離乳食の水菜レシピ
離乳食に水菜はおすすめの緑黄色野菜!栄養満点レシピ
離乳食に水菜の葉や茎はいつから使えるの?水菜はβカロテン、ビタミン類やカルシウムを豊富に含む緑黄色野菜であり、アレルギーのリスクも低く、あくがないのでレンジ加熱・調理も簡単です。水菜の栄養素を効率よく摂れる初期・中期・後期・完了期の離乳食レシピを紹介。
離乳食に水菜はおすすめの野菜!葉や茎はいつから食べられる?
水菜は離乳食で赤ちゃんに積極的に食べさせたい緑黄色野菜・葉物野菜の1つです。水菜は「京菜」と呼ばれる京都の伝統野菜でしたが、今や全国に広がった食卓の定番野菜であり、栄養価も高いのです。サラダなどの具材として、シャキシャキとした茎の部分の歯ごたえを楽しむイメージが強いかもしれませんが、おひたし、煮物、汁物、鍋など加熱調理してもおいしく食べられます。
加熱した水菜は葉先の部分は柔らかいのですり潰しやすいですし、ビタミンやミネラルも豊富なので、まさに離乳食にぴったりなお野菜です。
水菜は栄養たっぷりな緑黄色野菜!注目すべき栄養素は?
意外に思われるかもしれませんが、水菜は実は緑黄色野菜です。緑黄色野菜とは色ではなく、可食部にβカロチンを豊富に含む野菜を指すのですが、水菜はしっかりとこの緑黄色野菜の基準を満たしています。
免疫力を高めるβカロチンが緑黄色野菜の基準値の2倍以上!
水菜は、緑色の鮮やかな葉先の部分にはβカロチンがたっぷり含まれています。その量は緑黄色野菜に分類される基準となる100gあたり600μgの2倍以上にあたる1300μgです。
βカロチンは皮膚の粘膜を保護し、免疫力を高める効果が期待できる赤ちゃんにとって大切な栄養素の一つですから、離乳食には緑黄色野菜を積極的に取り入れていきましょう。
同重量の牛乳の2倍!野菜の中で特筆すべきカルシウムの多さ
水菜には赤ちゃんの骨を育てたり、強くするために欠かせないカルシウムがたっぷり含まれています。その量は、同じ重量の牛乳に比べて約2倍という多さで、これは野菜類の中では特筆すべき数字です(注1,2)。
水菜は加熱するとかさが減って食べやすくなり、カルシウムは加熱してもほとんど量が変わらないという利点もあります。
生後9ヶ月以降の赤ちゃんに不足しがちな鉄分もほうれん草と同程度!
貧血予防に効果があり、成長に伴って赤ちゃんが不足しがちな栄養素である鉄分も水菜にはたっぷり含まれています。鉄分が多い野菜としてよく知られているほうれん草とほぼ同量の鉄分量です(注3)。
水溶性と不溶性の食物繊維の両方がバランスよく含まれている
水菜には食物繊維もたっぷり含まれています。
水菜には糖質の吸収を穏やかにする水溶性食物繊維と、便通を整える効果が期待できる不溶性食物繊維の両方がバランスよく含まれているのも特徴です。
ビタミンCも豊富!スープなどで効率的に摂取しよう
水菜には鉄分の吸収効率を上げ、免疫力UPに効果のあるビタミンCもたっぷり含まれています。
ただし、ビタミンCは加熱に弱く、水に溶けやすいという欠点があります。水菜も茹でてしまうと半分以下になってしまうので、調理方法・加熱時間には注意が必要で、スープなど汁ごと頂く調理方法がおすすめです。
離乳食に水菜はいつから?葉先と茎の使用時期
水菜の葉先は初期から、茎の部分は後期から使用できます。ペースト状にしやすい葉先はともかく、茎は大きいと口の中や喉に刺さるので、カットの仕方や組み合わせる食材、調理方法に注意しましょう。
葉先は初期(5か月)からペースト状にして与えてOK
水菜はアレルギーの心配が少なく、柔らかい葉先の部分はすりつぶしてペーストにすれば初期から使うことができます。
アレルギーの心配が少ない野菜ではありますが、消化機能が未熟な初期の赤ちゃんに最初に与える際は小さじ1のみにし、食べた後の様子に変化がないかチェックしましょう。
茎は後期(9ヶ月)からOK!細かくカットし、お粥やおやきに混ぜるのがおすすめ
水菜の茎の部分は、離乳食後期ごろから与えるのが目安です。茎の部分は固いので、加熱して、細かくカットするようにしてください。大きいと刺さるような食感になってしまうので要注意。お粥に混ぜたり、おやきに入れたりしましょう。
離乳食に使う水菜の下ごしらえ
水菜をより美味しく、栄養価を損なわずに食べるために、選び方や下ごしらえのポイントをご紹介します。
美味しい水菜の特徴は?サラダ水菜という種類もおすすめ
新鮮で美味しい水菜を選ぶためには、次のポイントをチェックしましょう。
- 葉先がピンとしていてみずみずしい。
- 葉の緑と茎の白さのコントラストがはっきりしている
- 露地栽培の場合は茎がしっかりしていて重量感がある
- 水耕栽培の場合は切り口の株が小さい
水菜には、株が小さめで葉の部分が多いため、柔らかい「サラダ水菜」という種類があります。
サラダ水菜を使うと赤ちゃんに食べやすい味と柔らかさに仕上げやすいので、見かけた際にはぜひ使ってみてください!
水菜の洗い方
水菜は細く、1株にたくさんの葉や茎が密集しているので泥やごみが挟まっていることが多く、離乳食に限らず調理前にはきれいに洗う必要があります。
- 水菜は4~5cm程度に切ります。
ボウルなどに水をいれ、切った水菜を中で洗います。
- 手ですくいとるようにザルにあげます。一気にザルあげすると、せっかく落とした泥などがもう一度付着する恐れがあるので注意しましょう。
水菜の加熱はレンジでもOK!ビタミンCを流出させないメリットもあり
水菜はアクが少なく、水分も多いので電子レンジでの加熱が可能です。
電子レンジで加熱することで、柔らかくなり、かさが減って量を多く食べやすくなります。
また、レンジ加熱の方が鍋で茹でるより、水に溶けやすいビタミンCなどの栄養素が損なわれにくくなるというメリットもあります。
離乳食に使う水菜の保存方法!冷蔵で3日、冷凍で1週間OK
水菜は収穫後日にちが経つと、しなびてきますし、茎の根もとが傷んできます。冷蔵・冷凍での保存方法のコツを紹介します。
冷蔵だと3日程度の保存が可能、湿らせた布に包み密閉するとより長持ち
水菜の水分の蒸発を防ぐため、新聞紙などに包みポリ袋に入れて冷蔵保存すると3日くらい保存が可能です。
より長く冷蔵保存したい場合は、基本の洗い方をした後に湿らせたキッチンペーパーで包み、その上から新聞紙で包んだあとタッパーやポリ袋に入れると5日程度保存できます。
加熱後に冷凍すれば2週間程度の保存が可能
水菜はそのままでも冷凍できますが、冷凍前に加熱処理をした方が変色や劣化を抑えることができます。この場合の保存期間は2種間程度が目安です。
冷凍保存する場合は固めに加熱して(ゆでる場合は30秒程度)、しっかりと水気を切ったものを小分けにしてラップに包みましょう。
使う前に使いたい大きさに割って使うこともできるので、長さは長めに切っておいても大丈夫です。
離乳食の水菜レシピ
離乳食でどのように水菜を取り入れていけばいいのか、栄養面や食べやすさを意識した食材の組み合わせやレシピをご紹介します。
水菜と相性の良い食材は?白身魚などのメイン食材と組合せて!
初期のペーストはともかく、中期以降、水菜はそれだけでメインとなるのは難しい野菜です。組み合わせるとより美味しさが増したり、赤ちゃんが飲み込みやすくなったり、一品で栄養バランスが整うような食材をまとめました。
たんぱく質食材~初期から使えるしらすが特におすすめ!
水菜にはほとんど含まれていないたんぱく質を多く含む、肉・魚・卵・豆腐などの大豆製品を組み合わせると栄養バランスがさらに良くなります。
また、水菜に含まれる鉄分は吸収率が低めですが、動物性のたんぱく質と一緒に摂取すると吸収がUPするという効果もあります。
たんぱく質食材の中でも、しらすとの組み合わせはカルシウムの摂取量を増やすことができ、しらすの塩気で水菜の甘みが増すので特におすすめです。
ごはん・いも類~茎の歯ごたえを気にせず、赤ちゃんでも食べやすい!
水菜は茎を使うようになると茹でてても歯ごたえがあるので、赤ちゃんが飲み込みづらくなります。食べにくさを軽減するために、ごはんやいも類といった粘りのある食材との組み合わせがおすすめです。
また、栄養価の面でもエネルギー源となる糖質が摂取できるのでバランスが良くなります。
油脂類~βカロテンなどの栄養素を効率よく摂取できる!
水菜に含まれるβカロチンは、油脂と一緒に摂取すると体内への吸収率がUPします。
中期では脂質を含む肉や魚、卵黄、大豆製品との組み合わせ、後期以降は油やバターなど油脂を使った調理をするのがおすすめです。
初期(5カ月・6ヶ月)の水菜レシピ
初期は水菜の葉先をペーストにします。他の野菜同様、ミキサーやブレンダーを使って1度にすりつぶして製氷皿などで冷凍しておけば、スープなどにも活躍します。
水菜のペースト
基本の水菜ぺーストです。お粥などに混ぜて食べましょう。青臭さを抑えてくれるので、ミルク粥との相性も良い一品です。
材料
- 水菜(葉先) 5g
- 湯冷まし(もしくはだし汁) 小さじ1
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水ラップに包んで電子レンジ600Wで30秒加熱し、細かく刻んですりつぶし湯冷ましで伸ばします。
中期(7カ月・8カ月)の水菜レシピ
中期はしらすや白身魚との組み合わせると魚の出汁によっておいしさが増します!飲み込みづらそうなときには水溶き片栗粉などでとろみをつけましょう。
水菜とタラのだし煮
おすすめは和風だしとの相性が良いタラですが、かれいなど他の白身魚を使っても構いません。
材料
- 水菜(葉先) 5g
- タラ 10g
- だし汁 大さじ2
- 片栗粉 小さじ1/2
- 水 小さじ1
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タラはゆでてほぐします。
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水菜は細かく切ります。
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小鍋にだし汁を入れて沸騰させ、タラと水菜を入れてひと煮たちさせたら水溶き片栗粉でとろみをつけます。
後期(9カ月~11ヶ月)の水菜レシピ
後期以降は加熱すれば水菜の茎も使えるようになります。小さく切っておにぎりやチャーハンなどに混ぜるのがおすすめです。
水菜としらすの軟飯おにぎり
手づかみ食べにもピッタリな赤ちゃん用の小さなおにぎりです。水菜の色合いもキレイで食欲をそそりますし、しらすと水菜の両方ともにカルシウムが豊富に含まれています。
材料
- 水菜 10g
- しらす 大さじ1
- 軟飯 80g
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しらすは熱湯をかけて塩抜きします。
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水菜はラップに包んで電子レンジ600Wで30秒加熱し、細かく刻みます。
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ボウルに軟飯、しらす、水菜を入れて混ぜ合わせ、小さじ1杯程度の量でおにぎりを作ります。
完了期(1歳以降)の水菜レシピ
完了期になれば、水菜の葉と茎の両方を楽しめるので調理も楽になります。水菜の緑色は食欲をそそるので、おやきやお好み焼きなどの粉ものにまぜるのもオススメです。
水菜のチヂミ風おやき
おやきの具材に混ぜると、水菜は格段に食べやすくなります。ごま油との味の相性も良く、栄養価もアップ!赤ちゃんも喜んで食べてくれるでしょう。
材料
- 水菜 20g
- にんじん 15g
- 薄力粉 大さじ2
- 片栗粉 小さじ2
- 卵 1/2個
- 水 大さじ2
- しょうゆ 小さじ1/4
- ごま油 少々
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水菜はラップに包んで電子レンジ600Wで30秒加熱します。
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1の水菜とにんじんをみじん切りにします。
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ボウルにごま油以外の材料を入れて混ぜ合わせます。
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フライパンを熱し、ごま油を薄く敷いて3の生地を小さい目に流し込み、両面をしっかり焼きます。
離乳食が終わってからも水菜は活躍!
水菜に含まれる栄養素はご紹介した以外にも、体内の余分な塩分を排出する効果があるカリウムもたっぷり含まれています。
水菜を離乳食期から食べ慣れておけば、幼児期以降サラダに取り入れたり、家族でお鍋を囲む際にも使いやすくなります。食卓に彩りを添えたいときにも役立つでしょう。
今後の食生活のためにも、水菜の美味しさを赤ちゃんに知ってもらいましょう!