紙おむつを洗濯機で洗ってしまった!
洋服のポケットの中にティッシュなど紙を入れたまま洗濯をしてしまい、「しまった!」と後悔した経験がある方は多いかと思います。紙を洗濯してしまうと、紙くずが他の洗濯物にも付いてしまい、処理が大変です。紙よりも洗濯してしまってもっと大変なのが、赤ちゃんが使用している紙おむつです。
紙おむつを洗濯してしまった方のために、紙おむつを洗濯してしまった時の対処法をご紹介します。毎日、子育てに追われていると、ついうっかり紙おむつをお洋服と一緒に洗濯機に入れてしまうことがあります。一度、失敗をすると後処理の大変さに皆さん辟易して、次回から気をつけるようになりますので、一度は仕方ないと諦めて頑張ってお片付けしてください。
紙おむつを洗濯機で洗うとどうなる?
紙おむつを洗濯するとどうなるか、想像することができますか。紙おむつを洗濯するとどうなるか考える前に、まず紙おむつの原料が何かということをみていきましょう。
紙おむつの原料は水分を吸収する高分子ポリマー
紙おむつは、色々な原料を組み合わせて作られています。紙おむつは、紙おむつメーカーにより、日々改良が重ねられています。複数のお子さんを育ててこられた方は、「上の子の時より下の子の時の方が、おむつが薄くて軽いのに吸収が良くなっている!」と感じた経験があるかもしれません。
紙おむつの主な原料は、ポリエチレンフィルム・不織布・高分子吸水材・綿状パルプなどになります。紙おむつを洗濯した時に特に問題になるのが、高分子ポリマーとも呼ばれる高分子吸水材です。
高分子吸水材(高分子ポリマー)とは?
高分子吸水材は、紙おむつのおしっこをキャッチする部分である吸水材となる部分の原料の一つです。高分子吸水材は、おしっこなど水分を多量に吸収することができ、吸収した水分をジェル状に固めてしまいます。高分子吸収材は、おしっこを紙おむつの外に漏れるのを防ぐ非常に大切な役割を果たしてくれます。
最近の紙おむつは、性能の向上が著しく、一晩赤ちゃんのおむつを替えないでいても翌朝おしっこがお布団に漏れていることはありません。紙おむつのパッケージにも、耐久時間〇〇時間などと、書かれています。紙おむつを長時間替えずにいてもおしっこが漏れないのは、高分子吸水材をはじめとする紙おむつの吸水材部分がおしっこをしっかりと吸水してくれているからなのです。
紙おむつを洗濯すると高分子ポリマーが洗濯機の中に飛び出る
では、紙おむつを洗濯機で洗ってしまうとどうなるのでしょうか。紙おむつの高分子吸水材は、水分を吸水することができますが、その吸水量にも限界があります。紙おむつを洗濯機に入れて洗濯してしまうと、大量の水を吸水することになるので、吸水しきれず高分子吸水材など吸水材の部分が破裂してしまい中身が洗濯機の中に飛び出てしまいます。
通常は粒状の高分子吸水材は水を含むとジェル状になるので、ジェル状のものが大量に洗濯物や洗濯機に付着してしまうことになります。紙おむつの不織布など紙部分も、粉々になり洗濯物や洗濯機に付着します。
紙おむつを洗濯機で洗ってしまった時の対処法
紙おむつを洗濯してしまうと、洗濯物や洗濯機にジェル状の物質や紙が付着するので、それらの汚れを落とす必要があります。洗濯物が少ししか入ってなかった時は、まだ良いですが、大量に洗濯していた時は、本当に大変でしょうが、洗濯機をきれいにしない限り次の洗濯はできませんので、地道に頑張ってきれいにしてください。
洗濯物についた汚れの落とし方
まず、洗濯物についた紙おむつの汚れの落とす方法をご説明していきます。
1.乾かす前にまず汚れを落とす
浴室など汚れても良い場所で洗濯物にブラシをかけたり、粘着テープ使ったりして汚れを落とします。洗濯物が濡れた状態ですべての汚れを落とすことは難しいですので、ある程度きれいになれば良いと思っておいてください。浴室で作業する場合には、落とした汚れを水で流してしまって排水溝を詰まらせないように気をつけてください。
2.洗濯物を乾かす
洗濯物をハンガーに掛けたりする時に、汚れが下に落ちてしまいます。洗面所で洗濯をハンガーに掛けたりしてから、ベランダに干す場合には、洗面所の床に新聞紙などを敷いておくと、その後の片付けが楽になります。天気が悪く洗濯物を部屋干しする場合には、洗濯物を干す部屋の床にも新聞紙などを敷いておき、床が汚れないようにしておきましょう。
3.洗濯物が乾いたら再び汚れを落とす
洗濯物が乾いてからの方が高分子吸水材や紙も乾くので、汚れを落としやすくなります。洗濯物をベランダでパタパタとふったり、ブラシを掛けたりして洗濯物に残った汚れを落としてください。マンションのベランダなど周囲に汚れが飛び散る恐れがある場合には、注意しながら行ってください。
4.再び洗濯する
洗濯物を乾かして紙おむつの汚れを落としても、やはり汚れの残りが気になる場合には、洗濯機の中をきれいにお掃除してから、もう一度初めから洗濯をやり直してください。
ご自宅に乾燥機がある場合には、先にまず洗濯物を乾かしてから汚れを落とすことも可能です。その場合には乾燥機の中に汚れが付着してしまいますので、使用後は乾燥機の中の汚れをきれいに取りのぞくことも忘れないでください。
洗濯物についた紙おむつの汚れを落とすのは、地道な作業が必要になります。特に、寒い冬などは、冷たい洗濯物の手にしての作業になりますので、とってもつらいです。
洗濯機についた汚れの落とし方
紙おむつを洗濯して洗濯機に汚れがついてしまった場合、洗濯物の汚れを落とすことも大切ですが、洗濯機の中をきれいにしないと次のお洗濯ができません。赤ちゃんがいると毎日洗濯をしますので、できるだけ早く洗濯機の掃除をしておきましょう。
1.くず取りネットを取り出し、中に溜まったゴミをきれいに取り除く
くず取りネットが付いている洗濯機の場合には、くず取りネットの中に紙おむつの原料が溜まっています。きれいに取り除いておきましょう。汚れが取れにくい場合には、歯ブラシなどを使用すると取れやすくなります。
2.洗濯槽の内側の汚れを取る
洗濯槽の表面に付着した汚れをキッチンペーパーやティッシュペーパーなどでよく拭いて、取り除きます。キツくしぼった雑巾などを使用しても良いでしょう。
3.すすぎ運転をする
洗濯槽に高水位まで注水し、すすぎ運転をします。途中で何度か一時停止して、洗濯槽の中に浮かんでいる汚れをくず取りネットを使用して取りのぞきます。すすぎ運転が終わったら、くず取りネットの中に溜まった汚れをもう一度きれいにしましょう。1度のすすぎ運転できれいに汚れが取れない場合には、何度か繰り返し行ってください。
洗濯槽の中はカビなど意外と汚れています。紙おむつの汚れを取ると同時に洗濯槽用のカビ取り剤などを使用して、洗濯機を一気にきれいにしてしまうのも良いでしょう。
紙おむつを洗濯機で洗った時についた汚れには塩が効くの?
紙おむつを洗濯した時の対処法を知りたくてインターネットで検索すると、塩を入れると紙おむつの汚れが取れやすいという内容に記事を見かけます。では、本当に塩は紙おむつの汚れに有効なのでしょうか。
塩を洗濯機に入れるのはNG!
紙おむつを洗濯してしまった時に汚れをとるのに一番大変な高分子吸水材には、塩を含むと水に戻るという特性があります。ただ、洗濯物についてしまった紙おむつの汚れをとるために、汚れた洗濯物をもう一度洗濯機に入れて上から塩を振りかけて洗濯することはやめてください。塩を洗濯機に入れてしまうと、洗濯機のサビや故障の原因となってしまいます。
塩は使うけれど洗濯機に入れないで紙おむつの汚れを取る方法
塩を洗濯機に入れて洗濯することはできませんが、塩を使って洗濯物についた紙おむつの汚れを取ることはできます。塩を使って紙おむつの汚れを取る方法をご紹介します。
1.洗濯物を大きな洗面器や浴槽に入れる
紙おむつの汚れがついた洗濯物を濡れたまま、大きめサイズの洗面器や浴槽に並べます。一度に沢山の洗濯物を入れてしまうと、すすぎの作業が大変になりますので、面倒ですが少しずつ洗濯物を入れて作業していきましょう。
2.洗濯物の上から塩を振りかける
洗面器や浴槽に並べた洗濯物の上から、塩を全体に行き渡るようにまんべんなく振りかけていきます。塩は、もったいないので、安い塩を使用しましょう。
3.高分子吸水材が水に戻るのを待つ
洗濯物に塩を振りかけた状態でしばらく置いておき、高分子吸水材が水に戻るのを待ちます。高分子吸水材の水への戻りが遅いようでしたら、もう少し塩の量を足しても良いでしょう。
4.洗濯物を水ですすぐ
高分子吸水材が水に戻ったら、洗濯物を水ですすぎます。洗面器を使用している場合は、そのまますすぐことができますが、浴槽を使用している場合は、洗濯物が多いですので、少量ずつ洗面器に入れ替えてすすいでいくと良いでしょう。
5.洗濯物を洗濯機ですすぐ
まず、洗濯機を使用する前に、洗濯機の中の汚れを先にご紹介した方法できれいに取り除いておきましょう。洗濯ネットの中の汚れを捨てることも忘れないようにしてください。手ですすいだ洗濯物を洗濯機にいれて、すすぎ・脱水運転をします。
6.洗濯物を干す
すすぎ・脱水運転した洗濯物を干します。洗濯物を干すときにまだ紙おむつの汚れが残っているようであれば、ブラシや粘着テープで取り除いてください。干してからの方が、汚れがとれやすくなりますので、少量であれば干してから紙おむつの汚れを落としても構いません。
洗濯物に紙おむつの成分がついてしまっても人の体に影響を与えることはない
洗濯物についた紙おむつの汚れを取るのは本当に大変な作業です。しかし、どんなに時間をかけて紙おむつの汚れを取っても、すべての汚れをきれいにすることができない場合があります。紙おむつを洗濯してしまった時は、赤ちゃんのお洋服やタオルなどを一緒に洗ってしまっていることが多いです。赤ちゃんの肌に触れる物に、紙おむつの汚れがついたままでは、赤ちゃんの体に悪影響がないか心配になる方もいるでしょう。
紙おむつは赤ちゃんの体に触れることを前提として作られていますので、紙おむつの原料であるポリエチレンフィルム・不織布・高分子吸水材・綿状パルプなどは、人の体に直接触れても悪影響を与えることはありません。花王やP&Gなど国内で販売されている有名紙おむつメーカーのホームページにも、紙おむつの原料が人の肌に悪い影響を与えることはないということが記載されています。心配な方は、使用している紙おむつメーカーのホームページを確認してみましょう。
紙おむつを一緒に洗濯してしまって洗濯物に汚れがついてしまった時に、手作業や一度の洗濯だけで汚れが全部取り切れないこともあります。普段着や毎日使用するようなタオル類でしたら、何度が洗濯するうちに汚れがきれいに落ちますので、あまり気にしなくても良いでしょう。
ママが洗濯物についた紙おむつの汚れ落としに熱中していると、赤ちゃんが構って欲しくて泣き出すということも良くあります。あまり神経質になりすぎず、赤ちゃんの相手も優先してあげましょう。
紙おむつを洗濯機でうっかり洗わないための対策
紙おむつを洗濯してしまうと後が大変です。紙おむつの洗濯を避けるために、少しく工夫してみましょう。
洗濯物をネットにいれる
洗濯物をそのまま洗濯機に入れてしまうと、紙おむつを一緒に入れてしまうことがあります。洗濯物を一度洗濯カゴに入れ、ネットに小分けをしてから洗濯機に入れるようにすると、紙おむつが混ざってしまうのを避けることができます。
洗面所に子供を入れないようにする
子供が動き始めるようになると、子供が勝手に洗濯機に紙おむつを入れてしまうことがあります。特にドラム式洗濯機の場合は、子供の手が届きやすいので要注意です。洗面所の扉を常に閉めておいたり、入り口にゲートを取り付けたりして、子供が勝手に洗面所に入らないようにしておきましょう。
紙おむつを洗濯機で洗うと後が大変!
紙おむつを洗濯すると後片付けが本当に大変です。子育てに忙しい毎日でしょうが、紙おむつが洗濯物に混ざらないように気をつけてください。紙おむつを誤って洗濯してしまった場合でも、紙おむつの原料が人の体に悪影響を与えることはありませんので、あまり神経質にならずにできる範囲で洗濯物についた汚れを落としてください。