生後10ヶ月の赤ちゃんの様子
この頃の赤ちゃんは、身体的・精神的の発達が目覚ましく、つかまり立ちや伝い歩きができるようになったり、大人のいうことが少しずつ理解できるようになったりします。
体重が減っても心配しないで
平成22年度に実施された、厚生労働省の乳幼児身体発育調査による体重・身長の値は次の通りです。
男の子
体重:7.34キロ~10.59キロ
身長:68.4センチ~77.4センチ
女の子
体重:6.86キロ~10.06キロ
身長:66.5センチ~75.6センチ
9ヶ月の頃よりさらに活発に動くようになるので、体重の伸びが緩やかになり、時には全く増えなかったり減ってしまったりすることもあります。
これまで順調に体重が増えてきた赤ちゃんのママは心配になるかもしれませんが、発育曲線の範囲内で、体重が長期間減り続けたりしていなければ大丈夫です。
目がよく見えるようになるので、部屋の中の小さなものに注意
この頃の赤ちゃんの視力は0.2~0.4くらいです。
9ヶ月の頃よりさらに行動範囲が広がることで視力も鍛えられています。
0.2~0.4というと大人では少し目が悪い部類に入りますが、ハイハイが主な移動手段である赤ちゃんは、この程度の視力なら床の細かいゴミでも充分見えています。
小さいものを拾って口にしないよう、部屋の環境には注意を払うようにしましょう。
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どこから音が出ているのか探せるようになります
聴力の発達と、ハイハイが上手になることの身体的な発達が相まって、何か音がしたり話し声が聞こえたりするときにそれがどこから聞こえてくるのか?を探し、見つけたほうへ向かっていけるようになります。
特に、赤ちゃんは人の話し声が大好き。時には隠れたり、少し遠い場所から、赤ちゃんに声をかけてみましょう。
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つかまり立ちや伝い歩きでケガをしないよう対策を
多くの赤ちゃんがハイハイを始め、既にハイハイをしていた赤ちゃんはさらにハイハイが上手になります。
また、つかまり立ちや伝い歩きも始めるようになるので、ハイハイ、おすわり、つかまり立ち、伝い歩きとまさに縦横無尽に動き回ります。
つかまり立ちをしていると、手がすべってつかまっているものに顔をぶつけることがよくあるので、初めはつかまり立ちの練習はソファがおすすめです。高さがちょうどよく、すべって顔をぶつけてもいたくありません。
赤ちゃんはテレビやDVDが大好きなので、テレビ台のほうに突進していくことがよくあります。テレビ台は、固くてぶつかると痛いので、コーナーガードや緩衝材で保護してあげましょう。
赤ちゃんはあごや口元を打ちやすいので、歯が当たったりすると出血してしまうこともあります。
百円ショップのコーナーガードは、安くしっかりとした素材でおすすめです。
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ママが見えないととっても不安
ママへの愛着が強くなるので、後追いも激しくなってきます。社会性が徐々に身に付き、ママが自分にとって大切な人だと理解します。
赤ちゃんにとっては、目に見えているものがすべてなので、ママが視界からいなくなったときに、後で戻ってくる、と理解することができません。自分から離れて行ってしまうという不安で、泣きながらついてきます。
後追いが激しいと大変ですが、一時のことです。じきに後追いがおさまってくると、少し寂しく感じるかもしれませんよ。
睡眠・食事・お風呂の時間帯をなるべく毎日同じに
10ヶ月の赤ちゃんは、3回の離乳食も軌道に乗り、睡眠・食事・お風呂のリズムがだいぶ整ってくる場合が多いです。
なかなかリズムが整わないという赤ちゃんは、下記の内容を参考に生活習慣を見直してみて下さい。
離乳食から摂る栄養が増えてくる
10ヶ月の赤ちゃんは、離乳食から60%程度の栄養をとり、授乳からの栄養は40%程度になります。母乳の赤ちゃんは1日5~8回、ミルクの赤ちゃんは1日4~5回が目安です。
とはいえ、ママへの愛着が強まる頃でもあり、特に母乳の赤ちゃんは授乳回数がこの範囲におさまらないことも多々あります。
おっぱいの飲みすぎは、離乳食の食べが悪くなる要因にもなってしまうことがあるので、おっぱい以外に気をそらす方法を探してみましょう。
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睡眠時間を整えるには
そろそろお昼寝の時間が定まってきて、午前と午後に1回ずつ、または1日1回にまとまってきます。9ヶ月から始まった3回の離乳食にも慣れてきて、さらに生活リズムが安定してくる頃です。
それでもなかなか睡眠時間が安定しない、という場合は毎日のお昼寝の時間をコントロールするようにしてみましょう。お昼寝の時間が一定になると離乳食やお風呂のタイミングも整い、生活リズム全体が整ってきます。
お昼寝しそうな時間になったら絵本を読んであげたり、お昼寝スペースに誘導したりして睡眠を促しましょう。寝そうにない時でも睡眠を促すとねんねしてくれることも多いです。
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夜にぐっすり眠れれば夜泣きも少なくなります
夜泣きもぐっすり眠れないことによって起きるものなので、上記に書いたように生活リズムを整えて赤ちゃんが夜にぐっすり眠れるようにすることが大切です。
昼間はたくさん遊んで笑って過ごしてください。ママもおおげさなくらいはしゃいで遊ぶと、だんだん楽しくなってきますよ。
夕方から夜にかけては、静かに過ごします。この時間帯にはしゃぐと赤ちゃんも楽しくて目が冴えてしまいます。パパが帰ってくるとついはしゃいでしまいがちですが、赤ちゃんが眠れなくなってしまうから、と伝えて静かに過ごすよう協力してもらいましょう。
赤ちゃんの食べる意欲を引き出すには
3回食には慣れてきた頃でしょうか。赤ちゃんによっては手づかみ食べもし始める頃です。
赤ちゃんが自分で食べたいという意欲を促してあげられるよう、さまざまな楽しいレシピに挑戦してみましょう。
食べる量は9ヶ月の頃と同じ程度でOK
量は9ヶ月の頃と変わりません。5倍粥は少しずつ固くして、軟飯にしてもよいでしょう。
1食の量は以下の通りです。
・炭水化物:5倍粥を大さじ6
・野菜または果物:大さじ2~3
・たんぱく質:肉か魚大さじ1または、豆腐大さじ3または、卵1/2または、乳製品大さじ5
軟飯にチャレンジ!
お米を2合、お水を3合分まで入れて、30分浸水させたのち、おかゆモードで炊飯します。
おかゆモードにしないと、炊飯器によっては蒸気吹き出し口から熱湯があふれ出ることがあるので注意してください。
軟飯が食べられるようになったら、こちらの赤ちゃんふりかけがおすすめです。
赤ちゃんのお野菜ふりかけ さけ/肉そぼろ
価格 : オープン価格
こちらのふりかけは、摂るのがなかなか難しい鉄分が1日の1/3(1食分)含まれています。 10ヶ月の赤ちゃんは鉄分不足が心配な時期です。フォローアップミルクを飲まないとご心配なママには特におすすめです。
大人と一緒の時間帯に離乳食を与えてみましょう
10ヶ月の赤ちゃんは、ママも大変な3回食です。
機嫌が良ければよく食べる赤ちゃんであれば、ママの食事と同じタイミングにしてみてもよいでしょう。
7時・12時・18時頃の時間帯に慣れておくと、保育園に行くようになった時にもしっかり朝ご飯が食べられます。また、早めの3回食にすることで胃腸への負担もかかりません。
起きがけは食欲がないという赤ちゃんも多いですが、朝ご飯を食べる習慣を小さいうちからつけておきたいですね。
ほんのり薄味をつけてみても
食べ物の好き嫌いも少しずつ出てくる頃です。味がほんの少しついていたほうが食べるという赤ちゃんもいます。でもまだまだ、赤ちゃんに食べさせられる調味料はほんの少し。以下の量を目安にし、濃い味に慣れさせないよう注意しましょう。
1食あたりの調味料の量
・塩:小さじ1/50
・みそ:小さじ1/6
・しょうゆ:小さじ1/7
・マヨネーズ:小さじ3/4
食べムラが気になってくる頃
離乳食を食べないのは、赤ちゃんによって理由は様々。
眠い、おっぱいやミルクを飲んだばかりでお腹がすいていない、という場合は時間をずらしたり、身体を動かしてお腹をすかせてから離乳食をあげましょう。
好き嫌いの場合は、嫌いなものを無理して食べさせることは難しいので、赤ちゃんが好きな味・食感を見つけるべく、色々なレシピにチャレンジしてみましょう。
なかには、偏食でこれしか食べない!というものがある赤ちゃんもいますが、まずは食べることを好きになってもらうことが大切なので、無理強いせず赤ちゃんが喜ぶものを食べさせましょう。
味付けの変化で、食欲を促しましょう
薄い味付けにもチャレンジし、赤ちゃんの食欲を促しましょう。
運動するようになったので、身体が適度な塩分を欲している場合もあります。
お味噌汁
温めた合わせだし(昆布・かつお)50ミリリットルに、小さじ1/6のお味噌を溶かします。絹ごし豆腐やみじん切りにしてやわらかく茹でたわかめなどをトッピングして与えます。
お味噌は、化学調味料の出汁などが入っていない無添加の米みそを選びましょう。
おかゆが薄味の場合、途中にお味噌汁を与えてあげると食が進む場合がありますよ。
フォローアップミルク入りハンバーグ
鶏ひき肉20グラムに、にんじん・玉ねぎのみじん切り10グラムと、フォローアップミルク(粉のままでOK)10グラムを混ぜ、丸めて少量のオリーブオイルで焼きます。焼きあがったら少量のケチャップをかけて与えます。
ハンバーグは冷めてから手づかみ食べにチャレンジさせても。多めに作っておいて、焼いてから冷凍すれば忙しい時にチンするだけで食べられるので便利です。
かきたまうどん
ゆでうどん1/4を柔らかくゆでてヌードルカッターで細かく刻みます。だし汁100ミリリットルを沸かしたところへ溶き卵1/2を加えよく火を通します。みそ1/6をとかし、茹でたうどんをだし汁に加えて与えます。
ごはんがあまり好きでない、という赤ちゃんには、目先を変えてうどんはいかがでしょう。食感がツルツルしているので、うどんが好きな赤ちゃんは多いですよ。
指先を使った遊びをしてあげましょう
指先が器用になってくる頃です。脳の発達を促すためにも、指先を使った遊びをさせてあげましょう。
また、記憶力が少しずつついてくるので、「このボタンを押すとこうなる」「ここにおもちゃを入れるとこうなる」など、赤ちゃんがおもちゃの使い方を覚えて遊べるようなおもちゃを与えてあげるのもおすすめです。
指先が器用になる「しかけ絵本」
10ヶ月の赤ちゃんは、いないいないばあを喜ぶように、何かが隠れているのを発見するのが大好きです。
出典:www.hyoronsha.co.jp
コロちゃんはどこ?
価格 : 972円(税込)
こちらの絵本は、指先を使ってかくれんぼしているワンワンを探す楽しい内容です。 読み聞かせと、指先のトレーニングの両方を兼ねているおすすめの絵本です。 丈夫なボードブックも出ています。
真似っこ遊びに興味を持ち始めます
伝い歩きを始めるので、赤ちゃんが伝い歩きしやすいような環境を整えてあげましょう。ローテーブルは、赤ちゃんの手の届くところに危ないものがないよう、常に片づけておきましょう。長めのソファであれば、赤ちゃんが手を滑らせて転んでもいたくないので伝い歩きの練習におすすめです。
また、大人の真似っこに興味を持ち始める頃なので、「いないいないばあ」「パチパチ」「バンザイ」などの身振り手振りを見せて赤ちゃんに教えてあげましょう。
赤ちゃんが「因果関係」をつかむおもちゃ
赤ちゃんがおもちゃの使い方を覚え、「こうするとこうなるんだな」と因果関係をつかむことは脳の発達に役立ちます。
こちらのおもちゃは、大人がやり方を見せてあげると、赤ちゃんは真似をして一人で遊べるようになるのでおすすめです。
出典:takaratomymall.jp
はじめて英語 ディズニー&ディズニー・ピクサーキャラクターズ おしゃべりいっぱい! ガチャ
価格 : 6,998円(税込)
ボールを上から入れるとらせん状にコロコロと転がって落ちていき、レバーを引くと中からボールが出てきます。 そんな簡単な仕掛けですが、赤ちゃんにとってはボールが落ちる動きと音が楽しく、レバーを引くとボールが出てくることを理解できたことがうれしいので何度でも繰り返して遊びます。
まだ歩けないけど、靴を履いておでかけする練習を
午前中に適度に疲れてしっかりお昼寝をし、午後に元気に遊ぶためにもお天気の良い日はなるべくお出かけをしましょう。
1日30分~1時間は外の空気に触れさせてあげたいものです。8時~10時頃は、夏涼しく冬暖かで、公園に大きなお友達がいないのでおすすめの時間帯です。
まだあんよはできませんが、室内用のファーストシューズを履いておでかけするのもいいでしょう。あんよができるようになって、いきなり靴を履かせると嫌がる赤ちゃんもいます。あんよの前から靴に慣れておくと、いざ歩けるようになった時に靴を履かせやすいですよ。
お散歩はベビーカーより抱っこのほうが、赤ちゃんは自由に周りを見渡せて楽しいですが、10ヶ月にもなると重くてママも大変ですよね。抱っこしたまま転んでしまうと大変です。
ベビーカーでお散歩でも大丈夫ですが、たまにベビーカーから降ろして抱っこで周囲を見せるなどしてあげましょう。
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1歳過ぎの追加接種を見据え、予防接種は早めのスケジューリングを
10ヶ月の時に受けなければいけないという予防接種はありませんが、1歳を過ぎるとヒブワクチン、肺炎球菌、四種混合の追加接種があります。
これらの追加接種は、前回の接種から時間を空けないと打てないので、もしまだ受けていないのであれば早めに予定を入れましょう。
1歳過ぎの追加接種までにどれだけ時間を空ける必要があるか
・ヒブワクチン:追加接種の7~13ヶ月前に終えている必要がある
・肺炎球菌:追加接種の60日以上前に終えている必要がある
・四種混合:追加接種の6ヶ月以上前に終えている必要がある
そろそろロンパースを卒業してもいいころ
10ヶ月の赤ちゃんの服装のサイズは80がジャストサイズ。
オムツ替えが大変になってくる頃なので、おまたにボタンのついたロンパースタイプの肌着は卒業してもいい頃です。
Tシャツだとお腹が出てしまう、という場合は下着のサイズをワンサイズアップすると、丈が長いのでお腹や背中が出にくくなります。
春・秋・冬はTシャツの上にカーディガンやトレーナーを着せましょう。
夏はTシャツ一枚でも大丈夫ですが、必ず袖のある服を着せてあげましょう。暑いからとノースリーブの服にすると、わきの下に汗が溜まってしまいます。
室内では靴下は履かせません。
赤ちゃんは手足の先で体温調節をしているので、冷たくても大丈夫です。
また、伝い歩きを始める頃なので靴下を履かせると滑って転んでしまう危険もあります。
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時には一時預かりで上手に気分転換を
10ヶ月の赤ちゃんは、ハイハイ、つかまり立ち、伝い歩きと急に運動能力が発達するので、ママも嬉しい反面、目が離せなくなりますます大変になりますね。
それに加えて、3回の離乳食作りと、激しくなる後追いにママは本当に気の休まるときがありません。
時にはパパやおばあちゃんに赤ちゃんを預けて、ママもリフレッシュできればよいのですが、それが難しいご家庭も多いですよね。
そんな場合は一時預かりのサービスを利用するのもよいでしょう。市町村のホームページには一時預かりについての情報が掲載されています。
上手に気分転換して、この大変な時期を乗り切ってくださいね。