初節句の祝い方!男の子&女の子

初節句をお祝いしよう!人形や料理、男の子&女の子の準備

初節句は生まれて初めて迎える「桃の節句」と「端午の節句」のことです。伝統的な行事なので、雛人形や五月人形の購入、飾り付け、料理の準備など決まりごとはたくさん!雛人形や五月人形の選び方、飾り方ひとつひとつが頭を悩ませるかもしれません。そんなパパママへ、初節句の基礎知識を伝授します。

初節句をお祝いしよう!人形や料理、男の子&女の子の準備

無事な成長と厄除けを願う初節句

赤ちゃんが誕生して、初めて迎えるお節句「初節句」。赤ちゃんが健やかに成長してくれたことをお祝いするとともに、厄除けを行う伝統的な行事です。

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赤ちゃんの行事は一生の大切な思い出になります。お七夜や初節句、お食い初めなどのしきたりや目的、由来など赤ちゃんにとっては一度しかないお祝いについて解説します。

初節句はいつお祝いする?

初節句を迎える妹との3ショット

初節句の日取りは赤ちゃんの性別によって異なります。女の子は3月3日の「桃の節句」、男の子の場合は5月5日の「端午の節句」です。

生まれてすぐ節句がきたらどうする?

生まれて1~2ヶ月以内に節句を迎える場合は、翌年の節句を初節句としてお祝いすることも多くあります。
生後1〜2ヶ月の赤ちゃんはまだまだ昼夜問わず泣いておっぱいを求める時期なので、生まれたばかりの時期に初節句を執り行うのは大変。初節句の準備は雛人形や武者人形を用意したり、料理を用意したりとやることが多いため、無理せず翌年にするのも良いですね。

準備はいつから行うのがベスト?

雛人形や五月人形は1〜2週間前には飾っておくようにして、一夜飾りは避けるようにしましょう。

桃の節句は雨水の日に飾りつけをすると良縁に恵まれるという言い伝えがあります。逆に節句が過ぎても飾りつけをしまわないと将来今期を逃すと言われることが多いですが、こちらはあまり気にする必要がありません。雨の日など湿気の多い日を避けて、できるだけ早く片付けを行うようにしましょう。

雛人形や五月人形は誰が買う?

家族3代の記念写真

初節句の雛人形はママの実家から、五月人形はパパの実家から贈るという古くからの慣わしがあります。しかし最近ではそうした決まりに捉われず、両家で分担するケースも増えています。最近ではじいじやばあばが離れて住んでいることも多いので、お祝いの現金を送りパパママが気に入ったものを購入するケースもあるようです。

お返しは必要!?

お祝いを頂いたときには、初節句のお祝いの席にご招待することがお礼になります。この場合、内祝いは必要ありません。

遠方などで参加できなかった方には、いただいたお祝いの3分の1〜半額程度の内祝いをするのがマナーです。品物はお菓子や紅白砂糖が一般的です。節句から1週間以内には届くように事前に準備をしておきましょう。

誰を招待する!?

パパママ双方の両親、お祝いを頂いた親戚や友人をご招待しておもてなしをするのが古くからのマナーでした。しかし最近ではパパやママだけでお祝いしたり、じいじやばあばだけ呼ぶというご家庭が増えています。

【女の子編】初節句の祝い方

ひな祭りは「上巳(じょうし)の節句」とも言われ、室町時代に中国から伝わりました。もともとは子どもだけではなく季節の変わり目に「身のけがれを祓い、皆健康で暮らせるように」と川で身を清める神事でした。
平安時代に入ると小さな女の子たちの間で行われていた人形遊び「ひな遊び」と結びつき、紙人形などにけがれを移して川に流し、女の子の健康を願ったのがひなまつりの始まりだと伝わっています。

お祝いの仕方に特に決まりはありませんが、雛人形と桃の花を飾り、白酒、ひなあられ、菱餅をお供えするのが伝統的な方法です。

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雛人形

桃の節句に使うひな人形

雛人形は子どもにふりかかる災いの身代わりとなり、健やかに成長できるように見守ってくれるお守りだと信じられてきました。そのため、昔は子ども1人1人に雛人形を用意していました。

現代ではライフスタイルが変わったことにより、収納しやすい雛人形や、飾ってある状態でケースに入っているものが人気です。

いつ買いに行ったらいい?

1月から2月上旬には用意しておきます。お正月が明けた頃から百貨店や専門店などでは雛人形の展示が始まります。雛人形はひとつひとつ手作りで作られているため量産できません。人気のものはすぐに売り切れになることもあるので、早めにお店へ行くことをおすすめします。

ママの雛人形を引き継いでもいいの?

雛人形は災いの身代わりとなってくれるお守りなので、ママが成人したときにその役目を果たしたと言えるでしょう。そのためママに雛人形を子どもに譲ることは好ましくないとされてきました。
しかし最近では雛人形の作りが良くなったことで綺麗な状態で保管されているお人形が多いため、娘に引き継ぎたいと思う方も多いのも事実。その場合は、新しい人形を足して子どもに譲るといいでしょう。

二人目以降はどうする?

昔は次女の場合もそれぞれ人形を用意してあげていましたが、雛人形は高価なうえに、飾るスペースや収納場所を十分に取れない自宅も増えているため、1家族に1つ用意することが多いです。
次女のときは新しく段飾りの雛人形を購入するのではなく、内裏雛1組ずつだけ単品で増やしていく、市松人形を贈るという地方もあるため、次女の場合はどうするかじいじやばあばに相談してみてもいいかもしれません。

選ぶポイントは?予算・サイズ

雛人形は使われている素材や技術などによって価格が異なります。雛人形のタイプにも、男雛と女雛だけのものから、人形やお道具がたくさんついているものまであります。最初から飾られた状態でケースに入っているものや、自分で飾りつけを行うものもあります。

ひな人形の相場は一般的に5万円〜10万円程度です。じいじやばあばと相談して、事前に予算や購入する雛人形のイメージを決めておけば選びやすくなります。

また最近では飾るスペースをあまり取れないお家も多いので、お店に行く前にはだいたいの大きさを決めておきます。飾る予定のスペースのたて、よこ、奥行きのサイズを測っておけば安心です。意外に盲点なのが収納場所。購入するときにはしまう箱の大きさも確認しておきましょう。

見た目も大切なポイント

雛人形を選ぶとき、予算やサイズを考慮するのはもちろんですが、雛人形の「顔」が好きかどうかも大切なポイントです。様々な角度から表情を見てみて、毎年飾りたくなるようなお気に入りの人形選びをすると楽しくなりますね。

飾りつけのポイント

雛人形は2月上旬頃の、立春を過ぎたあたりを目処に飾りつけを行います。飾りつけをおこなうときには、人形に手の脂がつくと人形が傷みやすくなってしまうため、手袋をはめてから人形に触れると長持ちしやすくなります。

雛人形はとても繊細な作りをしているため、湿気の多い場所や、直射日光の当たる場所に飾るのは避けた方がいいでしょう。

桃の節句に準備するお料理

桃の節句に出されるてまり寿司

初節句の会食でではちらし寿司、お吸い物、白酒、ひなあられ、菱餅を用意するのが基本です。子どもの健やかな成長や厄よけといった意味が込められているので、一度それぞれの意味を確認して、きちんとお願いしながら口にするとよりいっそう初節句の大切さを実感できるでしょう。

ちらし寿司

ちらし寿司の具材にはえび、レンコン、豆など演技のいい食材を入れます。えびには「長生き」、レンコンには「見通しがきく」、豆には「健康で豆に働ける」という意味がそれぞれ込められています。
他にも卵や三つ葉など、見た目にも華やかな彩りの具材を使うことで、桃の節句にピッタリな春らしい色合いのちらし寿司がひな祭りの定番メニューになりました。

ハマグリのお吸い物

ハマグリは同じ対の貝殻だけがぴったりと合い、同じハマグリでも他の貝殻では貝殻の形が合うことはないのだそう。二枚貝の中でもそのぴったり具合がハマグリの特徴で、ここから「良縁に恵まれますように」という意味が込められています。

白酒

白酒はもともと桃の花びらを漬けた「桃花酒」というものを飲んでいました。桃には厄除けの力があると考えられており、気力や体力の充実をもたらす飲み物として中国から伝わりました。
江戸時代に入ると、あまり一般的ではなかった「桃花酒」の代わりに白酒が好まれるようになったと伝わっています。

ひなあられ

餅に砂糖を絡めて炒ったお菓子です。色はピンク色、緑色、黄色、白色の4色で、それぞれの色は四季を表していると考えられています。ひなあられはでんぷんを多く含んでいるため健康にもよく、「子どもが1年中幸せに過ごせますように」という意味が込められています。

菱餅

菱餅は緑色、白色、ピンク色の3色の餅を菱型に切って重ねたものです。
菱型は心臓の形を表していると言われ「災いを除く」という気持ちや、「娘の健康を願う」想いが込められています。

また、菱餅には色ごとにそれぞれの意味を持っています。
ピンク色の菱餅は桃の花の色を表していると言われ、魔除けの意味を持っています。解毒作用があるクチナシで色をつけます。白色の菱餅には血圧を下げる菱の実が入っています。菱は繁殖力が強いため、子孫繁栄の意味が込められています。緑色の菱餅には増血効果があるよもぎを混ぜて作られています。よもぎには魔除けの力があるとされています。
菱餅を重ねる順番に決まりは特にありませんが、上から赤、白、緑の順番が一般的です。

【男の子編】初節句の祝い方

端午の節句は奈良時代に始まったと言い伝えられています。平安時代には、病気や災いから守る行事として貴族の間に定着しましたが、徐々に貴族以外にも広まっていったと考えられています。

端午の節句はもともと中国から伝わってきたものですが、五月人形や鯉のぼりを飾るのは江戸時代から始まった日本独特の文化です。

五月人形

端午の節句に使う兜飾り

端午の節句に合わせて飾る五月人形には、兜や鎧などがあります。これは戦のときに命を守るとして使われていたもので、そこから転じて「病や災いから男の子を守り、無事な成長を祈る」という意味が込められています。

いつ買いに行く?

ひな祭りが終わった3月上旬頃には、百貨店や専門店では一気に五月人形のディスプレイに変わります。五月人形は手作りで作られているため、表情や装飾が異なります。人気のものは早く売り切れてしまうことが考えられるため、早めに選びに行く方がいいでしょう。

二人目以降はどうする?

次男の場合も初節句はお祝いします。本来は1人につき1つ人形を用意してあげるものだと言われていますが、お飾りは高価なものなので子どもそれぞれに用意するものはなかなか難しく、最近では1家族に1つにすることが多いです。長男の持っていない兜か武者人形を贈るという地域もあります。

選ぶポイントは?予算・サイズ

五月人形の相場は、鎧飾りで15〜30万円、兜飾りで10〜20万円、武者飾りで10〜15万円程度です。どんな人形が欲しいか、予算はどうするかをあらかじめじいじやばあばと決めておくと、お店でもスムーズに選ぶことができるでしょう。

五月人形を選ぶときには事前にサイズを決めておくことも大切です。飾る予定の場所のたて、よこ、奥行きのサイズを測っておけば、自宅に帰ってからイメージ通りに飾れることが多いので安心です。
初節句が終わってからは箱に入れて収納するため、収納スペースも事前に考えておくといいでしょう。

飾りつけのポイント・時期

五月人形に直接素手で触れてしまうと、手の脂がついてしまうため痛みの原因になってしまいます。飾り付けをするときには手袋をしてから行うようにしましょう

鯉のぼり

鯉のぼりは中国の故事にある「鯉が滝を登り竜になる」という伝説から、男の子の「出世を願う」という意味が込められています。
鯉のぼりはもともと出陣のさいに用いる幟旗(のぼりばた)でしたが、男の子が生まれるとこれを立て誕生を祝うようになったことが始まりだとされています。

端午の節句に準備するお料理

端午の節句に食べるかしわ餅

男の子の初節句には柏餅とちまきを用意します。端午の節句は中国から伝わってきた行事で、ちまきも同様に中国から伝わったとされていますが、柏餅は日本独特の文化です。

柏餅

柏餅を巻いている柏の葉には、新芽が出るまで古い葉が落ちないことから「子供が死ぬまで親が死なない」、すなわち「家系が絶えない」として縁起をかつぐ食べ物として子どもの日に食べられてきました。

ちまき

ちまきは端午の節句とともに、中国から伝わりました。ちまきといえば笹の葉にお餅が包まれている食べ物ですが、もともとは米を詰めた竹筒でした。
中国の詩人、屈原(くつげん)が5月5日に亡くなったことを偲び、ちまきをお供えするようになったことから、単語の節句にちまきを食べる風習ができたと考えられています。

初節句は子どもの健やかな成長を祝う行事

昔は赤ちゃんが元気に育つことが難しかったため、こうして節目で赤ちゃんの健康を祈願する行事を行っていましたが、今も昔も親は子どもが病気をすることなく、元気にすくすく育ってくれることを願う気持ちは変わりませんよね。

現代ではライフスタイルが変わり、欧米型の家や核家族が増えているためなかなか決まりをならわしをきちんと守って初節句を迎えることは難しくなってきましたが、何よりも大切なことは赤ちゃんの成長を喜び、元気に育ってくれることを願うパパやママの気持ちです。

ご家庭にあったスタイルで、初節句の要素を少し取り入れるだけでもいいので、改めて赤ちゃんの健康に感謝するお祝いをしたいですね。