離乳食のレバーの下処理&レシピ
離乳食にレバーはいつから?ペーストの作り方&段階別レシピ
離乳食にレバーはいつから、どう使える?臭みを抜く下処理の方法、レバーペーストの作り方や中期・後期・完了期のレシピを動画付きで紹介。離乳食には鶏レバーがおすすめですが、豚や牛、ベビーフードでも代用は可能です。鉄分豊富なレバーを活用し、赤ちゃんの貧血を予防しましょう。
離乳食はレバーで鉄分補給をしよう!いつから与えていいの?
離乳食にレバーを取り入れると、赤ちゃんの健康や成長のために必要な「必須ミネラル」や「鉄(鉄分)」を効率的に摂取でき、赤ちゃんの貧血予防に有効活用できます。
赤ちゃんは、まだママのおなかの中にいる妊娠後期頃から、胎盤を通じて鉄分を吸収しており、産まれてすぐはおっぱいやミルクだけで成長していくため、ため込んだ「貯蔵鉄」から不足分の鉄を補っています。
しかし、生後6ヶ月〜9ヶ月頃になると、貯蔵鉄が足りなくなってきます。そのため、「離乳期貧血」とも呼ばれる貧血症状が赤ちゃんに見られるケースもあります。
赤ちゃんの貧血を予防するためには、日々の離乳食できちんと鉄分を摂ることが大切です。レバーを使った離乳食で、効率よく鉄分を補給していきましょう。
赤ちゃんにレバーは7カ月以降・離乳食中期から与えよう
レバーは、生後7カ月以降、離乳食中期から与えるようにしましょう。
消化器官が未熟な離乳食初期には負担が大きいですし、上手く臭みを処理しないまま与えてしまうと、その後の離乳食に影響をきたす可能性もあります。
レバーを使った離乳食は、鶏肉や白身魚に慣れてから、少量ずつ赤ちゃんの反応を見ながら与えるようにしてください。
レバーを買う時は、色が鮮やかでツヤがある、新鮮なものを選びましょう。また、レバーは傷みやすいので、買ってきたらすぐに調理するか、下処理を済ませて冷凍しましょう。
赤ちゃんに嬉しいレバーの栄養素
レバーに含まれる鉄分など100gあたりの含有量や鶏・豚・牛レバーの違いを紹介。赤ちゃんの鉄分必要量を考慮し、上手にレバーを取り入れていきましょう。
鉄分たっぷり!レバーは赤ちゃんの貧血予防に最適な食品
レバーには鉄分が豊富に含まれていて、赤ちゃんの貧血予防や免疫力アップの効果があります。
鉄分は、ヘム鉄と非ヘム鉄という2種類に分けられていますが、レバーの鉄分はヘム鉄を多く含み、単体でも吸収率が高い鉄分です。
100gあたりに含まれる鉄分の量は、
豚レバー13mg・鶏レバー9.0mg・牛レバー4.0mgです。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015)」によると、0歳・1歳児が1日に必要な鉄分推奨量は以下の通りです。
赤ちゃんに必要な鉄分量
●男児
生後6カ月~11か月 5.0mg
1歳~2歳 4.5mg
●女児
生後6カ月~11か月 4.5mg
1歳~2歳 4.5mg
ただし、母乳やミルクにも鉄分は含まれていますので、すべてを離乳食から摂取しなければいけない訳ではありません。
ビタミンAも豊富!過剰摂取には注意!
レバーには、ビタミンAも豊富に含まれています。ビタミンAは、皮膚や目の健康維持や粘膜を細菌から守り、感染症を予防するなどの働きがあります。
ただし、レバーに含まれるビタミンAはレチノールと呼ばれる脂溶性ビタミンのため、過剰摂取した場合、肝臓に負担がかかります。野菜などに含まれる水溶性ビタミンは、摂取量を上回っても尿として排出されるのですが、レチノールは排出されませんので、注意が必要です。
鉄分は小松菜などの野菜類、鶏卵や大豆製品、赤身のお肉、そして母乳やミルクにも含まれています。
貧血が心配だからと、毎日レバーばかりを大量に与えるのではなく、色々な食材を使い、バランスを考えて鉄分を取り入れていきましょう。
鶏・豚・牛レバーのどれも食べられるがおすすめは鶏レバー!
レバーには、鶏・豚・牛がありますが、赤ちゃんにおすすめなのはクセや臭みが少ない鶏レバーです。調理しても柔らかくなりやすいので、赤ちゃんでも食べやすいでしょう。
離乳食のレバーペーストの作り方・保存方法
鶏レバーを使用した、レバーの下処理とペーストの作り方そ紹介します。レバーは血管が多い部分で、クセや臭みの原因は血になります。しっかりと下処理して、血抜きしましょう。
ちなみに、豚レバーや牛レバーも、下処理やペーストにする行程は同じなので、参考にして下さい。
しっかり処理して臭みなし!基本のレバーペーストの作り方
材料
鶏レバー 80g
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色が鮮やかでツヤのある、新鮮なレバーを用意し、血の固まりや筋を取りながら、2〜3㎝程度の大きさに切ります。※鶏レバーはハツ(心臓)の部分を切り離して下さい。
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血の固まりを水で綺麗に洗い流します。
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氷水でさっと洗います(さらに血抜きできる)。
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キッチンペーパーで丁寧に水気を切ります。
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レバーが隠れるくらいの牛乳に浸し、冷蔵庫に入れて20分待てば下処理は終了です。
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牛乳から取り出したレバーをさっと水で洗い流し、お湯を沸騰させた鍋で2〜3分茹でて、中までしっかり火を通します。※中まできちんと火が通っているか取り出す前にレバーを割って確かめて下さい。
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ザルにあけて、水気を切ります。
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すり鉢などでしっかりとすり潰すか、フードプロセッサーにかけて下さい。
※お湯を足して延ばしたり、裏ごしすると、より食べやすくなります。
新鮮なうちに下処理したレバーペーストは冷凍保存がおすすめ
レバーは、新鮮なうちに下処理して加熱すれば、冷凍保存できます。
小さく刻むかペースト状にし、1回で使う分量に分け、製氷皿に入れて冷凍します。
または、冷凍保存袋に平に入れ、箸などで筋目をつけておくと、使う時に取り出しやすくて便利です。冷凍したレバーは1~2週間を目安に使い切りましょう。
レバー使用の離乳食レシピ【7ヶ月~1歳半】
刻んだレバーやレバーペーストを使ったレシピをご紹介します。
レバーは新鮮なものを使い、しっかりと下処理すれば、クセや臭みは抑えられますが、独特の味があるので苦手な赤ちゃんは多いです。苦手意識なくレバーを食べてもらうには、そのまま単品で食べさせるのではなく、組合せやレシピが大切です!
レバーと相性の良い食材・離乳食での調理のポイント
レバーをそのまま食べさせるよりも、好きなものに混ぜたり、出汁の風味をきかせた方が、赤ちゃんにとっては食べやすいはずです。レバーが好きになるような、美味しい離乳食を作ってあげましょう。
ひき肉~ハンバーグや肉団子にまぜればレバーの癖も気にならない!
レバーは、ひき肉と合わせて食べると、レバーと肉の旨味がマッチしてより美味しくなりますし、特有のクセも気になりにくくなります。ハンバーグなどのひき肉料理は、レバーやレバーペーストを混ぜ込みやすいので、調理のしやすさという点でもおすすめです。
ほうれん草・小松菜~鉄分豊富な緑黄色野菜と一緒に貧血を予防
ほうれん草や小松菜のような緑の濃い野菜は、ビタミンCが豊富です。
ビタミンCは鉄の吸収を良くするので、ビタミンCの多い野菜とレバーを一緒に食べることで、より貧血の予防・改善に繋がります。
マッシュしたじゃがいも~レバーと混ぜて手づかみ食べもOK
マッシュしたじゃがいもにレバーを混ぜてあげると、口当たりよく食べることができます。手づかみ食べにもおすすめですし、じゃがいももビタミンCを豊富に含んでいるので、鉄の吸収を促してくれます。
りんご~甘味があり意外にいける組み合わせでレバーを嫌がる赤ちゃんにも好評
レバーは、りんごなどの果実にも合います。
すりおろして熱を加えたりんごに、レバーを混ぜてあげると、甘味があり食べやすくなります。レバーを食べてくれない赤ちゃんにも、作ってあげたい組み合わせです。
レバー使用の中期(7カ月・8カ月)レシピ
中期はレバーペーストはもちろん、水溶き片栗粉でとろみをつけたスープにレバーを混ぜるのもおすすめの食べ方です。
レバーと豆腐のとろみ煮
ペーストではなく、小さく切ったレバーを、水溶き片栗粉でとろみをつけて食べやすくしたレシピです。出汁と青のりの風味によって、レバーのクセや臭みも抑えられます。
材料
- 鶏レバー10g
- 絹豆腐 40g
- 出汁 100cc
- 青のり ひとつまみ
- 片栗粉 小さじ1
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豆腐を1㎝程度の大きさに小さく切ります。
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下処理したレバーを2〜3分茹でます。
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茹でたレバーを5mm程度の大きさに細かく刻みます。
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鍋にレバー、豆腐、出汁を入れます。
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中火で2〜3分煮たら、火を止めて水とき片栗粉を入れ、混ぜ合わせます。
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再沸騰させ、とろみがついたら、青のりを加えて一混ぜしたら完成です。
レバー使用の後期(9カ月~11ヶ月)レシピ
後期はある程度のかたさのものが食べられるようになりますので、ハンバーグや鶏団子、おやきなどにレバーを混ぜるのがおすすめです。
レバーのトマトソースハンバーグ
レバーと鶏ひき肉を使った、肉の旨味が美味しいハンバーグです。
ハンバーグそのままでも美味しいですが、トマトのソースでさっぱり食べることができ、リコピンも摂ることができます。
材料
- レバーペースト(鶏) 10g
- 鶏ひき肉 20g
- 玉ねぎ 10g
- トマト 10g
- 出汁 大さじ1
- 無塩バター 3g
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ボウルにレバーペースト、鶏ひき肉、みじん切りした玉ねぎを入れます。
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手でしっかりと捏ねます。
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二等分にし、丸く成形し、少量の油を敷いたフライパンに置きます。
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弱火でじっくりと3〜4分、軽く焦げ目がつく程度に両面を焼いていきます。
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ソースを作ります。種を取り皮を剥いたトマトをみじん切りにし、バターを溶かしたフライパンに、トマトと出汁を入れます。
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弱火で1分程度炒めていきます。
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ハンバーグを入れ、トマトソースに絡めたら完成です。
レバー使用の完了期(1歳~1歳半)レシピ
いよいよほぼ100%の栄養を離乳食からとるので貧血には特に気を付けたい時期です。いつもの料理に積極的にレバーを混ぜましょう。
揚げないレバーコロッケ
レバーを使った、揚げないコロッケです。
フライパンでパン粉を炒ってから、後で衣をつけていくので、とっても簡単にできます。
じゃがいもとレバーで中はしっとり、外はカリカリの、食感も楽しいレシピです。
材料
- レバーペースト(鶏) 10g
- じゃがいも 50g
- パン粉 7g
- 出汁 大さじ1
- オリーブオイルまたはご家庭の油 小さじ1/2
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ボウルに茹でて潰したじゃがいも、レバー、出汁を入れます。
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混ぜ合わせて、生地を作ります
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熱したフライパンに油を敷き、中火で1分程度パン粉を炒ります。
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生地を4等分に丸く成形して、炒ったパン粉の上に乗せます。
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コロコロと転がしてパン粉を絡めれば完成です。
離乳食にはベビーフードのレバーペーストも活用OK
自分ではあまりレバーを食べない、レバーの下処理が苦手という方は、ベビーフードのレバーペーストが便利です。粉末状やフリーズドライでキューブ状になっていて、お湯を加えるだけですぐにレバーペーストができます。
クセや臭みも抑えて作られているので、赤ちゃんも食べやすく、レシピにも活用しやすいはずです。もちろん、上記でご紹介した「レバー使用の離乳食レシピ」にも使って構いません。
また、ペースト以外にも、ベビーフードには「レバー入りマーボー豆腐」「レバー入りトマト煮」など、レバーを使ったレトルトパウチや瓶詰の離乳食が色々とあります。普段手作りの離乳食が多い方も、おでかけ時にはこうしたレバー入りベビーフードを積極的に利用することをおすすめします。