離乳食の大根・根と葉のレシピ
離乳食で大根は初期から使える便利食材!葉も活用しよう!
離乳食で大根は初期から使えて、後期以降は取り分けもしやすい便利な食材です。また、大根の葉の部分には、根とは異なる栄養もたっぷり含まれているので、中期以降は積極的に利用しましょう。離乳食で使うべき大根の部分ややわらかくゆでる方法、段階別レシピを紹介。レンジ活用もOKです!
離乳食期に大根は常備しておきたい野菜!葉はいつから?
離乳食に大根は水分が多くて、煮込むほどに甘みが出るので使いやすい野菜です。日本では、「青首大根」と呼ばれる白い大根が一般的です。通常「大根」といえば、青首大根の白い根の部分を指しますが、時折スーパーなどでも葉がついた大根を見かけます。
大根は、煮ると歯茎で簡単につぶせるほど柔らかくなりますし、価格も安価でおでんや味噌汁の具、煮物など、大人用の料理からの取り分けしやすいので、常備しておくと離乳食作りに役立ちます。
大根(根の部分)は5カ月初期、離乳食を開始した頃から使える
大根はアレルギーの心配が少なく、水分が多くゆでると柔らかくなるので、離乳食を開始したばかりの生後5ヶ月・6か月頃から与えられる野菜です。
アミラーゼ(デンプンを消化しやすくする酵素)を含んでいるため、消化に優しいという特長もあります。
大根の葉は細かく刻めば中期から!おやきやふりかけにもオススメ
大根の葉の部分は、根の部分同様にアレルギーの心配は少ないのですが、茹でても硬いのが難点です。柔らかく茹でたものを細かく刻み、離乳食中期(生後7ヶ月・8カ月)以降から使うようにしましょう。
葉の部分も、根と同様に栄養は豊富で、特にβカロテンやビタミン類などが含まれています。
大根の葉の部分は、加熱して、おやきなどさまざまな材料に混ぜて使うのがおすすめです。離乳食完了期には、大根の葉を使って手作りのふりかけを常備すると、鉄分やカルシウム補給になります。
大根は緑黄色野菜!?「根」と「葉」の栄養素
大根の白い根の部分は淡色野菜、大根の葉は緑黄色野菜に分類されます。そのため、含まれる栄養素も異なっています。
大根の「根」に含まれる栄養素
通常「大根」といえば、白い部分をイメージする人が大半です。水分も多いですが、ビタミンを多く含みます。
離乳食期の便秘解消に欠かせない「食物繊維」
大根は、不溶性の食物繊維が豊富な野菜です(注1)。食物繊維は便秘解消に大事な栄養素ですから、便が硬くなりやすい離乳食期には積極的に摂った方がよいでしょう。
また、大根には重量の約95%を占めるほど水分が豊富に含まれているので、便秘の原因となる水分不足を予防する効果も期待できます。
大根おろし・煮物などで汁ごと摂取したい「ビタミンC」
ビタミンCは風邪の予防などの免疫力UPに欠かせない栄養素です。大根は、根、葉ともにビタミンが含まれています。しかし、ビタミンCは茹でると流れ出てしまいますので、調理にはやや工夫が必要です。
大人なら煮物などで煮汁ごといただくのが良いのですが、離乳食で使用する場合は大根おろしなどが効率よく摂取できます。おかゆやうどんなどの炭水化物にかけるのがおすすめです。
大根の「葉」に含まれる栄養素
野菜の中でもトップクラス含有量の「鉄分」
生後9ヶ月を過ぎると、赤ちゃんは鉄欠乏性貧血の危険が高まるので、離乳食での日常的な鉄補給が必要になります。
大根の葉に含まれる鉄分は、野菜類の中でもトップクラスの含有量です。鉄分が含まれる野菜としては、小松菜が代表的ですが、小松菜生100gあたりの鉄分含有量は2.8g(注2)。それに対し、大根の葉は3.1gです(注3)。
牛乳の1.2倍に相当する「カルシウム」
大根の葉100gにはコップ1杯(200ml)の牛乳の約1.2倍に相当する260mgのカルシウムが含まれています(注4)。牛乳には含まれていない鉄分も多く含んでいるので、葉つき大根を購入できた際には、ぜひ離乳食として無駄なく使いましょう。
白い根の5倍に相当する「ビタミンC」
大根の葉の部分にも鉄分の吸収を助けるビタミンCが豊富に含まれており、その量は白い根の部分のおおよそ5倍に相当します。
離乳食で大根を使うポイント
離乳食初期から与えられる大根ですが、部位によっては赤ちゃんに不向きだったり、食べにくくなってしまうことあります。赤ちゃんにやわらかくて美味しい大根を食べさせるためのポイントをご紹介します。
美味しい大根を選ぶなら「張り」と「みずみずしさ」をチェック
大根の旬は秋から冬にかけてで、寒さに耐えるために栄養分を蓄えて甘さが増し、水分量が多いことが特徴です。
見た目は丸み帯びつつもまっすぐと伸びて、張りがありヒゲがあまり出ていないものを選びましょう。
カットされている場合は、切り口がきめ細やかでみずみずしいかチェックしましょう。
離乳食には大根の中央より上の部位を使おう!
離乳食で大根を使う場合は、中央より上の部分を使いましょう。
- 大根の中央…みずみずしく、煮ると簡単に柔らかくなる。
- 葉との境目である首の部分…やや水分量が少ないが、甘みが最も強い。
中央より下の方は、辛味成分が強いためあまり離乳食には向いていません。
大根の辛味のもととなる成分が大根の下の部分に多く含まれているため、消化が未熟な赤ちゃんにとっては刺激となり、胃腸に負担を与える可能性があるので注意しましょう。
大根おろしは電子レンジで加熱してから使おう!
大根はすりおろすと、辛味のもととなる成分が反応して、辛味を発するようになります。
加熱するとその反応がなくなるので、離乳食で大根をおろして使う時は電子レンジ使用し、辛味を抑えるようにしましょう。
離乳食用の大根をやわらかくゆでるコツ
次の2つのポイントを押さえれば、大根をやわらかく茹でられます。
- 皮は厚めにむいて隠し包丁を入れる
隠し包丁を入れることで、だしや調味料が染みる面積も増やせます。
輪切りにする必要のない時は、乱切りにすると隠し包丁と同じ効果が得られます。
- 米のとぎ汁もしくはお米を一緒にいれて20分程度下茹でする
大根にはデンプンを消化するアミラーゼという酵素が含まれています。その酵素がお米に含まれるデンプンと反応することによって柔らかくなるのです。
最近では無洗米を使われる方も多いので、米のとぎ汁がないときはお米を直接入れるか、もしくはお茶パックに大さじ1程度お米を入れたものでも代用できます。
離乳食の大根レシピ!根はもちろん葉も積極活用
離乳食時期ごとの大根の固さの目安とレシピをご紹介します。大根の葉を使ったメニューもあるのでぜひ作ってみてください。
赤ちゃんに与える大根のかたさ目安
離乳食初期(5~6カ月) | |
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柔らかく茹でてペーストにします | |
離乳食中期(7~8ヶ月) | |
柔らかく茹でて細かく刻みます | |
離乳食後期(9~11ヶ月) | |
柔らかく茹でて3㎜~5㎜角にします |
離乳食初期(生後5・6ヶ月)の大根レシピ~レンジ加熱でペーストも楽ちん!
初期から食べられる大根ペーストは、電子レンジで加熱して作ることもできます。おかゆや芋類にかけて食べるのがおすすめです。
電子レンジでできる大根ペースト
材料
- 大根 100g(2~3㎝分)
- 水 1/4カップ
- 米 小さじ1程度
-
大根は厚めに皮をむき、小さく乱切りにする。皿に大根を並べ、水とお米を加えて、ラップをふんわりとかけて電子レンジ600Wで5分加熱した後、電子レンジから取り出して数分放置して蒸らします。
-
ゆで汁は捨てて、大根だけをつぶしてペースト状にします。
大根ペーストのおかゆ
大根ペーストは、そのまま10倍粥にのせればOKです。うどんやそうめんなどとの相性も良いので、冷凍しておくと便利です。
離乳食中期(生後7・8カ月)の大根レシピ~葉と一緒に煮こもう!
中期からは細かく刻んだ大根の葉も加えられます。白い部分とともに出し汁などでよく煮込めば赤ちゃんでも食べらえる固さに仕上がります。
大根と大根の葉の高野豆腐和え
材料
- 大根15g
- 大根の葉3g
- 高野豆腐1/3個(約5g)
- だし汁1/4カップ(50cc)
-
大根は厚めに皮をむいて小さく切り、大根の葉はみじん切りにします。
-
高野豆腐をすりおろします。
-
小鍋にだし汁、大根、大根の葉、高野豆腐を入れて火にかけ、沸騰したら火を弱めて煮汁が少なくなるまで弱火で8分煮ます。
離乳食の後期(生後9ヶ月~11ヶ月)の大根レシピ~取り分けもおすすめ!
後期になると3回食になりますが、豚汁・味噌汁などの汁物を作る際に赤ちゃんが食べやすい具を入れて煮込めば離乳食作りが楽になります。手づかみ食べに興味が出てくる時期なので、おやきに大根をいれるのもオススメです。
大根などの根菜たっぷり!ベビー豚汁(豚汁からの取り分け)
生後9ヶ月以降なら、風味づけ程度に少量の味噌をつかって大丈夫です。大人用の豚汁だと味が濃すぎるので、赤ちゃん用は野菜やお肉の出汁をいかして、味噌は少量に留めましょう。
材料
- 大人2人+赤ちゃん
- 豚赤身肉50g
- 大根1cm 50g
- にんじん 1/4本(50g)
- 長ねぎ(白い部分)1/2本分
- だし汁 2カップ(400cc)
- 味噌
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大根、にんじんは皮をむいていちょう切りにし、白ネギは小口切りにします。
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豚肉は食べやすい大きさに切ります。
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鍋にだし汁、大根、にんじん、長ねぎをいれて沸騰したら弱火にし、蓋をして10分煮ます。豚肉を加えてあくをとり、離乳食分を取り分け、少量の味噌をとかします。
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大人用ははお好みの濃さに味噌を加えて出来上がりです。
大根おやき
材料
- 大根 1cmの輪切り半分(25g)
- キャベツ5g
- たまねぎ5g(お野菜は好みのものを計10gでOK)
- 鶏むね肉10g(しらす、ツナ水煮でもOK)
- かつおぶし1つまみ
- 小麦粉 小さじ2
- サラダ油 少々
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大根は皮をむいてすりおろします。
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キャベツ、玉ねぎはみじん切りにします。
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鶏むね肉は細かく刻みます。
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ボウルにサラダ油以外の材料をすべて入れて混ぜ合わせ、赤ちゃんの1口大に成型します。
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フライパンにサラダ油を薄く敷いて熱し、4を弱火で両面3分程度ずつ焼きます。
離乳食完了期(1歳以降)の大根レシピ
離乳食完了期になると、赤ちゃんのご飯はおかゆではなく軟飯や大人と同じご飯になります。白いご飯をそのまま食べられることも大切ですが、手作りのふりかけなら薄味ですし、大根の葉やごまを使ったものなら鉄分補給にもなりますので上手に活用していきましょう。
大根の葉のふりかけ
材料
- 大根の葉 50g
- かつおぶし 1パック
- すりごま 大さじ1
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大根の葉はみじん切りにし、熱湯でゆでてしっかりと水気を切ります。
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テフロン加工したフライパンに1と細かく刻んだかつおぶしとすりごまをいれて水気がなくなるまで炒ります。
大根の根はペーストにしてから冷凍保存しよう
大根は水分が多いので、そのままの状態では冷凍保存には向いていません。大根おろしにしたものか、下茹でしたものであれば小分けにして冷凍保存が可能です。
ペーストの場合は、ジップ付きの保存袋に平らにいれて冷凍すると、固まった後は割って使いたい分量ずつ解凍して使うことができるので便利です。
大根の葉は鮮度が落ちる前に切り分けて茹でれば2週間冷凍可能
葉つき大根はできるだけ早く根と葉を切り分けましょう。葉は水分を失ってしなびてしまいやすいので早めに下茹でして、冷凍すれば2週間ほど保存可能です。白い根の部分も一緒に茹でてペーストにすると面倒がありませんが、冷蔵保存する場合はラップや新聞紙でくるんで立てて野菜室に入れましょう。
大根はすりおろしやスティックなど離乳食期を通して活躍!
大根は、赤ちゃんのお口の成長に合わせた固さに仕上げやすいので、離乳食のステップアップの目安にもなる食材です。ポイントを押さえた下ゆでを行うことで甘みが増し、調味料の味が染みやすくなります。
大根の離乳食を作る際には、赤ちゃんと一緒に、ママやパパも美味しい大根料理を楽しむことをおすすめします!