンをふわふわにする働きがあるので、レシピを見ると使われていることも多いです。しかし、使わなくても蒸しパンはできますので、レシピから卵を抜き、やや多めに水分を足せば大丈夫です。レンジではなく、蒸し器で調理すれば、卵なしでもおいしい蒸しパンを作ることも可能です。
離乳食蒸しパンに入れるのにおすすめの食材
離乳食の蒸しパンでおすすめの食材を紹介します。
赤ちゃんに苦手な食材があるなら、他の食材と一緒に蒸しパンに混ぜ込めば、食べてくれることも多いでしょう。
甘味をアップし、食べやすくする
いちご
バナナ
りんご
かぼちゃ
さつまいも
栄養バランスをよくする
人参
ほうれん草
コーン
きな粉
ヨーグルト
チーズ
離乳食の蒸しパンレシピ
離乳食の蒸しパンは、基本的に「混ぜる」「型に流す」「蒸す」の3ステップで完成します。
分量をメモをしておけば、中に入れる野菜や果物を変えて同じように作れるので簡単です。多めに作って冷凍も可能なので、朝食やおでかけ時の軽食としても役立ちます。
今回は、アレルギーの子でも食べられるように、卵なしで作れる蒸しパンをご紹介します。砂糖を分量に加えていないので、赤ちゃんが食べづらそうなときのみお好みで追加してあげましょう。
【後期】人参とチーズの蒸しパン
Bカロテン豊富な人参と、カルシウムが吸収しやすいカッテージチーズを使った蒸しパンです。
臭みがなく食べやすい人参と、カッテージチーズの塩分で、味付けなしでも美味しく食べられます。
材料
- 薄力粉 50g
- 人参 15g
- カッテージチーズ 5g
- 豆乳(又は牛乳) 60cc
- ベーキングパウダー(アルミフリー)小さじ1/2
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茹でた人参と豆乳をミキサーにかけます。
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つぶつぶが残る程度でOKです。
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ミキサーにかけた人参と豆乳、他全ての材料をボウルに入れます。
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ざっくりと素早く混ぜ合わせます。
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耐熱容器に生地を流し込み、水を張った蒸し器で強火で3分程度、沸騰したら中火で12分蒸す。竹串などで刺して生地がつかなければ完成です。※生地がついたら蒸し時間を少し長めに!
【後期】いちごヨーグルト蒸しパン
果物の中でもビタミンが豊富で栄養価の高いいちごと、腸内環境を整えてくれるヨーグルトの蒸しパンです。ヨーグルトの酸味はなく、いちごの自然な甘味で美味しく仕上がります。
蒸し器ではなく電子レンジで調理OKなのも、嬉しいポイントです。
材料
- 薄力粉 50g
- いちご 2個
- ヨーグルト 30g
- 牛乳 30cc
- ベーキングパウダー(アルミフリー) 小さじ1/2
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いちごをフォークなどで粗くつぶします
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つぶしたいちご、他全ての材料をボウルに入れます
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ざっくりと素早く混ぜ合わせます
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電子レンジ対応のシリコンカップなどに、8分目まで材料を入れます
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電子レンジ500Wで1分30秒、竹串などで刺して生地がつかなければ完成です
※生地がついたらレンジ時間を少し長めに!
【完了期】豆腐とバナナのもちもち米粉蒸しパン
米粉を使っているので、小麦アレルギーの赤ちゃんでも食べられます。蒸し器がなくても、フライパンで調理可能!豆腐を入れることでもっちりとした感触が加わり、甘くてもちもちとした蒸しパンが完成です!
材料
- 米粉 45g
- きぬ豆腐 80g
- バナナ1/2本
- ベーキングパウダー(アルミフリー) 小さじ1(3g)
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バナナをフォークなどで粗くつぶします
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つぶしたバナナ、他全ての材料をボウルに入れます
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ざっくりと混ぜ合わせます
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耐熱容器に生地を流し込み、容器の1/3の水を張ったフライパンに入れます
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フライパンにフタをして強火で3分程度、沸騰したら弱火で12〜15分蒸します
竹串などで刺して生地がつかなければ完成です。※生地がついたら蒸し時間を少し長めに!
【完了期】ひじきとおからの総菜蒸しパン
ひじきとおからの香りが食欲をそそり、ホットケーキミックスを使うので、失敗しにくいメニューです。おやつとしてでも良いですが、食事の時間のメインメニューとしても合います。
材料
- ホットケーキミックス(無糖)30g
- 生おから 15g
- 戻したひじき 5g
- 豆乳(または水)50cc
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全ての材料をボウルに入れて混ぜ合わせます
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耐熱タッパーに混ぜ合わせた材料を流し込みます
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タッパーのフタをずらし、電子レンジ500Wで1分30秒加熱します
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加熱後取り出しすぐにフタをしめてタッパーをひっくり返し、生地を蒸らします
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竹串などで刺して生地がつかなければ完成です。※生地がついたら蒸らし時間を少し長めにしましょう。
ママの蒸しパンは世界一!?おいしい作り方のコツ
おいしい蒸しパンを作るためのコツをまとめました。蒸しパンは、1歳を過ぎ、幼児のおやつとしてもおすすめです。「売っているのより美味しい!」といわれるような、手作り蒸しパンを作ってあげましょう!
1.生地を「混ぜる」「蒸す」は素早く!
小麦粉に水分を入れたら素早くざっくりと混ぜましょう。ぐるぐると時間をかけて混ぜ過ぎるとグルテンが形成されてふっくらしなくなります。
生地は時間がたつと膨らむ力がだんだん弱まるので、混ぜたらすぐに蒸しましょう。
蒸しパンを小麦粉とベーキングパウダーで作る時は、粉をふるったほうがダマになりにくくなりますが、ふるう手間を省いても蒸しパンは作れます。多少のダマが気になるようであればふるって下さい。
2.古いベーキングパウダーは使わない
ベーキングパウダーは古くなると膨らみにくくなります。早めに使い切るか、小分けに袋に入っているタイプを使用しましょう。
また、ベーキングパウダーは入れ過ぎると苦みが出るので必ず正確な量を入れて下さい。ベーキングパウダーは1g変わっただけでも違いが出ます。特に赤ちゃん用の蒸しパンは味付けが薄いので苦みが出ないように正確な分量を入れましょう。
3.シリコンスチーマーやシリコンカップが便利
蒸しパン作りは、耐熱容器であればどんな容器に入れても作れますが、シリコンスチーマーやシリコンカップが便利です。
蒸し器はもちろん、レンジでも使用可能で、取り出す時も生地がへばりつきません。100円ショップなどでも手軽に購入できます。
アルミのカップは引火するので、電子レンジでは使用できません。
4.蒸し器・レンジ・フライパンの調理方法による違い
蒸し器がなくても、レンジやフライパンでも蒸しパンは作れます。ただし、仕上がりには差がでることは覚えておきましょう。
蒸し器は、失敗なく1番ふんわり仕上げられる
蒸し器で調理すると、たっぷりの蒸気でふかふかとふんわりした蒸しパンが完成します。配合にもよりますが、強火で蒸すとぱっくり割れ、中火で蒸すと丸く仕上がります。
でき上がった時に鍋のフタの水分が蒸しパンに垂れないように注意して下さい。
電子レンジは、簡単で時短になるが作り置きには向かない
電子レンジで作る蒸しパンは、でき上がるのが早く時短になりますが、蒸し器に比べるとふんわり感は少なくなります。時間がたつと固くなりやすいので、早めに食べるようにしましょう。
フライパンは、蒸し器と同じように使えるが火加減には注意
フライパンに水を張れば蒸し器のように蒸しパンを作れます。
ただし、水を張ったところにそのまま容器を入れるので、水を入れ過ぎると沸騰した時に蒸しパンが濡れてしまう可能性があるので、火加減には要注意。容器に対して1/3程度の水の量で、沸騰したらすぐに弱火にして下さい。
5.トッピングすればより美味しそうに!
蒸しパンの上に、小さく切った食材をトッピングして飾り付けすると、美味しそうに見えます。
かぼちゃやサツマイモなら茹でて小さく切ってあるものを用意しておきます。蒸し器で強火3分、沸騰して生地が固まりはじめたくらいでトッピングすれば、上に食材が飾りつけしてある蒸しパンが完成します。
フルーツなどでしたら茹でずにそのままトッピングすればOKです。
蒸しパンは冷凍保存もOK!解凍時には水を数滴たらして美味しく!
蒸しパンは冷凍する時はひとつづつラップで包み、ジップロックなどの袋に入れて冷凍しましょう。
解凍する時はそのまま電子レンジで温めると水分が飛んでパサパサになってしまうので、水を数敵垂らしたお皿に凍った蒸しパンを乗せ、軽くラップをかけて電子レンジで温めましょう。
自然解凍であれば、調理した時のようなふんわり感が残っています。
離乳食の蒸しパンは、おやつや朝食にピッタリ!
蒸しパンは手順がわかれば簡単に作れます。朝食や軽食にもおすすめですし、持ち運びもしやすいので外出する時にも便利です。食べる時にも手が汚れにくく、赤ちゃんにとっても食べさせやすいメニューでしょう。
ただし、蒸しパンは水分が少ないので、赤ちゃんが喉に詰まらせてしまう可能性もあります。手づかみ食べができるようになっていたとしても、食べている時には目を離さないで下さい。
参考文献