育児中に言われて嫌だった言葉15
ママ15名に、育児中に言われて嫌だった言葉、不快だった言葉や辛かった発言を教えてもらいました。
産後まもない時期、赤ちゃんが産まれて幸せいっぱい…というのは幻想であり、多くのママは寝不足や体調不良、慣れない育児へのプレッシャーで精神的にも大変です。
悪意ある発言は論外ですが、善意からの言葉であっても言い方が悪かったりすると、産後うつなどを引き起こす恐れもあります。旦那さんやご両親も、どうかできるだけ配慮をお願いします!
母乳にまつわる発言
母乳にまつわる話題はとてもデリケートです。
最近では、母乳育児を推奨する風潮が強いですが、そのせいで母乳が出にくいお母さんが精神的に追い詰められてしまうことも増えています。
なんで母乳が出ないんだろうか?
アーロン(40代)
初産での里帰り出産。何も分からない状況で、生まれたばかりの息子はおっぱいをあげても、足りないらしく寝ないし泣くことばかり。母乳育児が有名な産科だったので、無理して母乳だけあげてた時に、祖母から「なんでそんなに母乳が出ないんだろうか?私はたくさん出たのに、おかしいよね?」と言われました。
それまで我慢して育児してたんですが、泣きながら二階に上がって、しばらく顔を合わせないようにしました。祖母は何気に言った言葉だったのでしょうが、母乳は出ないし、初めての子供は泣き喚く状況で、ひどく傷つきました。
ただ救いとしては、母が祖母に「みんな同じ人間ばかりじゃない」という話をしてくれ、私には「おばあちゃんは昔からああだから気にしないこと」とフォローしてくれたことです。
母乳出てるの?
ふ~(34歳)
里帰り出産で実家近くの病院で出産しました。義実家からは新幹線乗り継いで6時間ほど掛かってしまいますが、出産翌日に早速義両親が赤ちゃんを見に来てくれました。丁度、授乳指導をしている時に来院されて、少し外で待っていて欲しいと実母に伝言をお願いしました。ですが、私の実父が気を使って、病室に義両親を招き入れてしまったのです(実父にも授乳を見せたことはありません)。
助産師さんが気を使って早めに指導を終わらせてくれたものの、少しの間授乳の様子を背中越しに見られていました。産後2年経った今では大したことではないと思えるのですが、当時はまだ恥じらいもありましたので、本当に嫌だったのです。
そんな状況の中、赤ちゃんを思う存分堪能して話題も少なくなったのか義父は「母乳は出てるの?」と聞いてきたのです。一人目のまだ2日目、体質的に出にくかったのもあるのか、まだ母乳なんてにじむ程度しか出てなかったので本当にイラっとしました。
義両親の事は、いつも優しいし良い関係を保っていると思いますが、この発言だけは本当に嫌悪感しか無かったです。
赤ちゃんには、やっぱり母乳が一番良い
三原恵美子(30歳後半)
私は陥没乳頭で、母乳はたくさん出るのですが、乳頭が凹んでいるせいで、赤ちゃんがうまく、母乳を吸うことが出来ませんでした。当時、義母が泊りで我が家にお手伝いに来てくれていたので、私が母乳をあげようとしているところも見られました。赤ちゃんは、乳首をうまく加えられなくてギャンギャン泣いて、私も四苦八苦してしました。
搾乳もして哺乳瓶であげたりしましたが、搾乳は時間がかかってしまいます。母乳を上手くあげられなくて、限界で、ミルクをあげることにしたら、義母に「赤ちゃんには、やっぱり母乳が一番良い」と言われ、ショックでした。
母乳をあげたくてもあげれない悔しさ、生まれつき乳頭の形が悪い自分がみじめになりました。
育児方法の押し付け
育児方法には正解がなく、また時代によっても「良い」とされるやり方は変わります。
しかし、困ったことに「自分の経験=正しい」と思ってしまう人が多いのです。
- 抱き癖が付くので泣いてすぐの抱っこはいけない
- 離乳食前の赤ちゃんに果汁を与える
などは、昔のスタンダードではありますが、現代では支持されておらず、母子手帳の記述も変わっています。
義母の「私の時は~」
かいはるママ(30歳)
上の子を出産したとき、産院からは「泣いたら抱っこ」「たくさん抱っこをしてあげましょう」と助産師さんにも言われていたのですが、義母の30年前の育児理論を押し付けてくるのがストレスでした。
抱っこをすると「抱き癖がつく」と言われ、泣いてる我が子を抱けないのが辛かったです。今の育児法を受け入れようとせず、「私の時は~」とでしゃばってくるのが嫌でした。
あえて、たまひよなど育児本を目に見える場所に置いても効果なし。果汁などは離乳食が始まる前までは与えなくていいのに、勝手に与えてしまい、自分の育児方法が正しいと聞く耳を持ちません。
旦那も義母に注意しても全く聞いてくれませんでした。離乳食のメニューにもいちいち口を挟んできて大変でした。
おむつを替えろ
レン(28歳)
1人目の産後に旦那の親と同居していました。その時にお義母さんに「おむつを替えろ」と言われたことが何回かありました。
お義母さんは紙おむつを使ったことがなく、赤ちゃんのお尻が少しでも膨らんでいたら、替えなきゃいけない!と思っているようでした。たとえ、「替えたばかりです」と教えても、触って全く濡れていなかったと教えても、替えるように求めてきます。
しかし、私は子どものおむつは基本的に2時間に1回というペースで換えていましたし、ちょこちょこと見ていました。なので、なんでそんなに言われなきゃいけないのかと、まるで私が母親失格なような言い方で、とても嫌な思いをしました。
母乳だけで心配じゃないの?
おみまま(30代前半)
長女が産まれてすぐのお盆のことでした。旦那の実家に行って、お盆のご挨拶をしていると、旦那のいとこのお姉さんがやってきて、自然と育児の話になりました。お姉さんはうちの子よりも1歳上の子を育児中で、その子が早産の低体重で生まれたこともあってか、いろいろな育児情報にすごく敏感です。
私はそんなお姉さんの話は全然興味なかったのですが「そうなんですね、すごいですねー」と盛り上げるほどではないにしろ、気を遣い、聞き役に徹しました。あるときミルクの話になって、完全母乳で育てていた私に「母乳だけで不安じゃないの?栄養とか大丈夫なの?」と言われました。
お姉さんは完全ミルク育児でしたので、そこからミルクはすごいトークが始まり、母乳に頼るのはよくないと言い出して…。母乳イコール母親のものですから、私が全否定されている気分になって、悔しかったです。
母乳育児は産院でも推奨されていましたし、私にとって完全母乳はメリットだらけだったので今では本当によかったと思っていますが、何かにつけて口出ししてくる彼女は今でも苦手です。
出産方法へ優劣をつけるような発言
日本では、出産に関して「お腹を痛めて産んでこそ母親」と考える人が一定数おり、「帝王切開や無痛分娩は楽をしている」と思う人もいるようです。もちろんそれらは個人的な意見に過ぎません。
帝王切開は母子の安全のために必要ですし、無痛分娩には多数のメリットがあるため、アメリカやヨーロッパでは一般的な分娩方法です。
帝王切開は楽だからよかったよね
あやえ(20代後半)
出産後に旦那の実家に赤ちゃんを見せに伺ったところ「帝王切開は楽だからよかったよね」と義理の姉から言われました。義理の姉は丸1日陣痛で苦しんだらしいです。
私の場合は、もともと自然分娩でお願いをしていたのですが、2日たっても出てこず、緊急帝王切開での出産でした。楽でもなければ、本当に自分もいっぱいいっぱいで、産後間もなくこの言葉を言われてひどく嫌な気持ちになりました。
術後の痛みも1か月近く続いていたなかで、この言葉は正直つらかったです。でも気にしないようにし、今は帝王切開で産んだことを誇りに思っています。
育児の大変さを理解しない発言
新生児のお世話は睡眠不足が確実ですし、その後も赤ちゃんの安全に配慮しながら、食事や排せつの面倒をみるのは大変な仕事です。
しかし、育児中のママは自宅で過ごす時間が長く、外からはそうした孤軍奮闘する様子は見えません。そのため、「可愛い赤ちゃんと一緒に家にいれていいな」と悪気なく発言してしまう人は後を絶たないのです。
最も深刻なのは、こうした発言を一緒に子供を育っていくべきパートナーがしてしまうケースです。
昼間から眠れていいね
さゆり(30代前半)
産後すぐ、夜もまだ頻回授乳だったころの話です。夜何度も起きるので、疲れて寝不足で、昼間は赤ちゃんと一緒に昼寝をしているという話を学生時代の友人に話しました。すると「昼間から寝れていいな」と返されました。悪気がないのは分かるのですが、当時の私はかなり引っかかってしまいました。
その友人は子供はおらず、バリバリ仕事をしています。傍目から見ると、赤ちゃんと好きな時に寝れて幸せそうに見えるのでしょう。しかし、新生児育児は24時間目を離せず、それこそ付きっ切りです。夜もぐっすり眠れるということはありません。昼間であろうと朝であろうと、一緒に寝ておかないと体力が持ちません。
育児に専念している時期は、周りの人からは「楽をしているように見えるのかな」となんだか落ち込んでしまいました。
赤ん坊は泣くのが仕事だろ
ひとひと(36歳)
産後2ヶ月頃に旦那に、「赤ん坊は泣くのが仕事だろ」と言われました。
まだ話す事が出来ない赤ちゃんは泣くことで何かを訴えるのは当然理解していました。しかし、お腹が空いているのでもなく、暑い寒いもない。オムツを替えて欲しいでもなく、やれる事はほぼすべてやったのに、泣き止みません。
親として不安な気持ちを共有したくて話をしたら、「俺は仕事してるから夜中に起こされても困るし、育児は母親の仕事だろう。赤ん坊は泣くのが仕事だよ」と全く赤ちゃんと関わりを持ってくれない態度に深く傷つきました。
のんびりできていいな
新城ななこ(30代前半)
新生児と上の子(保育園)を育てていた時に、主人に「おっぱい以外はよく寝てくれる」という話をしたら、「のんびりできていいな」と言われました。
そりゃおっぱい以外はよく寝てくれて、手もそんなにかからない赤ちゃんだったとは思います。でも、赤ちゃん連れての保育園の送り迎えや、食事の用意などやることはいっぱいあるのに、よくそんなことが言えるなと嫌な気持ちになりました。
新生児の赤ちゃんの命を預かっているので、1日中、気持ちは張り詰めています。上の子もいるからやることはたくさんあるのに、そんな言い方をされてイライラしました。
母親に我慢や自己犠牲を強いる発言
「子供のために我慢するのが当然」など、自己犠牲を強いるような発言は、母親を精神的に追い詰めます。他人から強要されずとも、世のお母さんは、自分の時間や体力を我が子のために当然のようにささげているものです。
「育児のために、自分を犠牲にした」という意識が強い親に育てられることは、子供にも悪影響を及ぼします。「育ててあげたのに」「私はここまで頑張ったのに」という親の恩着せがましい態度、恨み節を重荷に感じる子供は多いでしょう。
お母さんなんだから
ゆうか(35歳)
初めての育児で、必死に子育てしていたとき、言われてとても嫌だった言葉があります。それは「お母さんなんだから」という言葉です。そう言ってくるのは義理の母で、本人は嫌みのつもりもなく、口癖のように言っていたので、本当に辛かった思い出があります。
夜中にしょっちゅう起き、泣き叫び、抱っこじゃないと寝ない子だったため、私は当時毎日寝不足でした。その辛い気持ちをただ聞いてほしいという思いで義理母に愚痴のように話すことがあったのですが、そのたびに「お母さんなんだから」という言葉を言われていたのです。
「お母さんなんだから我慢しなさい」「仕方ないでしょ」「甘えるな」。自分は駄目な母親だと言われているような気持ちになりました。
今の子は○○だから…
リョウママ(30代後半)
産後実家に戻ったときに散々言われた言葉です。当時私の母は40代後半、私は20代半ばでした。時代が違えば子育ても変わるものだと思っていた私が言われて一番キツかったのは「今の子は○○だから」でした。
母乳は出たけれど完母となると自分が辛くなったので、半分をミルクにかえました。預けやすくなるのもあり、楽になったなと思っていたら、母は「昔は寝ないで頑張ったのに、今の子ははすぐ楽なほうに行くから…」。紙オムツも、ミルクも、寝るときも、ぐずったときも、毎回この言葉を言われると本当に辛かったです。
ママだって楽に、楽しく育児が出来るほうが良いに決まってるのに、努力しない、楽してると思われるのが本当に嫌でした。子供が大きくなってもいまだに言われるので、もう右から左に流すことにしています。
「かわいそう」など的外れな助言
赤ちゃんを連れていると「かわいそう」と言われる機会が度々あります。
- 靴下を履かせないなんてかわいそう
- 乳児湿疹がでているとかわいそう
- 保育園に入れるなんてかわいそう
善意からの発言なのかもしれませんが、その多くは的外れであり、余計なお世話です。
かわいそう
ひな(30代後半)
赤ちゃんが風邪をひき、熱が出たり、鼻水が出ているのを見て、周囲の人に「かわいそう」と言われるのが嫌でした。右も左も分からなく、不安の中で育児をしています。子供が風邪をひくと、申し訳ない気持ちやかわいそうだな気持ちは一番母親が感じています。
母親自身が一番分かっているところに、「かわいそう」「かわいそう」と追い討ちをかけるように言われるのは本当に辛かったです。
今思い返すと、赤ちゃんだって風邪をひきますし、鼻水だって出ます。風邪を引かない方がおかしいのです。その言葉に悪意はないのでしょうが、かわいそうではなく、「大変でしたね」といった声をかけていただければと思います。
あなたが敏感だがら、子供も敏感になる
高橋あやね(37歳)
息子は生まれた時からよく泣く子で手がかかりました。産後うつになり、外出するのも怖くて家にこもっていました。毎日毎日息子の泣き声を聞いている私はもう精神的に限界で、夜になると毎晩のように泣いていました。
夫にどれだけ大変だったか話しても「へえー」みたいな感じで全然共感をしてくれず、「大変だったね」の一言もなく、寂しい思いでした。幸い実家が比較的近かったので毎週のように母が手伝いに来てくれていました。
いつものように何が嫌なのか泣いている息子。私は何かの糸がプツっと切れて泣いていると、それをみた母が「あなたが敏感だから子供も敏感になるのよ」と言って来ました。元々敏感な子だし、24時間一緒にいれば泣きたくなるのも当然でしょ!と思いましたがそのときは聞き流すことしか出来ませんでした。
子供の発育に関して不安を煽る発言
寝返り、ずりばい、ハイハイ、つかまり立ち、一人歩きなど、赤ちゃんは1年の間で大きく成長します。発達のスピードには個人差がありますが、他の子と比べて遅かったり、できなかいことがあると、「まだ●●できないの?」と口に出してしまう方もいます。
ただし、その多くは素人の意見に過ぎず、見てきた子供たちも数名程度なのが現実。あまり気にせず、乳児健診(4カ月健診・10ヶ月健診・1歳6カ月健診など)を必ず受診し、かかりつけの小児科医や保健師など、専門家の意見のみに耳を傾けてください。
まだハイハイできないの?
さくら(40歳)
娘は生後9カ月を過ぎてもハイハイしませんでした。ハイハイどころか、ずりばいもあまりせず、私はそんな娘の成長が心配で仕方なく、乳児健診時に保健師さんや小児科医に相談しました。
すると、シャフリングベビーといってハイハイしない赤ちゃんもいること、今のところ他に病気や障害などの所見はないので、とりあえず様子をみて大丈夫と言われて、ひとまずホッとしました。
ですが、問題は近所に住む義母でした。ことあるごとに「まだハイハイできない?」「やっぱりちょっとおかしいんじゃない?」と言われるので、嫌で嫌でたまりません。「保健師さんに診てもらった」といっても、「でも、こんな子見たことない」と言われ、気が滅入りました。
育児・子育てに正解はない!
育児中に言われて嫌だった言葉を見ていくと、世の新米お母さんは「理想のお母さん像」や「理想の育児論」を押し付けられる機会が多いことがわかります。
はじめての子育てだと、子供を育てた経験のある母親・義母世代や先輩ママの話がもっともらしく聞こえることもありますが、彼女たちだって知っているのは、自分の子供とその友達の話程度です。参考にできる部分もありますが、違和感を覚えるときは、無理に従う必要はありません。
また、夫から「育児=楽」といわれると、自分の役割を軽視されているようで腹が立ってしまいます。しかし、育休などを取得していないパパは、まだまだ赤ちゃんというものがどういう存在か、育児の大変さも含めて理解するのが難しい場合もあります。
イライラする気持ちを一度おさえて、冷静に自分の大変さを伝えていくようにしましょう。