離乳食に枝豆はいつから?薄皮をむくのも忘れずに!
離乳食に枝豆はペースト状にしたり、粗く刻んだりして、赤ちゃんにも楽しんでもらえる野菜です。枝豆は、大豆をまだ青い未熟な時期に収穫したものですが、枝付きのまま扱われることが多かったために「枝豆」と呼ばれるようになりました。また、別名「夏豆」とも呼ばれ、夏に旬を迎える野菜の一つです。
旬の時期はぜひ離乳食でも新鮮な枝付きのまま茹でて濃厚な枝豆の味楽しみましょう。それ以外の季節でも冷凍食品で手軽に楽しめるのが枝豆の魅力ですから、離乳食にも上手に活用してください。
枝豆は離乳食中期(7ヶ月・8ヶ月)からOK!
枝豆は薄皮を取り除き、すりつぶせば中期ごろ、生後7カ月・8カ月頃から赤ちゃんに食べさせられます。
離乳食初期(5か月・6ヶ月)に枝豆を与えるのはNG?
枝豆そのものは調理がしやすい野菜なので、水分を加えてペーストにすれば初期の終わりころから与えることも可能です。
しかし、たんぱく質と食物繊維が多めなので消化の負担になりやすいという欠点があります。初期・中期にこだわらず、豆腐など大豆由来のたんぱく質に慣れてから与えた方が良いでしょう。
枝豆の薄皮は3歳頃まで剥いてあげよう
枝豆の薄皮を取り除かずに食べられるようになるのは、消化機能と噛む力が成長してくる3歳頃が目安です。
この頃になると手先も器用になってくるので、薄皮を自分で取り除く練習も行えるようになります。
枝豆の栄養素は?海外でも注目なヘルシー食品!
近年の外国における日本食ブームの中で、枝豆はヘルシーな食品として人気を集めています。
枝豆には、豊富なβカロテンが含まれており、他にも葉酸、ビタミンC、ビタミンB1などのビタミン類も含まれています。
また、畑の肉と呼ばれる大豆と同じように、タンパク質や鉄分もたっぷり含んでいるという特徴があります。
大豆同様に良質な植物性たんぱく質の宝庫
枝豆は、野菜類に分類されてはいるものの、ご存知の通り枝豆が成熟した大豆は良質なたんぱく源。枝豆も、重量の約10%分のたんぱく質を含んでいます。
たんぱく質は、筋肉を作る際に必要な栄養素です。離乳食期の赤ちゃんはハイハイ、つかまり立ち、一人歩きなど、一生のうちで最も筋肉の成長が著しい時期です。
たんぱく質は消化の負担となるので、与えすぎも良くありませんが、不足するのもNG。日々の食事からバランスよく摂取しましょう。
9カ月以降は赤ちゃんの貧血に注意!えだまめで手軽に鉄分
枝豆に含まれる鉄分の量は、同じ重量のゆで大豆とほとんど変わらない量です。
生後9カ月ごろから赤ちゃんは、鉄欠乏性貧血に陥りやすくなり、この時期の貧血を別名「離乳期貧血」とも呼びます。
離乳食後期以降は、鉄の豊富な食材を積極的に取り入れましょう。枝豆は非ヘム鉄を多く含み、使いやすいのでおすすめの食材です。
牛乳の70%に相当するカルシウム量
枝豆には、カルシウムもゆで大豆と同じ程度含まれています。100gあたりの含有量は、同量の牛乳と比較すると、約70%に相当する76㎎です。
ママにもおすすめ!赤血球を作るのに必要な葉酸
赤血球を作る際に必要となり、貧血の予防にも効果が期待できる栄養素が葉酸です。枝豆には葉酸がたっぷり含まれていて、その量は100gの枝豆で成人女性が1日に摂りたい量を十分に満たすことができるほどです。
大腸の調子を整える食物繊維
枝豆には、便微解消に欠かせない食物繊維もたっぷり含まれています。特に便のかさを増し、大腸の働きを促進させる不溶性食物繊維が豊富です。
便秘解消には、不溶性食物繊維2、水溶性食物1の割合での摂取が理想です。水溶性食物繊維は、りんごやいちごなどの果物や海藻類に多く含まれています。
不溶性の食物繊維は血糖値の急上昇を抑える効果も期待できます。将来的に考えると、生活習慣病予防にも役立つでしょう。
エネルギー効率を良くするビタミンB1
ビタミンB1は、ごはんやパンといった主食に多く含まれる糖質をエネルギーに変える際に必要となる栄養素です。枝豆にはそんなビタミンB1がたっぷり含まれています。
枝豆は豆類であり野菜!ビタミンCも豊富
大豆にはほとんどビタミンCが含まれていないのですが、枝豆にはビタミンCも含まれているのが特徴的です。ゆでた枝豆100gあたりには15mgのビタミンCが含まれています。
離乳食に枝豆を使う際の注意点
枝豆を離乳食で使う際には、アレルギーと誤嚥に注意しましょう。調理中や上の子が食べているときも目を離さないようにしてください。
大豆アレルギーには注意して与えよう
大豆は、食品衛生法にて「特定原材料に準ずるもの(推奨品目)」という食物アレルギーを引き起こす可能性の高い食材として取り扱われている20品目のうちの一つです。
大豆の未成熟豆である枝豆も、大豆と同様にアレルギーの可能性が高めの食材なので、赤ちゃんに初めて与える際には小さじ1程度にし、食べさせたあとは、赤ちゃんの様子に変化がないか十分に注意しましょう。
枝豆でむせちゃった!?豆類の誤嚥には注意しよう
食べ物が食道ではなく、気管や気管支などに誤って入ってしまうことを誤嚥(ごえん)と言います。
枝豆は粒が小さいため、粒の状態で赤ちゃんが食べてしまうと、のどに詰まらせてしまう危険があります。また、粒が食道ではなく、気管などに入ってしまい、そのまま放置すると肺の炎症などを引き起こす可能性もあります。
誤嚥を防ぐためには?
消費者庁も、乳幼児ヘの豆類の与え方について注意喚起を行っています。特に注意が必要なのでは、ピーナッツですが、枝豆も赤ちゃんに粒のまま食べさせるのは控えた方が良いでしょう。
少し大きくなった幼児が食べる際も、食べることに集中させ、よく噛んで飲み込んでいるか注意してあげましょう
調理の際に誤って床に落とす、大人やお姉ちゃんやお兄ちゃんが食べる際に、赤ちゃんがつまんで食べてしまうといったことのないよう気を付けてください。
離乳食の枝豆の下処理・保存方法
離乳食に枝豆を使う場合の茹で方や調理・塩抜きのポイント、市販の冷凍枝豆の選び方を解説します。
下ごしらえは薄皮まで取り除く!
枝豆の薄皮は消化しにくく、すりつぶすことも難しいため、離乳食では必ず取り除くようにしましょう。
生鮮の枝豆の使い方
市販の冷凍枝豆はもちろん使っていいのですが、旬の時期には生鮮の枝豆を茹でて赤ちゃんにも食べさせてあげましょう。
茹で方~離乳食用は塩を加えず、茹で時間は長め
生鮮の枝豆を茹でる場合は、塩を加えずにたっぷりの湯で茹でましょう。柔らかめに仕上がるようにゆで時間は長め、10分程が目安です。
冷凍する際は薄皮を剥いて、潰しておくと使いやすい
生鮮の枝豆は、茹でて冷凍保存しておくと便利です。
冷ましてサヤのまま密閉袋に入れておくのが一般的ですが、離乳食用に薄皮まで取り除いた豆や月齢に合わせてペーストにしたり、刻んだ豆を製氷皿などに小分けにしておくと使い勝手が更によくなります。
家庭で加熱したものを冷凍する場合は、2週間程度を目安に使い切るようにしましょう。
冷凍枝豆の使い方
生鮮の枝豆は、スーパーなどに出回る時期が限られています。そのため、離乳食には冷凍の枝豆を使っても構いません。
品質管理がしっかりされているものなら、大量に収穫される旬の時期に茹でて、急速冷凍しているはずですので、栄養価も維持されています。
冷凍枝豆の選び方
- 塩なしで茹でているもの又はサヤごと塩ゆでされたもの
赤ちゃんに与える枝豆は、塩味がついている必要はありません。しかし、冷凍の枝豆のほとんどが塩茹でされている商品です。塩抜きすることを前提に、サヤのまま塩ゆでされている一般的な冷凍枝豆を購入するのが現実的です。
- 国産がおすすめ
食品衛生法によって、日本では外国産・日本産を問わず、食品を販売する際には農薬や添加物についての基準値が定められています。しかし、輸入時の検査に関しては万全ではなく、基準値を超える残留農薬が外国産の冷凍野菜から検出された例もあります。
最近では北海道産や九州産の品質にこだわった冷凍枝豆もスーパーで比較的手ごろな価格で購入できるようになりました。なにをどの程度気にするかはそれぞれですが、より安全性に気を使いたい方は、国産かつ産地が明確な商品を選びましょう。
枝豆の塩抜きは必須
冷凍食品の枝豆も、サヤと薄皮を取り除けば塩分は大幅にカットできます。
解凍してサヤと薄皮を取り除いた枝豆を、小鍋で茹でるか、ボウルの中に入れて熱湯を注いで塩抜きしましょう。
冷凍枝豆の再冷凍はしない!
解凍した枝豆をそのまま再冷凍するのはおすすめできません。しかし、薄皮を取ったものなら冷凍保存も可能です。
離乳食用にする場合は、刻んだり、ペーストして冷凍保存すると使いやすくなります。2週間程度で使い切るようにしましょう。
離乳食の枝豆レシピ
栄養たっぷりで冷凍食品も利用できる枝豆。より栄養価をUPさせて、食べやすい離乳食に仕上げるポイントをレシピと共にご紹介します。
離乳食の枝豆のかたさの目安
離乳食中期(7~8カ月) | |
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柔らかく茹でてすりつぶします。 |
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離乳食後期(9~11ヶ月) | |
柔らかく茹でて2~3ミリ程度に細かく刻みます。 |
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離乳食完了期(12~18ヶ月) | |
柔らかく茹でて5ミリ程度に粗く刻みます。 |
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枝豆と相性の良い食材は?
枝豆はそのまま食べてもおいしく食べられますが、離乳食ではすり潰したり、細かく刻むので、他の食材と組み合わせた方が食べやすくなります。味や栄養素の面から一緒に組み合わせて食べるのに特にオススメの食材をご紹介します。
糖質食材(ごはん・芋類)
枝豆に含まれるビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える際に必要な栄養素です。枝豆にはあまり糖質が含まれていないため、枝豆にたっぷり含まれているビタミンB1を有効活用するために、ごはんやパンといった主食、芋類と一緒に摂取するのがおすすめです。
動物性たんぱく質
枝豆にもたんぱく質は含まれていますが、卵や肉、魚といった動物性のたんぱく質と組み合わせると枝豆に含まれる鉄分の吸収率がUPする効果があります。
緑黄色野菜
枝豆にもβカロテンやビタミンCが含まれていますが、その量は緑黄色野菜には及ばないため、組み合わせがおすすめです。
中期(7カ月・8カ月)の枝豆レシピ
中期の枝豆はすりつぶした状態なので、水分の多いものと組み合わせると飲み込みやすくなります。お粥などにのせてもいいですし、同時期に旬を迎えるトマトなどもおすすめです。
枝豆とトマトのとろとろ
材料
- 枝豆 5粒
- トマト(湯むき後) 20g
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トマトは湯むきして皮と種を取り除きつぶします。
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枝豆はすりつぶし、トマトと混ぜ合わせます。
後期(9カ月~11ヶ月)の枝豆レシピ
かぼちゃは糖質の多い緑黄色野菜であり、枝豆と同じ夏に旬を迎えます。栄養価の面でも、一緒に摂ることで枝豆のビタミンB1を有効に活用し、糖質をエネルギーに変換できます。
えだまめとかぼちゃのマッシュボール
材料
- 枝豆 10粒
- かぼちゃ 20g
- 牛乳 小さじ1
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枝豆は細かく刻みます。
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かぼちゃはラップに包んで電子レンジ600Wで1分程度加熱し、ラップの上からつぶします。
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かぼちゃが温かいうちにボウルに材料をすべて入れて混ぜ合せ、赤ちゃんの一口大に丸めます。
枝豆蒸しパン
材料
- 小麦粉 大さじ2
- ベーキングパウダー 小さじ1/5
- 砂糖 ひとつまみ
- 枝豆 10粒
- 絹ごし豆腐 大さじ1
- 牛乳 大さじ1
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薄力粉、ベーキングパウダーをナイロン袋か小さい蓋つきタッパーに入れてふり混ぜます。
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枝豆を細かく刻んでボウルにいれ、材料をすべて入れて混ぜ合わせます。
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耐熱容器に2を流し入れてふんわりとラップをかけ、電子レンジ600Wで1分加熱します。
完了期(1歳以降)の枝豆レシピ
1歳を過ぎると枝豆は粗く刻めばいいだけなので、おやきやおにぎりに混ぜれば良いアクセントになります。炭水化物だけでなく、他の野菜類とも組み合わせると更に栄養満点な一品となります。
枝豆とひじきのおにぎり
材料
- 枝豆 10粒
- 乾燥ひじき 1g(水でもどして10g程度)
- にんじん 10g
- だし汁 大さじ1
- しょうゆ 小さじ1/4
- さとう 小さじ1/4
- サラダ油
- ごはん 80g
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ひじきは水で戻し、枝豆とにんじんと共に細かく刻みます
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小鍋にサラダ油を入れ、ひじきとにんじんを軽く炒め、だし汁、砂糖、しょうゆを加え水気がなくなるまで煮詰めます。
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ボウルにごはんと2を入れて混ぜ合わせ、赤ちゃんの一口サイズのおにぎりを作ります。
枝豆入り鶏つくね
材料
- 鶏ひき肉 20g
- 枝豆 10粒
- 卵 1/4個
- 塩 少々
- サラダ油 少々
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枝豆は粗く刻みます。
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ボウルに鶏ひき肉、枝豆、卵、塩を入れて混ぜ合わせ、赤ちゃんの一口大に成型します。
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フライパンを熱してサラダ油を敷き、2を両面しっかり焼きます。
離乳食はもちろん枝豆は幼児期の食育にも活躍!
枝豆は、茹でるとそのまますりつぶせるくらいの柔らかさに仕上げることができます。
離乳食期では、柔らかさと彩りの良さ、栄養価の高さが大きなメリットです。その後、幼児食に移行すると、粒のまま食べられるという点を利用して、お箸やフォークの練習にもなります。
お手伝いに興味を持つようになったら、枝豆をさやから出すという作業をお願いすると手先の器用さを鍛えられます。枝豆の触り心地や匂いなど、五感を使いながら食材に触れることで食育にもなります。枝豆は育てやすい作物なので、家庭菜園に挑戦してみるのもおすすめです。
日本人に馴染み深い食品ですから、ぜひ離乳食期から枝豆の美味しさを赤ちゃんに伝えてください!