赤ちゃんのしゃっくり予防・原因

赤ちゃんのしゃっくりは病気?しゃっくり予防と対処法

赤ちゃんは横隔膜が未発達のため大人と比較し、しゃっくりも多くなります。「もしかして病気かも」と心配になるママもいます。赤ちゃんの授乳後や泣いた拍子に起こるしゃっくりの原因や予防方法、NGな止め方と赤ちゃんに負担のかからない止め方を紹介します。

赤ちゃんのしゃっくりは病気?しゃっくり予防と対処法

何故多い?赤ちゃんのしゃっくりの予防・止め方

産まれたばかりの赤ちゃんがしゃっくりをしてビックリしたというママも多いのではないでしょうか。頻繁にしゃっくりを繰り返し、ヒックヒックとすぐに治まらないと「大丈夫かな?病気なのかな?」と不安になることもあるでしょう。

今回はそんな赤ちゃんのしゃっくりについて紹介します。
赤ちゃんのしゃっくりの原因とすぐに止まらないときの止め方について知っておくだけでもママはきっと安心できますよ。

赤ちゃんのしゃっくりが多い理由

出典:www.youtube.com

赤ちゃんがしゃっくりをする理由は大人と同じだと言われています。しかし、赤ちゃんの体は大人と違い未熟な部分が多いため大人よりもしゃっくりの起こる回数が多くなってしまいます。
では、しゃっくりとはどのように起こるのか、メカニズムと起きやすい原因を紹介します。

しゃっくりのメカニズム

しゃっくりが落ち着き姉と仲良く寝る赤ちゃん

そもそもしゃっくりはどのようにして起こるのでしょうか。しゃっくりとは吃逆(きつぎゃく)とも言い、横隔膜が痙攣してしまう異常呼吸の状態を言います。
横隔膜とは肺の下にある胸腔と腹腔を分けている薄い筋肉のことで、上下運動をさせ、息を吸うためにあります。
この横隔膜周辺の組織が刺激を受けることで痙攣が起き、不規則な呼吸と共にヒックという独特な音が出ます。

基本的には突然発生しますが自然に治まることがほとんどです。発生理由は様々ですが、しゃっくりには3種類あります。
肺炎や喘息などによって筋肉を支配する神経の末梢神経が刺激され起こる『末梢性しゃっくり』とアルコールや病気などによって中枢神経が刺激されて起こる『中枢性しゃっくり』、横隔膜が直接刺激を受けることで起こる『横隔膜性しゃっくり』です。
一般的にしゃっくりと呼ばれるのは『横隔膜性しゃっくり』です。

横隔膜性しゃっくり

横隔膜性しゃっくりは、早いスピードで食事をしたり、食べ過ぎてしまったときに胃が大きく膨らみ、圧迫することで横隔膜が刺激を受けることで起こる一過性のものが主な原因です。
赤ちゃんのしゃっくりのほとんどがこの横隔膜性しゃっくりです。

新生児期に多く見られる

しゃっくりが止まらずママに助けを求める赤ちゃん

赤ちゃんのしゃっくりは新生児~生後6ヶ月くらいまでが最も多く、産まれたばかりの赤ちゃんの横隔膜が未熟なためちょっとした刺激でしゃっくりを起こします。

産まれてくるまでは羊水の中で胎盤を通して酸素を取り入れ、二酸化炭素の排出を行って呼吸をしています。
産声をあげた瞬間から赤ちゃんの自発呼吸が開始するため横隔膜は最低限の機能しか備わっておらず未熟なのです。

新生児の頃の呼吸は1分間に30~60回と大人の3倍以上の回数を行います。この多い呼吸を腹式呼吸で行うことによって横隔膜は鍛えられます。
横隔膜が鍛えられ、成熟するまではしゃっくりが多くなってしまい、成長とともに減少します。成長には個人差があるため、生後6ヶ月を過ぎてもしゃっくりを多くする子もいるので、心配をし過ぎる必要はありませんよ。

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実は胎児のときからしゃっくりをしている

お腹の中にいるときに一定の間隔で「ピクッピクッ」という胎動を感じるママもいます。これは胎児がしゃっくりをしているときの胎動です。

胎児のしゃっくりは呼吸の練習をしていると言われ、産まれてくるための準備の1つです。練習をして産まれてきたとしても、赤ちゃんの横隔膜は軽い刺激でもしゃっくりを引き起こしてしまいます。

赤ちゃんのしゃっくりの原因

赤ちゃんのしゃっくりの原因について紹介します。大人のしゃっくりは食べたものや飲んだものの種類や量、ストレスや驚いた拍子にしゃっくりをする人が多いのですが、赤ちゃんはどのような原因があるのでしょうか?
しゃっくりが多くて心配しているママは、普段から気をつけてあげてもいいですね。

飲む・食べると起こる

楽しそうに離乳食を食べる姉弟

授乳や離乳食を食べさせるとしゃっくりをする赤ちゃんは多くいます。これは、胃や食道にミルクやおっぱい、食料が入ってきたことで活発に動くようになるため、その動きに横隔膜が刺激を受けてしゃっくりをしてしまうためです。

一説には、食事と一緒に空気を飲み込んでしまい、げっぷとして吐き出そうとしてしゃっくりを起こしてしまうという意見もあります。
授乳や食事を辞めるわけにはいかないので、飲み過ぎ食べ過ぎに注意をし授乳後はきちんとげっぷを出してあげましょう。

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体が冷えると起こる

プール遊びに夢中になり体を冷やした赤ちゃん

おむつが汚れるとしゃっくりを起こすこともあります。おむつが濡れたことによって、赤ちゃんの体を冷やしてしまい、体温の変化が刺激となりしゃっくりを起こしてしまうようです。

授乳するとおしっこをする赤ちゃんは多いので授乳の際にはおむつにも注意をしましょう。
新生児期の赤ちゃんはとくに頻繁におしっこやうんちをするため、なるべくこまめに交換をしてあげると良いですよ。

また、おむつだけでなく部屋の気温も寒すぎないかをチェックしてあげると良いですね。

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激しく笑うと起こる

ママを見つめて笑顔になる赤ちゃん

意外だと思うママも多いかもしれませんが、激しく笑うとしゃっくりをする子もいます。軽く笑う程度では出ませんが、激しく笑うことで横隔膜が刺激されしゃっくりをします。

赤ちゃんによっては声を出して笑うたびにしゃっくりをしてしまう子もいるようです。中には大人になっても笑うとしゃっくりが出るというケースもありますが、病気ではなく笑い方による体質なので心配はいりません。

ただし、笑うたびにしゃっくりが出て、苦しそうな様子であれば、ママはあやすときに激しく笑わせないようにしてあげましょう。

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赤ちゃんのしゃっくりの止め方

しゃっくりは大人がすると呼吸がしづらく苦しく感じます。しかし、赤ちゃんは大人程苦しく感じていないと言われています。
実際にしゃっくりをしている赤ちゃんの多くは苦しむそぶりを見せず、ケロリとしていることも少なくありません。それでも長引くと眠れなかったり、赤ちゃんによっては泣いてしまうこともあります。

長いしゃっくりはなるべくなら止めてあげたいですね。そのためには早めにしゃっくりの原因に気が付いてあげる必要があります。

おむつの確認

むちむち赤ちゃんのおむつ

おむつが濡れていると体温が下がってしまいます。体温の変化に体が反応してしゃっくりをしていることが考えられますので、おむつのチェックをしましょう。

塗れているようなら新しいおむつに交換しましょう。おむつが濡れていると体温を奪ってしまうので普段からこまめに交換をしましょう。

ミルクや母乳、湯冷ましを飲ませる

飲み込むことで新たな刺激が加わり、しゃっくりが止まることがあります。母乳やミルクは赤ちゃんにとっても安心できますが、白湯や麦茶などが飲めるようであれば手軽に飲ませられます。
離乳食の最中にしゃっくりが出始めた場合、飲み物を飲ませると落ち着くことが多いようです。

背中を軽く叩いてげっぷを出す

ゴクゴクミルクを飲むハラペコ赤ちゃん

授乳中や授乳後にしゃっくりが出始めた場合は空気を一緒に飲み込んでしまって、横隔膜が刺激されている可能性があります。

タテ抱きにし、背中をトントンと軽く叩いてげっぷをさせてあげると治まることがあります。強く叩きすぎて吐き戻しにならないよう注意をしてあげましょう。
普段から授乳後はしっかりとげっぷをさせてあげることが大切です。

体を温める

部屋の気温が低いときにしゃっくりが出る傾向にあります。寒さで体が委縮してしまっているようであれば、温めてあげることでしゃっくりは落ち着きます。
お湯で温めたタオルをお腹にあててあげると早く体を温められます。また、ママの手で背中をさすってあげると体は温まり赤ちゃん自身も安心するのでおすすめです。

お風呂あがりは手早く服を着せてあげたり、気温の調整をしたりして体が冷えすぎないように配慮をしましょう。

これはNG!赤ちゃんに負担のある止め方

赤ちゃんが目の前でずっとしゃっくりをしているとどうしても可哀想で気になってしまいます。色々試してみてもなかなか止まらないとつい過剰な方法を試してしまうことがあります。

ネット上の情報によっては、赤ちゃんにとっては逆に負担が大きく危険を伴うことのあるできれば避けるべき方法も紹介されていることがあります。

うつ伏せにする

うつ伏せで布団に突っ伏した赤ちゃん

赤ちゃんの視線が変わって、意識が逸れることでしゃっくりが止まるという方法ですが、しゃっくりをしている最中の体には負担が大きく、窒息してしまう危険性もあるため、もし試す場合は絶対に目を離さず長時間は行わないようにしてください。

大泣きをさせる

激しく泣くことで横隔膜を刺激させしゃっくりを止めるという方法です。しかし、あえて赤ちゃんを泣かす方法は赤ちゃんにとっても辛いものです。
激しく泣いたことでむせてしまたり、ミルクを吐きだしてしまう子もいるため、この方法もできれば避けましょう。

くしゃみをさせる

くしゃみをすることで、自然と大きく息を吸い吐けるため、しゃっくりを止める方法として効果があったというママもいますが、くしゃみをさせるために鼻をこよりで刺激しなくてはいけません。その際、鼻腔や粘膜を傷つける恐れがあります。
くしゃみを止めるために傷つけ細菌に感染させてしまっては意味がありませんので、こちらも避けるべき方法です。

驚かせる

赤ちゃんとコミュニケーションを取るママ

大人のしゃっくりの止め方として、驚かせるという方法があります。こちらも赤ちゃんにも効果があったというママがいますが、驚かせたから止まったわけではなく結果として止まっただけで実は効果がないと言われています。
赤ちゃんにとって心のストレスになるので驚かせる方法はやめましょう。

過度な刺激は厳禁!しゃっくり予防

普段から過度な刺激にならないようにすることで、しゃっくりの回数を減らせます。しゃっくりの予防をして快適に過ごさせてあげたいですね。

授乳の確認

飲み過ぎていないか、空気が大量に入っていないかを見ながら飲ませてあげましょう。産まれたばかりの赤ちゃんは与えられただけ飲んでしまい、飲み方もまだ上手ではありません。
ママが「飲んだ後はいつも吐き戻していないか」「空気が入らない角度で飲んでいるか」など気を付けてあげるだけでもしゃっくりを予防できます。

おむつや空調管理

空調管理の行き届いた部屋で落書きする赤ちゃん

赤ちゃんは体温や気温の変化に敏感です。体が冷えてしまう前におむつを交換し、夏の冷房や冬の冷えなどの室温調整をしましょう。
また、エアコンや扇風機の風、外気が直接赤ちゃんに当たらないよう風向きを調整すると赤ちゃんの冷え過ぎを防げます。
気温によっては肌着を重ねるなど注意をしてあげる必要もあります。

この症状は危険!注意が必要なしゃっくり

通常、赤ちゃんのしゃっくりは心配のいらない物がほとんどです。赤ちゃんの多くはしゃっくりそのものをよくし、成長とともに減少していきます。早めに原因を見極め、対処することにより短時間で治まります。

しかし、普段と違うしゃっくりをしているようであれば注意が必要なものもあります。しゃっくりをし始めたら赤ちゃんの様子を見て、病院の受診をするなどの対処をしましょう。

しゃっくりが止まらない

長時間しゃっくりが止まらない場合は注意が必要です。中枢神経や脳梗塞や横隔膜付近の神経などに不調が出ているなどの病気が原因の場合もあります。何時間も続く場合は病院を受診しましょう。
特に2日間以上つづくしゃっくりは難治性しゃっくりと呼ばれ、食事や睡眠がとれず衰弱してしまうこともあるため早急に診察をしてもらいましょう。

呼吸の乱れ

新生児期の赤ちゃんは鼻呼吸のみで呼吸をしています。そのため鼻が詰まった状態でしゃっくりが始まると呼吸困難に陥るケースもあります。
しゃっくりの最中に呼吸に異常があれば鼻詰まりがないか確認し、病院の先生に相談しましょう。

逆流性食道炎

しゃっくりを苦しそうにしている場合、胃液が逆流してしまい、食道を傷つけてしまう逆流性食道炎という病気になっている可能性があります。
苦しそうにしゃっくりする以外にもよだれが大量に出ていたり、吐いたりしている場合には病院を受診しましょう。

薬の副作用

薬を飲むとしゃっくりをする場合は薬による副作用の可能性もあります。薬を飲むたびにしゃっくりをするようであれば、薬の量が適切でない場合もあるので、まずは病院に相談をしてみましょう。

離乳食が始まった赤ちゃんの場合

スイカに無我夢中の赤ちゃん

ごく稀なケースとして、食品アレルギーの症状としてしゃっくりが出ることもあります。アレルギー症状を起こす食品は数が多く、赤ちゃんによっても様々で度合も異なります。

離乳食を始めた赤ちゃんがしゃっくりを始めた場合、じんましんや鼻水、咳を伴うしゃっくり、目の充血などのアレルギー症状が他にも出ていないかを確認しましょう。
食事の最中や食後にしゃっくりが始まり、他の症状もあり不安な場合は病院でアレルギーテストをしてもらうこともできます。

しゃっくりは成長過程の1つ

赤ちゃんの体や筋肉、呼吸方法、体温調整も産まれたばかりは未熟です。そのためしゃっくりの出やすいものだと思い気にし過ぎないようにしましょう。

1歳未満の赤ちゃんにとってはしゃっくりも呼吸練習をして成長をするの1つのステップです。体が作られていくことで徐々に減っていき、気が付いたときには「最近していないかも」と思うほどです。
ママは過剰に反応せず、暖かく見守ってあげましょうね。