へその緒とは?ケアの方法や保存方法
へその緒は妊娠4ヶ月頃に完成し、誕生までに平均で50cm程度の長さにまで成長します。へその緒は赤ちゃんが生まれるまで、ママと赤ちゃんをつなぐ大切なライフラインです。出産後にしっかりと赤ちゃんが自分で呼吸ができていることが確認し、医療用はさみを使って3cmほど赤ちゃんのおなかに残して切られます。
赤ちゃんのおなか残ったへその緒は生後2~3週間もすれば自然とぽろっと取れますが、1ヶ月頃まではおへその中はジクジクの状態なので、ばい菌が悪さをしないようにきちんとケアをする必要があります。
おへそケアの方法は出産時に指導を受けますが、いざ自分ひとりで…となると「アレ?」と思うことも多いですよね。ここではケアの方法や役割、小児科で受診した方がいいおへその状態を解説します。
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へその緒ケアの方法
切断された臍帯の断面には3本の血管が露出しているため、乾燥してへその緒が自然に取れるまで感染から守ってあげる必要があります。1ヶ月健診を終える頃までは毎日へその緒やおへそを消毒用エタノールでケアしてあげましょう。新米パパママがちょっと気になる、赤ちゃんのへその緒を清潔に保つ4ステップをご紹介します。
1.パパやママの手をきれいに洗う
ばい菌が付いた手で赤ちゃんのへその緒を触ってしまうと、それだけで菌に感染してしまう危険性があります。ケアを行うパパやママは手洗い用石鹸でしっかり手を洗うか、アルコール消毒を行ってから赤ちゃんのケアを行うようにしましょう。
ケアをするとき以外にも、赤ちゃんに触れるときには手洗いや消毒を忘れずに!
2.綿棒に消毒用エタノールを含ませる
清潔な綿棒に消毒用エタノールを含ませます。綿棒は赤ちゃん用の綿棒がおすすめ。一般的な綿棒よりも先が小さくなっているため、細かいところまで消毒できます。コットン100%や抗菌済みのものが多く、デリケートな赤ちゃんの肌にも安心です。
へその緒の消毒をしない産院もある!?
以前はへその緒を消毒用アルコールで消毒することが推奨されており、現在でも消毒の指導を行う産院も多いです。しかし、近年発表された研究結果によると、アルコール消毒よりも余分な水分をふき取って乾燥を促すほうがへその緒が取れるまでの期間が短くなることがわかっています。
余計にアルコール消毒を行うと正常組織にも障害を与えること、消毒しても水分のみのふき取りでも感染自体のリスクは変わらないことも指摘されることから、消毒を行わず、ふき取りケアのみを行う産院もあります。出産した病院の指示に従ってへその緒ケアを行うと良いでしょう。
3.へその緒の根元を消毒します
へその緒が取れるまでの間、沐浴が終わった後にはおへそのケアをしてあげます。
消毒用エタノールを含ませた綿棒をおへそに斜めに当てながら、おへその根元が綺麗になるまで拭いていきます。
ベビー綿棒を使うならすぐに飽和状態になってしまうので、1本で綺麗にならいないときは新しい綿棒を使って水分をしっかりとってあげましょう。何度も綿棒を当てると痛くならないのかな?と心配になることもあるかもしれませんが、へその緒には神経が通っていないので、へその緒の消毒をしても赤ちゃんが痛いと感じることはありません。
へその緒ケアは入院中から始まるので、看護師さんや助産師さんが行ってくれる場合が多いです。ケアの仕方に不安が残る場合は、退院までにケアの方法を直接聞いてみるのもいいでしょう。
4.乾燥させる
菌はジメジメして温かい場所が大好きです。おへそ周辺は身体の中でも温かく菌が活発に活動できる環境になっているため、へその緒を感染から守るには乾燥させることが大切です。沐浴後のケアの際に行うアルコール消毒も過度に消毒するのは逆効果。水分を拭き取って乾かす時間も確保しましょう。
おへその乾燥を保つパウダーを使う産院では、退院のとき自宅でのケア用パウダーを持たせてくれることも。
その後、ガーゼで特別へそを保護しない場合はおむつでへその緒がこすれていないか、という点も気をつけたいポイントです。へその緒の下でおむつを折り返すか、上の部分に切れ込みがあるおむつを選ぶのもいいでしょう。
こんな症状があるときは受診を考えて
へその緒から出血が止まらない、黄色い膿が出ている、悪臭がする、付け根の部分が赤く腫れ上がっているといった場合は菌に感染している可能性があります。赤ちゃんのおへそに異常を感じたらすぐにかかりつけの病院で受診しましょう。
臍炎(さいえん)
臍炎はへその緒が取れた後に感染して起きる病気です。おへそやそのまわりが赤くなって腫れる、おへそがじくじくとなっている、膿や出血が見られるといった症状が出ます。
悪化してしまうと炎症が赤ちゃんのおなかに広がったり、ばい菌が全身に回ってしまうことがあり、危険な状態に至ることも。感染後の悪化を防ぐためには、早い時期からの受診が大切です。
臍炎と診断されると、消毒や抗生物質の軟膏、お薬などの治療が必要です。
臍肉芽腫(さいにくげしゅ)
臍肉芽腫はへその緒が取れた後に、おへそが赤く盛り上がってじくじくなる、出血するといった症状が出る病気です。臍炎を放置してしまうと悪化したり、へその緒が取れたときに残ってしまった組織の一部の細胞が増えて、盛り上がった状態になったするのが原因。おへそに赤く盛り上がりを見つけたら病院を受診しましょう。
臍肉芽腫は硝酸銀を使って肉芽種を焼き切る治療を行います。臍肉芽腫が大きい場合は、根元を糸で絞って血の流れを止めることで壊死させることもあります。この場合、数日間でポロリと取れます。
少し出血があるけど大丈夫!?
へその緒は通常の傷口と同様なので、ちょっとくらい出血があっても問題ありません。赤ちゃんがうんちをするときにふんばった、激しく泣いた、おっぱいを勢いよく飲んだときなど、少しの刺激でへその緒から出血が見られる場合があるほどです。
多少の刺激を受けた程度なら時間が経てば自然に治りますが、おへその出血に気がついてから、5~7分経っても出血が止まらない場合は感染している可能性も考えられます。このようなときは迷わず病院受診を。
へその緒はいつ取れる?
へその緒は産後1~2週間頃で自然にぽろっと取れます。2週間を過ぎてもへその緒が取れない場合でも、無理に刺激せず、できるだけ空気に触れて乾燥させるようにして自然と取れるまで気長に待ちましょう。
しかし3週間を過ぎてもへその緒が取れない場合や、乾いたタオルでこまめに拭いているのにへその緒がいつも湿っているという場合には、おへそと膀胱や腸をつなぐ管が残っている可能性があります。非常に稀なことですが、免疫不全系の病気の兆候の一つである可能性も考えられます。
おへその状態が心配なときはかかりつけの小児科で診察を受けるか、1ヶ月健診のタイミングで医師に相談するようにしましょう。
へその緒は取れたけど…もしかしてうちの子でべそ!?
赤ちゃんはでべそを持って生まれてくる子もいます。そんな赤ちゃんのおへそを見て心配になり、ばんそうこうなどで覆ってしまう方もいますが、ばんそうこうにでべそをなおす効果は期待できません。そればかりか、余計におへそを刺激することにもなり赤ちゃんにとってよくありません。
では、でべそを治す方法はないのでしょうか?
実は赤ちゃんのでべそはそんなに心配しなくても大丈夫。赤ちゃんの時期はでべその子も多く見られ2~3才になる頃には腹筋が鍛えられるに従い、自然にでべそが引っ込んでいくケースがほとんどです。
へその緒が取れた後のケア方法/いつまでケアが必要?
へその緒が取れた後もおへそが落ち着くまでは、沐浴のあとの皮膚が清潔な状態のときに毎日おへそのケアを行います。おへそのしわとしわを伸ばしながら、しっかりと水分をとってあげましょう。
へその緒が取れたばかりの時期は、まだ黄色いジクジクがつく状態が続くことがありますが、赤い盛り上がり、長時間の出血、膿などが伴わないなら特段問題はないでしょう。
へその緒が取れ、1ヶ月健診を受けたころまでにはおへそも乾き、消毒の必要は無くなります。入浴後は清潔なガーゼを人差し指と中指に巻き、おへそを拭いてあげる程度でOK。おへそのくぼみに水分が溜まりやすいので、指でおへそを広げながら、あまり力を入れすぎないようにして優しくふき取ってあげるのがポイントです。
【オススメ!】へその緒の保管方法
赤ちゃんのへその緒は自宅で大切に保管しますか?というアンケート調査を行ったところ、95.2%の方が記念に子どものへその緒を保管しているという結果が。この結果からもわかるように、日本ではほとんどの方が生まれた赤ちゃんのへその緒を大切にとっておいています。結婚や出産のタイミングで、ご自身も親からへその緒をプレゼントされた方もいるでしょう。
中には、へその緒を贈る由来を知らずに見た目にはあまり綺麗とはいえない自分のへその緒を受け取って「・・・」と思う方もいらっしゃる模様(笑)。へその緒は何のために保管するのでしょうか?
オススメの保管方法などへその緒の保管にまつわる疑問もちょこっとのぞいてみませんか?
なぜへその緒を保管する?
へその緒を保管するのは日本独特の風習であることを知っていましたか?
実は他の多くの国ではへその緒は保管せずに出産時に捨ててしまいます。日本でへその緒を保管する風習がなぜ広がったかついては諸説ありますが、へその緒には優れた栄養素や薬効が知られており、子どもが病気を患ったときにへその緒を煎じて飲ませると一命を取り留めると信じられていたそうです。
他にもへその緒は母子の絆を象徴するものなので、子どもの成長を祈る、魔よけやお守りになるという言い伝えも。
臍帯血を提供するとへその緒がもらえない?
へその緒は『臍帯(さいたい)』とも呼ばれ、へその緒と胎盤の中に含まれるわずかな血液を『臍帯血(さいたいけつ)』と言います。臍帯血は出産時に提供し、臍帯血バンクで冷凍保存され白血病などの病気に苦しむ患者さんの治療のために使われます。臍帯血を提供した場合、へその緒をもらえないのでは…?という不安も生じますが、臍帯血を提供してもへその緒をもらえる病院の方が多いですが、事前に産婦人科へ確認するなら安心して臍帯血を提供できますね。
へその緒の保管方法
へその緒を長く保管したいときには、とにかく湿気から守ってあげることが大切です!
赤ちゃんからへその緒がポロリと取れたら、しっかりと乾燥させ、水気を取っておきましょう。保管するケースも湿気から守ってくれる素材のものを選びましょう。
へその緒の保管の流れを見ていきましょう。
1.しっかり乾燥させる
へその緒が取れたときに、長期保管にむけて臍帯を洗う必要はありません。ただし、湿度の低い場所でガーゼなどの上に数日間置いておきしっかりと水分を抜いて乾燥させましょう。水分が残っているとカビの原因になってしまいます。
2.桐箱で保管
へその緒は桐の箱に入れて保管するのが一般的です。桐は気密性があり、防虫、防湿効果にも優れているためですが、さらに桐の箱の中に乾燥剤を入れておくのが一般的でしょう。
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特別なメモリアルボックスもおすすめ
赤ちゃんのへその緒を保管するケースは病院からプレゼントされることも多いですが、子供ひとりにつき一本のへその緒はおなかの中にいた頃の子どもとママの絆の証。大切に保管したいという方も多いでしょう。
そんなときは特別のメモリアルボックスを用意してもいいかもしれませんね。
保管に強い桐の箱でできたかわいらしい形をしたケースや、乳歯や産毛、写真、母子手帳などと一緒に子育ての記録をまとめて保管できるメモリアルボックスなどが販売されています。
カビが生えたらどうする!?
しっかり乾燥させて大切に保管していたはずなのに、ふとケースを開けてみるとへその緒にカビが生えていた…という悲劇的な経験をした方もいます。万が一へその緒にカビを発見したら、手早く水洗いをしましょう。カビを洗い落とせたら、再度しっかりと乾燥し、きれいな桐箱の中に保管し直します。
へその緒はママと赤ちゃんの絆の証。しっかりケアして大切に保管しよう!
へその緒はおなかの中で赤ちゃんとママが繋がっていた証拠です。昔からの風習にならってへその緒を保管している方も多いでしょうが、絆をいつまでも手元に置いておけるというのは素敵な風習ですよね。現代においてもやはりへその緒を見返したときに、妊娠中や出産時、新生児の思い出を思い返して子どもへの愛おしさが湧き上がってくることでしょう。
赤ちゃんからポロリと取れれば、その役割を全て果たしてくれたへその緒。しっかりと乾燥させて、成長の節目にプレゼントできるように大切に保管しておきたいですね。