離乳食に里芋はいつからOK?かゆくなりにくい皮むきの方法
里芋は冬が旬で、おせち料理にも使われる縁起の良い食材の一つです。芋類なのでエネルギー源になり、柔らかい食感で、赤ちゃんも食べやすいでしょう。
しかし、里芋を離乳食に使おうと思った際に、問題となるのが皮の部分!里芋の皮むきは面倒くさそうな印象があり、離乳食に使うのをためらうママは多いのではないでしょうか?
実は里芋の皮むきは意外に簡単です!しかも、潰せば冷凍保存も可能!
里芋の皮むきが簡単にできる方法を写真つきでご紹介し、離乳食で里芋をいつから、どのように食べさせていくか、レシピと共に解説します。
里芋はいつから食べられる?
里芋は、食物繊維を多く含むため消化に時間がかかります。消化機能が未熟な初期に無理に与える必要はないので、生後7ヶ月・8カ月を過ぎた、離乳食中期から使うようにしましょう。
アレルギーの危険は少ないが食物不耐症に注意
里芋はアレルギーの心配は少ないのですが、アレルギーと似たような症状を引き起こすことがあります。これは里芋に含まれるアセチルコリンという物質が仮性アレルゲンとなり、食物不耐症を引き起こすためです。
食物アレルギーは、原因物質となった食べ物に対する免疫の過剰反応です。食物不耐症は、免疫物質が反応している訳ではなく、単に身体がその食べ物を受けいれられずに症状が現われているに過ぎません。
アレルギーと食物不耐症の違いと注意点
アレルギーと食物不耐症を見極めるのは、正確な検査がないと難しいのが実情です。症状としては、どちらもかゆみや蕁麻疹、時には下痢や吐き気などの症状が現われます。
アレルギーもそうですが、食物不耐症は特に食べたときの体調や食べ合わせによって症状が出たり出なかったりする傾向にあります。また、食材の鮮度も重要です。
はじめて里芋を食べさせるときは、アレルギーと食物不耐症両方のリスクを考えて、赤ちゃんが体調の良い日の午前中に小さじ1から試すようにしましょう。
里芋の下ごしらえは簡単!中期・後期・完了期の硬さの目安
里芋は皮むきが面倒でかゆくなるという印象があります。
里芋、そして長芋や山芋を剥いていて手が痒くなるのは、皮に含まれる「シュウ酸カルシウム」の針のような結晶が原因です。
ですが、シュウ酸カルシウムは熱に弱いので、里芋は皮つきのまま加熱するとかゆくならずに簡単に皮むきができるのです。レンジを使った簡単な方法、大量に処理する場合の水煮の方法の2つをご紹介します。
電子レンジを使った里芋の皮むき方法
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泥を洗い流し、天地の部分を少し切り落とします。
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耐熱皿に里芋を立て、水を少し振りかけてふんわりとラップをかけます。
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2を電子レンジ600Wで5~6分加熱し、取り出してそのまま5分蒸らします。
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柔らかくなった里芋の皮をむきます。
水煮した里芋の皮をむく方法
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里芋はさっと洗い、真ん中に沿って切り込みを入れます。
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鍋に1の里芋をいれ、ひたひたになるまで水を加え弱火で20分程度煮ます。
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2の里芋を水で冷やし、切り込みに沿って左右に引っ張ると皮がむけます。
中期の硬さ目安
中期は下ごしらえした里芋をフォークなどでつぶし、同量の熱湯でのばしてペースト状にします。
つぶした里芋をジップ付きの保存袋に平らに伸ばしていれて冷凍庫で凍らせれば2週間程度保存できます。冷凍した里芋は使う分だけ割って、レンジで解凍して使うことができます。
後期の硬さ目安
後期は水分を加えずマッシュした状態や、細かく刻んだものが食べられるようになります。
完了期の硬さ目安
完了期になると、噛む練習やつかみ食べの練習にもなるので7㎜程度の角切りにするのがおすすめです。里芋は水分が多く、歯茎でつぶしやすいので、1歳過ぎの離乳食にちょうどよい食材です。
冷凍食品の里芋を賢く使おう!選ぶときのポイント
里芋の皮むきや離乳食の調理が面倒な人にとって便利なのがスーパーで販売されている「一口サイズの冷凍の里芋」や「冷蔵で下ごしらえ済みの水煮された里芋」です。
離乳食期はいろんな食材を赤ちゃんが口にして、味覚を育てていくのも大事な時期なので、これらの商品を使うのも一つの方法です。冷凍や冷蔵の里芋を使う際のポイントをご紹介します。
国産の商品を選ぶ
特に冷凍の里芋は外国産の商品が出回っています。きちんと安全性は検査されているはずですが、赤ちゃんに食べさせる際は念のため避けた方がよいでしょう。
レンジ等で加熱して使う
皮むきのみされている場合は、しっかりと加熱調理が必要です。また水煮の場合もそのまま使うのではなく電子レンジ等で加熱調理しましょう。
離乳食中期(生後7ヶ月・8カ月)の里芋レシピ
里芋ペーストで里芋に慣れてきたら、豆乳と混ぜてポタージュ風にしてみましょう。まぜるだけで簡単に完成します!
里芋の豆乳ポタージュ
材料 つぶした里芋1/2個分(15g)・豆乳大さじ2
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耐熱容器に里芋と豆乳を入れて混ぜ合わせます
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1にふんわりとラップをかけ、電子レンジ600wで30秒加熱します
離乳食後期(生後9ヶ月~11ヶ月)の里芋レシピ
離乳食が進むと便秘がちになる赤ちゃんは多いのですが、里芋は食物繊維豊富な食材です。発酵食品である納豆を組み合わせて、腸内環境を整えてあげましょう。
離乳食期は、里芋や納豆などのネットリとした食感を嫌がる子もいますが、好きな子は本当に大好きで、パクパクと驚くようなペースで完食してしまいます。
また、9カ月以降は手づかみ食べをしたがる子が多くなるので、おやきなどで「赤ちゃんの食べたい!」という気持ちを満たしてあげましょう。
里芋の納豆和え
材料:つぶした里芋1個分(30g)・ひきわり納豆小さじ1・青のり
- 里芋と納豆と青のりを混ぜ合せます。
〈アレンジ〉里芋と納豆のおやき
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里芋の納豆和えを赤ちゃんの一口大に成型し、片栗粉(小さじ1程度)まぶし、テフロン加工したフライパンに薄くサラダ油を敷いて、弱火でしっかり焼きます。
離乳食完了期(1歳~1歳半)の里芋レシピ
加熱した里芋の硬さは、1歳を過ぎた赤ちゃんが歯茎で噛む練習をするのに適しています。使える調味料も増えてくるので、里芋を使った様々なレシピに挑戦してみましょう。
里芋グラタン
材料:里芋1個(30g)・ミニトマト2個(30g)・とろけるチーズ小さじ1
とろけるチーズはスライスチーズの場合1/4枚にしてもOK
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里芋は7㎜程度の角切りに、ミニトマトは4等分に切ります。
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耐熱皿に里芋とミニトマトを入れ、とろけるチーズをかけます。
- 2をトースター900W~1200Wで5分程度焼きます。
里芋の取り分けは大丈夫?煮物を赤ちゃんに食べさせるコツ
里芋の代表的な料理として煮っころがしなどの煮物が挙げられます。煮物の柔らかさは後期から完了期にかけての離乳食に向いていますが、離乳食は食材のもつ味を赤ちゃんが楽しむ時期でもあるので、薄味を心がけましょう。
大人の料理から取り分けする場合は、だし汁で煮た後の調味前にとりわけし、赤ちゃんが食べやすい形状にしてあげましょう。また、離乳食後期以降は醤油などの調味料が少しずつ使えるので、少し調味してもOKです。
写真は昆布だしを使って鶏むね肉、人参、里芋の煮物作った際の取り分けです。昆布と鶏の旨味が効いているので調味なしでも食べてくれます。
里芋の栄養素
里芋には芋類の中でも水分が多いため低カロリーで、高血圧を予防するカリウムを豊富に含んでいます。赤ちゃんはもちろん、産後のママにもおすすめの食材です。里芋の栄養素をご紹介します。
赤ちゃんの体を作るたんぱく質とビタミンB6
里芋はたんぱく質だけでなく、たんぱく質を体内でエネルギーにするために必要なビタミンB6も含んでいます。たんぱく質は筋肉のもととなる栄養素なので、活発に動き始める赤ちゃんにとって大事な栄養素です。
免疫力を高めるビタミンE
ビタミンEは血行を良くすることで免疫力UPにつながる栄養素です。生後6ヶ月を過ぎると赤ちゃんは母体の免疫が切れて、風邪などの感染症にかかりやすくなります。里芋は、生後7ヶ月から少量ずつ与えられますので、赤ちゃんの風邪予防にも効果的です。
里芋の選び方と保存方法は?
美味しい里芋の選び方と保存方法について解説します。
選び方
表面が乾いているものよりも、泥付きで湿っているものの方が新鮮です。また、触ってみて実が固くふかふかしていないかチェックしましょう。
保存方法
里芋は乾燥と寒さに弱い食材です。冷蔵庫に入れると低温障害で傷んでしまうことがあるので、新聞紙に包んで常温で保存しましょう。
里芋はコツを覚えれば便利な食材!
里芋は下ごしらえのコツさえ覚えればとっても便利な離乳食の食材です。
電子レンジなどで加熱すれば皮むきも簡単ですし、冷凍食品に頼っても構いません。大人用の煮物からの取り分けもできるので、赤ちゃんに色々な味付けで楽しんでもらうことができます。
煮物などの和風の味付けはもちろん、チーズなどとの相性も良く、洋風の味付けを楽しむこともできます!ぜひ毎日の離乳食作りに取り入れてみてください。