離乳食にオクラはいつから与えて、種はいつまで取り除く?
離乳食でもオクラは粘り気があるので飲み込みやすく、赤ちゃんが好んで食べてくれる傾向にあります。
独特のぬめりが特徴的な野菜であるオクラは、茹でてマリネや胡麻和えなどの副菜にしたり、味噌汁やそうめんの汁の具にしたり、豚肉で巻いて主菜にしたりなど、多様な使い方できる食材です。
オクラの原産地はアフリカ北東部で、日本で全国的に流通しはじめたのは1960年代ですが、皮を剥く必要がなく、さっと茹でるだけで使えるので、身近な緑黄色野菜として現代では親しんでいる方も多いでしょう。
赤ちゃんにオクラを食べさせられるのは中期以降がおすすめ
オクラを離乳食で使いたい場合、生後7~8カ月以降(離乳食開始から1ヶ月~2ヶ月後)の中期からがオススメです。
オクラの産毛や種を取り、柔らかく茹でてペーストにすることで初期からOKとしている本やサイトもありますが、繊維質が多くすりつぶしにくいので、初期の形状にするには手間がかかります。
離乳食初期はにんじん、ほうれん草、かぼちゃなど他にも与えていい緑黄色野菜がたくさんありますから、オクラを焦って与える必要もありません。
おくらはアレルギーの心配は少ないけれど消化不良には注意!
オクラはアレルギーを引き起こしやすい食品ではありませんが、食物繊維が多いので消化機能が未熟な赤ちゃんにとっては負担となる可能性があるため注意が必要です。
最初にオクラを与えるときには、食べ慣れたお粥などと混ぜてモグモグと咀嚼を促し、飲み込みやすくしてあげましょう。念のため小さじ1から始めるのはもちろんのことです。
オクラの種はいつまで取り除く?1歳まではうんちに種がまじるかも?
離乳食にオクラを使う場合、1歳までは種を取り除くようにしましょう。
離乳食完了期頃からは種が少し混ざってもOKですが、種ごと噛むことができるようになるのは奥歯が生えてしっかり噛めるようになる1歳以降が目安の時期です。
大人でもオクラの種は消化しづらいので、そのまま与えた場合は、種はうんちにそのままでてきますし、消化不良を起こしてしまう可能性もあります。
離乳食にオクラを使うのは面倒?まとめて冷凍が活用のコツ
離乳食ではオクラの種を取り除かないといけないと聞いて、「面倒だな」と思った方もいるでしょう。後述しますが、種だけでなく、オクラは産毛の処理もいるので、確かに下処理に手間のかかる印象があります。
しかし、オクラを使うのは中期からですから、ほうれん草などの葉物野菜と違い、裏ごしの手間はありません。中期に入ったばかりの頃、少しだけすり鉢でつぶせばいいだけで、それ以降はみじん切りするだけでよく、冷凍や解凍も簡単です。
普段の食卓でオクラを使わないご家庭は無理をする必要はありませんが、栄養価は高い緑黄色野菜ですから、自宅にあるときは赤ちゃんにも味わってもらえれば1番です。購入した際には2~3本だけでも赤ちゃん用に処理しておき、お粥やスープなどに混ぜるだけで彩りが良くなります。
離乳食でのオクラの下処理の方法
離乳食にオクラを使う場合の下処理や冷凍保存の方法をご紹介します。特徴的なのは板ずりをして産毛の処理を行う点ですが、ネット1パック程度なら、1~2分程度で終わります。
生のオクラは傷みやすい!購入したら早めに下処理を済ませよう
オクラは比較的傷みやすい野菜なので、購入後はできるだけ早く下処理を済ませましょう。オクラの栄養価は加熱によって量が極端に減少してしまうことはないので、離乳食に限らず購入したらすぐに調理する、もしくは加熱処理をして冷凍保存しておくのオススメです
温暖な気候で生育される野菜なので、5℃以下で保存すると低温障害を起こす可能性が高くなります。冷蔵庫で保存する場合は新聞紙やポリ袋に入れて野菜室で保存しましょう。
オクラの産毛は板ずりで取り除く
オクラには産毛は生えており、また産毛がびっしり生えたものほど鮮度が良い証でもあります。産毛の処理は、塩を振り、オクラ同士をこすりながら洗うだけなので簡単です。
普段の料理では、面倒なので気にせずにそのまま食べる方もいるかと思いますが、やはり口当たりが悪くなってしまうので、離乳食では取り除いた方が良いでしょう。
茹で時間は鍋で2分、レンジ加熱なら1分が目安
板ずりして産毛を取り除いたオクラを加熱します。5本程度の少量ならレンジでの加熱が楽ちんです!
縦に半分に切り、種を取り除きます。
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大量の場合は熱湯で2分程度茹でます。
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5本程度の少量の場合は水気を補ってラップに包み電子レンジで1分加熱します。
オクラの下ごしらえはまとめて!種を除き冷凍保存しておくと便利
オクラは離乳食用に種を毎回取り除くのは面倒なので、まとめて下ごしらえをし、細かく刻んで冷凍しておくのがおすすめです。
刻んだものは、ジップ付きのフリーザーパックに平らに広げて冷凍することで、固まるとバラバラになり、量を管理しやすく衛生的に保存ができます。
オクラを使った離乳食レシピ
下ごしらえしたオクラを使った、簡単に作れる離乳食レシピをご紹介します。
中期・後期・完了期のかたさ目安も参考にしてください。
離乳食中期~完了期のかたさ目安
離乳食中期(7~8ヶ月) | |
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加熱して2~3㎜に細かく刻みます。 | |
離乳食後期(9~11ヶ月) | |
加熱して5㎜程度に刻みます。 | |
離乳食後期(1歳~) | |
加熱して1㎝程度に刻みます。 |
中期(7~8か月)はお粥や豆腐など飲み込みやすい食材と一緒に!
離乳食中期、生後7カ月以降からオクラを食べさせることができますが、そのまま与えるよりもお粥や納豆などの食材と一緒に与えた方が赤ちゃんは抵抗なく、自然に咀嚼・嚥下してくれることが多いはずです。
ネバネバ相性抜群「オクラと納豆のお粥」
材料
- 下ごしらえ済みのオクラ 1本
- ひきわり納豆 小さじ1
- 7倍粥 20g
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オクラは細かく刻みすりつぶします。
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オクラとひきわり納豆を混ぜ合わせ、お粥の上に乗せます。
オクラの緑が食欲をそそる!オクラの白和え
材料
- 下ごしらえ済みのオクラ 2本
- 絹ごし豆腐 大さじ1
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オクラは細かく刻みます。
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耐熱容器に絹ごし豆腐を入れてふんわりとラップをかけて電子レンジ600Wで30秒加熱し、すりつぶして1と和えます。
後期(9カ月~11ヶ月)はあんかけやスープに入れよう
緑黄色野菜であるオクラは茹でるとより一層鮮やかな緑色になりますから、あんかけやスープ、煮込み料理の具材としてもピッタリです!野菜と一緒に、豆腐や白身魚などのたんぱく質食材を一緒に煮込めば、1品で栄養満点なメニューが完成します。
魚と和風のだしが美味しい「鯛のオクラあんかけ」
材料
- 鯛(刺身でもOK) 15g
- 下ごしらえ済みのオクラ 2本
- だし汁 大さじ2
- 醤油 少々
- 水溶き片栗粉(片栗粉小さじ1/2+水 小さじ1)
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鯛は熱湯で茹でてほぐします。
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オクラは細かく刻みます。
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耐熱容器にだし汁、オクラ、醤油を入れてふんわりとラップをかけて電子レンジ600Wで30秒加熱し、水溶き片栗粉を加えてさらに20秒加熱して1にかけます。
夏野菜を一緒に「オクラのトマト煮込み」
材料
- オクラ 2本
- トマト 小1個
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オクラは種を取ってみじん切りにし、トマトは湯むきして皮と種を取り除きます。
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耐熱容器に1を入れ、ラップをかけずに電子レンジ600Wで30秒加熱します。
完了期(1歳以降)は手づかみ食べや肉巻きで食感を楽しもう!
離乳食完了期(1歳以降)になれば、多少種が残っていても食べられるので、調理の負担はぐっと減ります。おやきやお好み焼きの具として栄養をプラスしたり、ママやパパもおいしく食べられる肉巻きの具にしましょう。
残ったご飯でOK!オクラとしらすのおやき
材料
- 下ごしらえ済みのオクラ 3本分
- しらす 小さじ1
- ごはん 50g
- だし汁 大さじ1
- 小麦粉 大さじ1
- サラダ油 少々
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ボウルにサラダ油以外の材料をすべて入れて混ぜ合わせます
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フライパンにサラダ油を薄く敷き、1の生地を赤ちゃんがつかみやすいサイズに流し入れ、両面をしっかり焼きます。
取り分け離乳食としても優秀「オクラの豚肉まき」
材料
- 豚もも薄切り 20g(4枚程度)
- 下ごしらえ済みのオクラ 2本
- サラダ油 少々
- 醤油 少々
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オクラは半分に切ります。
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オクラを豚肉で巻き、熱したフライパンにサラダ油を薄く敷いてしっかり焼きます。食べやすいサイズに切って最後に醤油で味付けします。
美味しいオクラを離乳食に選ぶためのコツ
離乳食はもちろん、普段の食卓にも応用できる、美味しいオクラを選ぶためのポイントをご紹介します。オクラは年中手に入りますが、夏野菜なので国産を食べたい方は、暑い季節にたくさん楽しむようにしまyそう。
オクラは年中手に入るけれど、国産の旬は夏!
オクラの旬は夏で、日本の主な産地は鹿児島県、高知県、沖縄県といった気温の高い地域です。
日本で収穫が難しい晩秋~春先にかけてはタイなどの外国産のものが販売されているため1年を通して購入することが可能なのです。
オクラの成長は早い!美味しいものを選ぶポイントは3つ!
オクラは成長が早く1日に2センチ程度伸び、伸びきってしまうと固くなるという特徴があるので、鮮度が高く美味しいものを見つけるためには次の3つのポイントを確認しましょう。
- 産毛がある
- 緑色が濃い(切り口や部分的に茶色いものは古いので避けましょう)
- 小ぶりで張りと弾力がある
産毛が多いオクラは板ずりの必要性が増しますが、産毛こそ新鮮さの証なのです。新鮮な野菜ほど味が濃いので美味しく、栄養価も高いので、ぜひ新鮮でおいしいオクラを選んであげましょう。
ネバネバは健康効果あり!緑黄色野菜オクラの魅力
オクラは鮮やかな緑色が象徴するように、βカロテンの多い緑黄色野菜の一つです。またオクラのネバネバの中には健康に役立つ特徴的な栄養も含まれています。
離乳食にオクラを使う場合、種を取り除くのが面倒に感じることもあると思いますが栄養価は高いので、1度にまとめて下処理し冷凍しておくなどして、積極的に食べさせてあげましょう。
目の健康を保ち、皮膚を保護するβカロテンが豊富
βカロテンは体内に取り込まれると、必要とされる量だけがビタミンAとして利用される栄養素です。
ビタミンAは皮膚の粘膜を保護しウイルスの侵入を防いだり、暗いところでも目が慣れて見えるようにするのを助けるといった赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素ですが、実は摂りすぎると腹痛や嘔吐などの中毒症状を引き起こしてしまいます。
ですが、βカロテンは必要量だけがビタミンAに変わるという性質があるため、摂りすぎの心配がほとんどないので、オクラなどの緑黄色野菜でたっぷり補給するのが望ましいのです!
約4本で骨を丈夫にするビタミンKが1日必要量の3分の1摂れる
ビタミンKは骨の形成を促す働きや、出血した時に止血するのを助ける働きのある栄養素です。
オクラ4本(約30g)で、1歳~2歳頃の赤ちゃんが1日に必要なビタミンKの約1/3程度に相当する約22μg摂取することができます。ビタミンKは摂りすぎに注意する必要はありません。
オクラをお星さまに見立てて行事食にも!
オクラは栄養があって彩り鮮やかなだけでなく、切り口が五角形なのでお星さまのように見立てることができます。
お星さまの形を利用して、そうめんの上にのせて天の川をイメージした七夕の行事食など、赤ちゃんの成長と共に、行事を楽しむ際にもぜひ活用してみてください。