赤ちゃんがよく寝るのはなぜ?
赤ちゃんがよく寝る!寝る子は育つ?ミルクはどうする?
赤ちゃんがよく寝るのは助かるけれど、寝過ぎな気がして心配している親御さんへ、疑われる病気や異常を解説。基本的によく寝るのは体質であり、心配しすぎないようにしましょう。母乳やミルクを飲ませるタイミングに悩んでいる方は、体重増加に注目!赤ちゃんをよく寝る子に育てるコツも紹介します。
赤ちゃんがよく寝るのはなぜ?1日中寝てばかりいる理由
赤ちゃんは本当によく寝る生き物で、特に生後3週間までの新生児は1日の大半を寝て過ごし、その後、月齢が高くなるにつれて少しずつ起きている時間は増えるものの、赤ちゃんが大人よりも長い時間を寝て過ごすのは間違いありません。
なぜ赤ちゃんは大人に比べて1日の睡眠時間が長いのでしょうか?
子供が健やかに育っていくために最も大切といっても過言ではない『睡眠』。寝ている間、赤ちゃんの身体や脳はどのように働いているのか解説します。
寝ている間に『成長ホルモン』を分泌している
『身長を伸ばすホルモン』としてよく知られている成長ホルモンは、深い睡眠状態にあるときに最も多く分泌されます。
赤ちゃんの身長は1年で産まれた時の約1,5倍、体重は約3倍までに急成長します。生まれてから1年あまりの赤ちゃんの成長は、他に類を見ないスピードであり、健全な発育・成長のためには睡眠が必要不可欠です。
成長ホルモンは骨や筋肉を発達させるだけでなく、肝臓や筋肉、脂肪などで行われる代謝の促進や疲労回復などの重要な役割を担っています。
新生児・赤ちゃんの睡眠時間の目安
お母さんのお腹の中で心地よく眠っていた赤ちゃんは、出産によって初めて外の世界に出てきます。お腹の中とはまったく違う環境に慣れるにはどうしても時間がかかります。
新しい環境への適応のスピードは赤ちゃんごとに異なりますが、どの赤ちゃんも少しずつ睡眠のリズムをつかんでいきます。最初のうちは断続的にしか眠れないので、1日の睡眠時間はトータルで捉えてください。
新生児~生後1か月頃は16時間~18時間寝る
生まれたばかりの赤ちゃんは16~18時間寝ています。基本的に寝るか、泣いていると考えて間違いないでしょう。だいたい2~3時間ごとに目を覚まし、泣きながらミルクや母乳を欲しがり、満足したらまたうとうとと眠り始めます。
生後2~3か月頃は14~15時間寝る
起きている時間が少し長くなります。1日の睡眠時間は平均14~15時間ほど。少しずつではありますが、夜はまとめて眠る時間がやや長くなってきます。
生後4~6か月頃は13時間~14時間寝る
体内時計が発達し始め、昼夜の区別がつくようになってきます。朝は1度しっかり起こして日の光を浴びさせると、夜泣き対策になります。
1日の平均睡眠時間は13~14時間ほど。お昼寝は午前中に1時間程度、午後に2~3時間程度が目安です。
生後7~12か月頃になると、朝起きて夜寝る生活リズムが整う
体内リズムが整い、朝起きて夜寝る生活ができるようになってきます。夜間もある程度まとめて眠れるようになりますが、生後半年頃から夜泣きをするようになる赤ちゃんもいます。
よく寝る赤ちゃんの場合、授乳はどうするべき?
新生児の場合、授乳の間隔は一般的に2~3時間おきとされています。ですが、授乳の間隔よりも、赤ちゃんの体重が順調に増えているかのほうが大切です。
授乳間隔がときどき4~5時間おきになっても体重増加に問題がないなら、無理に起こす必要はありません。疲労は母乳の出を悪くしますから、赤ちゃんが寝ているうちに、ママも身体を休めておいた方がよいでしょう。
赤ちゃんは生後2週間ほど経つと、1日に30グラムほどずつ体重が増えていきます。生後1か月で700~1000グラムほど増加しているのなら栄養は摂れています。
長時間寝ている場合は睡眠中の脱水症状に気を付けて!
赤ちゃんは大人よりも体温が高いため、身体に熱がこもってしまうことがあります。少し目を離した間に大量の汗をかいていたり、以下のような症状が見られるときは、よく寝ていたとしても1度起こして、水分を摂らせるようにしてください。
- 顔色が悪い
- 口唇が乾燥している
- おしっこの量や回数が減っている
赤ちゃんの寝過ぎは基本的に心配なし
赤ちゃんの寝すぎは注意が必要な症状もありますが、赤ちゃんがよく寝るのは基本的には心配のいらないケースがほとんどです。個性や睡眠環境の良さも影響しますし、同じ赤ちゃんでもよく寝る時期、あまり寝なくなる時期などが存在します。
寝ている時間が長いぶん、起きているときにはしっかり遊んで見守ってあげましょう。
よく寝る子・寝ない子は何が違うの?
育児書やママ友の話を聞くと、同じ月齢にも関わらず、赤ちゃんの睡眠時間には大きな違いがあります。よく寝る赤ちゃんもいれば、あまり寝ないためにママやパパが困ってしまう赤ちゃんもいます。この差はなぜおこるのでしょうか?
赤ちゃんは眠り方にも個性がある
生後早い段階からまとめて長時間眠れる子もいれば、夜まとめて眠れるようになるまでに時間がかかる子もいます。眠り方も赤ちゃんの個性のうちです。
おおらかにとらえ、必要以上に気に病まないようにしましょう。ただし、寝つきが悪い、すぐ起きてしまう子などは、ちょっとした工夫で熟睡できるようになることもあります。
「二番目の子はよく寝る」って本当?
「上の子のときはなかなか寝てくれないで困ったけど、下の子はよく寝てくれるから助かる」というママの話を聞いたことはありませんか?
結論から言うと、二番目の子だからよく寝る子になるわけではありません。最初の子を寝かしつける際には手探り状態だった親も、下の子のときはコツを飲み込めているはず。親が赤ちゃんを眠らせるのが上手になった結果、「下の子のほうがよく寝る」という印象を強く抱くというのが実際のところではないでしょうか。
もちろん赤ちゃんには個人差がありますので、たまたま二人はよく寝る子、眠るのが上手な子という可能性もあり得ます。
赤ちゃんをよく寝る子にするコツ
上手に眠りへ導いてあげることで、なかなか眠れない子もよく寝る子へ変身する可能性を秘めています!毎日の生活で気をつけたいことを見ていきましょう。
寝る1時間前に沐浴させ、体温が下がったタイミングでお布団へ
人間の体は、いちど上がった体温が下がるタイミングで眠くなるようにできています。寝る時間の1時間前に赤ちゃんを沐浴させれば、寝る頃には体温が下がり、眠気がやってきます。寝る直前に沐浴させると、脳が活性化して眠気が吹き飛んでしまうので気をつけましょう。
心がリラックスする安眠アイテムを与える
「ライナスの毛布」という言葉を聞いたことはありますか?ライナスはスヌーピーで有名なマンガ『ピーナッツ』に登場するキャラクターです。ライナスがいつも肌身離さず毛布を持っていることから、「ライナスの毛布」は持っていると安心感を得られるものを指します。
赤ちゃんがぐっすり眠るためには、気持ちがゆったり落ち着いた状態になっていることが大切です。よく寝る子にするには、触れているだけで赤ちゃんがリラックスできるようなお気に入りアイテムを用意してあげるのもよい方法です。
ぬいぐるみやタオル、毛布など柔らかくて肌触りのよいものがおすすめです。お気に入りアイテムに触れることで、スムーズに安眠モードに入れるようになるでしょう。
おしゃぶりを与えるのもアリ
おしゃぶりを口に入れてあげるだけで赤ちゃんは満足感を得られ、安心して眠ることができます。
特におっぱいを吸いたい欲求が高まる生後2~4か月頃の赤ちゃんの場合、おしゃぶりが大活躍するでしょう。
もちろん、すべての赤ちゃんがおしゃぶりを好むわけではありません。赤ちゃんが嫌がるようであればやめておきましょう。また、あくまで眠りにくそうにしているのみに使うなど常用しないようにし、生後6ヶ月頃を目安に卒業させましょう。
昼と夜の区別をしっかりつける
赤ちゃんに睡眠リズムを覚えさせるには、昼と夜の違いを少しずつ認識させていくことが重要です。
昼間のうちはカーテンを開いて日の光を浴びさせ、夜は明かりを消して暗さを体感させましょう。明るい昼間は起きている時間、暗くなったら寝る時間というリズムを早いうちから身につけさせることがよく寝る子に育てる秘訣です。
室温や湿度に気を配り、快適なねんね環境を維持
赤ちゃんがよく眠れるように、室温にも気を付けましょう。
エアコンは夏は25度~28度、冬は22度前後に設定しましょう。湿度は40~60%を目安にしましょう。
家族で穏やかな時間を過ごす
赤ちゃんが思うように寝てくれないと、親は連日の睡眠不足でフラフラになってしまいます。
しかし、赤ちゃんは親のソワソワした気持ち、イライラした気持ちを敏感に感じ取ります。睡眠不足が続くと誰でも疲れてしまいますが、家事は後回しにしても、できるだけ睡眠はとりましょう。
精神的な不安や心配事があると眠りにくくなるのは、大人も子供も同じです。赤ちゃんの頃だけでなく、ママやパパの精神状態は、大きくなった子供にも影響します。
家ではできるだけ心穏やかに家族でリラックスした時間を過ごし、満たされた気分でお布団に入れるようにしてあげましょう。
赤ちゃんがよく寝るのは成長のため!
新生児のうちはまだ体内時計が整っていませんが、成長するにつれ少しずつ睡眠のリズムが定まってきます。よく寝る赤ちゃんもいればすぐ起きる子もいますが、眠り方も個性のうちです。教科書通りでないからといって悩む必要はありません。
トータルの睡眠時間や赤ちゃんの様子に気を配ってあげましょう。乳児期~幼児期はもちろん、小学校や中学校に通うようになってからも十分な睡眠時間は必要です。