赤ちゃんが噛む原因と対処法
赤ちゃんが噛むのは理由がある!噛みつきをやめさせる方法
赤ちゃんが噛むのはなぜ?授乳中に乳首を噛まれたときは思わず「痛い!」と悲鳴を挙げてしまいますし、身体などを噛まれたときは「ストレス?愛情不足?」と心配にもなります。また、おもちゃをガジガジ噛む赤ちゃんもいますが、歯並びは大丈夫でしょうか。赤ちゃんが噛む原因と対処法を解説します。
赤ちゃんが噛む原因と対策~乳首や体・おもちゃを噛むのはなぜ?
赤ちゃんが噛むのは一体なぜ?
何をしても可愛らしい赤ちゃんではありますが、授乳中に乳首を噛まれた時は思わず「痛い!」と声をあげてしまうほどです。
果たして赤ちゃんは何故「噛む」という行動に出るのか?
乳首を噛む場合は、やはり母乳の質やおっぱいの吸い方が問題になっているケースが多く見受けられます。原因と対処法を見ていきましょう!
おっぱいが吸いにくい・吸い付くのが下手
赤ちゃんの仕事は寝ることとおっぱいを飲むことです。そんな大事なおっぱいを飲むことができないと、ついつい吸い付く口に力が入り、乳首を噛んでしまうこともあります。
おっぱいが吸いにくいために噛んでしまうようなときは、ママの対策次第で噛むのを止めさせられます。赤ちゃんには生まれつき母乳を飲むのが上手な子、下手な子がいますので、授乳時にはママが必要に応じてフォローしてあげましょう。
赤ちゃんが吸いやすい授乳姿勢を見つける
授乳時には、以下の点を確認してみましょう。
- 赤ちゃんの口の中にすっぽりと乳首が入っているか?
- ゴクゴクと母乳を飲む音が聞こえるか?
うまく乳首に吸い付いていると、顎がおっぱいにくっついて、鼻はおっぱいから離れるので、赤ちゃんと目が合う確率が高くなります。目が合ったら「おいしい?」「上手だね」と声をかけてあげると赤ちゃんも安心しておっぱいを飲むことができるでしょう。
母乳が出てこないため、つい口に力が入ってしまった
赤ちゃんがきちんと吸い付けているにも関わらず乳首を噛む場合は、そもそもの母乳の出が悪いという原因も考えられます。
とくに初産の場合は、母乳を生成する身体の働きが確立されておらず、赤ちゃんが吸っても十分な量の母乳が出てきていない可能性もあります。また授乳間隔が長くなるとおっぱいが詰まりやすくなるので、離乳食を始めてから赤ちゃんが乳首を噛むようになったというケースも多く見受けられます。
母乳分泌には十分なカロリー・栄養補給が第一条件
母乳は血液でできているので、母乳の出をよくするには血液を作るための栄養を十分に摂取することが大切です。
産後すぐにダイエットに取り組む人もいますが、しっかり食べてエネルギーを補給することは、母乳量を増やす第一条件です。食後は母乳が出やすいと言われているので、食後のタイミングで授乳するのもおすすめです。
寝不足やストレスも母乳の出を悪くする
生活習慣も母乳量に関係します。
寝不足だと母乳を分泌するホルモンが不足して母乳の出が悪くなるので、赤ちゃんの寝ている時間は一緒に睡眠をとりましょう。
ストレスも血行不良の原因になり、母乳が出なくなる直接原因になります。とくにはじめての子育てのときは誰でも神経質になるので、リラックスして育児ができる環境を整えましょう。
母乳マッサージや専門外来の受診
母乳の出が悪いときには、マッサージも効果的です。継続して行うことで母乳がよく出るようになります。自己流で効果を実感しにくいときは、母乳外来に通っても良いでしょう。
なかなか母乳の出が良くならず、赤ちゃんが毎回噛むようなら、ミルクをあげて満足させてあげましょう。
母乳がまずい・味が変わったため「これじゃない!」アピール
赤ちゃんはとても繊細な味覚を持っています。母乳の味が変わったり、口に合わなかったりすると乳首を噛むことがあります。
母乳の味はママの食生活や体調が大きく関係しているので、改善できるのはママ自身です。おいしい母乳を作り出せるように、食事や生活習慣に気を付けましょう。
銃乳中は簡単でいいので、バランスのとれた食事を
赤ちゃんが好む美味しい母乳を作るためには、やはり栄養バランスの良い食事が基本になります。
栄養バランスの良い食事とは、主食・主菜・副菜・汁物が揃っている和食です。ご飯からは「炭水化物」、魚や豆腐などからは良質な「タンパク質」、野菜や海藻類からは「ビタミン」「ミネラル」が豊富に摂取できます。
赤ちゃんとの生活は忙しいので、特に凝った料理ではなく焼き魚、海藻サラダ、ご飯、お味噌汁というメニューで構いません。
軽い運動で血行促進
母乳は血液からできているので、血行が悪くなると母乳にも影響が出ます。自宅でできるヨガやストレッチなど適度な運動をすると血行がよくなり、心身のリラックス効果も期待できます。
赤ちゃんとの生活に睡眠不足やストレスは付き物ですが、たまにはぐっすり寝たり、買い物や美容院に出かけるなど、自分なりの楽しみを見つけてストレスを解消しましょう。
「こっち見て!」とママの気を引きたい
赤ちゃんはママの行動を非常によく観察しているので、自分以外のことに夢中になっていると不満を抱きます。
授乳中は手持ち無沙汰でスマホなどをいじる方もいらっしゃると思いますが、赤ちゃんによっては「こっちを見て!」「構って!」とママの気を引くために乳首を噛むことがあります。
赤ちゃんに安心感を与えてあげましょう
気を引く手段としてママのことを噛んでいるのなら、赤ちゃんに寂しい思いをさせないようにするのが1番の対策です。授乳中のスマホは封印し、赤ちゃんの目を見たり、「おいしい?」など声をかけるようにしましょう。
また、日頃から赤ちゃんが「ママはいつも自分を見てくれている」と思えるような接し方を心がけてください。ひとり遊びをしている時でも「偉いね」「楽しいね」と声を掛けてあげるだけで安心感を与えることができます。
噛むのが楽しい・リアクションが面白い
赤ちゃんは日々新しい動作を覚えて、それを繰り返しながら定着させていきます。「噛む」という動作を覚えると、何でも噛みたくなるのです。
口にする機会が一番多い乳首はもちろん、ママの身体やおもちゃも噛みます。不満そうに噛むのではなく、楽しそうに噛んだり、噛んだあとにママの顔を見てほほ笑むようなときは、「噛むのが楽しい」と感じている可能性が高いです。
噛んだ後に、ママやパパが笑顔になったり、面白いリアクションをすると、「喜んでくれている」と誤解して何度も繰り返します。
噛んではいけないことを教える
歯固めなどを与えて「噛んでも良い物」と「いけない物」の区別を教えます。厳しく怒る必要はありませんが、痛みを感じるほどママの身体を強く噛んだ場合は、鼻を摘まんだり、口の中に指をそっと入れたりして「噛んだらダメ」と言って止めさせましょう。
噛まれた後は、笑顔を見せずに「痛いよ」と気持ちを伝えて、決して良い事ではないことを教えてあげてください。
噛むのを許してしまうと次第に「噛み癖」になりますし、乳首が傷つくと乳腺炎を発症する恐れもあります。ママにとっても、赤ちゃんにとっても良い結果にならないので、ケジメある態度で接しましょう。
おもちゃを噛む原因と対策
おもちゃをガシガシと噛む赤ちゃんは珍しくありません。何でも口に入れてしまうのは赤ちゃんの特徴ではありますが、噛む原因と対処法を知っておきましょう。
歯の生え始めで歯茎が痒い・歯ぐずりがはじまった
おもちゃなどを噛むようになった場合は、赤ちゃんの口の中をじっくり観察してみてください。赤ちゃんは、通常生後5,6ヶ月ぐらいから下の前歯が生え始めますが、乳歯の生え始めの時期は歯茎にむず痒さを感じることもあります。
口の中の違和感が原因で、赤ちゃんが泣いたり、機嫌悪くぐずることを『歯ぐずり』と言います。何かを噛んだタイミングで口の中の違和感が和らぐと、とりあえず身近なものは何でも噛もうとします。
歯ぐずりしている赤ちゃんには歯固めをプレゼント
歯茎が痒いために、おもちゃなど身近なものを噛むような場合は、専用の歯固めを与えましょう。
歯固めではない硬いおもちゃを与えている方もいますが、赤ちゃんの噛む力は想像以上に強いです。「硬いから大丈夫だろう」と油断していると、噛んで割れてしまい、破片を飲み込む危険もあります。
歯固めは、衛生面を考えて水洗いや煮沸消毒できる素材のものを選び、定期的にお手入れしてあげましょう。
噛むことで、物の感触を確かめている
離乳食が始まってしばらくすると、赤ちゃんは「噛む」という動作を覚えます。同時に、噛む物体によって食感や味が違うので、色々なものを噛み、感触を確かめようとするのです。
タオルやガーゼを噛む感触が好きでずっと噛んでいる赤ちゃんもいます。また硬いものに興味を示す場合も多く、スプーンなどを好んで噛むこともあります。
噛みごたえのある食べ物を与える
噛むことを覚えた赤ちゃんは、柔らかすぎる離乳食だと歯ごたえがなく、物足りなさを感じます。
乳歯の生え具合や食べ方を見ながら、歯ごたえのある食材を用意してあげると、食事時に満足感を得られるので、他の物を噛む頻度が減ります。
ニンジンを固ゆでした野菜スティックなど、赤ちゃんが噛みたいものを手に持って食べられるようにするのもおすすめです。
噛むのは愛情不足やストレスが原因?
「噛む」という行為からは、ストレスなどの心理的な原因を連想しやすいですが、0歳の赤ちゃんに限っていえば、「ストレスを受けているから噛む」「愛情不足だから噛む」という心配はあまりしなくて良いでしょう。
赤ちゃんが噛むのは攻撃性の表れではない
おっぱいが出てこない際などに衝動的に噛んだり、ママの気を引きたくて噛むこともありますが、赤ちゃんに悪気はなく、誰かを傷つけようとする意図がある訳ではありません。「噛む=痛い」という認識も曖昧ですから、「つい口に力が入ってしまった」程度の行為に過ぎません。
おもちゃなどを噛むのは、大抵の場合、噛むのが面白かったり、癖になっていたり、歯がむずむずする歯ぐずりが原因です。ストレスや愛情不足のせいではありません。
1歳以降の噛みつきは要注意
1歳以降に、人や物を噛む場合は、赤ちゃんの頃とは対処の仕方が異なります。保護者として「噛んではいけない」ということを毅然と根気よく教えていきましょう。
親やお友達を噛んでしまう子
1歳を過ぎ自我が芽生えてくると、言葉で自己表現できないもどかしい気持ちを噛むことによって表現しようとしたり、イライラした際に突発的に親や友達を噛んでしまう子もいます。
「噛まれたら痛い」という認識はありますし、自制心や理解力が身に着いてくる年齢です。噛むのはいけないこと、言葉で意思表示する必要性を根気強く教えていきましょう。
自分の身体や物を噛む子
他人への噛みつきがみられなくなっても、自分の身体(爪や指など)やストローなどを噛む子もいます。この場合、やはりストレスの可能性も考えられますから、精神的なケアが必要です。
今まで以上に子供に愛情表現を示してあげると、子供は安心感を得られます。ママやパパが自分のことをいつも気にかけてくれているという実感がわけば安心するはずです。スキンシップを増やしたり「大好きよ」と言葉に出して伝えるのも良いでしょう。
赤ちゃんの噛み癖は歯並びにも影響する?
赤ちゃんがおもちゃなどをガジガジと噛んでいる様子を見て、歯並びを心配する方もいます。しかし、0歳の歯の生え始めの時期の行動が歯並びに影響することはありませんから、歯固めなど専用のおもちゃを噛む行為を止める必要はありません。
ただし、噛み癖が3歳を過ぎても終わらないような場合は、歯並びに影響を与えるリスクも高くなってしまいます。
2歳近くになれば、赤ちゃんとは違い、大人のいうことを理解できるはずです。
歯並びが悪くなってしまうこと、もし歯並びが悪くなったらどうなるか理由を説明し、子供が自発的に止められるようにフォローしていきましょう。