赤ちゃんのあせもはなぜ出来る?赤ちゃんの体と汗の秘密
すべすべの肌の赤ちゃん。まだ加齢によるシミやしわがない分、あせもができるととても目立ってしまいます。赤ちゃんもかゆくて不快になりますので、できることならあせもが発生しないようにしてあげたいですよね。あせもの予防とケアを知る前に、まずは赤ちゃんにあせもが出来やすい理由について理解しておきましょう。
汗腺の数は大人と同じ!だから赤ちゃんは汗っかき
汗が出てくる汗腺は、生まれた時から大人と同じだけあります。小さな体ですから表面積も狭いのですが、汗腺の数は同じですので、その分、汗がたくさんでるのです。しかも赤ちゃんは体温が高くて代謝も良いので、大人の約3倍の汗をかくとも言われています。
汗をかくことは大切!でも放っておくのはNG
汗をかくことで体内の余分な熱を放出し、熱くなりすぎた体温を下げられます。また、余分な老廃物も出ていきますので、適度に汗をかくことは体にとても良いことです。
ですが、汗をかき続けていたり、汗をかいても放っておいたりすると、皮膚に必要な油分を流れ落としてしまって、皮膚を乾燥させ、湿疹ができやすくなったり、アトピー性皮膚炎が悪化することもあります。つまり、汗をかいてほうっておくことも良くありませんが、汗が出ないことも体に良くないのです。適度に汗をかいて、しっかりとアフターケアをするのが、汗との理想的な付き合い方とも言えるのです。
汗が出にくくなると、あせもの原因に
また、汗が乾燥して汗腺を詰まらせ、皮膚の内部に汗がたまって湿疹の原因になったり、あせもとしてブツブツが見えるようになることもあります。もちろん、汗が出難くなり、熱くなり過ぎた体温がなかなか下がらず、さらに『汗をかく』→『汗が出にくいのであせもになる』の悪循環が起こります。
汗をかいたらアフターケアをすること、そして、汗が出やすい環境を作ってやることが、赤ちゃんのあせもをふせぐことになるのです。皮膚がキレイに保たれていないばかりに発熱・・・なんてことは避けたいですよね!
段階別に知っておこう!赤ちゃんのあせも対策と肌ケア
小さな体でたくさんの汗をかく赤ちゃん。あせもで辛い思いをさせないためにも、赤ちゃんのあせも対策をする必要があります。また、出来てしまった時のケアと治し方についても知っておく必要があります。赤ちゃんのあせも対策とケアを、段階別にみていきましょう。
赤ちゃんのあせも対策とケア!レベル1:汗の予防
体温調整には必要な『汗』ですが、あまりに大量に汗をかいてしまうと皮膚の油分を失わせ、湿疹やあせもの原因になってしまいます。代謝の良い赤ちゃんのあせも対策の第一歩は、汗をかきすぎない環境を作ることから始めましょう。
其の一.大人よりも暑がりな赤ちゃんに服装で配慮
大人よりも体温の高い赤ちゃん。大人がちょうど良いかなと思うような温度でも、赤ちゃんにとっては汗ばむ温度なのです。重ねる服の枚数は大人より1枚少なく、汗をかきやすい足の裏や首まわりはなるべく衣類で覆わないようにすることが大切です。
また、赤ちゃんはおむつをしていますので、いくら通気性の良い素材に進化したとは言っても、汗やおしっこの水分がこもり、熱もこもってしまいます。夏場はロンパースなどの上下つなぎタイプの洋服よりも、上下が分かれてお腹周りや背中、おしり周りに汗や熱がこもらないタイプの洋服がおすすめです。
一枚少なく服を着せるのは、冬場でも同様です。真冬は足元に靴下やブーツを履かせますが、温かい室内に居るときは裸足にさせる方が、赤ちゃんの快適度もアップします。
●ベビーカーは特に注意!
ベビーカーに乗せてお出かけするときは、お母さんよりも顔の位置が低くなりますので、それだけ地面や道路からの反射熱を受けやすくなります。つまり暑がりな赤ちゃんにとってベビーカーは深刻に暑い環境となりがち。
ベビーカーの暑さ対策はもちろん、靴下やサンダルなどを履かせずはだしで座らせてあげ、さらにこまめに抱き上げ水分補給を取りつつ休憩るさせてあげるなど赤ちゃんも居心地良く過ごせるよう徹底しましょう。
其の二.室温を調節して、汗の量を調節
部屋の温度も、大人には快適でも赤ちゃんにとってはちょっと暑めということが多いようです。特に夏場、部屋の温度が25度を超えると赤ちゃんの発汗量が急激に増え暑くてお昼寝もできないような環境となりがち。室温をこまめにチェックし、25度を大きく超えないように注意してあげましょう。
また、夜も、赤ちゃんに直接風が当たらないように注意して、エアコンや扇風機、サーキュレーターなどで快適なお部屋環境を整えてあげるようにしましょう。
赤ちゃんのあせも対策とケア!レベル2:汗をかいたあとのケア
室温を調整しても、涼しい服装にしても、赤ちゃんは汗をたくさんかいてしまうものです。ですが、汗をかいたあとに適切なケアをすれば、赤ちゃんにあせもが出来るのをある程度予防することが可能です!
其の一.まずは、しっかりと水分補給
赤ちゃんの熱が体にこもってしまわないようにこまめな水分補給がマストです。大人の体は約60%が水でできていますが、赤ちゃんは約75%が水分といわれています。汗もたくさん書きますので、大人よりも脱水症状も起こしてしまいやすくなっています。
特に暑い日や湿度の高い日は水や麦茶、うすめた野菜ジュースなどでの水分補給は欠かせません。赤ちゃんの渇いたのどを癒す休憩タイムをこまめに摂らせつつ、汗の量をチェックし健康状態を観察するようにしましょう。
其の二.汗をしっかりと拭く
湿疹やあせもが出来ているときは、汗で症状が悪化してしまいますので、汗をこまめに拭くことは大切です。また、湿疹やあせもが出来ていないときも、汗をしっかりと拭くことで汗腺の詰まりやあせもの発症予防につながりますので、普段から汗はこまめに拭くようにしましょう。
汗を拭きとるときの注意点として、赤ちゃんの皮膚はとても薄いのでごしごしこするのではなく、タオルで抑えるように汗を拭きとってください。特にアトピー性皮膚炎や湿疹などで皮膚が過敏になっているときは、オーガニック素材のタオルや蛍光剤を使っていないタオルを選ぶ方が良いかもしれませんね。
其の三.夏は沐浴を!
汗を大量にかく夏場は、日中に1、2度か沐浴させるのも、あせも対策に効果的です。
あまりたくさん沐浴させると赤ちゃんが体力を消耗してしまいますので、多くても1日に2度程度にとどめておきます。お風呂のときと同じく、沐浴後には忘れずにボディローションかボディミルクで皮膚の油分を補給しておきましょう。
其の四.ベビーパウダーはあせもに逆効果?
一昔前までは、赤ちゃんのお風呂上がりにはベビーパウダーと決まっていましたが、今ではベビーパウダーより、ベビー用のボディローションやボディミルクが一般的でベビーパウダーは使い方によりあせもには逆効果となるとも言われています。
ベビーパウダーが赤ちゃんにオススメできない理由をいくつかご紹介します。
ベビーパウダーが赤ちゃんによくない理由
・ベビーパウダーが汗腺を詰まらせてしまい、あせもを発症させることがある
・ベビーパウダーの成分が刺激となり、湿疹やあせもが悪化してしまうことがある
・ベビーパウダーを赤ちゃんが吸い込んでしまいアレルギー症状を起こす子もいる
あせも対策は「肌をさらさらに保つ」が大切ではありますが、ベビーパウダーは薬でも何でもありません。トラブルの起きた不健康な肌にベビーパウダーで無理やりに「さらさら」にしたとて意味はないのです。
赤ちゃんの肌の健康を守るのはベビーパウダーではなく普段の汗ケアと肌ケアです。ベビーパウダーは必要が生じたときに、皮膚科医に確認をとるなど使い方をしっかりチェックしてから使うようにしましょう。
其の五.汗をふいた後、汗を流した後の肌には油分補給
赤ちゃんの保湿にワセリンを使う方もいらっしゃいますが、ワセリンはローションやミルクと比べると伸びが良くないので厚塗りとなってしまい、汗腺を防いでしまう恐れがあります。ワセリンを塗る場合は、ごくごく薄く塗ることを心がけてくださいね。
●赤ちゃんにも安心して使えるワセリンを選ぼう
余計な成分を含まない保湿剤として人気のワセリンですが、なかには酸化防止剤などの添加物や不純物が含まれるものもあり、「無添加」表記があったとしても何でもかんでも安心して新生児から使えるっていうものでもありません。
選び方の基本的として軟膏等にも使用される「白色ワセリン」が不純物が少なく低刺激とされています。
サンホワイトP-1
白色ワセリン100%で、無香料・無着色・保存料も不使用です。
●扱いやすさはベビーローションやボディミルクが断トツ
使い方にコツの必要なワセリンに比べると使いやすく、新生児から使える低刺激のベビー用ボディローションやボディミルクの中でも、特に伸びの良いモノをいくつかご紹介します。
ベビーミルクローション/ピジョン
すこやかナチュラルローション/ジョンソン
ベビーミルキーローション/ママ&キッズ
赤ちゃんのあせも対策とケア!レベル3:あせもができたら
室温や服装で汗をかき過ぎないようにしても、ローションやミルクで油分を補給しても、赤ちゃんは想像以上にたくさん汗をかきますので、肌にプツプツとあせもが出来てしまうことがあります。あせもができてしまったら、どのような対処をすれば良いのでしょうか。
其の一.あせもが悪化しないようにこまめにケア
できてしまったあせもがこれ以上悪化しないように、タオルやシートで汗をこまめに拭いたり、沐浴やローションを使うことで皮膚を清潔に保てます。
また、赤ちゃんがあせもの部分を掻いてしまうと患部が大きくなるだけでなく、とびひ状に患部が広がってしまいます。あせもが出来ている間は、寝ている間だけでも引っ掻かないようにガーゼの手袋をつけてあげるのも良いかもしれません。ただし、手のひらや手首は非常に汗をかきやすい部位です。赤ちゃんが寝る部屋の温度が高くなり過ぎないように注意してから、手袋をつけてあげて下さいね。
其の二.お風呂の温度や時間を夏仕様にチェンジ
大人でもそうですが、熱いお風呂に長く入ると体が芯からあたたまって、お風呂から上がった後も数十分~数時間ほこほこと汗をかきますよね。赤ちゃんも同じです。お風呂のお湯で体温と代謝が一時的にアップして、お風呂から上がった後いつも以上に汗をかいてしまうのです。
夏場やあせもが出来ているときは、お風呂の温度を少し下げたり、お湯に入る時間をごくごく短くしたり、ぬるめのシャワーで簡単に済ませる方が良いでしょう。
しっかりと泡だてたボディソープで全身とお顔を軽くこすったら、しっかりと泡を落として、タオルでやさしく抑えるように水気を拭き取ります。夏は『温める』ことではなく『汚れと汗をしっかり落とす』ことに注意して、手早くお風呂タイムを切り上げましょうね。
其の三.短期間に区切って薬をつかうのもアリ
「赤ちゃんには強い薬を使いたくない・・・」と考えるお母さんやお父さんは少なくありませんが、特に顔にあせもが出来た場合、赤ちゃんが掻きむしるのを放っておくと、将来的にも消えにくい傷ができてしまうことがあります。あまりに長い間あせもが治らなかったり、赤ちゃんがひどく掻いて患部が広がるような場合は、やはり小児科や赤ちゃんも対応している皮膚科を訪れた方が良いですよ!
赤ちゃんを専門に診る小児科で相談するか、信頼できる薬剤師さんのいる薬局で相談して、皮膚の薄い顔には特に弱い薬、赤ちゃん用の外用薬を処方してもらうようにしましょう。ステロイドの入った外用薬でも、短期間だけ使用するなら跡が残ることはほとんどなく、長期化・慢性化する前に、しっかりと治すことが大切ですが、外用薬の成分等に不安のある場合はしっかり伝えることが大切です。
赤ちゃんのあせも対策とケア!レベル4:あせもが治ったら
あせもが治ったら、また新しいあせもが出来てしまわないように、しっかりと対策をすることが大切です。
今回とくにあせもがひどかった部位はどこですか?顔や首、ひざ裏や腕の関節部分、お腹、背中など、どういった場所にできたのか、振り返って見ましょう。服がこすれるところにあせもが出来やすいとか、寝ているときに下になる背中部分に出来やすいとか、何らかの傾向が掴めるかもしれません。
其の一.洋服や下着でこすれる部分にあせもができていた場合
もしかしたら、洗剤や柔軟剤の成分が刺激となって、ブツブツができやすくなっているのかもしれません。『夏場の湿疹』=『あせも』と即断してしまうのではなく、一度、洗剤類を見直してみるのも良いでしょう。
特にすすぎが終わった状態の洗濯物に入れる柔軟剤は、洋服や下着にしっかりと浸みこんでいますので、赤ちゃんによっては過敏に反応することもあります。汗をかいて過敏になる夏場は、柔軟剤の使用を控えて見るのはいかがでしょうか?
洗剤成分が気になるときは重曹をお洗濯に使ってみよう
柔軟剤までふんわり行かなくとも重曹には洗濯物をふんわり仕上げる効果があり、赤ちゃんの肌にやさしく環境にも優しいお洗濯方法。重曹は弱アルカリ性ですので、酸性の皮脂や食べこぼしの汚れ落としにも最適です。
其の二.背中や首のうしろにあせもができていた場合
はいはいやつかまり立ちができない赤ちゃんは、一日のほとんどの時間を、背中にお布団をくっつけて過ごしています。部屋を涼しく保っても、背中や首のうしろに熱がこもってたくさんの汗をかいてしまうのです。
こまめに汗を拭きとったり、下着を着替えさせることで、あせも予防ができますが、頻繁に着替えは難しいと感じる場合は、『汗とりパッド』を背中に一枚入れてあげるのはいかがでしょうか。汗取りパッドは、背中を少し傾けるだけで交換することができますので、寝ている赤ちゃんを起こさずに背中をすっきりさせてあげることも可能です。便利なグッズを活用して、いつでも赤ちゃんに気持ちよく過ごしてもらいたいですね!
汗取りパッド(国産)/ファーストドレス
赤ちゃんのあせもはやめのケアで快適に!
「たかが、あせも」と思うかもしれませんが、ひどくなると膿になったり熱をもったりしますので、なるべく出来ないようなケア、出来てしまってもすぐに治すようにしてあげましょう。赤ちゃんがしゃべれない分、周りがしっかりと気をつけて快適に過ごせるようにしてあげる必要があるのです。
長引くと湿疹や乾燥肌の原因にもなります。ひどい場合には薬を使い、なるべく症状が長期化しないように心がけましょうね。