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赤ちゃんが髪の毛をむしる原因

赤ちゃんが髪の毛をむしる原因とは?今すぐできる対処法

赤ちゃんが髪の毛をむしる原因と対処法をご紹介。髪の毛をむしるのはストレスが関係しているのか、眠いときの癖や遊びだと思っている赤ちゃんにはどのように対応すればいいのか、大人の髪の毛を引っ張る子の心理についても解説。「ダメ」と教えることが難しい、1歳未満の赤ちゃんへの上手な対応とは?

赤ちゃんが髪の毛をむしる3つの原因

赤ちゃんが自分の髪の毛を引っ張ったり、むしっている光景を見たことはありませんか?
中には同じ場所ばかり引っ張ったせいで髪が薄くなり、ハゲているように見える子もいます。

もともと赤ちゃんの髪の毛は薄く、枕やシーツにこすられることで部分的にハゲる赤ちゃんは珍しくありません。しかし、やはり髪の毛をむしる行動が見られると、お父さんお母さんとしては心配になってしまいます。

赤ちゃんが自分の髪の毛をむしるのはなぜか、主な3つの原因と対処法を解説します。

原因1.髪の毛をひっぱるのが面白い、むしるのが癖になっている

赤ちゃんは好奇心が旺盛でなんでもおもちゃにしますから「何となくつかんだ髪の毛を引っ張ったら抜けてしまった」「手にいっぱい髪の毛がついて面白い」などの理由で、いつの間にか髪の毛をむしるのが癖になっているケースもあります。

大人の感覚からすると痛そうですが、赤ちゃんの髪の毛は1歳くらいまではふわふわとした産毛ですので、赤ちゃんの力でも簡単に切れてしまい、特に痛みは感じていません。

眠いときに髪の毛をむしる赤ちゃんは多い

赤ちゃんは眠るのが下手で、睡魔に襲われているときに手をむにゃむにゃと動かすのはよく見られる光景です。その際に、偶然髪の毛を掴んでしまい、髪の毛をむしるのが眠い時の癖・入眠儀式になってしまう赤ちゃんもいます。

生後3カ月を過ぎ、自分の身体に興味が出てきている

生後3ヶ月~5ヶ月ごろになると自分の身体に興味が出てくるために、手を伸ばしたときに触れる髪の毛の存在が気になってしまい、むしるのが癖になってしまう赤ちゃんも見受けられます。

赤ちゃんにとっては、髪の毛を触ることも、こぶししゃぶりや指しゃぶりなどと同様に、自分の身体を確認する遊びの1つといえるでしょう。力加減ができず髪の毛を抜いてしまうのは問題ですが、そうした好奇心は決して悪いものではありません。

原因2.頭がかゆいが、上手く掻けないので刺激を与えている

頭がかゆいけれど、まだまだ手をうまく使えない赤ちゃんは「患部を掻く」という行為がうまくできません。そのため、とりあえず頭に手を伸ばして、髪をつかんでむしってしまうこともあります。

髪を引っ張るとその瞬間はかゆみが治まりますので、赤ちゃんは頭がかゆくなる度に髪を引っ張るようになるのです。

原因3.ストレスを感じている

大人にとって「髪の毛をむしる」という行為は、ストレスや心の病が原因となることも多いため、赤ちゃんが髪の毛をむしっていると親としては心配です。

しかし、1歳未満の赤ちゃんが髪の毛をむしるときは、ほとんどの場合が「なんとなく、面白いから」もしくは「頭がかゆい」からです。

2歳を過ぎると子供も徐々に情緒的に発達して、ストレスを感じたり、ストレスによって髪をむしったりするケースも出てくるのですが、1歳以下の赤ちゃんがストレスで髪を引っ張ることは稀ですので気に病む必要はありません。

赤ちゃんの髪の毛をむしる行為は原因別に対処しよう

赤ちゃんが髪の毛をむしる原因別に、どのように対処するべきか探っていきましょう。

髪の毛をむしることをただ単に面白がっているときは他の遊びを提案

赤ちゃんが機嫌よく髪の毛をむしっているときは、面白がっているか、単に癖になっているかのどちらかだと考えられます。

赤ちゃんが髪の毛をむしる度に怖い顔をして「ダメでしょ」と言っても、あまり効果はありません。
むしる度に毎回赤ちゃんの行為を止めていると、好奇心が満たされず、むしる期間を長引かせてしまうこともあります。あまりにも強く引っ張っているときや頻繁すぎるときだけ、赤ちゃんの手を取って、むしる行為を止めさせるようにして下さい。

基本的には、次のようにママやパパが新しい遊びを教えてあげることで、赤ちゃんが髪の毛をむしらないように誘導しましょう。

赤ちゃんの手を取って一緒に手遊びをする

赤ちゃんが髪の毛をむしっているのを見つけたら、赤ちゃんが髪の毛の方に伸ばしている手を取って、一緒に手遊びしてみましょう。

0~2ヶ月のときはただ単に手をつないでおしゃべりするだけでも良いですし、3ヶ月以上になったら赤ちゃんの手をパチパチと合わせたり、腕ごとぐるぐると回したりして、赤ちゃんが喜ぶように遊んであげましょう。

お気に入りのおもちゃを握らせる

赤ちゃんの手から髪の毛を外して、代わりにぬいぐるみやお気に入りのおもちゃを握らせてみましょう。触った感触を楽しんだり、自分で振って音が出せるラトル(ガラガラ)なら赤ちゃんにはじめて与えるおもちゃとしても安心です。お気に入りのおもちゃを握らせると髪の毛のことは忘れてしまいます。

抱っこをしたりお散歩に出かける

寝がえりを打ったり、自分で起き上がったりすることができない赤ちゃんの場合、いつも視界に入るものが同じで退屈して、髪の毛をむしったり、引っ張ったりしていることもあります。

赤ちゃんの機嫌は悪くなさそうだけど、なんとなく退屈していそうなときは、家の中で抱っこをしたりお散歩に出かけたりして、赤ちゃんの退屈を紛らわせてあげましょう。

お散歩中は周りの変化に夢中になりますので、自分の身体や髪の毛に意識を集中する回数は目に見えて減るはずです。

頭がかゆくて髪の毛をむしっているときは入浴の仕方を見直す

イライラと不機嫌な様子で赤ちゃんが髪の毛をむしっているときは、頭がかゆい可能性が高いです。

こまめに入浴し、汗を拭く

赤ちゃんは汗かきですので、こまめに汗を拭かないとあせもが出来てしまうこともあります。寝ていることが多い赤ちゃんは頭にも汗をかきますので、身体だけでなく頭の汗も忘れず拭いてあげるようにしてください。

入浴時は、しっかり泡立てて頭皮を洗い、すすぎ残しがないように注意しましょう。生後1ヶ月を過ぎ、赤ちゃんの肌の状態が変わったり、正しい濃度を守っていないと、沐浴剤では皮膚の汚れが落ち切っていないこともあります。

赤ちゃんのストレスが原因と思われるときはスキンシップの時間を多めにする

稀なことではありますが、かゆみはなさそうなのに赤ちゃんが機嫌の悪いようすで髪の毛をむしっているときは、ストレスが原因である可能性も疑いましょう。

髪をむしる以外にも、あまり笑わなくなる、夜泣きがひどくなるなどの症状があるときは注意して経過を観察してあげてください。

抱っこする回数を増す

赤ちゃんが愛情を感じられるように、抱っこする回数を増やしましょう。もちろん抱っこするときは、赤ちゃんが「大事にされている」と実感できるように、色々話しかけたり歌ったりしてください。

普段、愛情を十分に感じている赤ちゃんも、断乳したとき、体調不良で家に閉じこもりっぱなしのときなどは、一時的にストレスが溜まってしまうケースもあります。

赤ちゃんと接する時間を長くし、赤ちゃんが楽しい気分で暮らせるように意識してみましょう。

忙しいときは声掛けでもOK

料理をしているときなど、どうしても手が離せないときもお母さんやお父さんにはたくさんあります。そのようなときに赤ちゃんが髪の毛をむしっているなら、「○○ちゃん、何しているの?」「お母さんは美味しいご飯を作っているよ」などと赤ちゃん個人に向けた声掛けをしてあげましょう。

抱っこしたり、散歩に連れて行ったりできなくても、お母さんやお父さんの優しい声で、赤ちゃんは安心し、ストレスは軽減できるはずです。

赤ちゃんが髪の毛をむしらないように予防対策をしておこう

0歳や1歳の赤ちゃんに「髪の毛をむしるのはダメ」と伝えるのは難しいものです。怒っている表情を作って赤ちゃんに注意することもできますが、赤ちゃんは「髪の毛をむしるのはダメなんだ」と理解しないで、「お母さんが怖い」と誤解してしまう可能性があります。

もちろん赤ちゃんが髪の毛をむしっているのに気づいたときは、手遊びやおもちゃを使って赤ちゃんの興味を他に向けることができますが、24時間、赤ちゃんの様子を観察しているわけにはいきません。では、一体どうすれば良いのでしょうか。

赤ちゃんの興味を他に向ける環境づくりをする

赤ちゃんが過ごすスペースにおもちゃやぬいぐるみなどを多めに置き、赤ちゃんが髪の毛を気にせずに過ごせるようにしてください。多機能なベッドメリーやベビージムなどもおすすめです。

長い前髪は切っておき、髪の毛が赤ちゃんの視界に入らないようにする

赤ちゃんによっては生まれたときから髪が長く、数ヶ月で目にかかるほど前髪が伸びてしまうこともあります。赤ちゃんの視界に前髪が入ると、なおさら興味を持って引っ張るようになりますので、前髪が眉毛にかからない程度に切りそろえておくようにしましょう。

髪の毛が汗でかゆくならないように室温や赤ちゃんの服装をチェックする

汗はかゆみの原因になりますので、赤ちゃんの過ごす部屋に温度計と湿度計を置き、常に赤ちゃんが快適に暮らせる環境を作りましょう。夏期なら25~28度、冬季なら18~22度、湿度は40~60%が理想的です。

もちろん、服装や布団にも気を配りましょう。赤ちゃんは基本的には大人よりも暑がりですので、大人が汗をかいていないときでも全身に汗をびっしょりとかいていることがあります。

シーツやまくらを清潔にキープし雑菌が繁殖しないようにする

シーツやまくらは、できれば2~3日おきに洗うようにし、寝具に雑菌が繁殖しないようにしましょう。寝ている周辺の環境が不潔になってしまうと、かゆみを感じやすくなります。

こまめに爪を切り、頭皮を傷つけないようにする

無理に赤ちゃんの行為を止めるのではなく、赤ちゃんが自分の身体を傷つけてしまわないように、お母さんやお父さんが前もってケアすることを心がけましょう。

髪の毛をむしろうとするときは顔や頭に手を伸ばしますので、赤ちゃんの爪が伸びていると顔や目を引っ掻いてしまう恐れがあります。

髪の毛をむしるクセのある赤ちゃんは、爪がとがったり長くなったりしないよう、週に2、3度は手指のチェックをしてください。

からだに切り傷・引っ掻き傷がないかもチェック

髪の毛をむしる行為を含めて、とにかく手を動かしたい時期の赤ちゃんは、入浴時や着替え時にからだに切り傷や引っ掻き傷がないかもチェックしてください。傷口が痛痒くなると、さらに赤ちゃんが引っ掻きますし、とびひなどの原因になる恐れもあります。

ただし、絆創膏は赤ちゃんが自分で取って、誤飲する危険性があるためNGです。傷部分をカバーする袖のついたシャツなどを着せて、悪化を防ぎましょう。

赤ちゃんが大人の髪の毛を引っ張ることもある

赤ちゃんが、自分の髪の毛をむしるのではなく、大人の髪の毛を引っ張ることがあります。 なぜ、赤ちゃんは大人の髪の毛を引っ張るのでしょうか?

長い髪の毛に興味がある

お母さんの髪の毛が長い場合は、単に興味があるため髪の毛を引っ張るという赤ちゃんも多くいます。

特に抱っこする瞬間やおむつを替える瞬間は、お母さんの長い髪が赤ちゃんの顔に当たりそうになりますので、「これは何だろう」と純粋に興味を持って、引っ張ったり、場合によっては力を入れ過ぎて抜いてしまったりします。

赤ちゃんがおむつ替えの度に引っ張るときは、髪をまとめるなどの対策をした方が安心です。

髪の毛をひっぱったときの反応が面白い

お母さんの髪の毛を引っ張ると「痛い!」「止めて~」とお母さんが言うので、その反応が面白くて何度も髪の毛を引っ張ってしまうという赤ちゃんもいます。

軽く引っ張られたときはそこまで痛くありませんが、赤ちゃんは力加減を知りません。「楽しい!」「面白い!」と学習した赤ちゃんは、次は髪が抜けるほど強い力で容赦なく引っ張ります。

お世話のときは髪をまとめる、もし引っ張られたときも赤ちゃんを喜ばせないように大げさなリアクションは封印しましょう。

赤ちゃんの髪の毛をむしる行為は成長とともになくなる

一時的に髪の毛をむしる行為が見られた赤ちゃんも、ずりばい、ハイハイ、たっちなど成長するにつれて髪の毛への興味を失っていきます。

また、低月齢の頃の髪の毛は産毛ですが、だんだんと強いこしのある髪の毛が生えてくると、むしる際に痛みがでてきます。赤ちゃんも痛みを感じるようになると、さすがにむしる行為はやめるはずですから、髪の毛をむしる行為はいまだけのものと考えましょう。