赤ちゃんのずりばいを見守ろう
赤ちゃんのずりばいはメリットだらけ!楽しく練習するコツ
赤ちゃんのずりばいとは?寝返りが上手になったら次はハイハイ…ではなく、実は多くの赤ちゃんはハイハイ前にずりばいを行います。ずりばいはいつから始まるのか、動きの特徴やメリット、しない子・遅い子に楽しく練習させる方法、片足ばかりで蹴る、後ろに進むなど、赤ちゃんのずりばいの特徴を紹介!
赤ちゃんの「ずりばい」はハイハイの前準備
赤ちゃんのずりばいは、おむつのおしりをピョコピョコさせて、とても愛くるしいものがあります。もうすぐハイハイしてくれるのかな?と期待を胸に見守ってしまいます。
赤ちゃんの成長は早くてビックリさせられます。この間まで寝てばかりいると思っていたら、首がすわり、寝返りもできるようになり、日々の成長を嬉しく感じているでしょう。
赤ちゃんの成長には個人差があると分かりつつも、ママたちは「次は何ができるようになるのかな?ハイハイはもうできるのかな?」とつい期待してしまいます。
ですが、赤ちゃんはハイハイの前に、「ずりばい」をすることが多いです。赤ちゃんを産むまで知らなかったというママも多いずりばいは、ハイハイをする前の準備として多くの赤ちゃんが行う成長過程の1つです。
ずりばいの特徴とメリット!これって普通の動き?
赤ちゃんがうつ伏せ姿勢でお腹を下につけたまま腕や足で床を押したり、蹴ったりしながら移動をすることを「ずりばい」と言います。赤ちゃんによってずりばいの好きな動きのパターンは様々で、前に進むのではなく後ろに進むこともよくあります。
赤ちゃんによってずりはいの動きには個人差がある
赤ちゃんがずりばいをしているのを見ると、「ずりばい」している赤ちゃんを見ると、お腹が床についている状態で這って動く「ほふく前進」のようです。腕の筋力の強い子やまだ足を上手に動かせない赤ちゃんはほぼ腕の力で前に進み、キック力が強い赤ちゃんは足の裏の踏ん張りを利用して前進します。
ずりばいのときに片足を引きずるけど大丈夫?
片足だけで蹴って動くずりばいをする赤ちゃんも多くいます。一生懸命に片足ばかりで蹴るので、体の向きが同じ方向にばかり進んでいる姿は微笑ましくもあります。
しかし、片足ばかり動かしていると「もしかしてケガをしてる?」「発達していないのかな?」と心配になるママも多いでしょう。
赤ちゃんによって好きなずりばいの方法は異なり、ハイハイをする頃には両足を上手に使えるようになる子がほとんどですので、特別心配する必要はありません。
やはり赤ちゃんの動きが気になる、違和感を覚える場合は、保健センターの育児相談や小児科を受診すると良いでしょう。
ずりばいのときにお尻をあげるのはハイハイの前兆?
赤ちゃんがずりばいを始めて少し経つと、上半身を持ち上げて頭の位置を高くしたり、お尻をあげる仕草が見られるようになります。お尻をグッと持ち上げるためには腹筋と背筋が必要です。少し上げても体勢を維持できずにペタリとなってしまう場合は、まだ筋力が足りていないということです。無理にお尻を持ち上げて、練習させる必要はないので、暖かく見守ってあげましょう。
赤ちゃんのずりばいで筋トレ!脳への刺激も大!
ずりばいは赤ちゃんがそれまであまり使ってこなかった、腕と足を積極的に動かす運動です。ずりばいを頑張ると筋力がつき、足腰も強くなります。
ずりばい時に足の親指に力を入れるコツをつかむと、ハイハイや二足歩行の際に親指がきちんと動かせるようになり、成長の手助けとなります。
また、足の親指を使うことで脳への刺激が期待でき、その後の言語や運動機能に良い影響を与えると考えられています。O脚や外反母趾になりにくくなるという予防効果も期待できるようです。
ハイハイ・高ばい・ひじばいとの違い
赤ちゃんの這って動く動作には「ハイハイ」「ずりばい」以外にも、多くの動作や呼び名があります。赤ちゃんの筋力の発達具合や動きの好みによって動き方は異なりますので、「思っていた動きと違うな」と思っても暖かく見守ってあげて下さい。
ハイハイ
手のひらと膝が床についた四つん這いの状態で移動することを言います。
高ばい
両手両足を床につけ、手のひらとつま先で四足歩行のように移動することを指します。
ひじばい
腕や肩の筋肉がよく発達している赤ちゃんがやることの多い移動方法で、ずりばいとハイハイの間のような動きです。左右の肘を床につけて移動します。
ずりばいはいつから?遅い子やしない子の練習方法
赤ちゃんはいつからずりばいができるようになるのでしょうか?また、しない子や遅い子は練習させた方がいいのでしょうか?あせる必要はありませんが、赤ちゃんがずりばいをしたくなるように促してあげるのはいいことです。
ずりばいはいつからしはじめる?
もちろん個人差がありますが、赤ちゃんがずりばいをしはじめるのは、生後7ヶ月~8ヶ月頃が多いです。
赤ちゃんは上手に寝返りができるようになると好奇心が育ち、うつぶせの状態から首をあげ「あれを見たい」「触ってみたい」という欲求が起こります。興味の対象に手を伸ばしたり、体を近づけようとした結果として、ずりばいができるようになるのです。
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ずりばいをしない赤ちゃんや遅い赤ちゃん
発達に個人差があることはわかっていても、生後8ヶ月を過ぎてもずりばいをしないと、「発達が遅い?」と不安になることもあるでしょう。
ずりばいをしないままハイハイやつかまり立ちをする赤ちゃんもいますので、基本的にしばらく様子を見て大丈夫です。しかし、部屋の中にずりはいできるスペースがないと、赤ちゃんは本当は動きたいのに動けません。
また、寝返りをしても、特に興味を惹くものが見えない環境では好奇心が芽生えにくく、ずりばいしようという意欲が湧いてきません。部屋の広さや環境が整っているかの確認は大切です。
環境は整っているのにずりばいしない子や遅い子は、そもそも「ずりばいをする」という発想がない場合があります。ママが少しだけお手伝いしてあげると「こんなこともできるの?」と気が付き、赤ちゃん自ら積極的に動くようにサポートしてあげましょう。
ずりばいの練習方法~赤ちゃんの好奇心を刺激してやる気にさせるコツ~
身体は十分発達しているにもかかわらず、ずりばいしない子やしたがらない子は、ママが少しだけお手伝いしてみましょう。赤ちゃんのやる気を引き出すことが大切です。無理に手足を引っ張ると脱臼をしてしまう恐れがありますので、絶対にやめましょう。
ママやパパが赤ちゃんにずりばいのお手本を見せる
赤ちゃんはママやパパの真似が大好きです。ママたちが不思議な動きをしていると「なんだろう?」とやってみたくなるものです。
普段は二足歩行のママとパパですが、赤ちゃんの横でずりばいをしてみましょう。目の前でずりばいをするよりも、横でする方が赤ちゃんにとって真似がしやすいため効果的です。
好きなおもちゃで気を引く
多くの場合、赤ちゃんのずりばいの原動力は「あれが見たい」「触りたい」という好奇心です。赤ちゃんの目線の先にお気に入りのおもちゃを置いてみましょう。置く位置は手が届きそうで届かないくらいが良いです。
おもちゃは赤ちゃんの好奇心を刺激して「触りたい」「動きたい」という意欲をかきたてます。ママはおもちゃの横に座り「おいで!」「一緒に遊ぼう」と声をかけてあげると、より強く好奇心が刺激されるのでおすすめです。
足の裏に手で壁を作って蹴る感覚をサポートしてあげる
赤ちゃんが寝返りをうち、うつ伏せ状態で手足をバタバタと動かすようになったら、ずりばいを始める合図です。進もうとしてもなかなか進めないのは、足の裏や親指で地面を蹴る感覚が理解できていないためです。
そんな姿を見かけたら、赤ちゃんの足の裏に手の平で壁を作ってあげましょう。「蹴る感覚」がつかめれば、ずりばいをしはじめるのももうすぐです。
赤ちゃんがずりばいで後ろに進むのもハイハイの練習のうち
ずりばいの時、後ろに進む赤ちゃんもいますが、珍しいことではありません。大人からすると、「なぜ後ろに!?」と不思議ですが、赤ちゃんはお座りする際には、上半身が倒れ込みそうになると腕の筋肉で支えます。そのため、足の筋肉より腕の筋肉が発達している赤ちゃんが多く、ずりばい時にもついつい腕をつっぱり、後ろに進んでしまうのです。
赤ちゃん自身が進みたいと思った方向に進めない、思うように動けないと感じているなら、そのうち腕の動かし方、足を使うことを自分で学習し、前へ進めるようになります。泣くこともありますが、ママはあまり過保護にせず、見守ってあげましょう。
赤ちゃんがずりばいしやすい&ケガをしない環境づくり
ずりばいが始まると赤ちゃんの行動範囲は大きく広がります。赤ちゃんは嬉しくなってどんどんと動きまわり、ほんの少し目を離した隙に部屋から出て行き、ママをドキッとさせることも増えてきます。
大人の目線では小さな段差も、赤ちゃんにとっては大きな段差で、ケガをする可能性もあります。ずりばいが始まるようになったら、部屋の環境を見直しましょう。
ずりばいは痛い?床にはマットを敷くのがおすすめ
夏場に赤ちゃんがずりばいする場合、特にフローリングだと赤ちゃんのひざ部分が摩擦でこすれてママには痛そうに見えます。でも、赤ちゃんのひざにはたっぷりとお肉がついていて、こすれてもあまり痛くないようです。気になるようであればプレイマットを敷いたり、レッグウォーマーを履かせるという方法もありますので、赤ちゃんの様子を見ながら選んであげましょう。
また、ずりばいを始めたばかりの赤ちゃんは筋力が弱く、動くことにも慣れていないため、バランスを崩すことがよくあります。体勢を崩した拍子に頭をぶつけたり、今後もお座りの拍子に倒れる可能性を考えて、コルクマットやプレイマットを早い時期から床に敷いておくことをおすすめします。
絨毯を敷いている家庭も多いと思いますが、毛足の長い絨毯はホコリが取りづらく、アレルギー予防の観点からはおすすめできません。絨毯は赤ちゃんのよだれでも汚れてしまうので、お手入れのしやすいタイプを選びましょう。
赤ちゃんがずりばいをはじめたら家具の配置と部屋の掃除に配慮する
赤ちゃんはずりばいで動けるようになると、どこへでもどんどん進んでいくようになります。何が危険で何が安全かを知らない赤ちゃんは、見るもの全てに興味津々です。
赤ちゃんは興味の引かれたものは手に取り、口に入れて確認をします。誤飲やケガの防止のためにもこまめな掃除をしましょう。赤ちゃんの視線の高さまで顔を下げると、危険な場所や飲み込んでしまいそうなものが見えてきます。
部屋の中のよくある危険と対策
・家具の角にはクッションテープを貼る
・床に置かれた雑誌や新聞、CDケースは片づける
・コンセントやコードは隠す。引っ張ると扇風機などの軽い家電は倒れて危険
・ローテーブルや低めの棚にハサミやガラス製品などを置かない
ずりばいで足の爪が割れる!?
赤ちゃんの爪は柔らかくて割れやすいので、ずりばいで壁や床に爪がぶつかり、割れてしまったり、時には剥がれてしまうこともあります。痛がる素振りを見せない赤ちゃんも多いですが、欠けた爪は皮膚を引っ掻き、ケガに繋がります。
赤ちゃんの爪は伸びるスピードが早いので、こまめにチェックし、ケアしましょう。足を握るように持ち、切る指を親指で持ち上げて支えながら切ると安全です。赤ちゃんが大人しく切らせてくれない時は無理をせず、寝ているタイミングでこっそり切るのが賢明です。
ずりばいをはじめたら前開きタイプのお洋服はそろそろ卒業!
首すわり前の赤ちゃんのベビー服は、着替えやオムツ替えのお世話を考慮した前ボタンタイプが主流です。しかし、ずりばいを開始するとお腹を床につけて移動するため、ボタンが赤ちゃんの肌に食い込んだり、絨毯などに引っかかってしまう可能性があります。
ずりばいが本格化したら前ボタンタイプはそろそろ卒業です。お腹がでるので上下別れた服にする必要はありませんが、かぶせるタイプのお洋服にしてあげましょう。赤ちゃんの動きを妨げない服を選んであげてください。
- 赤ちゃん衣料のサイズ表記はとても独特。「80の洋服はいつまで着せられるの?」と地味に悩んでしまうことも。その答えは身長75~85cm、1歳〜1歳半頃。ベビー服のサイズ表記、帽子や靴についても解説。
ずりばいに力尽きたらうつ伏せのまま放置しない
ずりばいを始めるとペタリと床にうつ伏せになり、そのまま力尽きて眠ってしまうことがあります。寝返りや寝返り返りができるようになったら、窒息の危険はあまりないとも言われますが、赤ちゃんのうつぶせ寝は変わらず注意が必要です。
特に柔らかいマットや布団の上でのうつ伏せはやめましょう。長時間放置せず、そっと仰向けに戻してあげるようにしましょう。
赤ちゃんは全身で勉強中!可愛いずりばいを見守って
ずりばいしている赤ちゃんは、すぐにハイハイに挑戦する子もいれば、なかなかハイハイに移行しない子もいます。ずりばいは時期だけでなく、動き方にも個人差があり「後ろに進んでる!」「片足ばかり力強い」など気になる点もでてきますが、ずりばいを覚えたての赤ちゃんは身体の使い方を自分で学んでいる最中です。周りと比べて不安になることもありますが、もう少し様子を見ましょう。
ママが見本をみせてあげたり、興味を惹かせる努力をしたにもかかわらず、ずりばいが遅い子、しない子もいますが、発達に問題がないのならそれも個性です。もしかしたら急にハイハイしたり、つかまり立ちをすることもあるでしょう。
動きまわるようになるとママはたいへんですから「可愛い姿がゆっくり見られてラッキー」くらいの気持ちで見守りましょう。
できることが増えるにつれ、赤ちゃんにとっての危険も増えます。お部屋の安全がきちんと確保できているかチェックし、行動範囲が広くなる前にきちんと対策をとり、大事な赤ちゃんを守ってあげましょう。