離乳食におやきがオススメな4つの理由
離乳食におやきは欠かせない料理です!赤ちゃんの離乳食でよく聞く「おやき」。普段の食事で食べる機会はあまりありませんが、おやきとは一体どんなものなのでしょうか。
おやきとは、信州地方(現在の長野県)の郷土料理であり、小麦粉や蕎麦粉に水を混ぜたものを皮にして、小豆や野菜の餡を包んだおまんじゅうのような形をした料理です。具材を包んで焼くという点では餃子とも類似していますが、寒冷地ためお米よりも小麦や蕎麦が育ちやすかった信州(長野県)では、庶民の食事やおやつとして愛されてきました。
ただこの一般的なおやきと、離乳食のおやきは少し違うものです。見た目は確かに一般的な「おやき」に近い部分もありますが、離乳食で「おやき」と表現される料理は、小麦粉の皮で包むのではなく、素材と一緒にまぜて焼くことが多いのが特徴です。
おやきが離乳食として優れている理由をまとました。
1.手づかみ食べで脳が発達する
生後9ヶ月過ぎ、離乳食を開始し、3~4ヶ月経つと、赤ちゃんは食べ物に興味を持ち、手づかみ食べをしたがります。
指先を使い、口に運び、匂いを感じ、味を確かめ、つぶしたり噛む音を聞く。五感をフルに使う手づかみ食べは、脳の発達にとても良い影響を与えます。自分で一口の量を調整し学んでいくことで、感覚器官も発達します。
何より手づかみで自分ひとりで食べられたという経験は、赤ちゃんにとって嬉しく、充実感を得られます。手づかみ食べをさせるためには、ある程度の硬さがなければいけませんが、おやきなら月齢に合わせた硬さに調整できます。
食事の楽しさを知った赤ちゃんは、スプーンやフォークへの以降がスムーズになるとも言われていますので、積極的に手づかみ食べをさせるために、おやきは最適な料理です。
2.栄養バランスが良く嫌いな食材も克服できる
おやきは、栄養バランスを考えやすい料理です。ご飯やうどんなどの炭水化物に、小松菜や人参などの野菜、たんぱく質として納豆やツナなどを混ぜれば、主食にも、おかずにもなります。
赤ちゃんが手づかみをしたいという欲求が出てくる生後9ヶ月頃、離乳食の後期にあたるこの頃は、食べられる食材が増える一方、好き嫌いが出てくる時期でもあります。
おやきなら、苦手な食材と好きな食材に混ぜ込むことが可能です。好き嫌いが多い子でも栄養バランスを保ちやすいので、ママの安心にも繋がります。
3.調理が簡単で冷凍保存もできる
忙しいママにとって、混ぜて焼くだけで簡単に調理できるおやきは大変助かります。一度に沢山作って冷凍しておけば、いつでも栄養バッチリなおやきを用意できるので便利です。
ただし、とっても魅力的なおやきの離乳食ですが、以下のような注意点もあります。
冷凍したおやきは、再加熱してから与える
材料にもよりますが、おやきは冷凍保存したら1週間を目安に使い切りましょう。例え自然解凍した場合でも、電子レンジやフライパン、トースターなどで、一度加熱してから食べさせるようにして下さい。
特に夏場の室内で自然解凍すると、雑菌が繁殖します。まだ免疫力が弱い赤ちゃんのために、必ず再加熱したうえで食べさせてあげて下さい。
1度買い問したおやきの再冷凍はNG
1度解凍したおやきを再冷凍するのはやめましょう。
おやきの具材の中に、もともと冷凍してあった野菜や魚を入れた場合も、同様に再冷凍になるので、この場合は作ってすぐに食べてしまってください。
何度も冷凍を繰り返すと細胞が壊れて味も落ちますし、温度変化により微生物も繁殖しやすくなり、食中毒の原因になります。
4.手や口が汚れにくく、おでかけ時に持ち運びもできる
赤ちゃんが自分で食事を食べたがるようになると、汚して大変です。持ちやすく手に付きにくいおやきは、赤ちゃんがひとりで手で持って食べてくれるので、食べさせる側としても楽チンです。
おやきはメインの食事にもおやつにもなります。持ち運びもしやすいので、外出先に持っていくことも可能です。
ただし、どんな離乳食にも言えますが、気温が高い季節は保冷剤を使ってとしても雑菌が繁殖してしまう可能性があります。手作りの離乳食の持ち運びには十分注意しましょう。
赤ちゃんはおやきをいつから食べられる?
おやきは、赤ちゃんの離乳食がどの程度進んだら食べられるのでしょうか。急ぐ必要はないので、赤ちゃんの様子を見ながら、少しずつチャレンジさせてあげましょう。
一口サイズなら中期(7ヶ月・8カ月)からOK!
生後7、8ヶ月の離乳食中期後半から、おやきを食べさせることは可能です。赤ちゃんが上手にもぐもぐできるようになったら、一口サイズの小さい、柔らかめのおやきから食べさせてあげましょう。
おやき活躍するのは離乳食後期(9カ月~11ヶ月)から!
9ヶ月頃になると徐々に食べ物へ自分から手を延ばし出す赤ちゃんが多くなります。こうした赤ちゃんのサインが見える離乳食後期からは、色々なおやきを積極的に食べさせてあげましょう。
慣れてくると、自分で持って、ひとりでもぐもぐできるようになりますが、詰め込んで丸呑みしてしまう恐れもあります。食べている間は目を離さないで下さい。
離乳食のおやきレシピ
おやきを作るのにぴったりな食材は、おかゆやうどんなどの炭水化物、じゃがいも、さつまいも、かぼちゃなど、茹でてマッシュできる野菜です。
形を整えやすい芋類の野菜は、おやきを作るのにとってもおすすめです。おやきひとつで栄養が沢山取れるように他の野菜や果物と一緒に混ぜ合わせて作ってみましょう。
中期(生後7・8カ月)のおやきレシピ
生後7ヶ月以降からおやきは与えらえられますが、中期の形状だとまだまだ柔らかく、赤ちゃんが手で持つと形が崩れてしまうこともあります。赤ちゃんは日々モグモグが上手になるはずですから、焦らずにある程度のかたさのものを噛めるようになってから与えるのがオススメです。
【しらすと青のりのおかゆおやき】
しらすのたんぱく質と青のりの鉄分が取れるおかゆのおやきです。しらすは栄養価が高く、さばく必要のない魚で使いやすいですが、塩分が多いため必ず熱湯をかけて塩抜きしましょう。焼き加減は各家庭でオーブンが違いますので、最初は様子を見ながら調整してみて下さい。
材料
- おかゆ(7倍粥〜5倍粥)150g
- しらす10g
- 青のり小さじ1
-
しらすに熱湯をかけて塩抜きし、他材料と一緒にボールに入れて混ぜ合わせる
-
クッキングシートの上にスプーンなどで材料を丸く並べ、オーブン180℃で15分程度焼いたら完成です。
中期からOKなおやき向け食材
【炭水化物】
7倍〜5倍粥、うどん、そうめん、コーンフレーク、
【たんぱく質】
豆腐、納豆、たい、ひらめ、かれい、しらす、鶏ささみ、鶏むね肉、鶏ひき肉
【野菜類】
じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ、、ほうれん草、大根、にんじん、なす、ブロッコリー、レタス、オクラ、じゃがいも、かぼちゃ、キャベツ、かぶ、白菜、小松菜、玉ねぎ、さつまいも、トマト、カリフラワー、とうもろこし、里芋、さやいんげん、グリーンピース、アスパラガス、ズッキーニ、青のり
後期(生後9・10・11ヶ月)のおやきレシピ
おやきが最も活躍するのが9ヶ月以降の離乳食後期です。3回食となるとメニューがマンネリ化しやすいですが、おやきなら赤ちゃんも意欲的に食べてくれることが多いでしょう。
【じゃがいもと鶏ひき肉のおやき】
炭水化物が多くビタミンCが取れるじゃがいもと、良質なたんぱく質が取れる鶏ひき肉を使った簡単にできるおやきです。栄養満点で腹持ちも良く手軽に調理できるのでおすすめです。
材料
- じゃがいも1個(150g程度)
- 鶏ひき肉40g
- 片栗粉小さじ2
- だし汁大さじ2
-
濡らしたじゃがいもをラップでくるみ3分加熱し、皮を剥いたじゃがいもをフォークなどで潰します
-
材料全部をボールに入れた混ぜ合わせます
-
丸く形を整え、薄く油を敷いたフライパンに並べ、弱火でほんのり焦げ目がつくまで焼きます
【さつまいもとレーズンのスティックおやき】
さつまいもとレーズンは食物繊維とミネラルが豊富な食材です。自然な甘味あるおやきなので赤ちゃんも喜んで食べてくれるでしょう。レーズンは離乳食後期からOKな食材ですが、まれにアレルギーを起こす赤ちゃんもいますので初めて食べる時は慎重に見てあげて下さい.
材料
- さつまいも100g
- レーズン10粒程度
- 片栗粉小さじ1
- 水または牛乳大さじ2
-
さつまいもを1㎝幅に切り、電子レンジ500Wで2分程度加熱し、フォークなどでつぶす※竹串などで刺してすっと通ればOK
-
レーズンに熱湯をかけ油抜きし細かく刻み、全材料を混ぜ合わせる
-
スティック状に形を整え、少々油を敷いたフライパン弱火でほんのり焦げ目がつく程度焼く
【野菜とそうめんのおやき】
お好みの野菜とそうめんで簡単におやきができます。そうめんを茹でる時に一緒に作れますし、お醤油をたらせば大人も美味しく食べることができます。
材料
- そうめん50g
- にんじん10g
- 玉ねぎ10g
- キャベツ20g
- 片栗粉大さじ1
- だし汁大さじ2
-
そうめんを4等分位に折ってから茹で、冷水で良く洗い水を切っておく
-
にんじん、玉ねぎ、キャベツをみじん切りにする
-
みじん切りした野菜を断熱容器に入れ電子レンジ500Wで1分加熱する
-
全材料を混ぜ合わせる
-
薄く油を敷いたフライパン弱火で軽く焦げ目がつく程度焼く
※焼くときに箸ですくって円を書くようにすると丸く整えやすいです
後期からOKなおやき向け食材
【炭水化物】
5倍粥〜柔飯、米粉、スパゲッティー
【たんぱく質】
豆乳、そら豆、まぐろ、かつお、あじ、さんま、ツナ水煮缶、鶏レバー、牛赤身肉、豚赤身肉
【野菜類】
ピーマン、もやし、かぶの葉、山芋、切り干し大根、にら、春菊、わかめ、ごま
離乳食のおやきを上手に焼くポイント
離乳食は飲み込みやすいかたさや消化の負担に配慮しなくてはなりませんから、以下のポイントを意識して調理してみましょう。
つなぎの粉は少なめにし、歯茎で噛めるぐらいやわらかく仕上げる
赤ちゃんの離乳食では色々な食材を使っておやきを作られていますが、つなぎの片栗粉や小麦粉を入れすぎると固くなってしまいます。焼く時は歯茎で潰すことができる位の柔らかさに調整してあげて下さい。
少量なら油を引いても良く、オイルスプレーなどを活用
反対におかゆが柔らかすぎたり、小麦粉の量が少な過ぎると、テフロンのフライパン焼いても裏返した時にくっついて上手く剥がれず、失敗することもあります。どうしてもくっついてしまうようであれば、油を数滴たらすか、オイルスプレーなどで少量の油を吹きかけてから作るとキレイに剥がれます。
おやきはおやつ?ごはんにするときの献立は?
メインの食事でおやきを取り入れる場合は、他のメニューとのバランスを見ながらおやきの食材を変えてあげましょう。
おやきがある日の離乳食の献立例
野菜やタンパク質を使った他のおかずと一緒に出すのなら、おやきはご飯代わりです。米やうどんなどしっかりとした炭水化物食材をメインに作りましょう。
品数が多くなく、おやき1つで栄養バランスをとりたいときは、野菜や魚、お肉などもたっぷり取り入れ、栄養が偏らない献立にしましょう。
献立例
- じゃがいもと鶏ひき肉のおやき
- 付け合わせ野菜(茹でた人参とブロッコリー)
- 豆腐のお味噌汁
- プレーンヨーグルトとバナナ
離乳食でおやきをおやつにするときのコツ
おやきは、おやつにもなります。食事をしっかり食べたのであれば、おやつの時間は、シンプルなさつまいもとミルクだけのおやきだって構いません。
反対に、食べが悪かった食事のあとのおやつには、炭水化物をメインにし、色々な野菜を刻んで入れてあげたおやきを食べさせてあげると1日のトータル栄養バランスが良くなります。
おやきに入れる具材は、赤ちゃんのその日の食べっぷりを見ながら調整することをおすすめします。