赤ちゃんのうんちの色と健康状態

赤ちゃんのうんちの色|体調不良?便の色でわかる健康状態

赤ちゃんのうんちの色は、黄色いうんちが突然緑色になるなど驚かされることもしばしばですが、うんちの色は健康のバロメーター。黄色、緑色、茶色なら心配ありませんが、白や黒、赤のうんちは注意が必要です。便の色や状態から赤ちゃんの健康状態を把握する方法や便を持って小児科受診の方法を解説!

赤ちゃんのうんちの色|体調不良?便の色でわかる健康状態

赤ちゃんのうんちの色は健康のバロメーター

赤ちゃんのおむつ替えをすると必ず目に入る、うんち。思わぬ色のうんちに遭遇して「ビックリした」という経験をお持ちのママも多いのではないでしょうか?赤ちゃんは、いろいろな色のうんちをします。最初のころは黄色や緑、離乳食が始まると食べた物によって色が変わったり、消化されない物がそのまま出てきたりということも。

でも、こんなふうにママの目にはっきり見えるうんちですから、うんちの色や状態を観察することで赤ちゃんの健康状態を知るヒントにもなり得ます。うんちの色は健康のバロメーターなのです。
この記事では、うんちの色から考えられる赤ちゃんの体調についてまとめました。いつもと違う色のうんちが出たとき、気になる色のうんちが出たときの参考にしてくださいね。

健康な「うんちの色」/黄・緑・茶/赤ちゃんの発育と便の色

おむつ替えを恥ずかしがる赤ちゃん

健康と判断してよいうんちの色は、黄色、緑色、そして茶色です。ただし、赤ちゃんが初めてするうんちは黒っぽい色をしています。生まれたばかりの赤ちゃんの黒いうんちに関しては、心配の必要はありません。健康と判断してよいうんち、それぞれの色について解説していきましょう。

赤ちゃんが初めてする黒いうんち

赤ちゃんが初めてするうんちを「胎便」といい、黒に緑がかったような色をしています。大人は、うんちと言えば「茶色」というイメージを持っているため、黒い色に驚くママも多いようですが、まったく心配のないものです。

胎便は、赤ちゃんがママのお腹の中で摂った栄養分のカスのようなもの。母乳やミルクを飲んで栄養を摂るようになると、2~3日で黄色っぽい色へと変化していきます。

黄色のうんち

胎便が出た後、赤ちゃんのうんちは黄色へと変化していきます。ひと口に「黄色」といっても、鮮やかな黄色、カボチャのような濃い黄色、茶色がかった黄色など、バリエーションは豊か。母乳を飲んでいるかミルクを飲んでいるかでも若干色味は変わってきますが、「黄色」と表現できるうんちは健康なうんちです。

赤ちゃんを含め私たちの便が黄色や茶色っぽい色になるのは、肝臓で作られた胆汁が小腸の入り口で混ざるから。離乳食が始まる前の赤ちゃんの場合、胆汁の色がそのままうんちに残ってしまうため、黄色になるのだとか。そう考えると、黄色いうんちは肝臓がきちんと機能していることの証拠でもあるのですね。

緑色のうんち

赤ちゃんのうんちでは、緑色のうんちに遭遇することもよくあります。初めて見ると驚きますが、これは、普通に出てくれば黄色いはずのうんちが、お腹の中にとどまる時間が少し長かったために酸化して緑色に変化したもの。

特に母乳の場合は、母乳に含まれている乳糖が乳酸菌の生成を促すため、うんちが酸性に傾きやすいといいます。そのため、母乳を飲んでいる赤ちゃんには比較的緑色のうんちが多く見られますが、乳酸菌は腸の働きを活性化してくれるもの。ですから、うんちが酸性になるのは実は良いことであり、緑色のウンチも心配のない健康なうんちなのです。

茶色のうんち

離乳食が始まると、ミルク以外の食べ物の影響でうんちが茶色っぽく変化していきます。食べる物が大人と同じになれば、うんちの色も大人と同じになるということですね。においも変わってきますが、茶色のうんちもモチロン健康なうんちなので心配はいりません。

要注意/白・ベージュ・クリーム色・黒・赤/体調不良と便の色

ママに抱っこされて笑顔の女の子

ここからは、出たら注意が必要なうんちの色についてお伝えしていきます。白、ベージュ、クリーム色、黒、赤のうんちです。

白・ベージュ・クリーム色のうんち

「白いうんち」には、2つのパターンがあります。普通のうんちの中に、白くてつぶつぶした物や粘液状の物が混ざるっている場合と、うんち全体が白っぽい色をしている場合です。

このうち、つぶつぶ状の物や粘液状の物が混ざっているうんちに関しては、うんち自体の色が黄色や緑色であれば心配の必要はありません。白いつぶつぶは、母乳やミルクに含まれている脂肪分がほかの成分と反応してできたものが正体かも…?粘液状の物は腸管から分泌された粘液で、どちらも、比較的よくあることです。

ですが、うんち全体が白い、あるいはベージュや淡いクリーム色をしているという場合は、注意が必要です。先ほどお話したように、通常の便が黄色や茶色っぽい色をしているのは、肝臓で作られた胆汁が小腸の入り口で混ざるからです。ところが、胆汁が混ざらないとうんちに色がつかず、白っぽい色になってしまいます。肝臓がきちんと機能していないということなのです。

うんちが白っぽくなる場合は、次のような病気が潜んでいる疑いがあります。赤ちゃんのご機嫌が悪く、ぐったりするなどの全身症状も出るので判断はしやすいと思いますが、全体が白っぽいうんちの場合は、うんちのついたおむつを持ってできるだけ早く小児科を受診しましょう。

胆道閉鎖症

白っぽいうんちでいちばん気をつけたいのが、「胆道閉鎖症」です。胆汁の通り道である胆道がふさがり、胆汁が分泌されないために起こる症状です。肝臓の機能に障害があるため「黄疸で白目が黄色くなる」「尿が紅茶のような色になる」という特徴もあります。ぜひ判断の手がかりにしてください。

胆道閉鎖症の症状は、約7割が生後4週目までに、残る3割も生後2ヶ月までに現れるのだそうです。生後2ヶ月までに手術をすることがカギで、治療が遅れると命に関わるとも言われています。そのため、早期発見と早期治療に力が注がれています。

早期発見の手立てとしては、母子健康手帳に「便色カード」というものがとじ込まれています。じっくりご覧になったことはあるでしょうか?うんちの色を7段階で示し、赤ちゃんのうんちと色の簡単に比較ができるようになっています。ぜひ活用して赤ちゃんを病気から守りましょう。

「便色カード」の使い方

・生後2週、生後1ヶ月、生後4ヶ月までの少なくとも3回は、赤ちゃんのうんちの色とカードの色を比較する。
・薄い色から濃い色まで、段階にそって番号が振られているので、比べた赤ちゃんの便に近い色を母子手帳に記入する。
・薄い色の1、2、3、どれかに近いと判断した場合は、1日も早く小児科へ連れて行って診察してもらいましょう。

ロタウイルス性急性胃腸炎

白くて水のような下痢状のうんちが出たら、秋から冬にかけて流行するロタウイルスが原因の胃腸炎が疑われます。ロタウイルスの感染力はとても強く、発熱や嘔吐、脱水症状を伴い、米のとぎ汁のような白いうんちが出るという特徴があります。胃腸炎を起こして胆汁の分泌が不十分になり、うんちが白くなってしまうのです。

ロタウイルスに限らず赤ちゃんの下痢で気をつけたいのは、脱水症状を起こさないようにすることです。下痢は、体内のウイルスを排出するために必要な体の反応といわれていますが、水分も一緒に失われてしまいます。こまめな水分補給を心がけ、すぐに受診するようにしましょう。

ウイルス性の風邪

ウイルス性の風邪をひいた場合も、下痢をして胆汁の分泌が追いつかないと、白っぽいうんちになることがあります。脱水症状にならないように気をつけ、早めに小児科を受診しましょう。

黒いうんち

ママに抱っこされたい甘えん坊の赤ちゃん

生まれてすぐに出る黒いうんちは「胎便」といい心配のないものですが、その後いったんは黄色くなったうんちが再び黒くなった場合は注意が必要です。黒くなるのには、以下のような理由が考えられるからです。黒いうんちが続く場合は、速やかに小児科受診して原因を見つけましょう。

消化管から出血している疑いあり

胃潰瘍や十二指腸潰瘍などを発症して消化管に傷がつき、そこから出血した血が混ざってうんちが黒くなっている疑いがあります。肛門付近で出血している場合は、出血から時間が経っておらず、うんちと血もあまり混ざりきらないため赤い血の色は残っていますが、胃や十二指腸などの消化管で出血した場合は、胃酸の影響で血が変色し黒いうんちになるのだとか。

消化管出血以外の疑いも

そのほか、赤ちゃんが大量の鼻血を飲み込んでしまった、ママの乳首が切れて母乳に血が混ざってしまったなど、何らかの原因で赤ちゃんの口を通して血が入った場合も、黒いうんちになることがあります。

のりや野菜で黒や緑のうんちになることもある

離乳食が始まっている赤ちゃんの場合、のりや裏ごしした緑色の野菜をたくさん食べると、うんちの色も黒っぽくなったり緑色っぽくなったりすることがあります。離乳食で食べた物が記録してあれば、判断材料にしてみましょう。また鉄剤を処方されている赤ちゃんも、うんちが黒っぽくなることが多いようです。

赤いうんち

少し体調がすぐれない赤ちゃん

赤ちゃんのうんちが赤い場合は、腸のどこかで出血している疑いがあります。大きく分けて、硬いうんちにまだらに血がついている場合と、全体に血が混ざっている場合とがあります。このうち注意したいのは全体に血が混ざっている場合ですが、離乳食が始まっている赤ちゃんでは食べた物の色が出てきてしまうことも多いので、全身症状などもよく観察することが大切です。

まだらな血は肛門が切れた疑いあり

硬いうんちにまだらな血がついている場合は、排便するときに肛門が切れて血がついてしまったということがほとんどです。ガンコな便秘の後によく見られる症状ですが、何日も続くようなことがなければ様子を見ていてもよいかも。

離乳食が始まった赤ちゃんは、それまでよりも母乳やミルクの量、つまり摂取する水分量が減ります。そのため、便秘をしやすくなります。肛門が切れるくらいにうんちが硬くなってしまった場合は、水分を多めに摂らせるようにし、お腹のマッサージなどをしてうんちを柔らかくしてあげるとよいでしょう。

イチゴジャムのようなうんちは腸重積の疑いあり

腸の中に腸の一部がもぐりこんでしまう「腸重積」という病気があります。この病気は、イチゴジャムのような血便が出るという特徴を持っています。かなりの腹痛を伴うために赤ちゃんが激しく泣き、嘔吐を伴うこともあります。緊急の治療を要する病気なので、イチゴジャム状の出血を伴ううんちが出た場合は、うんちのついた紙おむつを持って、すぐに受診しましょう。

全体が赤いうんちは細菌感染の疑いあり

下痢をともなって赤いうんちが出ている場合は、O-157やサルモネラ菌など、細菌性の胃腸炎を起こしている疑いがあります。また、大腸ポリープや食物アレルギーの疑いも考えられなくはありません。いずれにしても、早めに受診して原因を見つけ、必要な治療を受けることが大切です。

離乳食でうんちが赤くなることもある

消化器官が未熟な赤ちゃんは、食べた物がそのままうんちに出てくることがよくあります。赤い色になる可能性があるのは、ニンジン、トマト、スイカなど、赤い色の食材をたくさん摂ったとき。赤いうんちが出ても赤ちゃんがご機嫌で、「そういえば、ゆうべスイカを食べたな」など、思い当たることがある場合は、あまり心配せずに様子を見てみましょう。

全身の様子や赤ちゃんのご機嫌も一緒にチェック!

いつもよりテンションが高い赤ちゃん

お伝えしてきたように、うんちの色は病気のサインが隠れていることがあるため、それまで黄色いうんちだったのが、いきなり赤いうんちになったりしたらとても驚きますが、そんなときこそ気持ちを落ち着けて赤ちゃんの様子をよく観察しましょう。ご機嫌やその他の全身状態に気になるところがなく、便の色も見るからに緊急を要する出血を伴うものでなければ、とりあえずは家で様子を見てみましょう。

激しく泣くなど「明らかに、おかしい」と思えるときは、すぐに受診の準備を。健康保険証や母子手帳のほか、赤ちゃんのうんちがついたおむつも持っていけるように準備することも忘れないでくださいね。医師にとっては、実物のうんちが診断の大切な手がかりになります。

うんちのついたおむつを持って受診するときの心がけ

うんちのついたおむつを持って受診するときは、次のことを心がけましょう。

・いちばん新しいうんちを持っていく。
・うんちがもれないようにビニール袋などに密封する。
・準備ができたら、周囲への二次感染を防ぐためにきれいに手を洗う。
・時間が経つとうんちの状態が変わるので、早めに受診する。

すぐに受診できないとき、どうしてもうんちのおむつを持って行けないときは、スマホや携帯などでうんちの写真を撮ることをおすすめします。実物にはかないませんが、口頭でうんちの状態を説明するよりも、医師にとっては状況が把握しやすくなります。

うんちの色をチェックして赤ちゃんの健康を守りましょう

うんちはおむつ交換をするときに必ず目にするので、特に色や状態の変化は気づきやすいところでもあり、赤ちゃんの体内のさまざまな情報が含まれています。食べたものがそのまま出てくるなど、びっくりすることもありますが、いちばん大切なことは、どんな色のうんちが出ても、まずはママが落ち着くことです。そのために大切なのは、あらかじめ知識を持っておくこと。ぜひこの記事を赤ちゃんの健康を守るために役立ててくださいね。