赤ちゃんが誤飲した!まさかあんなものを食べるなんて!
「赤ちゃんはなんでも口に入れます。気を付けましょう!」
産後何度となく見かけたこの文面。初めての出産を終えた私は、ふーんと軽い気持ちで眺めているだけでした。まさかこの文面通りの出来事が、自分の身に降りかかってくるとは知らずに…。
生後8か月の息子は好奇心の塊だった
息子、生後8か月。お座りして遊んでばかりだった彼も、ようやくハイハイを始めました。
念願のハイハイ。ニコニコしながら私の方に向かってくる我が子は、それはそれは可愛くて。何度も写真や動画を撮って、ようやく動けるようになった喜びをかみしめていました。
移動スピードも次第に早く、距離も長く、今まで入れなかったキッチンにも、段差がある玄関にも突入していく長男。片時も目が離せません。
興味津々!なんでも触る
息子の好奇心はとどまることを知りません。新聞紙やチラシはビリビリに破られ、ティッシュは部屋中に散乱、引き出しを開ける。
いたずら盛りの赤ちゃんの洗礼。どんなママでも通る道ですが、当時の私は初めての育児にいっぱいいっぱい。今までおとなしくお座りをして遊んでいただけの長男が、ここまでの行動力を発揮するとは思ってもみなかったのです。
あまりにも行動的な息子の姿に衝撃を受け、驚きを隠せませんでした。
部屋の模様替えをしなければと決意した
部屋の安全対策をしなければヤバイ!
ニコニコしながら部屋中を動き回る長男を見て、私は決意を固めました。
キッチンや玄関にベビーゲートを設置し、部屋の隅のごみ箱を撤去。引き出しや戸棚にストッパーを付け、机の角にはクッションを付け、せっせと部屋の整備を行いました。
夫婦2人で生活していた部屋は、子供仕様に早変わり。素敵なインテリアは何もないけれど、大切な子供のため。すっかり様子の変わった部屋を眺めながら、私の心は満足感と安心感でいっぱいでした。
しかし、この「安心感」が良くなかったのです。
そして生後9カ月、とうとう起こった「誤飲大事件」
ハイハイ開始から1カ月。生後9か月を迎えた息子の運動能力は、さらに向上。つかまり立ちや伝い歩きもマスターし、ますます目が離せない時期に突入です。
そんなある日、事件が起こります。
ちょっと目を離した隙に…誤飲
その日、私は朝から書類整理に追われていました。
引き出しを、何度も開けたり締めたり。その都度ストッパーも付けて、外して…。息子は私の後ろにスタンバイ。書類を入れていたファイルをなめたり、振り回したりして楽しんでいました。
ふと、トイレに行きたくなった私。引き出しを締めてストッパーを付け、「トイレに行ってくるね」と声をかけました。
数分後。トイレから戻ると、鼻を衝く異臭。
一瞬頭の中がフリーズします。この臭いは知っている…そう、カメムシの臭いだったからです。
でもどうしてカメムシの臭いが?この時季節は3月。まだ外は寒い。カメムシがいるはずはない。
ふと目をやると、引き出しの前に佇む息子を見つけました。あれ、まさか、引き出しを…開けている!?
息子がカメムシを食べちゃったんです
息子は、引き出しのストッパーを難なく解除、引き出しを開けていました。「まさかできるはずがない」という私の思い込みが招いた事故です。朝から何度も解除方法を見ていたので、覚えてしまったのです。
すぐに息子のもとに駆け寄ると、あれ、何か食べてる?もぐもぐと口を動かしていました。
急いで口をこじ開けると、何この臭い。まさか……!
そのまさかでした。長男はカメムシを口に入れていました。
とにかく口の中から掻きだします。もうパニック状態の私。当時は歯がほとんど生えていなかったので、噛めなかったという点は不幸中の幸いでしょうか。
息子は大丈夫か?医療相談ダイヤルへ電話
息子はご機嫌で、体調に変わりはなさそうに見えました。しかしカメムシを食べてしまった、というのは事実です。
毒があったらどうしよう、お腹は痛くならないのかな…いろいろな心配事が頭の中を駆け巡ります。
不安に駆られた私は、医療相談ダイアルに電話をかけました。
さすがにカメムシの誤飲は珍しいのでしょう。電話先の相談員さんは驚き、優しく対処法を教えてくれました。ガーゼで口の中を拭き、体調を観察すること。何かあったらすぐに病院を受診すること。
言われるがまま、口の中をガーゼで拭い、赤ちゃん用歯ブラシで洗浄しました。
その間もずっとご機嫌で、体調には問題なさそうで本当にホッとしました。
息子はどこでカメムシを誤飲したのか?
息子が落ち着いていたので、引き出しの中を改めて確認しました。
どうやら、引き出しの隅にカメムシがいた模様。気温も低い時期だったのでほとんど動かず、0歳児でも楽に捕まえられたようです。
まさか引き出しの中にそんな危険が潜んでいたなんて、夢にも思いませんでした。
赤ちゃんが誤飲をしないようにちゃんと危機管理をしよう
「赤ちゃんはなんでも口に入れます。気を付けましょう!」、産後何度となく見かけたこの文面。
確かに小さなおもちゃや電池、アクセサリーなどは、息子の手が届かないところに置いていました。ベビーゲートも設置していたし、ストッパーも使っていた。私は十分に危機管理をしている「つもり」だったのです。
しかし、ひとつ抜け落ちていたこと。それは「赤ちゃんの学習能力の高さ」です。赤ちゃんはなんでも真似をする、すぐにできるようになる。
だからこそ、引き出しの中や、戸棚の中まで、しっかりとチェックもしておくべきだったのです。事前によく確認しておけば、こんな事態にはならなかったことでしょう。
カメムシを食べた息子は、もうすぐ5歳。元気な年中さんです。カメムシを口に入れた実績があるにも関わらず、虫が大の苦手。ダンゴムシすら触れない男の子になってしまいました。
あの衝撃的な光景は、絶対に忘れられません。だからこそ部屋の危機管理を徹底しなければと感じる毎日です。