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離乳食の鮭レシピ

離乳食の鮭はいつからどの種類を選べばいい?段階別レシピ

離乳食で鮭はいつから食べさせていいのか、サーモンと鮭の違い、生鮭、塩鮭、刺身、鮭フレークや缶詰など、離乳食で使える鮭の種類と選び方を紹介。赤ちゃんに嬉しい鮭の栄養素やアレルギーのリスクも解説し、中期からOKな離乳食レシピ、ホイル焼きやバターピラフなどの作り方を動画付きで紹介します。

離乳食の鮭はいつから、どの種類を使える?

鮭は離乳食では、中期以降に出番が飛躍的に増える食材でしょう。鮭は日本全国で食べられている魚で、おかずやお弁当として日本人に最も馴染み深い魚の1つといっても過言ではありません。

鮭は身が赤いですが、分類としては白身魚に位置します。
本来、魚は、筋肉中の血色素(ヘモグロビン)の含有量によって、「赤身」「白身」を区別するのですが、鮭が赤いのは、ヘモグロビンではなく、色素の含まれている餌を食べているからに過ぎません(注1)。

ですが、鮭は、鯛やヒラメなど他の白身魚に比べて、脂質は多めです。そのため、離乳食では赤ちゃんがあっさりとした白身魚に慣れた頃に、少量ずつ与えるのが望ましいとされています。

鮭は離乳食中期(7ヶ月・8カ月)からOK!

離乳食で鮭を使うタイミングは、離乳食中期である生後7ヶ月・8カ月以降です。離乳食での魚の進め方は基本的に、白身魚→赤身魚→青魚の順番になりますが、白身魚に慣れた頃、赤身魚に移行する前に、鮭を与えるのがおすすめです。

離乳食中期(7~8カ月)
火を通して細かくほぐし、フレーク状に。とろみをつけると食べやすい。
離乳食後期(9~11ヶ月)
火を通してフォークなどでやや粗めにほぐす。歯茎で潰せる程度。
離乳食完了期(12~18ヶ月)
火を通して、5㎜程度にほぐす。歯茎で噛める程度。

離乳食の鮭は、どの種類を選べばいいの?

鮭といっても、甘鮭・塩鮭・生鮭の切り身、サーモンの刺身など様々な種類があります。離乳食にオススメの鮭の種類をご紹介します。

「生鮭」か「刺身」がおすすめ

離乳食の鮭は、基本的に塩分のない無塩の生鮭、もしくはサーモンのお刺身を使います。
生鮭は、「生鮭」ではなく、「ムニエル用」と名前がついていることもあります。

生鮭は、魚屋さんかスーパーの鮮魚コーナーにありますが、小さなスーパーやその日の仕入れによっては、塩鮭しか売っていない可能性もあります。

その場合は、脂身の少ないサーモンのお刺身を購入するのがおすすめです。
生協などでは、離乳食用に骨ぬき・皮無しの切り身が販売されていることもあります。

「鮭」と「サーモン」の違いは?

鮭とサーモンはどちらもサケ科の魚です。区別の方法が色々あって難しい部分なのですが、スーパーの分類で多いのが「国産」or「輸入」の違いです。

「鮭」は、川で産卵し、海へ下る魚を指します。基本的に国産のもので、加熱調理して食べるものが主流です。生鮭・塩鮭として販売される鮭は、「シロザケ(シロサケ)」が多く、秋に川に戻る種類は「秋鮭」と呼ばれます。その他、「銀鮭」「紅鮭」などの種類があります。

一方、「サーモン」は、輸入物の鮭を指します。脂の多いキングサーモン、養殖物に多いアトランティックサーモン、トラウトサーモン(ニジマスを海で養殖したもの)などの種類があります。

離乳食向きのサーモンの選び方

サーモンは鮭よりも脂がのっているので、選ぶ時は脂が少なそうなものを選ぶと良いでしょう。
離乳食では、トラウトサーモン、又はアトランティックサーモンおすすめです。調理するレシピによっては、刺身用ブロックタイプも使えます。調理時には、しっかりと茹で余分な脂を落として使用しましょう。

買ってきたものを長く使わずにいると、冷蔵庫に入れていても鮮度が落ちてしまいます。新鮮なうちに調理し、赤ちゃんに食べさせてあげて下さい。

塩鮭や鮭の水煮缶、鮭フレークはいつから使える?

一般的には離乳食に適さない塩鮭や鮭フレークなどはいつから、どのように下処理すれば使えるのか説明します。

「塩鮭」は熱湯でよく塩抜きすること

塩鮭は、たっぷりのお湯で茹でても塩気が残りがちです。
特に、「中辛」や「辛口」と表示されているものは塩分が多く、離乳食には不向きです。

もしも食べさせる場合は、後期以降、「振り塩」や「甘口」を選び、たっぷりのお湯でしっかりと茹で、塩分を抜いて下さい。

「鮭缶」は後期以降に水煮を選ぶ

水煮缶の鮭は、脂肪が多めの魚が原料にされており、塩分も気になります。
赤身魚に食べ慣れてから、熱湯をかけて塩抜きし、後期以降、少量ずつ使いましょう。

「鮭フレーク」は完了期以降が無難

絶対ダメという訳ではありませんが、鮭フレークは大人が食べても美味しく感じるほど味付けが濃いです。塩分、添加物も入っています。できるなら完了期までは避けた方が良いでしょう。少量をご飯に良く混ぜ込むなどして、赤ちゃんが味の濃さにビックリしないようにして与えてください。

鮭のアレルギーリスクはやや高め

鮭は、消費者庁が定めている『特定原材料に準ずる20品目』の1種です。消費者のアレルギー対策のため、義務ではありませんが、使用している場合は食品表示が推奨されています(表示は「さけ」)。

表示が義務付けられる『特定原材料7品目(卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かに)』ほどではありませんが、比較的アレルギーの起きやすい食材または重篤な症状が起こりやすい食材と認識されていますので、赤ちゃんに初めて与える際には注意しましょう(注2,3)。

アレルギー症状には、2時間以内に症状が現れる「即時型」と、2日後などに症状が現れる「非即時型」があります。

鮭などの食物アレルギーは、30分以内に症状が現れることが大半ですので、アレルギー食材を食べたあとは、赤ちゃんの様子をよく観察しましょう。

アレルギー症状がどの食材で出たのかを把握するためにも、日頃からいつ何を食べたかメモを取るなどし、覚えておいた方が良いでしょう。

ヒスタミン食中毒にも注意

ヒスタミン食中毒とは、鮮度が落ちた魚に発生するヒスタミンというたんぱく質により、皮膚の紅潮や蕁麻疹、発熱などの中毒症状が出てしまう食中毒です(注4,5)。

食物アレルギーとも症状が似ているため、初めて鮭を食べた場合には、区別がつきにくい可能性もあります。どちらにしても赤ちゃんの調子が悪そうなら、病院を受診した方が良いでしょう。

1度ヒスタミンが増えてしまうと、加熱調理しても分解されることはありません。鮮度が落ちないうちに調理して、食べさせてあげることが大切です。

新鮮な鮭の見分け方

新鮮な鮭の切り身を見分けるポイント

  • 皮が乾いていなくてピカピカと輝いている
  • 全体がふっくらとして身がしまっている
  • 身の赤い色が濃い
  • 汁などが出ていなくて表面が潤っている

冷凍を選ぶ場合は、霜がついていないものを選び、1度解凍したら再冷凍はしないようにしましょう。

サーモンの場合は、色が綺麗に発色しているものが新鮮です。
筋がはっきりしているものは脂ののりがよく大人には美味しいですが、離乳食では脂が少ないサーモンを選ぶようにしましょう。

離乳食の鮭・サーモンレシピ!

離乳食中期から完了期までの鮭を使ったレシピをご紹介します。
離乳食の鮭の目安量は、1食あたり中期10~15g、後期15g、完了期15~20gです(注8)。

鮭の臭みが苦手な赤ちゃんは、鮭を水でさっと洗い、キッチンペーパーで水分を吸い取ってから茹でると、魚独特の臭みが減ります。

中期(7・8カ月)の鮭・サーモンレシピ

中期から使える鮭は、まずは骨などの下処理がいらないサーモンのお刺身がおすすめです。お魚の出汁を汁ごといただきましょう。

鮭のあんかけのとろみ豆腐

鮭をあんかけにすることで飲み込みやすく、豆腐もつるんとしているので、赤ちゃんでも食べやすい一品です。おかゆやうどんにかけても良く、取り分けしてから味を濃くすれば、大人も美味しく食べられます。

材料

  • 鮭 20g
  • 絹豆腐 35g
  • 小松菜 5g
  • だし汁 200cc
  • 水とき片栗粉 大さじ1
  1. 下ゆでした鮭と小松菜を細かく刻む。

  2. 鍋にだし汁と刻んだ鮭と小松菜、小さく切った豆腐を入れます。

  3. 中火で3分煮ます。

  4. 火を止めて水とき片栗粉を入れ、再沸騰させてとろみがついたら完成です。

後期(9~11ヶ月)の鮭・サーモンレシピ

後期以降は、生鮭を茹でたり、蒸したりして食べられるようになります。骨がないかはよく確認してください。

鮭の豆乳ホイル焼き

材料をホイルに包んでフライパンで蒸すだけで、鮭と野菜の栄養をたっぷり取れるのでおすすめです。
豆乳をいれることでまろやかな味わいになり、とっても美味しくなります。好きな野菜に変えても良いですし、豆乳は赤ちゃんが好きなミルクに変えてもOKです。

材料

  • 鮭 30g
  • 人参 5g
  • しめじ 3g
  • たまねぎ 5g
  • 豆乳 大さじ1
  • だし汁 小さじ1
  • 無塩バター 1g
  1. 野菜をみじん切りにします。

  2. 器のようにアルミホイルを形成し、鮭、野菜、豆乳、だし汁、バターの順で入れます。

  3. フライパンに1㎝程度の水をはり、具材を入れたアルミホイルの口を閉じて置きます。

  4. フライパンにフタをして、中火で15分蒸し焼きにします。途中で水がなくなったら足します。

  5. 具材に火が通り野菜が柔らかくなったら完成。

完了期(1歳~1歳半)の鮭・サーモンレシピ

鮭はご飯やうどんなどの炭水化物とも相性が良いので、ピラフやチャーハン、煮込みうどん・焼うどんの具としても優秀です。

鮭バターピラフ

鮭と軟飯を使った、バターの風味が食欲をそそるピラフです。鮭といつものごはん、冷蔵庫にある野菜を入れて炒めればすぐに完成します。バターは、使い過ぎないように注意しましょう。

材料

  • 鮭 20g
  • 軟飯 80g
  • とうもろこし 3g(15粒程度)
  • いんげん 4g
  • 野菜スープ 大さじ1
  • 無塩バター 3g
  1. 柔らかく茹でたとうもろこしといんげんを荒みじん切りにします。

  2. 鮭をほぐしながら中火で火が通るまで炒めていきます。

  3. 具材に火が通ったら軟飯と野菜スープを入れます。

  4. 軟飯をほぐしながら1〜2分炒めたら完成です。

鮭、サーモンは冷凍保存できる?離乳食フリージングのコツ

離乳食で使う鮭、サーモンは冷凍可能です。
そのままでも冷凍できますが、下処理をしてから冷凍するのがおすすめです。生の鮭を茹でてから、赤ちゃんが食べやすい大きさにすり潰すか、ほぐしてから冷凍しましょう。

解凍する時は自然解凍かレンジで温めます。どちらにしても、赤ちゃんに与える前には、再加熱しましょう。

冷凍の鮭を使って再冷凍すると品質が落ちてしますので、控えた方が良いでしょう。冷凍した鮭は1週間以内に使い切って下さい。

赤ちゃんにおすすめな鮭の栄養素

鮭に含まれる代表的な栄養素をご紹介します。
鮭には赤ちゃんの成長にとても重要な栄養素がたくさん含まれているので、離乳食で食べさせてあげるのにおすすめな食材です。

必須アミノ酸が豊富に含まれた良質なたんぱく質

たんぱく質は、体の血や肉となる栄養素です。離乳食期の赤ちゃんは成長が著しいため、たんぱく質は重要な栄養素。日常的に、継続して摂取しなくてはいけません。

鮭のたんぱく質は、食材からしか摂ることのできない「必須アミノ酸」が豊富に含まれており、吸収効率も非常に良いのが特徴です。また、魚介類に含まれる動物性たんぱく質は、総じてカロリーが低いというメリットもあります(注6)。

カルシウムの吸収効率を上げるビタミンD

ビタミンDは、カルシウムの吸収を手助けしてくれる栄養素で、赤ちゃんの丈夫な骨作りに必要です。そのままでは体内に吸収されにくいカルシウムは、ビタミンDを摂ることにより吸収されやすくなります。

「魚は頭を良くする」と言われる理由!脳の発達に良い DHA(ドコサヘキサエン酸)

鮭などの魚介類には、高度不飽和脂肪酸(DHAやEPA)が豊富に含まれています。
DHAは、脳や神経の発達に良い栄養素です。 DHAが脳に行き届くと、情報の伝達物質を増やすことができ、記憶力なども向上すると考えられています(注7)。

鮭は離乳食に使いやすく、アレンジも豊富!

赤ちゃんが食べられる魚には色々な種類がありますが、鮭はその中でも最も身近な魚のひとつです。レシピも豊富で、アレンジしやすく、お粥やうどんなどの炭水化物との相性も抜群。野菜やお豆腐などと合わせても美味しく食べることができます。
色々な鮭の離乳食を作って、赤ちゃんの元気な体作りをサポートしてあげましょう!