座浴とは?役立つのはどんな時?
座浴とは、赤ちゃんの服をすべて脱がさず、座った姿勢でお尻だけを洗い流し、清潔にする方法です。昔からあるお尻ケアの方法ですが、沐浴ほど手間がかからず、赤ちゃんの体への負担も軽減できます。
座浴は洗面器などがあれば、いつでも始められるので、特別な道具は必要ありません。
どんなときに座浴をしてあげると効果的なのかご紹介します。
おむつかぶれを防ぎたい時・治したい時
おむつ替えのときは、おしりふきで汚れを落として清潔にしてから新しいおむつをします。しかし、うんちがお尻にこびりついてしまうこともありますし、おしりふきで強くこすると肌が荒れてしまうこともあります。
おむつかぶれを防ぐの重要なポイントは、以下の3つです。
- お尻を清潔にすること
- お尻を十分に乾燥させること
- お尻に与えるダメージを少なくすること
赤ちゃんのお尻が赤いことに気が付いたら、できるだけ刺激を与えないようにケアしてあげましょう。おしりふきで拭くよりも、座浴の方が摩擦が少ないですし、より清潔にできるはずです。
座浴の後はすぐにおむつを付けず、お尻を空気にさらしてしっかり乾燥させることも悪化を防ぐためには大切です。
ひどいおむつかぶれを改善!
田中理沙(32歳)
かなり頻繁におむつかぶれになっていたので、病院で処方された塗り薬に頼っていました。ですが、あるとき助産婦さんに相談したら、予防としては「座浴が一番」と教わり、始めました。
緩いうんちをした場合は、その度に座浴をしていました。慣れてくれば要領がわかるので、座浴の手際が良くなりササッと汚れを落としてお尻をキレイにしてあげられます。
座浴を習慣化して以来、おむつかぶれになる頻度も少なくなりました。
下痢・うんちが緩いとき
赤ちゃんは消化器官が未熟なため、下痢をするのは珍しいことではありません。しかし、おむつの中で下痢をすると、お尻全体や股の部分、時には太ももの付け根などにも緩くなったうんちがついてしまいます。
こうした汚れをすべてお尻拭きで拭くのはたいへんですし、肌への摩擦も気になります。座浴ならお湯で洗い流せば一気にキレイになり、赤ちゃんもスッキリします。
気持ち良くて癖になる!
岩井史奈子(26歳)
特におむつかぶれがひどかったわけでもないですが、下痢をした時は座浴でお尻をキレイにしてからおむつ交換をするようにしていました。うちの子は座浴大好きで、お尻を洗ったあとはすごくご機嫌です。
しかし、気持ち良過ぎたのか、座浴をしている最中にお湯の中にうんちをしてしまったこともありました…。お湯はトイレに捨てて洗面器は一応洗って消毒しましたが、座浴はそれほどリラックスできる時間だったのかもしれません。
赤ちゃんの体調が優れないとき
沐浴は赤ちゃんにとって体力を消耗する行為です。そのため、熱がある時や体調が悪い時などは身体に負担がかかってしまう可能性があります。
しかし、座浴は下半身を洗うだけなので、赤ちゃんにとっても負担が少なく、お世話する方にとっても手軽で助かります。
体調が悪いと機嫌も悪くなりますが、座浴でお尻だけでも清潔にしてあげることは、赤ちゃんの気分転換にもなるでしょう。
長時間おむつを変えることができなかったとき
外出時や夜間など、汚れたままのおむつ長時間付けているとお尻が荒れてしまうことがあります。見た目には大丈夫に見えても、雑菌の繁殖も心配です。
いつもよりおむつ替えの間隔が空いてしまった時は、おむつかぶれにならないように予防として座浴を取り入れても良いでしょう。
おむつでお尻が蒸れてしまったとき
暑い時期は赤ちゃんはおむつをしていると、中が蒸れてしまい、皮膚トラブルの原因になることがあります。気が付いたときに、座浴でキレイにしてあげるとスッキリするでしょう。
お尻が蒸れずにスッキリ!
大飯琴(36歳)
熱くなるとおむつの中が蒸れてかぶれてしまうことが多く、お尻が真っ赤で何とかしてあげたいと思って試した方法のひとつが座浴です。お風呂は夕方7時ぐらいにいれるので、気温が高い日は11時~13時ぐらいのおむつ替えのときに座浴をするようにしました。
座浴の後は、下半身裸のままゴロゴロさせて、お尻を完全に乾燥させるようにしました。それから保湿クリームを塗る習慣をつけたら真っ白でツルツルのお尻に戻れましたよ。
暑い時期は、蒸れやすいですが、室温の調整がしやすいので助かりました。
座浴のやり方
デリケートな赤ちゃんのお尻を守るために、座浴のやり方を覚えておきましょう!
準備するもの
- 洗面器
座浴は赤ちゃんを洗面器の中に座らせて行います。赤ちゃんを座らせても、大人の手が入るぐらいの大きさが理想です。もちろん洗面器に限らず、たらいや水桶、ベビーバスを活用しても良いでしょう。
座浴専用の洗面器を用意した方が衛生的に安心ですが、併用する場合は座浴のあとはしっかり洗剤で洗うようにしましょう。
- お湯
熱いお湯にすると、おむつかぶれにとっては刺激になり、痛がってしまいます。座浴は温まるのが目的ではないので、40度前後、人肌よりも少し温度が高いくらいのお湯がベストです。
- ペットボトルなど
お尻にお湯をかける時には手でも構いませんが、ペットボトルを使うとやりやすいです。
- 汚れを拭き取るガーゼ
- バスタオル
- 新しいおむつ
- 塗り薬や保湿クリーム
座浴後にお尻に塗る薬や保湿クリームは、すぐに使えるように用意しておくと便利です。
座浴の手順
下準備
- 洗面器にお湯を張る。
- かけ湯用のお湯を用意しておく。
- 座浴が終わった赤ちゃんを包むバスタオルを広げておく。
ガーゼなどで赤ちゃんのお尻の汚れを落とす
お湯に入れる前に、おしりふきや濡らしたガーゼなどで軽く赤ちゃんのお尻の汚れを取り除きます。汚れたままのお尻を洗面器に入れてしまうと、すぐにお湯を交換しなければいけないので手間がかかってしまいます。
衣類はクリップなどを使って、濡れないように上半身にまとめておきましょう。
赤ちゃんのお尻を洗う
赤ちゃんのお尻をゆっくりとお湯に浸します。洗面器にお座りさせて、お尻周りを優しく洗い、かけ湯で流します。なかなか汚れが取れない場合は、赤ちゃん用のボディーソープを使って素早く洗いましょう。
赤ちゃんのお尻を乾かす
座浴が終わったら広げておいたバスタオルの上に赤ちゃんを移して、お尻を包み込んで手で押さえるようにして水気を拭き取ります。
部屋の室温は高くしておき、すぐにおむつをつけず、空気にさらしてお尻を乾かしましょう。濡れたままおつをつけるとお尻が蒸れてしまい、おむつかぶれが悪化しやすいので要注意です。
赤ちゃんのお尻を保湿をする
お尻が完全に乾いたのを確認したら、病院で処方されたおむつかぶれ用の塗り薬や保湿クリームなどを塗ります。
赤ちゃんに新しいおむつをつける
新しいおむつを付けます。赤ちゃんに「きれいになったね!」「すっきりしたね!」と笑顔で声をかけてあげましょう!
まだ座ることができない赤ちゃんの座浴のやり方
月齢が低い赤ちゃんは、まだ腰がすわっておらず、洗面器に座るのは難しいでしょう。その場合は、赤ちゃんを寝かせた状態でお尻をキレイにしてあげましょう。
おむつを下に敷いて洗う方法
- ぬるま湯をペットボトルに入れて、かけ湯を用意しておきます。
- 広げたバスタオルの上に赤ちゃんを寝かせて、おむつを開いて外さずそのままの状態でガーゼやおしりふきを使い、お尻の汚れを軽く拭き取ります。
- ペットボトルのお湯をかけて汚れを洗い流します。
- キレイになったらおむつを抜き取ってタオルでポンポンと水分を拭き取り、しばらくお尻を乾燥させたら新しいおむつと洋服を着せます。
おむつは水分を吸収してくれるのである程度のお湯であればバスタオルも濡れません。ただし、おむつの汚れがひどい場合は、新しいおむつを下に敷きなおした方が良いでしょう。
バスタオルだけでは心配なときは、下にビニールシートなどを敷いておくと安心です。
座れない赤ちゃんの座浴に使える便利グッズ
ペットボトルを使ってお湯をかけるのも便利ですが、座浴を行う時に便利なグッズは他にもあります。
コットン
スキンケアやメイクの時に使うコットンを使えば、赤ちゃんのお尻を優しく洗い流すことができます。数枚のコットンをぬるま湯に浸しておき、バスタオルの上に赤ちゃんを寝かせます。おむつを開いてから、汚れた部分の上で水分を含んだコットンを絞って、そのコットンで汚れを優しく拭き取ります。
女の子の場合、お股の部分はとくにデリケートなので慎重に洗いたいですが、コットンなら優しく汚れを取り除けます。
1回でキレイにならない場合は、また新しいコットンを使って何回か繰り返してみましょう。
ケチャップボトル
ホットドッグなどにケチャップやマスタードをかけるプラスチックボトルは、ペットボトルよりもお湯に勢いがあるので汚れが落ちやすくなります。100均で購入できますので、ペットボトルとどちらが使いやすいか試してみても良いでしょう。
霧吹き
霧吹きも100均で様々な種類があるのでコスパの良い便利グッズです。使い方はケチャップボトルと同じですが、霧吹きの場合広範囲に水をかけられますので、使いやすいと感じる方が多いでしょう。
ただし、水圧が低く、1度に出る水の量は少ないので、ガーゼやおしりふきなどと併用する機会が多くなりがちです。
ベビー用品としては、霧吹きと水を温めるウォーマーがセットになっている「霧吹きウォーマー」も販売されています。用意してボトルに入れたりする手間は省けますが、お値段が3,000円程するので、使う頻度が高い場合のみお得な商品と言えます。
座浴は小さい赤ちゃんなら洗面台でもできる
赤ちゃんが小さい場合、洗面台でも座浴は可能です。
ただし、洗面台の高さや大きさによって、大人にとっては辛い体勢になってしまい、腰痛や腱鞘炎の原因になります。無理しないようにしてください。
赤ちゃんを洗面台で座浴させるやり方
- タオルを広げて置いておきます
- 洗面台にぬるま湯を張ります。
- 洋服を脱がせて、クリップなどで止めます。
- 片方の腕に赤ちゃんの頭をのせる、又は片方の手で頭を支えて、もう片方の手でお尻にお湯をかけて汚れを取り除きます。強くこすったりしないように注意して下さい。
- キレイになったらバスタオルでくるみます。
- ポンポンと叩きながら下半身の水分を吸い取り、乾燥させてからおむつをしましょう。
赤ちゃんを座浴させる時の注意点
座浴は赤ちゃんのお尻を清潔に保ったり、おむつかぶれの予防や改善に効果的です。それらの効果を存分に発揮するために、守るべき注意点は覚えておきましょう。
あらかじめ赤ちゃんのお尻をキレイにしておくこと
赤ちゃんのお尻が緩いうんちで汚れてしまった場合は、洗面器にお尻を入れる前にあらかじめ汚れを拭き取ったり、軽くシャワーで洗い流しましょう。
出来る限り効率良く座浴を行うためにも、バスタオルやオムツは事前に準備しておきましょう。
赤ちゃんの肌を刺激しないように優しく行う
おむつかぶれは、赤ちゃんの皮膚に炎症が起こっているということです。ただでさえデリケートな肌なので、お尻かぶれの時はさらに優しく丁寧に扱う必要があります。汚れを落とす時には、基本的に石鹸やガーゼを使用するのではなく、手とぬるま湯で洗うだけで十分です。
座浴で赤ちゃんのお尻をいつも清潔にしておこう
座浴はおむつかぶれの予防や改善に役立つ方法です。
毎日・毎回と頻繁に行う必要はありませんが、「ちょっとお尻が赤いかも?」「たくさんおしっこやうんちをして、汚れてそうだな」という時に座浴をしてあげると効果的です。
お尻がきれいになると、赤ちゃんも気持ちよく、ご機嫌になります。ぜひ実践してみてください。