母乳は血液から作られる!

母乳は血液から作られる!質の良い母乳にする4つのコツ

母乳はママの血液からできています。赤ちゃんにとって大切な栄養源である母乳はどうやって作られるのか?血液から作られているならなぜ白いのか?母乳ができるメカニズムを解説。母乳が分泌される仕組みを知れば、普段の生活で意識するべき点、おいしい母乳を作る方法がわかるはず!

母乳は血液から作られる!質の良い母乳にする4つのコツ

母乳は血液から作られる!母乳ができるメカニズム

母乳は、ママの血液から作られています。
乳房の中には、乳首につながる太い乳腺が何本も通っています。この乳腺の根元、乳首とは反対側の乳腺葉には多数の毛細血管が張り巡らされており、乳腺細胞が並んでいます。

ママの血液が乳腺葉の毛細血管に届くと、栄養が染み出すと、乳腺細胞は赤ちゃんに飲ませるための母乳を生成する働きをします。これが母乳が生成される仕組みです。

乳腺と乳腺葉

母乳はなぜ白い?

母乳は血液から作られるのに、なぜ白いのか不思議に思いませんか?
その秘密は、赤血球にあります。

乳腺細胞は、血液を母乳に変換させる役割を担いますが、この際に血液中に含まれている赤血球は取り込みません。血液が赤く見えるのは、赤血球の中にあるヘモグロビンが原因です。

そのため、乳腺細胞では、赤血球以外の成分と白血球のみが母乳に取り込まれるため、母乳は白いのです。

母乳が分泌される仕組み

乳房の中で作られた白い母乳。しかし、乳房の中で母乳が作られていても、授乳時以外に分泌されることはあまりありません。
母乳が体外に出てくる仕組みをご紹介します。

1.プロラクチンの働きにより、母乳が作られる

母体内で乳汁分泌ホルモン「プロラクチン」が分泌されることによって、血液から母乳が作られます。

2.赤ちゃんに乳首を吸われ、オキシトシンが分泌される

授乳する母親

赤ちゃんがママの乳首を吸うことで、刺激が脳に伝わり「オキシトシン」が分泌されます。乳首を吸われなくても、自分の手で軽くマッサージしただけでも脳は反応します。

オキシトシンは別名「幸せホルモン」と呼ばれており、愛情や幸せを感じると分泌されるホルモンです。母乳分泌を促すなど育児と密接な関係があるホルモンですが、子宮の収縮も促すので、産後まもない時期は授乳中に腹痛を感じる場合もあります。

3.母乳が出る

オキシトシンの働きによって、乳腺内の細胞が収縮して射乳反射が起こり、母乳が乳腺から飛び出します。その母乳が乳管を通り、一旦「乳管洞」という部位に溜まり、赤ちゃんに乳首を吸われることで一気に外に出ます。

乳管洞は乳輪の辺りにあるので、搾乳する場合は乳輪あたりに圧力をかけると、母乳がスムーズに搾れます。

母乳の分泌は時期によって変化する

産後、自然に出るようになる母乳は、ママの脳からの指令によって分泌される仕組みになっています。しかし、実は母乳を生成・分泌するための準備は、妊娠中期から始まっています。

妊娠中期~出産直後

妊娠中期から乳汁分泌ホルモンである『プロラクチン』が増加し、母乳を作る準備期間に入ります。

妊婦さんの中には、妊娠中から母乳がにじむ程度に出る方もいますが、例え『プロラクチン』が活発に働いていても、黄体ホルモンである『プロゲステロン』が母乳が体外に出るのを抑える働きをするので、本格的に母乳が出ることはありません。

赤ちゃんを出産後、最初に出る母乳は黄色っぽくてドロッとしています。これは免疫力を高めるためのラクトフェリンや病原菌に対する抗体が豊富に含まれているからです。

妊娠中期から産後2日目までのこの時期を「乳汁生成Ⅰ期」と言います。

妊娠中の乳首マッサージに注意!

産後に母乳が出やすいように、妊娠中からおっぱいマッサージを行っている妊婦さんもいるでしょう。しかし、マッサージをする時期には、注意が必要です。

妊娠中に乳首を刺激すると子宮が収縮するので、お腹が張ってしまう可能性があります。張りがひどい場合は控えた方が良く、妊娠37週以降の正産期に入ってから行いましょう。

出産3日目~8日目

出産3日目~8日目

産後3日目からは急激に母乳の量が増えて、黄色っぽい初乳から白っぽい生乳に変わっていきます。妊娠を維持するために分泌されていた『プロゲステロン』や『エストロゲン』の分泌量が減ることで、母乳の生成が盛んになります。

ママが赤ちゃんに乳首を吸われることで、今度は母乳を生成するホルモンである『プロラクチン』の分泌が盛んになり、授乳が終わると、すぐに次の授乳用の母乳が生成され始めます。

つまり、赤ちゃんが乳首を吸えば吸うほどプロラクチンの分泌が盛んになり、どんどん母乳が作られるということです。例えおっぱいの出が悪くても、赤ちゃんに吸ってもらい、刺激を与え続けることが大切です。

産後3日目から8日目までのこの時期を「乳汁生成Ⅱ期」と言います。

乳腺炎に要注意!

産後まもない時期の授乳は、ママと赤ちゃんのリズムが合わず、母乳を飲み残してしまう場合があります。飲み残した母乳が乳腺に溜まり続けることで、乳腺が詰まる「乳腺炎」の原因となることもあります。

乳腺炎を予防するためには、以下のような方法があります。

  • 授乳姿勢を工夫し、様々な方向から赤ちゃんにおっぱいを吸わせる
  • 母乳がドロドロにならないように、食生活に気を付ける

他にも母乳に関しての心配事がある場合は、母乳外来などを受診することをおすすめします。

母乳外来とは?母乳育児の味方「母乳外来」の費用と利用方法
母乳外来とは?母乳育児の味方「母乳外来」の費用と利用方法

出産9日目~

母親の乳首に吸い付く赤ちゃん

産後9日目からは『プロラクチン』の分泌が減少し始めます。その代わり赤ちゃんが乳首を吸う刺激によって、母乳が出るようになります。

さらにママの方は授乳のタイミングや量によって、必要な分だけの母乳を作る『オートクリン・コントロール』ができるようになり、一度に作られる母乳の量が安定します。

ちなみに1日に作られる母乳の量は赤ちゃんの飲む量やママの体調によって差がありますが、産後1ヶ月以降で600ml~1000mlと言われています。

産後9日目以降のこの時期を「乳汁生成Ⅲ期」と言います。

母乳に血液が混ざることもある

赤ちゃんに授乳しようとした際に、母乳に血が混ざっていることに気が付き驚く方もいますが、産後まもない時期は母乳に血液が混ざることもあります。

妊娠後期や産後間もなくは、血液を母乳に変換する乳腺細胞が正常に機能しない場合があります。少々血が混ざっていても、すぐに白くなるので安心してください。

ただし、濃い血液が混ざっている場合は赤ちゃんが吐いてしまう可能性もあるので、白くなるまで搾乳を続けましょう。

注意すべき「血乳」

基本的に産後すぐの母乳に血が混ざっても問題はありませんが、注意しなければいけないケースもあります。

例えば搾乳して白くなった後に再び血が混ざっている場合や、乳頭に傷が無い、また乳房に傷みが無いにもかかわらず出血する場合は、乳がんの初期症状である可能性も考えられます。

一度、産科の医師に相談してください。

母乳から血液の臭いがする場合も

血が混ざっていなくても、なんとなく血液や鉄っぽい臭いがする母乳が出る場合があります。そもそも母乳は血液からできているので、臭いがしても問題はありません。

しかし、母乳は無臭でサラサラしていた方が美味しいと言われているので、まずい母乳が出ている可能性があります。

母乳の臭いや味はママが摂取した食べ物に左右されます。質が良くて、おいしい母乳が出るような食生活をする必要があります。

質の良い母乳を作るために出来る4つのこと

赤ちゃんに質の良い母乳を飲ませてあげたいと思うのはすべてのママが思うことです。母乳は血液からできていることを考えれば、血液をキレイにすることが美味しい母乳を出すことに繋がると言えます。

1.水分補給

母乳の成分は約90%が水分なので、母乳を作るために水分は必要不可欠です。水分が足りないと血液はドロドロになり、乳腺炎のリスクも高くなってしまいます。

一気に水を飲むのは辛いので、こまめに水分補給をするのがポイントです。朝起きたら飲む、授乳した後に飲む、ご飯と一緒に飲むなどのルールを決めておくのもおすすめです。

母乳にいい飲み物ランキングTOP10!授乳中の水分補給のコツ
母乳にいい飲み物ランキングTOP10!授乳中の水分補給のコツ

2.食生活を整える

調理された料理を盛り付ける

血液を作る働きを促すために、効果的な栄養素を含む食材をご紹介します。

鉄分

ママが貧血状態になって、血液量が少なくなれば、母乳の出が悪くなるのは当然です。貧血は鉄分不足が原因となるので、授乳中は鉄分を豊富に摂取する必要があります。

  • 肉類:レバー(牛、豚、鶏)
  • 魚介類:まぐろ、かつお、いわし、牡蠣、赤貝、あさり
  • 野菜:小松菜、ほうれん草、菜の花
  • 海藻類:ひじき
  • その他:卵、大豆製品

大きく分けて、動物性食品(肉類、魚介類)に含まれている鉄分は「ヘム鉄」、その他の食品に含まれている鉄分は「非ヘム鉄」です。

「非ヘム鉄」は「ヘム鉄」よりも体内への吸収率が低くなりますが、たんぱく質やビタミンと一緒に摂取することで吸収率は上がるので、食べ合わせを工夫するのがおすすめです。

タンパク質

タンパク質の食材

タンパク質は骨や筋肉を始め皮膚、脳など体内のあらゆる器官を生成するために重要な栄養素です。

もちろん赤ちゃんにとっても大切な栄養素なので、母乳にも多く含まれています。また産後の慣れない生活で疲れているママの疲労回復にも効果を発揮します。

  • 赤身肉(牛肉、豚肉)
  • ささ身、むね肉(鶏肉)
  • かつお、まぐろ
  • 大豆製品(豆腐、納豆、豆乳)
  • 牛乳、チーズ

肉類にはたんぱく質が豊富ですが、お肉ばかり食べていると太ってしまう可能性があります。赤みや鶏のささ身など脂肪分が少ない肉類を積極的に摂りましょう。植物性たんぱく質が豊富な大豆製品はヘルシーなので毎日摂取するのがおすすめです。

ビタミン

ビタミンが豊富な食材

ビタミンは様々な食品に含まれているので摂取しやすいですが、食生活が偏ることで不足する傾向があります。

  • ビタミンB6(まぐろ、かつお、牛レバー、にんにく)
  • ビタミンB12(しじみ、赤貝、海苔)
  • ビタミンC(パセリ、レモン、パプリカ、キウイ、柿)

赤ちゃんの発育にはもちろん、精神的な安定にも影響するので意識的に摂取する必要があります。特にビタミンB群が不足することで夜泣きを引き起こしやすくなるとも言われているので、積極的に摂取しましょう。

ハーブ類

  • ラズベリーリーフ
  • フェンネル

ヨーロッパでは昔から母乳不足にはハーブが利用されてきました。最近では日本でも産後の女性にハーブティーを勧める産院も増えています。

中でも母乳の出を良くするうえに、ママの疲労回復やストレス解消にも効果的な「ラズベリーリーフ」は、飲みやすさという点を考えてもおすすめです。

またホルモンに作用して母乳の出を促し、デトックス効果も期待できる「フェンネル」はスパイスとして料理にも取り入れやすいので、手軽に摂取できます。

母乳にいい食べ物&避けたい食べ物|いいおっぱいが出る食事
母乳にいい食べ物&避けたい食べ物|いいおっぱいが出る食事

3.血行促進

ストレッチする女性と子供

母乳が作られるのは、乳房の毛細血管です。血液が身体の隅々までスムーズに流れていないと、母乳の製造にも悪影響を及ぼします。

血行が悪いという自覚がある方は、日々の生活に血行促進のための習慣を取り入れてみましょう。

冷えは血行不良の原因なので、家の中にいても身体を冷やさないように気を付けます。特に首、手首、足首を冷やすと血行が悪くなるので、防寒対策は怠らないようにしてください。

授乳時に無理な姿勢が続くと筋肉が凝ってしまい血行不良を引き起こします。長時間同じ姿勢でいないようにして、定期的にストレッチを行いましょう。

4.休息も必要

産後はいつ泣き出すかわからない赤ちゃんを気にしながら家事をこなし、夜ぐっすり寝る暇もなく、ママは非常に忙しい生活になります。中にはストレスを感じて幸せホルモン「オキシトシン」の分泌が減り、母乳が出にくくなる方もいます。

可愛い赤ちゃんのお世話をするのは楽しいですが、やはり体力には限界があります。また自分ひとりで頑張ろうとしてストレスを抱える人もいるでしょう。

何でも完璧にこなそうとしていると体がもたないので、たまには家事を後回しにして赤ちゃんと一緒にお昼寝してみるのも良い休息になります。お気に入りのアロマを焚いてリラックスタイムを過ごしたり、たまにはパパや祖父母にお世話を任せて、自分のための時間をとりましょう。

母乳は血液からできているからこそ血液をキレイに!

母乳はママの血液からできています。自分の血液が赤ちゃんにとって大切な栄養素となり、身体を作る材料として大きな役割を果たしていると思うと、自分の体調や健康状態がより一層気になることでしょう。

しっかりとした食事を摂る、適度な休息をとるのは、自分と赤ちゃん両方のために必要なことです。周囲の力を頼りながら、授乳生活を続けていきましょう。

おすすめコンテンツ