遊び食べにイライラしない対処法
遊び食べとどう向き合う?イライラしない離乳食期の対処法
遊び食べは必要?離乳食期の遊び食べは赤ちゃんには意味のある行為ですので、「食べ物で遊ぶ=叱る・怒るべきこと」と結論づけず、メリットにも目を向けましょう。イライラしないためコツや対処法もご紹介します。ただし、しつけとして「させない」という選択もあり!手づかみ食べのみ認めましょう。
遊び食べとは?離乳食期の赤ちゃんに見られるママを悩ます行動
遊び食べとは、自分の手で離乳食を食べ始めた赤ちゃんが、離乳食を手でグチャグチャにしたり、お皿をひっくり返したりしながら食べることです。テーブル・床・お洋服が汚れてしまうので、ママとしては本当に困ってしまいます。
赤ちゃんの遊び食べには、以下のような行動がよくみられます。
- 離乳食を手でグチャグチャにする
- 色々な料理を混ぜる
- 料理をお皿からお皿へと移し替えをする
- 食べていたものを口から出す
- お皿やコップをひっくり返す
- 料理を手でつかんで投げる
赤ちゃんが遊び食べをする理由
ママからみると単に遊んでいるようにしか見えない赤ちゃんの遊び食べですが、実は、ちゃんと理由があり、発達上意味のある行動です。「食べ物を粗末にしない!」と怒る前に、赤ちゃんがなぜ遊び食べをするのかを理解しましょう。
食べ物や食事に対する関心が高まっているから
食卓の上に並んだ離乳食を赤ちゃんが自分の手で食べようとする行動は、赤ちゃんの食べ物や食事に対する興味の高まりです。
大人にとって、食べ物は視覚・味覚で味わうものですが、赤ちゃんは、食べるものを自分の手で掴んで、触覚も確かめているのです。
手や指先の機能が発達してきているから
離乳食を手で掴んだり、それを口に持って行ったりすることは、赤ちゃんの手や指先の発達に繋がります。少しやわらかい離乳食の感触は、おもちゃなどでは得られない独特のもの。赤ちゃんは、初めての感覚に夢中になっているのでしょう。
遊び食べはいつからいつまで続く?
一般的に手づかみ食べを始める生後9ヶ月頃から、遊び食べを始める赤ちゃんが多くなってきます。
その後は、1歳のお誕生日を迎える頃にお行儀良く食事ができるようになっている子もいれば、2歳近くになっても遊び食べをしたがる子もいます。
遊び食べをする時期は、とても個人差が大きいものです。また、赤ちゃんの中には、遊び食べをしない子もいます。
赤ちゃんに遊び食べをさせてもよいの?
赤ちゃんが食べ物をグチャグチャにして食べる様子は、見ていてお行儀のよいものではありません。親としては止めさせたいと思うかもしれませんが、遊び食べも赤ちゃんの成長の証として、少し多めに見てあげましょう。
遊び食べは赤ちゃんの発達にいい効果がある
多くの赤ちゃんが離乳食期にする遊び食べは、赤ちゃんの発達に良い効果をもたらしてくれます。
赤ちゃんの自立心・積極性を養う
遊び食べは、赤ちゃんが自分で離乳食を食べたいという気持ちの表れです。ただ、好奇心旺盛な赤ちゃんは、必要以上に料理をグチャグチャにしてしまうのです。
遊び食べを繰り返す中で、自分で食事をすることの楽しさや達成感を味わっていくのでしょう。
スプーンやフォークの使い方が上手くなる
遊び食べをする中で赤ちゃんの手や指先の感覚は、どんどん発達していきます。手や指先が発達っていくと、フォークやスプーンも上手に持てるようになっていきます。
遊び食べや失敗を繰り返す中で、「この料理はフォーク・スプーン・手のどれで食べれば良いか?」ということも学んで行くでしょう。
遊び食べを叱りすぎると赤ちゃんが食事を嫌がるようになる
遊び食べは発達の過程で多くの赤ちゃんが通る道です。片付けなど大変でしょうが、できる範囲で赤ちゃんの好きなようにさせてあげましょう。
ママやパパが遊び食べを叱ってばかりいると、赤ちゃんが食事自体を嫌いになってしまう可能性があります。
離乳食期は、赤ちゃんに色々なものを食べられるようになってもらうだけでなく、食べることの楽しさを教えてあげることも重要です。赤ちゃんが食事の時間を楽しめるように、余りガミガミ叱らないようにしてください。
赤ちゃんが遊び食べをしなくても心配しなくてもいい
赤ちゃんの中には遊び食べをしない子もいます。遊び食べを手や指先の発達に有効ということから、発達が遅れないか心配されるかもしれませんが、手や指先は毎日の遊びを通しても十分に発達させることができますので、心配しなくて大丈夫です。
赤ちゃんの成長は個人差が大きいです。遊び食べをしない赤ちゃんの場合は、「床やお洋服が汚れなくて楽ちん」と思っておきましょう。
赤ちゃんの遊び食べでママがイライラしないためのコツ
遊び食べが発達上よい効果があるといっても、毎日毎日食事のたびに床やお洋服を汚されてしまっては、ママもイライラしてしまうことでしょう。中には、離乳食を食べさせる時間がママにとってストレスになってしまうこともあります。
ママが少しでもイライラしないようにするためには、事前の準備が大切です。
汚しても良い服装で食事をさせる
赤ちゃんに離乳食を食べさせる時には、汚れてもよい服を着せておきましょう。食事のたびに服を着替えさせるのが面倒な場合には、エプロンなどを着けるようにしてください。袖付きのお食事エプロンだと、より安心です。
床にマットや新聞などを敷いておく
遊び食べにより食べ物が床にこぼれても良いように、床にマットや新聞などを敷いておきましょう。新聞であれば、そのまま丸めてビニール袋に入れて捨てるだけなので、後片付けが楽です。
お盆の上に食器を並べる
お盆の上に食器を並べて食べさせることで、離乳食がこぼれてテーブルが汚れるのを防ぐことができます。
赤ちゃんは、スープなどをお皿からお皿へ移し替えるという遊び食べをよくします。お盆があると、少々こぼれてもテーブルや床が汚れることがないので安心です。
時間に余裕を持って食事をさせる
遊び食べでイライラしないためには、時間に余裕を持って食事をさせてあげることも大切です。
夕食の時間が遅くなり、「早く食べさせてお風呂にいれないといけない!」とママが焦っている時に、赤ちゃんが遊び食べをしていると、やはりイライラしてしまうものです。
早めに準備をして時間に余裕があると、心にも余裕ができます。
遊び食べのなかでも許容しないラインを決めておく
遊び食べは必要ですが、無駄に食事の時間が長くなるのはよくありません。許容しないラインを決めておくようにしましょう。
食べ物をおもちゃにしているだけで、食べる意欲がない遊び食べまで許容する必要はありません。また、それぞれのご家庭の教育方針があるでしょうから、「食べ物を投げることは認められない」と思うのなら、そうした行動が見られたときは止めるのもよいでしょう。
ただし、その日の気分によって言い方を変えてしまうと赤ちゃんも混乱してしまいますので、一貫したしつけの方針が大切になります。
赤ちゃんが食事に集中するための対処法
遊び食べは発達上必要なことと言っても、食事の時間がダラダラと長くなってしまうのは困りものです。赤ちゃんが少しでも集中して離乳食を食べて貰えるように、対策をとってみましょう。
前向きな言葉で食事を促す
赤ちゃんが離乳食を進んで食べてくれるように、ママやパパは赤ちゃんに前向きな言葉をかけて食事を促してあげましょう。
「これ、今日一緒にお買い物した人参だよ」「このお料理、ママも大好きなんだ~」「そろそろゴックンしてごらん」などと、声かけしてあげるとよいでしょう。
決まった時間がきたら食事を片付ける
遊び食べをしたとしても、食事はしっかり摂る必要があります。いつでも食事ができると思うと、赤ちゃんも遊び食べをいつまでも続けてしまうでしょう。赤ちゃんが座って食事に集中できる時間は、10~15分程度です。
遊び始めて、食事が中々進まないようでしたら、一声かけて片付けてしまいましょう。
赤ちゃんが、食事が片付けられた時点でまだお腹がいっぱいになっていないなら、しばらくしたら空腹で機嫌が悪くなってくるかもしれませんが、ここで甘いお菓子などを挙げるのはNG。
次の食事を少し早めにするなどして調節してみてください。
赤ちゃんが食べやすいメニューにする
赤ちゃんが遊び食べをする時期は、赤ちゃんが自分の手で食べやすいメニューにしてあげるとよいでしょう。
遊び食べで困るのが、水分の多いドロドロした離乳食を手でグチャグチャにされることです。水分の多い料理は、床やテーブルなどにつくと取れにくいです。また、顔や手についた汚れを落とすのも大変です。ある程度形があって赤ちゃんが食べやすいメニューは、顔や床などについても落とすのが簡単です。
ただ、全部赤ちゃんが食べやすい料理を考えるのも大変ですので、毎食1~2個のメニューは赤ちゃんが自分で食べられるものとし、他はママが食べさせてあげるようにするのもよいでしょう。
作るのが簡単で、食べやすい「赤ちゃんの手づかみ食べ」にオススメのメニューをご紹介します。
冷蔵庫にあるお野菜をまぜまぜ「離乳食おやき」
おやきは、冷蔵庫の残り野菜でできるので、とっても手軽です。おやきをマスターしておくと、野菜を細かくカットしたり下茹でしたりしておくと、焼く時間を短縮できます。
また、多めに作り小分けにして冷凍保存しておくと、忙しくて離乳食を作る時間が無い時でも、レンジで加熱するだけで、食べさせてあげられます。
サツマイモとリンゴのおやきの作り方
材料(1食分)
- サツマイモ 中サイズ1/3個
- リンゴ 1/4個
- 小麦粉 大さじ1(柔らかさ加減により調節)
作り方
- サツマイモは皮をむき柔らかく茹でてつぶす
- リンゴは皮をむいて、すり下ろす
- ボールにサツマイモ・リンゴ・小麦粉を入れて混ぜる
- 食べやすい大きさに成形する
- フライパンで両面をこんがりと焼く
軽く火を通してから!「赤ちゃん用野菜ステック」
野菜ステックは、時間が無いときの手づかみ食べメニューの代表選手です。野菜本来の美味しさを子どもに教えてあげるためにも、野菜ステックはおすすめのメニューです。
3色野菜ステックの作り方
材料(1食分)
- サツマイモ 10g
- 人参 10g
- 大根 10g
作り方
- サツマイモ・人参・大根の皮をむき、ステック状にカットする
- 1を柔らかく茹でる
お友達と一緒に食べる
同じ月齢や少し上ぐらいの月齢の子と一緒に過ごすことは、子どもにとって良い刺激になります。
お友達が、お行儀良く離乳食を食べている姿を見たら、「自分もできる!」と遊び食べよりも、上手に食べようという気持ちが強くなることもあります。
ママも、いつも赤ちゃんと2人で食事をしていて、赤ちゃんの遊び食べにイライラしてばかりというのは辛いですので、たまにはお友達親子と一緒に食事を楽しんでみてはいかがでしょうか。
お腹を完全に空かせてから食事にする
遊び食べばかりして、赤ちゃんが食事に集中できない理由の一つに、お腹が空いていないということがあります。
食事と食事の間は、お昼寝の時間以外はできるだけ体を動かすようにしてあげると、お腹を空かせてくれるでしょう。生後9ヶ月頃になると、ハイハイも早くなり、中にはつかまり立ちを始める赤ちゃんもいます。
たくさん体を動かすと、離乳食も進みますし、たっぷり寝てくれます。できるだけハイハイしやすく、安全につかまり立ちにできるように家の間取りを工夫したり、子育てサロンなどで遊ばせるのもおススメです。
遊び食べをさせない選択肢も考えてみよう
赤ちゃんが遊び食べをする理由、遊び食べにイライラしないコツや対処法をご紹介しましたが、もしママやパパがどうしても「遊び食べをさせたくない」と感じるのなら、遊び食べをさせないという選択もありです。
ただし、その場合も手づかみ食べはさせてあげてください。
手づかみで食べる行為を通して、遊び食べと同じように「自分で食べる意欲」を育てますし、その後スプーンやフォークで運ぶための力加減もわかってきます。
水分のあるものをぐちゃぐちゃに手で食べせる必要はありませんので、おやきや野菜スティック、いちごなどの果物、小さいパンやおにぎりなど、汚れにくいものを赤ちゃんに与えてあげましょう。