妊婦さんの味方!予約登録など利用方法と陣痛タクシー一覧
「陣痛タクシー」ってご存知ですか?「マタニティタクシー」「子育てタクシー」「ママサポートタクシー」などさまざまな名称でタクシー会社が提供するサービスのひとつです。初めて登場したのは4年ほど前。陣痛が起きたときにスムーズに病院へ向かう手段として人気を呼び、今では全国にサービスのネットワークが広がっています。
陣痛は、いつ来るかわかりません。「入院は身内の車で行くから大丈夫」という方も、もしものときのために陣痛タクシーのことを知っておいてソンはありませんよ。サービス内容や利用のしかたについて、詳しくお伝えします!
陣痛タクシーとは?陣痛が来たそのとき、妊婦さんが安心して病院に向かうために…
陣痛タクシーとは、陣痛が来た妊婦さんが優先的にタクシーを利用できるサービスです。陣痛はいつ来るかわかりません。そして、そのときにだれかがそばにいてくれるとも限りません。通常、陣痛が起きてから出産するまでには数時間以上かかりますが、進行が早いケースもありますし、破水した場合は、速やかな処置が必要となります。
とはいえ、救急車を呼ぶわけにもいかない…そんなときに、電話1本で迎えに来てくれ、病院まで送ってくれるのが陣痛タクシーです。タクシー会社によって内容や利用方法に多少異なる点はありますが、基本的には次のようなサービスとなっています。
1.24時間、365日で対応してくれる
出産に休日はありませんし、陣痛が始まったら「待ったなし」です。陣痛タクシーは、365日たとえ深夜でも対応してくれることを基本としたサービスです。
2.スムーズに病院まで行くことができる
タクシーを利用すると、時として「そのあたりの地理に詳しくないから」と道案内を頼まれることがあります。ですが、陣痛タクシーはその点も心配ありません。事前に病院とお迎えの場所を登録していますから、ドライバーは行く先を知っています。スムーズに病院まで連れて行ってくれます。
3.出産について学んだドライバーがサポートしてくれる
送迎に当たるのは、普通救命講習の講習を受け、出産についても助産師からきちんと学んでいるドライバーです。たとえ付き添ってくれる人がいない場合でも、自宅から病院まで、しっかりとサポートをしてくれます。ひとりのときにも心強いですよね。
4.タクシーの運賃に割増料金などは必要がない
陣痛タクシーだからといって、何かしらの割増料金が必要ということはありません。通常の運賃で乗ることができます。配車の送迎料金がかかるケースは多いようですが、これは通常で利用する場合も同じです。また、出産という緊急時であることを前提にして、後払い対応をしてくれるところも多いようです。
5.破水などでシートを汚してしまっても安心
破水などでシートを汚してしまっても、クリーニング代を請求されることはありません。通常のタクシーですとクリーニング代を請求されたり、妊婦さんは乗車を断られたりすることもなきにしもあらずですが、その点も安心して利用することができます。
6.陣痛以外でも利用できる
陣痛タクシーの多くは、妊婦の定期健診などでも利用が可能となっています。出産が近づくと体も重たくなり病院まで出かけるのも一苦労。自宅と病院を結んでくれるタクシーの存在は、助かるのではないでしょうか。
陣痛タクシーの利用方法は?
陣痛タクシーを利用するには、事前の登録が必要です。その方法や実際にどのように利用すればよいのかについてご説明します。
1.利用の登録をする
サービスを提供するタクシー会社によって若干の違いはありますが、事前に「出産予定日」「出産する病院」「お迎えの場所」「住所・氏名・電話番号」「緊急の連絡先」などを登録します。登録は無料で、電話かホームページ経由で行うことができます。登録すると、タクシーを呼ぶための専用の電話番号を渡してもらえますので、スマホや携帯電話に番号登録をしておきましょう。
「いつから登録できるの?」という声もよく耳にしますが、出産予定日が決まり、出産する病院などが決まれば登録可能というところがほとんどです。いつからという統一基準はありません。また、登録したから絶対に使わなければならないということもありません。実際に「使わなかった」というママもいます。
また、登録した出産予定日から一定期間が過ぎると、自動的に登録を解除するというシステムとなっているところが多いようです。
2.出産予定の病院に電話をして指示を仰ぐ
「陣痛かな?」「破水したかな?」と思ったら、陣痛タクシーに電話をする前に出産予定の病院に電話をして、指示を仰ぎましょう。すぐに来院を求められる場合もあれば、もう少し様子を見るように求められる場合もあります。病院の指示に従って行動してくださいね。
3.陣痛タクシーに電話をする
病院に行くことが決まったら、事前に登録した電話番号から、指定された電話番号に電話をして陣痛タクシーを手配しましょう。もしも電話番号を非通知設定にしている場合は、電話番号の前に「186」をつけて、相手に電話番号がわかるようにしましょう。電話がつながったら、オペレーターの指示に従ってください。
ちなみに、オペレーターからは「陣痛の利用か」「破水はしているか」「付き添いの人はいるか」といった確認をされることが多いようです。破水している場合は、医師からタクシーでの来院許可が出ているかどうかを確認されることもあるので、病院に電話した際に指示を仰いでおくとよいでしょう。
4.準備をして陣痛タクシーを待つ
オペレーターがタクシーのだいたいの到着時間を伝えてくれるので、入院グッズなど必要なものを準備して待ちます。タクシー会社からは、大きめのバスタオルや防水用のレジャーシートの用意を求められることも多いので、事前に揃えておくと慌てずにすみます。
5.病院に着いたら料金を支払う
料金は、運賃+送迎料が基本となります。だいたいの金額を調べて用意しておけばスムーズに支払いができますし、ほとんどが後払いでの対応も可能としています。支払い方法については、利用登録をするときに確認をしておくとよいでしょう。
こんな場合はどうなの?陣痛タクシーQ&A
妊婦さんにとってはありがたい陣痛タクシーのサービスですが、登録さえすればどんな場合でも利用できるのでしょうか。
破水していても大丈夫?
先に破水してしまった場合の対応は、タクシー会社によって若干異なるようです。「大丈夫」というところもあれば、「医師の指示で」というところもあります。登録の際に、タクシー会社に確認しておくことをおすすめします。
タクシーが迎えに来てくれることになった場合は、夜用の紙ナプキンや清潔なタオルを当てるなどの処置をしておきましょう。なお、破水していない場合でも、いつどこで破水するかわかりませんので、乗車前に紙ナプキンを当てておくと安心です。
ひとりでも本当に大丈夫?
どのタクシー会社も「大丈夫」とうたっています。実績を積んでいる会社のドライバーであれば、必要な講習を受けている場合もあり、なお安心かもしれません。生まれようと頑張っている赤ちゃんのためにも、気持ちを強く持って陣痛タクシーを待ってくださいね。
事前に病院を登録しているので道案内は不要ですし、料金も後払い対応をしてくれるところがほとんどです。もしも後払い対応ができないようであれば、事前に料金を調べ、少し多めに用意しておくとよいと思います。
乗車拒否されることはないの?
基本的に乗車拒否されることはないとされています。ただし、深夜や早朝など、車の台数が少ない時間帯は、待たされることもあるようです。また「破水している」と告げたら断られたというケースもあったとか。
「陣痛タクシー口コミ」「陣痛タクシー体験談」のキーワードで検索すると、実際に利用したママの声が出てきますので、タクシー会社を選ぶ際の参考にしてみても良いかも知れません。
退院するときのお迎えにも来てもらえる?
退院するときは「キッズタクシー」「子育てタクシー」などの名称で、別サービスが用意されていることもあります。入院時とは違い、帰りは大事な赤ちゃんと一緒ですから、タクシーにもチャイルドシートの装着が必要ですし、陣痛時とは違う配慮で運転をしてくれます。陣痛タクシーの手配と同時に帰りのタクシーを予約する方も多いとか。予約しておくと、退院時も安心ですね。
陣痛タクシーを提供している全国のおもなタクシー会社一覧
陣痛タクシーのサービスを提供している全国のおもなタクシー会社をピックアップしてみました。ここに掲載した以外にもサービスを提供しているタクシー会社はありますし、今後も増えていく見通しのようです。今、利用できるタクシー会社がないからといってあきらめずに、定期的に検索をかけてみてくださいね。
【北海道・東北】
- 北海道:第一交通グループ「ママサポートタクシー」
- 青森県:日乃出タクシー「子育てタクシー」
- 山形県:さくらタクシー「子育てタクシー」
- 秋田県:秋北タクシー「子育てタクシー」
- 岩手県:岩手中央タクシー「出産応援タクシー」
- 宮城県:第一交通グループ「ママサポートタクシー」
- 福島県:北福島タクシー「マタニティタクシー」
【関東】
- 東京:kmグループ「マタニティタクシー」
- 神奈川県:神奈川県生活支援ネットワーク協同組合「陣痛119番」
- 埼玉県:日本交通埼玉「陣痛タクシー」
- 千葉県:千葉構内タクシーグループ「うぶごえタクシー」
- 栃木県:ファーストタクシーグループ「マタニティファーストタクシー」
- 茨城県:新栄タクシー「子育てタクシー」
- 群馬県:日本中央交通「妊婦・陣痛タクシー」
【北陸・甲信越】
- 新潟県:万代タクシー「陣痛119番」
- 富山県:富山交通「マタニティタクシー」
- 石川県:冨士タクシー「出産支援タクシー」
- 福井県:第一交通グループ「ママサポートタクシー」
- 山梨県:第一交通グループ「ママサポートタクシー」
- 長野県:長野観光グループ「いのちの絆タクシー」
【東海】
- 愛知県:つばめタクシーグループ「エンジェルプラン」
- 岐阜県:日本タクシー「子育てタクシー」
- 三重県:三重近鉄タクシー「子育てタクシー」
- 静岡県:静鉄タクシー「陣痛タクシー」
【関西】
- 大阪府:国際興業大阪「陣痛タクシー」
- 京都府:都タクシー「子育てタクシー」
- 兵庫県:第一交通グループ「ママサポートタクシー」
- 滋賀県:滋賀県タクシー協会「ゆりかごタクシー」
- 奈良県:竜田タクシー「子育てタクシー」
- 和歌山県:第一交通グループ「ママサポートタクシー」
【中国】
- 島根県:松江一畑交通「陣痛タクシー」
- 鳥取県:第一交通グループ「ママサポートタクシー」
- 岡山県:両備タクシーグループ「こうのとりタクシー」
- 広島県:第一交通グループ「ママサポートタクシー」
- 山口県:第一交通グループ「ママサポートタクシー」
【四国】
- 愛媛県:伊予鉄タクシー「子育てタクシー」
- 香川県:花園タクシー「子育てタクシー」
- 徳島県:第一交通グループ「ママサポートタクシー」
- 高知県:残念ながら、2016年5月現在、正式にサービスを提供しているタクシー会社は見つかりませんでした。これからに期待しましょう!
【九州・沖縄】
- 福岡県:大稲タクシー「プレママタクシー」
- 熊本県:熊本タクシー「陣痛タクシー」
- 佐賀県:残念ながら、2016年5月現在、正式にサービスを提供しているタクシー会社は見つかりませんでした。これからに期待しましょう!
- 長崎県:合同タクシー「子育てタクシー」
- 大分県:第一交通グループ「ママサポートタクシー」
- 宮崎県:第一交通グループ「ママサポートタクシー」
- 鹿児島県:タクシー会社 第一交通グループ「ママサポートタクシー」
- 沖縄県:タクシー会社 第一交通グループ「ママサポートタクシー」
陣痛アプリで陣痛の状況を確認しよう!
自分ひとりでは陣痛かどうかよくわからないときには、陣痛アプリを使って状況を確認すると便利です。病院へ連絡するタイミングもばっちりわかる人気のアプリをひとつ紹介しますね。ほかにもさまざまなアプリが出ていますので、評価や口コミを参考にしながら、好みのものを設定してみては如何でしょうか。
陣痛きたかも-今スグ使える陣痛計測アプリ-
陣痛のタイミングを測ってくれる便利なアプリです。使い方も簡単で陣痛のタイミングを画面にタップしていくと自動で計測してくれ、出産のための病院にいく時期をお知らせしてくれます。
臨月を迎え出産間近になると家族や病院の連絡先を探すのも大変ですが、このアプリでは緊急連絡先も登録することができます。いざという時にも慌てずに連絡することができますね。
陣痛タクシーに登録して安心の出産を!
出産をサポートしてくれる陣痛タクシー、登録しておくと安心といえそうですね。ただ、運営するタクシー会社によって、サービスの質に違いがあることも事実です。疑問点があれば、登録するときにしっかり確認をしておきましょう。
もしも家の近くにサービスを提供しているタクシー会社がないという場合も、まだまだサービスの提供は広がりを見せていますから、あきらめずに定期的にチェックしてみましょう。妊婦さんのためのサービスを上手に利用して、安心の出産を迎えましょう!
元気な赤ちゃんの誕生を祈っています。