育児・お世話

歯ぐずりの対策

歯ぐずりでイライラしている赤ちゃんをなだめる10の対策

歯ぐずりは、下の前歯の生え始めの時期や奥歯が歯茎から上手くでてこない時期に見られる、赤ちゃん特有の症状です。歯ぐずりがひどい時期は、赤ちゃんはイライラしたり、時には夜泣きの原因になることも!不快感を伴う歯ぐずりを解消するために、効果的な10の対策をご紹介します。

赤ちゃんが歯ぐずりする時期と症状

歯ぐずりとは、赤ちゃんがはじめての乳歯が生えてくる時に、歯茎がむず痒くなったり、痛くなったりして、機嫌が悪くグズグズと泣き続ける状態を指します。

口の中の違和感や不快感のせいで、イライラする赤ちゃんの気持ちもわかります。しかし、歯ぐずりがひどい赤ちゃんは、機嫌が悪い時間が長く、時には夜泣きをする子もいるので、ママやパパも大変です。

赤ちゃんの歯ぐずりはいつから?起こりやすいのは生後6ヶ月頃

歯ぐずりがいつから始まるかは赤ちゃんの歯の発達に密接に関係するため生後6ヶ月前後が非常に多いです。
乳歯は下の前歯から生え始めますが、隣に2本目が生えてくるまでの時期に歯ぐずりが最もひどくなる場合が多く、その時期を過ぎると徐々に治まっていきます。

もちろん個人差があるので、早い子では4ヶ月の歯の生え始め時期に歯ぐずりが起こったり、赤ちゃんによっては全部の乳歯が生えそろうまで、程度の違いはあれ歯ぐずりが続く場合もあります。

赤ちゃんの歯ぐずりはいつまで?9カ月で前歯が揃うと嘘のように終わる

歯ぐずりがひどい赤ちゃんの場合、「いつまでこんな状態が続くの?」とお世話する側も大変ですが、一般的に歯ぐずりは2本目の前歯が生えそろえばこれまでの不機嫌が嘘のように終わります。月齢6ヶ月頃に前歯が生え始めた場合、月齢9ヶ月頃が歯ぐずりが終わるひとつの目安です。この時期は離乳食後期にもあたりますので、2本揃った歯でやや固めの食材を噛み切る練習を始めましょう。

月齢6ヶ月~9ヶ月も歯ぐずりが続くと長いように感じますが、赤ちゃんも口の中の変化に慣れてきますし、歯茎から歯が伸びてしまえば違和感もなくなります。歯ぐずりのピークは1ヶ月程度ですので、歯固めを与えるなどして乗り切りましょう。

赤ちゃんの歯ぐずりは奥歯が生えてくる時期も注意

一般的に歯ぐずりは下の前歯が生えてくる時期におこりますが、中には奥歯が生えてくる1歳2ヵ月~6ヶ月くらいの時期にも歯ぐずりの症状が見られる場合があります。

この時期は、なかなか奥歯が歯茎から出てこなくて腫れあがってしまうこともあるので、見ている方も痛々しさを感じます。さらにひどくなると発熱を伴いますので、赤ちゃんの口の中の状態には注視したいところです。

赤ちゃんに歯ぐずりの症状が見られたらお口の中をチェック!

歯ぐずりに気づかないと、ぐずる赤ちゃんを見て、「体調が悪いのでは?」とママやパパは心配になってしまいます。歯ぐずりの症状を知り、兆候が見られたらお口の中をチェックしてみてください。

これってもしや?歯ぐずりの兆候

1.よだれの量が多くなる(口からあふれ出てくる)
2.口をもぐもぐしている
3.タオルやおもちゃなど近くにある物を噛む
4.手や指を口の中に入れて歯茎を掻く
5.唇を震わせて唾を吐く
6.寝付きが悪い
7.食欲がなくなる
8.夜泣きをする
9.何をしても不機嫌のまま
10.発熱する
11.発疹が出る

海外でも「歯ぐずり」はよく知られている

日本では「夜泣き」や「黄昏(たそがれ)泣き」が赤ちゃんのトラブルとして有名ですが、海外では、歯ぐずりも夜泣きなどと同じような赤ちゃんのトラブルとして認識されています。

「Teething Pain」(歯が生えてくる時の痛み)と呼ばれ、対処法として麻酔のような薬を使用する場合もあります。

夜泣きなどと同様に、歯ぐずりにも必ず終わりがきますから、過度に心配する必要はありません。

赤ちゃんの歯ぐずりに効果的な10の対策

赤ちゃんの歯ぐずりは、歯が生えそろえば自然に治まりますが、違和感や不快感を抱えながら生活するのは辛いはず。歯ぐずりの症状を緩和するためにできる対策をお伝えします。

1.歯固めを与えて、むず痒さを解消!

歯ぐずりをする赤ちゃんにとって、最も効果的なのが歯固めを与えることです。
歯固めとは、生後5ヶ月頃から使える赤ちゃんのおもちゃで、シリコンや木からできており、口の中にいれても危険がないように作られています。

歯ぐずりは、歯や歯茎がむず痒いのが原因です。赤ちゃんはおっぱいや哺乳瓶の乳首を「吸う」経験しかありませんが、歯固めを「噛む」という行為を覚えれば、口の中の違和感を自分で解消できます。

痒みや痛みといった不快感を解消する方法がわかれば精神的にも安定し、グズグズと泣き続ける時間も減るはずです。

歯固めの選び方

歯固めは赤ちゃんによって好みがありますが、衛生面や安全性に配慮された商品を選ぶのは基本です。素材やデザインのチェック箇所をご紹介します。

煮沸や水洗いしやすい素材を選んで衛生管理

歯固めは、直接口の中に入れるので、やはり素材には気を使う必要があります。天然のゴムや木からできている歯固めなら安心です。また煮沸消毒や水洗いができる素材であることも重要です。

塩化ビニルを使用している歯固めは弾力性がありますが、環境ホルモンの一種で有害性が指摘されている「フタル酸エステル」が使用されている場合があるので要注意です。

デザインがユニークな歯固めもあり!

最近は先端がブラシのような形状になっているタイプや、音が出るタイプなど様々な歯固めがあります。またママがネックレスのように首からぶら下げることができるようなお洒落なタイプの歯固めもあります。

形は赤ちゃんが握りやすく、尖った部分がないものにしましょう。あまり装飾が多いと口の中に入れている時に顔に当たることもあるので、シンプルなデザインが良いです。凸凹が多いものはほこりや汚れが溜まりやすく、洗いにくいのでおすすめできません。

歯固めを冷やすと効果アップ!

歯が生えてくる時は、歯茎が腫れてしまうこともあるので、冷やした歯固めを噛むことで鎮静化されます。あまり冷やし過ぎると赤ちゃんがビックリしてしまうので、ジプロックなどに入れて冷蔵庫で軽く冷やしてから与えてみましょう。

2.冷やしたガーゼで歯茎を拭きさっぱりさせる

清潔なガーゼで、優しく歯茎を拭いてあげるのも効果的です。歯茎に刺激を与えることで、不快感が緩和されます。あまり強くこすると歯茎を傷つけてしまうので気を付けてください。

歯固めと同様、ガーゼも冷やしてあげるとより気持ち良く、赤ちゃんの気持ちも落ち着くでしょう。

3.赤ちゃん用歯ブラシで歯を磨く

市販の赤ちゃん用歯ブラシを使って、歯と歯茎を優しくブラッシングします。歯や歯茎に刺激を与えて、不快感を取り除くのが目的です。

赤ちゃん用歯ブラシは毛でできているタイプもありますが、歯ぐずりの対処法として使用するならゴム製の方が効果的です。口に入れても安心ですし、噛んでも傷みがないので、歯固めの代わりにもなります。

歯ぐずりの時期は、歯磨きを習慣化するチャンス!

歯ブラシを使うことに慣れていれば、自然な形で歯磨きの習慣がスタートできます。歯が生え始めた頃からずっと歯磨きをしていれば、歯の健康を保つためにも役立つでしょう。

歯磨きを嫌がる子は多いですが、歯ぐずりがある赤ちゃんは「歯磨き=気持ち良いこと」と早いうちから認識できるはずです。

4.冷やした果物を与える

冷やしたフルーツは歯ぐずりを和らげるために効果的です。とは言えそのまま与えたらのどに詰まらせてしまう可能性があるので、離乳食フィーダーを使うと便利です。

離乳食フィーダーとは、おしゃぶりの形をした育児グッズ

自分で食べる力を育てるための離乳食グッズとして人気の商品です。おしゃぶりの形をしていますが、吸う部分に無数の小さな穴が開いています。そこに食材を入れて赤ちゃんに与えると、くわえて吸うだけで離乳食が出てくる仕組みになっています。

冷たいフルーツが少しずつ出てくれば歯茎の痛みも治まり、さらに自分の力で食べることを覚えられるので一石二鳥です。

バナナやイチゴ、洋ナシ、マンゴ―などの柔らかいフルーツはそのまま、リンゴは蒸して柔らかくしてから、冷やしてシャーベットのようにすると良いでしょう。

5.金属製のスプーンを口の中に入れる

歯ぐずりで、口の中に刺激を求める赤ちゃんにとって、歯固めや歯ブラシでは物足りなさを感じるかもしれません。もっと硬くて噛みごたえがある物を求めているようなら、金属製のスプーンを消毒してから冷やして、軽く赤ちゃんの口の中に入れてあげましょう。

自分で持たせるのは喉を突いてしまう危険性があります。親が口の中に入れてあげたり、歯茎をスプーンの背で押さえてあげると、冷たくて心地良い刺激になります。

6.歯ぐずりでも効果は変わらず!抱っこで落ち着かせる

例え歯ぐずりがある時期でも、抱っこは赤ちゃんにとって一番リラックスできる時間です。機嫌が悪い時は、根気よく抱っこであやしてあげます。

リラックス効果のある音楽をかけたり、お気に入りのテレビを魅せたりしながら一緒に座り、リズミカルに優しく揺らしてあげることで、心地よい時間が過ごせるでしょう。

7.歯や口のことを忘れるように興味を他の物に移す

赤ちゃんは好奇心が旺盛ですから、歯ぐずりでグズグズ泣いていても、他の事に興味を示せば、痛みや不快感を忘れてしまうこともあります。

家にある物で今まで目に触れていない物、例えばキッチンにあるタッパーやビンの蓋を開け閉めしたり、文房具を使って見せたりするのも効果的です。

8.積極的に外出し、歯ぐずりのストレスを親子で溜め込まない

散歩に出かけると見える景色が変わり、赤ちゃんは外の様子に夢中になります。
お世話する方にとっても気分転換になりますから、歯ぐずりの時期は積極的に外出するというのも一つの方法です。歯ぐずりで泣き続ける赤ちゃんと一緒にいるのは親御さんも辛いですから、好きな場所に出かけて息抜きしてください。

9.赤ちゃんが泣き止む動画を切り札にする

スマホやタブレットを育児に使いたくないという方もいますが、歯ぐずりで泣き止まない時の切り札として「赤ちゃんが泣き止む音楽動画」を見せてみてはいかがでしょうか。

科学的根拠をもとに製作された泣き止み動画もありますし、他にも赤ちゃんは胎内音や心臓音、テレビの砂嵐の音、滝が流れる音など一定のリズムを繰り返す音を好むと言われています。

10.歯ぐずりがひどい場合は薬の服用もあり

海外では歯ぐずり対策として、薬を使うのは珍しくありません。「歯茎に痛みがある=炎症を起こしている」のだから、薬を塗って鎮静化するという考え方なのでしょう。

日本でも「アセトミノフェン」「パラセタモール」「イブプロフェン」などの鎮痛効果がある薬を使用することは可能です。しかし、使用の前に必ず小児科医に相談してからにしましょう。

赤ちゃんが歯ぐずりで夜泣きする場合の対処法

歯ぐずりのせいで夜泣きをする赤ちゃんもいます。お世話をする方としては何とかしてあげたいと思いつつ、毎晩付き合うのも体力的に大変です。

起きている時間はたっぷり遊び、疲れさせる

夜ぐっすり寝かせたい時は昼間に体力を消耗させるのが効果的です。
地域の児童館に遊びに行ったり、スイミングや幼児教室などの習い事を始めたりするのも良いでしょう。

外に出かけるだけで疲れるので、歯ぐずりがある時期は、散歩に積極的に出ましょう。気分転換にもなり一石二鳥です。

無理に寝かせようとしない

赤ちゃんによって夜泣きの症状はそれぞれですが、歯ぐずりがある時期は、一度起きたらなにをしても泣き止まない赤ちゃんもいます。

泣きやまそう、寝かそうとしても泣いてばかりいる赤ちゃんの場合、「なんとかしないと!」と思うとママやパパもストレスになり、精神的に追い詰められます。一度、その状態を受け入れて、自然の成り行きに任せるのも方法の1つです。

もちろん近所迷惑になるという問題もあるので、出来る範囲での話ですが、赤ちゃんもいつかは泣き疲れて眠りにつきます。添い寝をして背中をポンポンしてあげるなどしていれば、そのうち気が済んで、コテンと眠ってしまう子もいます。

一度、明るくして目を覚まさせる

夜泣きしている場合は、無理に寝かせようとすると、エスカレートする場合もあります。そんな時は一旦気分転換をさせて、時間を置いてから再度寝かしつけましょう。

電気を点けて明るくして、ママやパパの顔をはっきりと見せて安心させてあげましょう。寝ぼけて泣いている子には効果的です。

他にも、赤ちゃんにサングラスをかけるとビックリして泣き止むという体験談もあります。

赤ちゃんに歯ぐずりが始まったらお口のケアを始めよう!

歯ぐずりは、歯が生えてくる時の不快感によってぐずっているだけです。「どうにかしてほしい!」というサインなので、赤ちゃんにとって心地よい対処法を見つけてあげましょう。

歯ぐずりを始めたということは、歯が生えてくる証拠。そろそろお口の中のケアも意識してください。歯ぐずり対策として、ガーゼなどで歯茎をマッサージしながら、1日1回、赤ちゃんの口内をチェックする習慣をつけていくことをおすすめします!