離乳食にうどんはいつから?塩分とアレルギーに注意!
離乳食でうどんは初期(6ヶ月頃)から食べさせて良く、中期以降になれば野菜や鶏ささみなどのタンパク質を使って、だし汁とともに離乳食用うどんを楽しむこともできます。あんかけうどん、煮込みうどん、焼うどんなど、レシピは豊富で、野菜や肉、納豆などのたんぱく質食材とも相性が良いので一品で栄養バランスがとりやすいのも魅力の1つ!
ただし、うどんは0歳児のアレルギーが引き起こりやすい小麦が主原料ですので、はじめて与える時はテストとして小さじ1程度を与えて、数日かけて量を増やして経過を見守りましょう。小麦アレルギーかどうか判断する初めての食材がうどんになる赤ちゃんも多いので、慎重に進めてください。
うどんは初期(6ヶ月頃)からお粥のようなドロドロ状にすれば与えられる
生後5ヶ月から離乳食を開始した場合、おおよそ1ヶ月後、おかゆや野菜に慣れた生後6ヶ月頃にうどんを与えます。
初期はうどんを柔らかく茹でてすり潰し、おかゆと同じような形状で食べさせます。
うどんにも色々と種類がありますが、初期は柔らかくなりやすい生麺・茹で麺がおすすめです。
離乳食のうどんかたさ目安
離乳食初期(5~6カ月) | |
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柔らかく茹でてすり潰し、ペースト状にする | |
離乳食中期(7~8ヶ月) | |
柔らかく茹でてすり潰し、ペースト状にする | |
離乳食後期(9~11ヶ月) | |
歯茎で潰せる固さで1㎝〜2㎝に切る | |
離乳食後期(12~18ヶ月) | |
歯茎で噛める固さで2㎝〜5㎝に切る |
はじめてうどんを食べさせるときは小麦アレルギーに注意!
うどんの主原料である小麦は乳幼児の3大アレルゲン
うどんは小麦、水、塩で作られています。小麦は、乳幼児の3大アレルゲンの1つであり、消費者庁によって成分表示義務付けられている7品目のうちの1つです(注1,2)。
はじめて与える場合は、すぐに病院に行ける時間、平日の午前中などに小さじ1のみ食べさせて、赤ちゃんの様子を観察して下さい。
小麦アレルギーは、他の食物アレルギーと同じく、食後2時間以内、発症者の約9割に皮膚の赤み、かゆみ、蕁麻疹などの皮膚症状が見られるケースが非常に多いのが特徴です。
赤ちゃんの小麦アレルギーは治るので、適切な治療が大切
一定年齢を超えてからの小麦アレルギー発症は、残念ながら治る見込みがほとんとありません。しかし、0歳児の場合はその後に耐性を得て、6歳までに8~9割の子供が食べられるようになります(注3)。
赤ちゃんが小麦アレルギーと診断されると、食事には気を遣う必要があり、やはり大変に感じる方は多いでしょう。アレルギー専門医を受診し、適切な治療を続けることが大切です。
赤ちゃんにとってうどんの塩分は高め!離乳食では必ず塩抜きをする
うどんは基本的に塩分が高めです。うどんを調理する場合は、必ずたっぷりのお湯で下ゆでをして、その後、水にさらして洗い、塩抜きするようにしましょう。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、6~11ヶ月の赤ちゃんのナトリウム摂取量目安は、1日600mg、食塩相当量は1,5グラムとなっています(注8)。ただし、ナトリウムというのは、母乳やミルク、乳製品、肉や魚などにも含まれているので注意が必要です。
うどんを主食にするのはやめ、離乳食の炭水化物の摂取の基本は、あくまでもお粥メインとしてください。
うどんの塩分は茹でることで7~8割カット可能
うどん100gあたりの食塩相当量は以下の通りです(注4,5,6,7)
生麺 | 乾麺 | |
---|---|---|
茹でる前 | 2.5g | 4.3g |
茹でた後 | 0.3g | 0.5g |
乾麺には生麺の約2倍近い塩分が含まれています。
茹でることで70〜80%の塩分が抜けますので、たっぷりのお湯で長めに茹でてしっかりと塩分を洗い流すことが大切です。
離乳食には生麺・乾麺・冷凍うどんのどれが良い?
生麺(茹で麺)、乾麺、冷凍うどん、それぞれの特徴がありますので、使える時期や調理のしやすさを含めて覚えておくと便利です。
生麺(茹で麺)が離乳食にはオススメ!塩分控えめで冷凍もOK!
離乳食で1番おすすめなのが生麺・茹で麺タイプのうどんです。塩分量も少なく、冷凍することも可能です。
塩抜きや柔らかくするためには、大人が食べるときよりも長く茹でる必要がありますが、茹で時間も短く済みます。柔らかく、初期はペースト状にもしやすいはずです。
生麺・茹で麺の中には、塩分不使用タイプもあり、離乳食におすすめです。
乾麺はブレンダーを使えば離乳食初期(6ヶ月)から可能
乾麺は塩分量が多く、茹で時間が10〜15分かかるので下準備は少し大変です。しかし、茹でる時にポキポキと折って茹でれば包丁で切る手間が省けますし、茹でてしまえば塩分は生麺タイプよりやや多い程度です。
柔らかくなりにくく、初期のペースト状に調理するには不向きですが、ブレンダーなどを使えば問題なく使用できます。
冷凍うどんは麺のコシが強いので離乳食後期(9カ月)から使用
冷凍うどんは、塩分は少ないもののコシが強めなので、柔らかくしたい離乳食では使いにくいうどんです。また、はじめから冷凍してあるので再度の冷凍保存はできません。
赤ちゃんが歯茎でしっかり噛めるようになったら離乳食後期から、よく茹でて使いましょう。
離乳食用の食塩不使用・カット済みうどんもあり
はじめから赤ちゃん向けに作ってある離乳食用のベビーうどんもあります。
食塩不使用なので、スープの中で茹でて、そのまま調理できます。市販の麺よりも細く、カットしてあるので、調理時間の短縮になるでしょう。
離乳食では、うどんの「つゆ」はどうするの?
離乳食で赤ちゃんにうどんを与える場合、つゆは基本的に出汁(だし)のみで十分です。昆布やかつお節で取ったもの、離乳食ストックを作る際に茹でた野菜の煮汁からの取った野菜スープなどが良いでしょう。
赤ちゃんの味覚は敏感なので、出汁に一緒にいれた野菜や肉の旨味が溶けだしていれば、充分に美味しく食べられます。
生後9ヶ月以降、離乳食後期からは、数滴程度なら醤油を垂らしても良いでしょう。薄味が良いのはもちろんですが、おいしく食べてもらうことも大切なので、使っていい月齢さえ守れば調味料の使用に罪悪感を覚える必要はありません。
離乳食のうどんレシピ!野菜やタンパク質と一緒にバランスの良い一品を!
離乳食のうどんを使ったレシピをご紹介。うどんは炭水化物ですので、野菜やタンパク質と一緒に食べて、栄養バランスを良くしましょう!
【初期】ブロッコリーうどん
うどんは炭水化物でエネルギー源になり、ブロッコリーはクセもなくビタミンミネラルが豊富なので赤ちゃんには是非食べさせてあげたい野菜です。
ブロッコリーは離乳食初期では柔らく茹でた穂先の部分だけを使用します。
材料
- うどん40g
- ブロッコリー(穂先)2g
- お湯大さじ1
-
うどんを箸で切れる位柔らかくなるまで茹でます。
-
うどんをすり鉢などでペースト状にすり潰します。
-
柔らかく茹でたブロッコリーを滑らかになるまですり潰し、うどんペーストの上にブロッコリーを乗せて完成です。
【中期】トマトの洋風あんかけうどん
リコピンたっぷりのトマトと野菜が入った栄養豊富なうどんメニューです。
トマトは煮込むことで甘味が増し、あんかけにすることで赤ちゃんも食べやすくなります。
トマトの皮と種は食べにくいので離乳食期では取り除いて使いましょう。
材料
- 下ゆで・塩抜きしたうどん30g
- トマト10g
- 玉ねぎ10g
- 人参5g
- 野菜スープ(野菜の茹で汁)150cc
- 片栗粉 小さじ1
-
トマトに十字の切り込みを入れ、熱湯につけて皮が少し剥がれてきたら冷水につけます。ゆっくりと皮を剥きます。
-
トマトを1㎝程度の角切りにします。
-
玉ねぎと人参をみじん切りし、下ゆでしたうどんは5mm程度に切ります。
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玉ねぎ、人参、うどんを野菜スープで柔らかくなるまで5分煮込んでからトマトを入れて2分煮込みます。
-
火を止め、水とき片栗粉でとろみをつけたら完成です
【後期】納豆うどんおやき
たんぱく質が豊富な納豆を取入れたうどんレシピです。
おやきにすると手づかみ食べもできますし、納豆の粘り気も抑えられて食べやすくなります。
納豆のタレは赤ちゃんには味が濃いので、昆布やかつお節などで取っただし汁を使いましょう。
材料
- 下ゆで・塩抜きしたうどん 80g
- 小粒納豆 半パック(25g程度)
- だし汁 小さじ2
- 片栗粉 小さじ1
- 青のり ひとつまみ
-
下ゆでしたうどんを1㎝程度の長さに切ります。
-
ボウルに全部の材料を入れる。
-
材料を混ぜ合わせます。
-
フライパンに少量の油をしき、混ぜ合わせた材料を丸く置きます。
-
両面をほんのり焦げ目がつく程度に焼いたら完成です。
【完了期】野菜とツナの焼きうどん
エネルギー源のうどんと野菜とツナで旨味たっぷりの栄養満点なメニューです。
うどんにツナを入れることでタンパク質が取れ、栄養バランスが良くなります。野菜とツナの旨味で大人でも美味しく食べられるので、取り分けレシピとしてもおすすめです。
離乳食の綱は、塩分や油分のない食塩無添加の水煮缶を使いましょう。
材料
- 下ゆで・塩抜きしたうどん90g
- ツナ(食塩無添加・水煮) 10g
- 玉ねぎ10g
- 人参5g
- キャベツ 10g
- だし汁 大さじ1
-
下ゆでしたうどんを3㎝程度の長さに切ります
-
玉ねぎをみじん切りにし、人参とキャベツは小さく千切りします
-
フライパンに少量の油をしき、中火で切った野菜がしんなりするまで炒めます
-
野菜を炒めたらツナ、うどん、だし汁を加え、中火で2分程度炒めたら完成です
離乳食用うどんの冷凍保存・フリージングの仕方
うどんは冷凍保存できますが、冷凍できるのは、生麺、茹でうどん、乾麺タイプのみで、冷凍うどんは品質が落ちるため再冷凍はできません。
冷凍する場合は一度下ゆでします。それから段階別に合わせてすり潰したり、切ってから製氷皿に入れます。または、サランラップで包んで、ジップロックなどの袋に入れても良いでしょう。製氷機に入れる場合は、だし汁や野菜スープも一緒に凍らせておくと調理する時に便利です。
解凍する時は自然解凍はやめましょう。菌が繁殖する可能性があります。
必ず電子レンジや鍋で温めて、解凍して下さい。うどんだけで解凍しようとすると、水分が飛んでパサパサになるので、水を足してから温めるのがポイントです。
スープなどで煮込む場合は、凍ったままお鍋に入れるのが1番簡単な調理方法です。
赤ちゃんがうどんを食べられれば外食時も取り分けで楽ちん!
赤ちゃんがうどんが食べられるようにならば、外食の時も助かります。うどんは、ファミリーレストランなどでもメニューにある場合が多いので、離乳食を持ち歩かなくても済むでしょう。
ただし、お店での味付けは大人用の濃い味になっているので、スープはお湯で薄めて食べさせてあげてください。
外食時にも使える赤ちゃん用のフードカッターもあり、百円ショプなどで手軽に買えます。手を汚さず簡単に切れるので、ひとつ持っていると役立ちます。お家でも麺類の取り分けをする場合にとても使える商品です。
参考文献