赤ちゃんのしつけ
赤ちゃんのしつけは人と関わりが始まる0歳からスタート!
赤ちゃんのしつけは0歳スタートで行きましょう。赤ちゃんの時期は、スポンジのようにどんどん色んなことを吸収します。早いうちから叩かない怒鳴らない赤ちゃんのしつけをスタートさせることで、赤ちゃんの成長にいい影響を与えます。やったらダメなことがあると教えていきましょう。
赤ちゃんのしつけはいつから始める?
「子供にきちんとしつけをするのが親の務め」というフレーズ、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。お父さん・お母さんももちろん務めであることはお分かりでしょうが、しつけに関してさまざまな疑問や不安が浮かんできてしまうことでしょう。赤ちゃんにしつけは必要なの?そもそも、しつけとはどんなことをすればいいの?一度考え始めると、なかなか答えが出てこなくなります。
そこで今回は、「赤ちゃんのしつけ」をテーマにしていきます。頑張って、赤ちゃんにしつけをしなければと意気込む必要は、全くありません。赤ちゃんのしつけに関して考える時間、そして毎日の意識が少しでも変わることが大切なのです。早速、確認していきましょう。
そもそも、赤ちゃんのしつけってどういうこと?
我が子の様子を見て、他人から「まったくしつけがなっていないわね。親がどういう風に育てたのかしら?」と言われたら、きっと落ち込まない人はいません。「しつけ=親が子供にすること」というイメージがあるので、子供の素行は親のしつけが行き届いていないと判断されることも少なくありません。
そもそも、しつけとは何なのでしょうか。これは親である以上は、一生向き合っていかなければいけないテーマかもしれません。けれど、ただ1つ確実に言えることは「しつけ=怒ること」ではありません。もちろん、子供がやってはいけないことをして、しつけの一環で怒る時も必要ですが、しつけとはもっと大きな意味で捉えて下さい。
しつけとは、決して怒鳴り散らして親としての威厳を見せつけるものではなく、「子供が社会に出た時に周囲の人と仲良く、そして心地よく過ごしていくためのマナーを親が教えてあげること」です。つまり、基本的なルールや習慣を身に付けさせてあげる、準備をしてあげるのが親として子供にするべきしつけだと言えるでしょう。むやみに怒ったり、叩くなどして身を持って痛みを感じさせるようなことは、しつけではありません。
赤ちゃんのしつけは0歳から始めましょう
「まだ赤ちゃんだし、大人の言っていることもよく分からないはず」「こんなに早くから、しつけをして意味があるの?」と考えるお父さん・お母さんもゼロではありません。はじめにお伝えしておきますが、親が子供のためにしてあげることで、意味のないことは1つもありません。
0歳の赤ちゃんにだって、意思はあります。お腹が空いた、痛い、ママがいなくてさびしい、暗くて怖い、食べたくない、苦いなど、毎日表現できる感情が増えていきます。確かに0歳の赤ちゃんに言葉で「食べ物を投げちゃだめよ」「挨拶はきちんとしましょうね」と教えても無理でしょう。そこで、0歳のしつけは、「しつけの準備運動」から始めていきます。
赤ちゃんのしつけの準備は親と赤ちゃんの信頼関係を築くこと
お父さん・お母さんは、自分の身に置きかえて考えてみてください。例えば、仕事でミスをしてしまって、上司から注意を受けるとしましょう。その上司があなたにとって信頼のできる人であれば、自分のミスに向き合い、上司のアドバイスを素直に聞き入れる体勢をつくるはずです。しかしながら、あまり信頼していない上司だった場合は、素直に言うことを聞き入れたくないという気持ちが、どこかで芽生えてしまいます。
子育てにおけるしつけも、このような状況と同じになります。つまり、子供が親を信頼していないことには、しつけはうまくいかないのです。ですから、0歳の頃はしつけの準備運動として「親と赤ちゃんが信頼関係を築くこと」に全力投球してください。
赤ちゃんと信頼関係を築くにはどうすればいいの?
赤ちゃんのしつけの前段階として、赤ちゃんと信頼関係を築くことが大切です。では、赤ちゃんとの信頼関係を築くためには、どうしたらよいのでしょうか。0歳と4歳の現役ママである筆者の体験談を織り交ぜながら、親子の信頼関係を築いていくための方法をまとめました。
赤ちゃんが送るサインにしっかり答える
赤ちゃんはいつもお父さんやお母さん達に、何らかのサインを送っています。そのサインに気が付き、「パパとママはしっかりサインに気が付いているよ~」とサインを送り返してあげることが大切です。以下に、シチュエーションをまとめてみました。
- 赤ちゃんの後追い全盛期。トイレに行って姿が見えなくなるだけで、ギャン泣き。「ママがいないよ~」というサインには、トイレのドア越しに「ママいるよ~」と何度も叫んでサインを返す。
- 赤ちゃんが泣いたら、すぐに駆けつけてあげる。
- お父さん・お母さんの足にしがみついたら、抱きかかえてあげる。
- 赤ちゃんが指さすものに対して「あれ、欲しいの?」「うわーすごいね」などと、言葉で返す。
- 赤ちゃんがハイハイをしたり、つかまり立ちをしたら、拍手をして褒める。
- 赤ちゃんがミルクを全部飲んだり、離乳食を全部食べたら、頭を撫でて褒める。
このように、赤ちゃんが発するサインに気が付ききちんと応答してあげることで、お父さんとお母さんは自分を見ていてくれるのだと、認識することが出来るのです。
赤ちゃんのしつけ方法をシチュエーション別でチェック
シチュエーション別の赤ちゃんのしつけ方法を確認していきましょう。
【食事編】赤ちゃんが食事をぐちゃぐちゃにしても、怒らない
掴み食べが始まったら、食卓は戦場と化します。目の前にあるおかずやごはんを手当り次第にとっては食べて、たまに投げるの繰り返し。しかしながら、ここで「汚しちゃダメ!」「やめなさい」と怒るのはしつけとはちょっと違います。なぜなら、赤ちゃんは悪いことをしていないからです。
掴み食べは赤ちゃんの立派な成長過程の1つなので、むしろ褒めてあげるべきことです。大声で怒って、赤ちゃんが自分で食べようとする気持ちを、失ってしまう方が大きなデメリットです。赤ちゃんが食事をぐちゃぐちゃにしてしまった時には、親としてこのようにあげてください。
例1「○○ちゃん、たくさん食べたねー。お手てを使って食べてえらいね~。でもね、投げるのはメッ!だからね(最後だけ少し怖い顔をして、赤ちゃんにあまり良くないことだと気が付かせる)」
例2「あ、遊び始めちゃったね。ご飯下さげるね~(遊び食べを怒るのではなくて、遊び食べを始めるとご飯が終わりだと気付かせる)」
例3「(食べ物を投げ始めたら)はい終わり!これはこうやって食べるんだよ(食べる姿を見せる)」
0歳の赤ちゃんは大人の姿を見て、真似て、そして自分のものにしていきます。赤ちゃんが食事をぐちゃぐちゃにしてしまうのは、あくまでも成長過程の1つです。怒ることなく、褒めて覚えさせてあげることが大切です。大人が同じことを何度もして、繰り返しお手本を見せてあげるようにしましょう。
【食事編】毎日の繰り返しで食事マナーを身に付けさせる
食事のマナーに関しては、保育園や幼稚園、そして社会に出た時に恥ずかしい思いをしないように、赤ちゃんのうちからしっかりとしつけておく必要があります。しつけには、毎日の繰り返しが必要です。悪いことをしたときに注意するのはもちろんですが、毎日同じことをして、習慣をつけさせてあげるのもしつけなのです。そこで、食事をするまでに毎日同じことを繰り返し実践していきましょう。ここでは、筆者が子供達に実践している方法をご紹介します。
1.よびかけ
「ご飯にしようね!」「はーい、ご飯の時間だよ」と赤ちゃんの頃から、しっかりとご飯の時間を教えることが大切です。食べる準備をし始める準備です。
2.手を洗う
「ご飯だよ」と伝えられると、4歳の息子は一人で洗面所に手を洗いにいき、0歳の娘は両手を出して手を洗うサインをしてきます。
3.着席
席についたら、エプロンをして「いただきます」のご挨拶です。
4.食事
美味しく、楽しく食べて欲しいので、こぼしても怒ることはありません。
5.ごちそうさま
早く食べ終わった人からごちそうさまをして、手を洗いにいきます。
6.ハンドクリームを塗る
最後にクリームを塗って完了です。
このように、食事をする際に毎日同じことをしています。習慣にしてあげることで、子供達に口で教えてなくても、自然と身に付いているようです。これも、しつけの1つです。
【危険編】怪我や危険リスクの高い行動を赤ちゃんがした時のしつけは?
フォークを持ったままハイハイをする、堅いものを投げる、ポットのお湯を出そうとする、マフラー―を首にグルグル巻きにするなど、赤ちゃんが怪我や危険リスクの高い行動をした時には、どうしたらいいのでしょうか。つい危険なシチュエーションに出くわすと、大声で怒鳴ったり、叩いて危険を教えようとする人もいますが、そのしつけ方法は決して正しいとは言えません。筆者が実践してきたしつけ法は、こちらです。
- 赤ちゃんの身体を少し押さえつけて、怖い顔を見せる。ここで、赤ちゃんの意識を自分に向かせる。
- 赤ちゃんに危険なことだと認識して欲しいので、「ダメよ!」「イタイイタイなるよ」と低めの声で、ゆっくり、ハッキリ伝える。ジェスチャーも混ぜるとなお良い。
赤ちゃんの動きを一瞬でも静止させることによって、赤ちゃんもいつもと違う状況であることを察してくれることでしょう。優しいママの声ではなく、少し低めの声にすることも大切です。
【叩く編】赤ちゃんがすぐ叩く!しつけはどうする?
思い通りにいかないと、イライラしてしまいます。赤ちゃんも同じです。お気に入りのおもちゃがない、お菓子を食べたいのにもらえない、眠いのに寝付けないなど、自分の思い通りにいかないときにイライラの感情を、叩くことで表現する子も珍しくはありません。お父さん・お母さんや、一緒に遊んでいるお友達など、容赦なく叩くので困ってしまうでしょう。
このようなシチュエーションになったときに、ついやってしまいがちなのが、大声で注意することです。「ダメでしょ!メッ!」と突発的に大きな声を出して怒るので、赤ちゃんは驚いて泣いてしまうだけで、しつけにはなりません。むしろ、逆効果です。このような場合には、お父さん・お母さんが実際に叩かれて、赤ちゃんに「叩かれて痛い」というサインを送るのです。ちなみに、痛いのサインはいくつかの表現ができます。
- 顔をしかめる
- 叩かれた場所を押さえながら泣いたふりをする
- 痛いと何度も言う
- 赤ちゃんの手をとって、自分の頭をペシンと叩き、痛いと伝える
赤ちゃんには、人を叩くとその人が痛い思いをする、泣いてしまうことを認識させてあげましょう。大きな声をあげて恐怖感を与えなくても、きちんと伝わります。これが、しつけです。
赤ちゃんのしつけはみんなですることが大切
「赤ちゃんをきちんと育てなくちゃ」と意気込むお父さん・お母さんも少なくありません。しつけをしなくちゃ、しつけるのは親の責任などと思い詰めても、赤ちゃんにプラスの影響を与えることはないでしょう。そもそも、しつけはお父さん・お母さん達だけでしなくても良いのです。おじいちゃん・おばあちゃん・保育園や幼稚園の先生・近所の人・ママ友など、みんなで赤ちゃん達を育てていきましょう。
0歳と4歳の現役ママの筆者のしつけ
筆者は、幼稚園の先生に「悪いことをしたら、思いっきり怒って下さい。泣いても構わないです」と伝えています。仕事のため、毎日朝の8時半~夕方17時まで預けていますので、日中は幼稚園の先生と過ごす時間が圧倒的に多いからです。怒って、しつけていただき、ありがたいという気持ちです。
ですから、筆者には「私が全部しっかりと教えなくちゃ!」という感覚がありません。周りの人達の手を借りながら、あまり自分を追い込まずに、しつけも楽しんでいこうと思っています。
核家族化が進んで、なかなか周りの人の手を借りることが難しいお父さん・お母さんもいるでしょう。でも、赤ちゃんはさまざまな人や事柄から、学んでいきます。親がそんなに肩肘張らなくても、社会で生きていく上でのマナーをしっかりと身に付けているというケースもあるのです。
赤ちゃんのしつけは頑張ってすることではない
今回は、「赤ちゃんのしつけ」をテーマにお話をしました。赤ちゃんはこれから、どんどん人との関わりを広げていきます。家族、保育園や幼稚園のお友達、学校の仲間、そして大人になれば職場の同僚など、テリトリーは広がるばかりです。
しつけとは、近い将来、遠い将来の両方を考えて、マナーや社会のルール、共存していく上で知っておくべきしきたりなどを、親が子供に教えてあげることです。
大声で怒ることがしつけではありませんし、頑張って、赤ちゃんにしつけをしなければと意気込む必要は、全くありません。親として、赤ちゃんの成長や発達にプラスの影響を与えるしつけをしていきましょう。