育児・お世話

赤ちゃんの首が赤い原因

赤ちゃんの首が赤い5つの原因~肌トラブルは首から起こる?

赤ちゃんの首が赤い・嫌な臭いがする原因とすぐできる対処法を紹介します。かぶれ・ただれ・湿疹などの症状も見られる時は、早めに病院へ!処方される薬の種類についても解説します。赤ちゃんの首はしわも多く、汚れも溜まりやすく、非常にデリケート。清潔に保つ洗い方、正しいケアを覚えましょう。

赤ちゃんの首が赤い5つの原因

赤ちゃんの首が赤いと、なんだかとっても痛そうに見えます。しかし、大人は首が赤くなることは、あまりありません。なぜ赤ちゃんは首が赤くなりやすいのでしょうか?

赤ちゃんの首が赤くなる原因は、主に以下の5つが考えられます。順に解説していきましょう。

1.赤ちゃんの首は皮膚が薄く、非常にデリケート

赤ちゃんの皮膚は大人に比べて非常に薄く、大人の2分の1~3分の1程度の厚さしかありません。
しかも大人の肌は、バリア機能があり、簡単に赤くなったりしませんが、赤ちゃんの肌はバリア機能がまだまだ未熟で、ちょっとした刺激ですぐに赤くなってしまいます。

中でも首は、大人でも皮膚が薄い部分です。その2分の1~3分の1程度の厚さしかない赤ちゃんの首の皮膚は非常に敏感で、ちょっとした刺激に反応してしまいます。

シーツに擦れるなどの物理的な刺激はもちろん、目には見えない空気中の花粉やハウスダストなどの刺激物質に反応して、赤くなってしまう子もいます。

爪はしっかり切っておこう

赤ちゃんの爪はこまめに切ることは、肌のケアとしても非常に重要です。
赤ちゃんの首が赤いときは、かゆみを伴っている可能性が高いです。しかし、赤ちゃんの爪で引っ掻いてしまうと皮膚の薄い首は、引っ掻き傷ができたり、ひどいと出血する恐れがあります。

2.蒸れやすく、雑菌が繁殖しやすい

赤ちゃんは新陳代謝が活発で、とても汗っかきです。大人が涼しいと感じる空間に一緒にいても、赤ちゃんは暑く感じていることも珍しくありません。

その上、赤ちゃんの首にはしわが多くあり、非常に蒸れやすい状態です。特にネンネ期の赤ちゃんは、肩と顎で首元が見えませんが、じんわり汗ばんでいることもよくあります。

赤ちゃんにとって部屋が暑すぎないか室温を見直し、服装も着せすぎていないか再確認してみてください。汗はこまめに拭いてあげましょう。

汗が原因で、雑菌が繁殖すると、それが肌への刺激になります。また、悪臭を発することもあります。

首にブツブツと赤く発疹のようなものが見られる場合は、あせもができてしまっている可能性も。あせもは痒みを伴い、赤ちゃんが爪で患部をかいてしまうと悪化します。適切にケアしていきましょう。

3.乾燥していて、少しの刺激で赤くなってしまう

赤ちゃんのお肌はプルプルしていて、乾燥とは無縁のようにも見えます。しかし。実は赤ちゃんの肌は水分量こそ多いものの、生後3ヶ月頃から皮膚中の油分と水分のバランスが崩れてきます。そのため、乾燥肌になってしまう子は少なくないのです。

皮膚が乾燥していると、少しの刺激で赤みやかゆみが起こり、肌が荒れます。首の皮膚が非常に薄いのは先ほどご説明した通り。しかも顔はよく拭き取り、清潔にする方が多いですが、首は意外に忘れがちです。
そのため、赤ちゃんの初めての肌トラブルは顔ではなく、首から起こるケースも珍しくありません。

首が赤いのは、赤ちゃんの肌のバランスが崩れてきた予兆の可能性があります。赤ちゃんの肌は、適度に保湿してあげることが大切です。

4.首のしわのせいで、しっかり洗えていない

赤ちゃんの首は汚れやすい場所ですが、しわが多いため、なかなかうまくお風呂で洗えません。洗ったつもりでいても、ホコリなどのゴミが首に挟まっていたり、汗をよくかくため垢が溜まると、これも臭いの原因になります。

まだまだ身体の頼りない赤ちゃんを洗うのは大変ですが、しわを伸ばして、首の部分は特に念入りに洗いましょう。

5.よだれや離乳食、母乳の吐きこぼし

赤ちゃんはよだれや母乳(ミルク)をよく口から垂れ流してしまいます。よだれや母乳は顎をつたい、首筋まで流れることもしばしば。そこから雑菌が繁殖し、赤くなってしまうのです。

特によだれの多い赤ちゃんは要注意。よだれの消化酵素も赤ちゃんの肌にとっては刺激になります。「よだれかぶれ」といって、よだれが皮膚に付着することで、赤くなったり、乾燥したり、湿疹などの肌トラブルが起きるケースもあります。

離乳食がはじまる時期は、よだれの量も多くなります。また、離乳食に含まれる食品の塩分も赤ちゃんの肌にとっては刺激になり、よだれ+離乳食で肌が荒れてしまうことも珍しくありません。

赤ちゃんの首が赤いときの4つの対処法

赤ちゃんの首が赤いとき、ママやパパはどのように対処してあげればいいのでしょうか?
4つの対処法を解説します。

1.汚れたらすぐに首を拭く

赤ちゃんの首もとが汚れたら、すぐに拭いてあげましょう。
赤ちゃんの首はとってもデリケートなので、濡らしたガーゼを使って優しく拭き取ってあげましょう。離乳食を食べさせながら口元を拭いた場合は、一度洗うか、汚れていない部分を使うように注意してください。肌触りの良くないゴワゴワしたタオルは刺激になりやすいので控えましょう。

また、スタイ(よだれかけ)を清潔に保つことも大切です。汚れたスタイを身に着けていると、よだれかぶれの原因になり、首が赤くなったり、湿疹ができる可能性もあるため、スタイはこまめに変えた方がよいでしょう。

2.首のしわの奥までしっかり洗う

赤ちゃんをお風呂に入れた際は、首のしわを特に念入りに洗い、清潔に保ちましょう。
首以外だと腕のしわ、手のひらなどは特に汚れが溜まりやすい箇所です。同じようによく洗ってあげてください。

沐浴で首を洗うコツ

ベビーバスなどでの沐浴時は、赤ちゃんの頭を支えつつ、利き手に石鹸(ボディソープ)をたっぷりつけて、しっかり洗ってあげましょう。

すすぎのいらない沐浴剤は便利ですが、石鹸に比べると洗浄力は弱めです。汗をいっぱいかいたとき、臭いが気になるときは、汚れが溜まりやすい部位のみ石鹸で洗うなど、沐浴剤と石鹸を使い分けても良いでしょう。

また、沐浴剤はお湯の量に合わせた使用量を守らないと、肌の汚れを落とす効果は期待できませんので、使用量を守りましょう。

お風呂で首を洗うコツ

沐浴を卒業した場合、お風呂の床にバスマットを敷き、赤ちゃんをその上に寝かせながら体を洗うのがおすすめです。バスマットに寝かせれば、両手を自由に使えるので、首のしわを片手で伸ばして洗えるようになります。

最近では、生後1ヶ月過ぎから使えて、リクライニングを調整できるバスチェアもあります。こうした商品なら長く活用でき、赤ちゃんの体を洗いやすいです。

石鹸をつけてよく首を洗った後は、すすぎも念入り行ってください。
お風呂から上がったら、タオルで首のしわの水分も拭き取ってあげましょう。季節によっては、お風呂上りにしっかり拭いてあげないと、かえって蒸れてしまい、かゆくなってしまうケースもあります。

3.保湿クリームを塗る

首が乾燥している場合、保湿クリームやベビーローションを塗ってあげましょう。お風呂あがりなど、塗るタイミングを習慣化してしまうと楽ちんです。

保湿クリームは、ドラッグストアなどで売っている「赤ちゃん専用」の商品を使用してください。
ただし、症状が悪化してしまった場合は、使用を中止し、病院で症状に合った薬を処方してもらいましょう。

ワセリンもおすすめ

赤ちゃんの首が乾燥してしまっている時には、『ワセリン』もおすすめです。

ワセリンは、軟膏を処方する際に、他の薬剤と混ぜ合わせて使われることが多い成分です。しかし、単品でスキンケアアイテムとして、皮膚の保湿剤・保護剤としても活躍させられます。ドラッグストアでも、ベビーオイルやベビーパウダーと同じ棚に『ベビーワセリン』が置かれているはずです。

ワセリンは、皮膚の水分蒸発を防ぎ、保湿効果があります。皮膚科で保湿剤として薬と一緒に処方されることも多く、おむつかぶれなどにも使えますので、一家にひとつあると便利です。

ただし、ワセリンはあくまで皮膚の乾燥を防いだり、よだれなどの刺激から皮膚を保護するためのものです。強いかゆみを伴う湿疹などが既にできている場合は、皮膚科などで専用の薬を処方してもらった方が良いでしょう。

4.空気清浄機を活用させる

入浴時に首も洗っているし、保湿もしている。こまめにケアをしているのによく首が赤くなる赤ちゃんは、人一倍お肌がデリケートな可能性があります。

皮膚科に行っても頻繁に肌トラブルを起こすようなら、空気清浄機の購入も検討してみましょう。やや高額な買い物ではありますが、ホコリや花粉はもちろん、インフルエンザの時期などには感染症対策としても活躍してくれるはずです。

空気清浄機は、部屋のサイズよりも適用床面積が大きいものを選ぶと高い効果が期待できます。
また近年の空気清浄機にはイオン機能が搭載されているものも多く、イオン機能は空気中の刺激物質だけでなく、壁や家具、床や天井に付着している刺激物質も除去・抑制してくれる働きがあります。

赤ちゃんの首のケアをしてもまだ赤いときは?

赤ちゃんの首をしっかりケアしても、赤みがひかないという場合は、アレルギーやアトピー性皮膚炎の可能性も考えられます。

首以外の皮膚にも、赤みやかゆみ、湿疹などのトラブルが起きていないか、よく確認してみましょう。

アレルギー

アレルギーとは、体内に侵入した特定物質(アレルゲン)に対して、体が過剰な防除反応を起こす疾患です。

離乳食が始まった赤ちゃんは、母乳やミルク以外にはじめて食品を口にしますが、この際に食品に含まれるタンパク質に対し、体が過剰な防除反応を示すことがあります。

食物アレルギーの約9割は皮膚症状に現れると言われており、皮膚の赤みやかゆみは代表的な症状です。一般的には、口の周りが腫れることが多く、首や胸元など上半身に症状が現れます。

食物アレルギーは、原因物質を食べてから30分~2時間以内に皮膚症状が現れることが多いため、赤ちゃんの離乳食に最近よく使っている食品はないか、首以外に赤くなっている場所はないかよく観察してみましょう。

アトピー性皮膚炎

アトピーは、ダニや花粉、ほこり、食べ物などのアレルゲン、ストレスなどの環境要因、そして体質によって引き起こり、強いかゆみや赤み、湿疹を伴う皮膚疾患です。

アトピーの原因はまだはっきりわかっていませんが、生後1~2か月ごろに初期症状が起こりやすいと知られています。また、遺伝も関係するため、血縁者にアトピー体質の人がいる赤ちゃんは発症しやすいといわれています。

アトピーは、皮膚が薄い部分やこすれやすい場所に多く現れ、首以外ではひじやひざの裏側、脚の付け根などによく見られます。首以外にも湿疹や赤みが出ていないか観察してみましょう。

乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の区別は難しい

乳児湿疹とは、およそ1歳までに見られる湿疹の総称です。
実は、医師でも乳児湿疹とアトピー性皮膚炎を見極めるのはとても難しく、赤ちゃんの首や体にポツポツした赤い発疹が現れた場合、まずは乳児湿疹と診断されることが大半です。

その上で、数週間~数ヶ月経っても症状が改善せず、強いかゆみをぶり返すようなら、アトピー性皮膚炎が疑われます。

アトピー性皮膚炎は継続した治療が大切ですから、早めに皮膚科を受診し、処方薬を使ったケアをしていきましょう。

悪化しているときは小児科・皮膚科を受診

赤ちゃんの首の赤みがひかず、ただれているような状態になっているなら、小児科か皮膚科を受診しましょう。

小児科・皮膚科どっちを受診すべき?

最初は小児科でもOK

小児科は、皮膚症状も含めて赤ちゃんの疾病全般を対象としています。まずはかかりつけ医である小児科を受診しても構いません。診察してもらえれば、小児科でもエキザルベやロコイドのような軟膏剤を処方してくれるはずです。

小児科医によっては症状の程度を見て、「この薬で治らない場合は皮膚科へ」と促してくれる場合もあります。良い皮膚科を紹介してもらえれば安心です。

感染症が怖い場合は、皮膚科でもOK

近所に良い皮膚科があるなら、小児科を受診せず、最初から皮膚科を受診しても良いでしょう。
皮膚科は小児科に比べて、待ち時間が長くなるケースも多いですが、最近の皮膚科はおもちゃや絵本があるキッズコーナーを設け、子供の扱いに慣れた医師も増えてきました。

ただし、皮膚科の中には、赤ちゃんは対象外としているケースもあるので、事前に確認しておくと安心です。

赤ちゃんの首が赤いときに処方される薬

赤ちゃんの首が赤いとき、病院ではどのような薬を処方されるのでしょうか?

よく処方される薬の種類をご紹介します。
中には、ドラッグストアで同じような薬が処方されているケースもありますので、解説します。

副作用の心配が少ない『亜鉛華単軟膏』

亜鉛華単軟膏は、皮膚を保護して炎症を和らげる効果が期待できる薬です。亜鉛華単軟膏には酸化亜鉛が含まれており、患部の保護や炎症を和らげるだけでなく、患部の浸出液を吸収して乾燥させる働きも担います。

ステロイドほど短期間で劇的な効果は期待できないものの、皮膚保護薬としては長期的に安心して使用できます。副作用の心配が少ないのも亜鉛華単軟膏の特徴の一つです。

亜鉛華単軟膏は、薬局やドラッグストアでも一般販売しています。
ただし、薬の使用はやはり医師の診察を受けて、症状に合わせたものを処方してもらうのがベストです。

弱ストロイド剤『エキザルベ』『ロコイド』

エキザルベはステロイドが配合されている軟膏剤です。赤ちゃんにステロイドの配合された薬を塗っても大丈夫なのか心配になる方もいらっしゃると思いますが、ステロイドの強さを5段階中に分けたとき、『エキザルベ』は一番下の薬になるので問題ありません。顔などのデリケートな部分にも塗ることができ、おむつかぶれの時などにも用いられる薬です。

同じような効果を持つロコイドと呼ばれる軟膏剤もあり、これもステロイドの強さは5段階中下から2番目。ステロイドは、短期間での使用ならそこまで心配する必要はありません。

ただし、医師の処方箋をもらい、使用量を守って塗るようにしましょう。

赤ちゃんの首のケアは早めに行おう

赤ちゃんの肌はとってもデリケート。特に首は些細なことで赤くなったり、湿疹ができたりします。よだれや食べこぼし(飲みこぼし)は首のしわに挟まってしまうので、頻繁に口元や首元を拭いてあげましょう。症状が続くようなら、すぐに皮膚科に足を運ぶことも大切です。

赤ちゃんのためにも首のケアは早めに行い、悪化しないようにしっかりケアしてあげましょう。