おっぱいの質が変わる「母乳にいい食べ物」
母乳育児に励むママにとって、母乳がどのくらい出ているかはもちろんのこと、赤ちゃんにとっておいしい母乳が出ているかどうかも、気になるところですよね?ところで、母乳はいったい何から作られているのでしょう?
出産によってママの体は「プロラクチン」と「オキシトシン」というホルモンを分泌します。プロラクチンのはたらきでママの血液を乳房に集め乳腺の腺房で母乳を作り、オキシトシンのはたらきで母乳を乳頭へ運んでいるのです。
つまり、おっぱいの元となっているのは血液。私たちの体は食べた物で作られています。ということは、血液から作られる母乳は食べた物によって味や質が変わってくる…ということになります。
好きな物を好きなように食べていたのでは健康を害してしまうことがあるように、母乳にとってもいい食べ物と悪い食べ物があります。母乳にいい食べ物を積極的に摂り、赤ちゃんに質の高い母乳を飲ませてあげませんか?
母乳にいい食べ物は血液にとってもいい食べ物
「母乳は血液から作られる」ということは、質のいい母乳を作るためには、質のいい血液を作ることのできる食べ物を摂る必要があると言えます。
また、血液を作るためにはたくさんの水分も必要としますから、母乳育児中のママは母乳分泌の分、たくさんの水分補給も重要です。食べ物と同時に、水分の摂り方についても考えていくことにしましょう。
母乳の質を高める「食べ物」&「飲み物」
さて、母乳の質を高めるため、つまり血液の質を高めるためにいい食べ物、悪い食べ物には、どんなものがあるのでしょうか。おおまかな食材ごとに、母乳に良い食べ物、できれば避けたい母乳に悪影響を及ぼす可能性のある食べ物ついて、見ていきましょう。
主食類
母乳にいい食べ物
・ごはん(白米)
主食としていちばんおすすめしたいのは、白米です。ごはんはお腹もちもよく、どんなおかずとも合います。実はお米そのものも栄養バランスにも優れた食品なのです。
避けたい食べ物
・もち米
・玄米・胚芽米
・うどん・パン・スパゲティ(小麦粉)
もち米を使ったおこわやお餅は母乳の分泌を促進する反面で乳腺炎のリスクも高めます。おっぱいの出過ぎにより結果的に詰まってしまう事態を防ぐために、できれば避けたほうがよいでしょう。
玄米や胚芽米なども、授乳期は避けたほうが無難です。栄養は白米より優れていますが、アクが強いうえに消化吸収されにくいという弱点があるからです。アクや消化されなかった栄養素などが母乳に混ざると、赤ちゃんの消化器官への負担がかかります。
うどん、パン、スパゲティなどの原料となる小麦粉には、体を冷やす作用があります。体が冷えると血流が悪くなりますから、母乳の質にも影響が及んでしまいます。小麦粉はアレルゲンのひとつであり、赤ちゃんの便秘の原因になるという指摘もあるので、できれば避けたほうがよいでしょう。アレルゲンといえば、そばも気をつけたい食べ物のひとつです。食品添加物の多いインスタントラーメンや菓子パンなども母乳の質を落としますので、控えることをおすすめします。
タンパク質
母乳にいい食べ物
・大豆・大豆製品
・たまご
・鶏(ささみ)
・豚肉(赤身)
・たら・かれい(白身魚)
・小魚
・貝類
タンパク質は血液を作るもととなりますから、しっかりと摂るようにしましょう。肉や魚、ダイズのほか乳製品や卵に多く含まれています。ただし食材によっては油脂分が多く含まれ、おっぱいを詰まらせる原因となります。脂身の少ない鶏のササミや豚の赤身、タラやカレイなどの白身魚、貝類や小魚が母乳のためにはベストです。
「畑の肉」といわれるくらい質のいいタンパク質を摂ることのできるダイズもおすすめです。納豆や豆腐、きなこ、味噌を日々の献立に取り入れてみませんか? ごはん食にぴったりです。また、豆乳はダイズの栄養を摂りながら水分補給もできるので一石二鳥です。
避けたい食べ物
・鶏・豚・牛肉のうち脂身の多い部位
・さば・さんま(青魚)
・いくらなどの魚卵
バラ、ロースなど脂身の多い肉や、サバやサンマなどの青魚、うなぎ、イクラなどの魚卵も脂肪分が多く、血液をドロドロにする原因となるので注意が必要です。
注意したい食べ物
・牛乳・チーズ(乳製品)
また、牛乳やチーズ、バターなどの乳製品は、栄養価は高いのですが脂肪分が多く、おっぱいが詰まりやすくなってしまいます。おっぱいが詰まると母乳の質が落ちるばかりではなく、乳腺炎になってしまう可能性もあります。摂りすぎには気をつけてくださいね。
ビタミン・ミネラル
母乳にいい食べ物
・大根・にんじん・さつまいも(根菜類)
・わかめ・昆布・ひじき(海藻類)
・こまつな・カボチャ(緑黄諸侯野菜)
ビタミン類を多く含み体を温める作用のある根菜類(ダイコン・ニンジン・さつまいもなど)やミネラルの宝庫である海藻類(ワカメ・ヒジキ・コンブ)などは、積極的に摂りたい母乳にいい食べ物です。コマツナ、カボチャなど、きれいな血液を作る働きをする緑黄色野菜もおすすめです。
避けたい食べ物
・きゅうり・トマト(淡色野菜)
・たけのこ・わらび(山菜類)
根菜は体を温めてくれますが、キュウリやトマトなどの夏野菜やレタスなどの淡色野菜は、体を冷やすもとになります。また、タケノコやワラビなどの山菜類にはアクの強いものが多いので、母乳のためには避けたほうがよいでしょう。
注意したい食べ物
・果物類
果物はビタミン類を豊富に含みますが、糖分が多いので食べすぎには気をつけましょう。
果物の中でも、メロン、スイカ、ナシ、カキには体を冷やす作用があります。
油脂類
母乳にいい食べ物※摂り過ぎ注意
・えごま油
・しそ油(フラックスオイル)
・ごま油
・オリーブオイル
油脂も体のためには必要なので排除する必要はありませんが、摂りすぎると血液の質が下がるので注意しましょう。えごま油、しそ油、ごま油、オリーブオイルなど、良質な油を少量、摂るようにしましょう。
避けたい食べ物
・マーガリン・ショートニング
・天ぷらやフライ、ドーナツ(揚げ物)
過剰摂取で健康に害をもたらすとされるトランス脂肪酸含有量の多いマーガリンやショートニングはできれば避けて。揚げ油も摂取を控えたい油分。どんな良質な油でも高温高圧で質が変わりトランス脂肪酸量も増えます。天ぷらやフライなどの揚げ物を食べすぎないことも心がけていきましょう。
砂糖類
母乳にいい食べ物
・黒砂糖
・てんさい糖
・きび砂糖
・はちみつ
避けたい食べ物
・白砂糖
料理などで甘味をつけるときは、黒砂糖、てんさい糖、きび砂糖など精製されていないものがおすすめです。白砂糖など精製されている砂糖は、体を冷やす作用があるからです。砂糖の代わりにハチミツを使ってもよいでしょう。ハチミツは1歳未満の赤ちゃんには与えないようにと言われていますが、ママが食べる分にはママの体内できちんと分解されるので心配はありません。
香辛料
ワサビ、カラシ、コショウなどの香辛料やカレー、トウガラシなどの刺激物は母乳の質を落としますし、赤ちゃんにとっても好ましいものではありません。摂り過ぎにはくれぐれも気をつけてくださいね。
飲み物
母乳にいい飲み物
・麦茶
・タンポポ茶・タンポポコーヒー
・ルイボスティー
・他ノンカフェインのもの
積極的に摂りたい水分、おすすめは、温かい麦茶・タンポポコーヒー・タンポポ茶・ルイボスティーなどノンカフェインのものです。カフェインは摂り過ぎなければあまり神経質にならなくてもよいのですが、コーヒーや紅茶だけでなく、ほうじ茶やウーロン茶などにも含まれていることを覚えておいてくださいね。
避けたい飲み物
・コーヒー・紅茶
・アルコール
・清涼飲料水
・栄養ドリンク
また、積極的に水分を摂るといっても、アルコールはNGです。アルコールは水分補給にはなりませんし、赤ちゃんにとっても好ましくないものなので、母乳育児の間は我慢したいところ。清涼飲料水や栄養ドリンクなども避けたほうが無難です。
なおハーブティーもおすすめなのですが、ハーブの種類によっては母乳の分泌を悪くしてしまうことがあります。選ぶ際にお店の人に相談してみると安心ですね。
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