離乳食のなすレシピ
離乳食でなすは皮ごと食べたい!アクや変色を抑える調理術
離乳食のなすはいつから食べられるのか、皮や種はいつまで取り除くべきか、初期・中期・後期・完了期のなすの離乳食レシピを紹介。なすの苦味や変色・色移りを抑えるためにはあく抜きなどの下処理が大切です。茹でて冷凍しておき、だし煮やチーズ焼き、焼きなすなど、なすの離乳食を楽しみましょう。
離乳食になすはいつからがオススメ?種や皮はどうする?
離乳食になすは柔らかいので使いやすいようにも思う一方、アクが強く独特の食感のために赤ちゃんが食べてくれるか心配な方もいるでしょう。
確かに幼児期や学童期になると「なすが嫌い」という子は増え、民間企業が小学生を対象とした『嫌いな野菜ランキング』では、「なす・なすび」は必ずと言っていいほどトップ10にランクインする野菜です。ですが、反対に『大人の好きな野菜ランキング』ではトップ10入りを果たしていることも多く、食べ慣れているかどうかがなすを美味しく感じるかの分かれ道ともいえるでしょう。
なすの旬は夏(主に6~9月)ですが、ハウス栽培も盛んなため1年中手に入れることができる野菜ですし、焼きなす・素揚げ・漬物などの和風レシピはもちろん、ミートソース・ラタトゥイユなどの洋風レシピなど調理の幅がとても広いのも魅力です。
美味しい離乳食で赤ちゃんの頃から、なすの味や食感に慣れしたしんでもらいましょう!なすを離乳食で使い始める際に、気を付けるべきポイントを紹介します。
なすはいつから?初期もアリだが皮をむいて中期からがオススメ
なすは皮をむいて加熱すると柔らかくなるため、離乳食中期にあたる月齢7ヶ月以降(離乳食開始後1ヶ月~2ヶ月)を目安にスタートしましょう。大人用に調理するときはアク抜きが適当でも油で調理するなら気にならないことも多いですが、赤ちゃんはアクやえぐみを敏感に感じ取りますし、油を使った調理もできないので、必ずしっかり水に浸してから加熱する必要があります。
なすは離乳食初期からペースト状にして食べさせることもできるので、7ヶ月以前に与えていけない野菜という訳ではありませんし、離乳食初期・月齢6ヶ月頃に与えても大きな問題はありません。
ただ、初期はかぼちゃやさつまいも、にんじん、玉ねぎなど赤ちゃんが受け入れやすい緑黄色野菜・淡色野菜が多数あります。まずは、赤ちゃんに離乳食を楽しんでもらうことが大切なので、なす・なすびは食べられる食材が増えて、離乳食に慣れてからチャレンジするのがおすすめです!
なすの種はそのまま食べてOKだが、多いときは取り除く
なすの種は小さく柔らかいので、誤嚥する可能性も低く、少量であれば消化の面でも気にすることはありません。ですが、切った際に黒ブツブツとした種があまりにも多いときには、食感や消化面を考えて、離乳食後期(9カ月)までは取り除いてあげても良いでしょう。
実はなすはヘタに近い方が種は少なめなので、ヘタに近い方を離乳食用にして、残りを通常の調理に使うというのが賢い調理方法です!
皮はいつから?後期ごろから様子を見ながら始めていこう!
なすの皮は固いので、歯茎で噛むことができるようになる離乳食後期9ヶ月以降から少しずつ皮つきのものも取り入れて、赤ちゃんに慣れてもらいましょう。
野菜は皮や皮に近い部分ほど栄養価が高く、なすの皮には抗酸化作用のあるポリフェノールなども含まれているので、離乳食後期以降は皮も少しずつ赤ちゃんに食べさせていくことをおすすめします。
離乳食用なすの選び方|水分たっぷりの新鮮なものを選ぼう!
なすは水分が少ないものを選ぶと固くて種が目立ってしまうので食べにくく、離乳食用に調理するのが難しくなります。購入する際は、ヘタや皮の色から新鮮なものを選んでください。
新鮮なナス3つの特徴
- へたの切り口にみずみずしさがあって、棘がピンと立っている
- 皮の色が鮮やかな濃い紫色で、つやがある
- 表面に傷がない
離乳食のなすの下ごしらえ・保存方法
離乳食になすを使いたい場合は、事前のあく抜きや変色予防が必要で、下処理すればカットしたり、すりつぶしたものの冷凍も可能です。初期~後期に使う際の下ごしらえの方法をご紹介します。
なすは冷やしすぎNG!冷暗所か冷蔵庫の野菜室で保存すること
なすは熱帯原産の野菜なので低温に弱く、10度前後が保存に適した温度です。5度以下で保存すると低温障害を起こし、茶色くなるなどの変色が起こり、劣化が進んでしまいます。
日の当たらない涼しい場所での保存がベストですが、難しい場合は冷蔵庫の野菜室(6~7度)で保存するようにしましょう。1個ずつラップでくるむと、ヘタの切り口からの水分の蒸発を予防でき、瑞々しさが保てます。
なすのあく抜きは水に浸すか、塩をふるだけなので簡単!
ナスにはアクのもとであるクロロゲン酸という物質が含まれています。アクはえぐみのもとるので、離乳食で使う場合には赤ちゃんに食べやすくするためにもあく抜きを忘れないようにしましょう。
また、切ったなすをそのままにしておくと、やはりクロロゲン酸の働きにより切り口が茶色く変色してしまいます。風味が落ち、見た目も良くありませんので、なすのあく抜きは手早く行うことを心がけましょう。
離乳食に最もオススメなのは切って10分水に浸す方法
クロロゲン酸は水に溶けやすいという性質があるので、切ったなすは水に10分程度浸してあく抜きをします。なすは軽く、浮かびやすいので、切り口が空気に触れないよう布巾やキッチンペーパーなどでふたをするとより効果的で、変色予防になります。
時間がないときに良いかも?塩であく抜きする方法
短時間であく抜きしたい場合は、なすの切り口に軽く塩をふりかけると、水分と一緒にアクが出てくるので、洗い流せばOKです!塩水につける方法もあり、この方法だと水のみの時に比べて約半分の時間、5分程度であく抜きできます。
皮ごと料理したら美味しくなさそうに…なすの変色は酸と油で防ぐ!
皮ごとなすを徴した場合、切ったとき、あく抜きしたときは大丈夫だったのに、仕上がった離乳食や料理を見ると「色が悪い」ということはありませんか?
変色・色移りの原因となるのは「ナスニン」という色素
なすの皮にはアントシアンの1つである「ナスニン」という色素が含まれており、なすをつややかに美味しそうに見せるのに一役買ってくれますが、上手く調理しないと変色や色移りの原因になることもあります。
見た目にこだわりたいなら油・レモン汁・塩が使える
皮ごと調理する際の変色を防ぐためには、皮を薄く油でコーティングする、もしくはレモン汁や塩などの酸に浸すという方法があります。
また、なすを皮ごと調理する場合はアルミ製の鍋を使うとアルミと反応して煮汁が黒くなってしまうので注意しましょう。
調理中になすが変色・色移りした場合、確かに見た目は良くないのですが、安全性には問題はありません。特にこだわりがない方は、そのまま食べてしまいましょう。
なすはピーラーで皮をむいて熱湯で茹でて下処理
なすの皮は薄いので、包丁よりもピーラーを使うと向きやすくなります。なすを離乳食に使うことができる状態に仕上げるための下ごしらえの方法をご紹介します。
なす1本をピーラーで皮をむきます。
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1を角切りにし、水をたっぷり入れたボウルに10分浸します。写真ではわかりやすくそのままにしていますが、うえにキッチンペーパーを置くと変色予防になります。
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鍋に水を沸騰させ、なすを5分程度茹でます。
なすは冷凍保存もOK!2週間を目安に使い切ろう!
離乳食で使うなすは、皮をむいてゆでたものであれば冷凍保存が可能です。
食べやすい大きさに切る、すりつぶすといった使いやすいサイズにしてから、フリーザーパックや製氷皿に入れて冷凍すれば2種間程度保存が可能です。
離乳食のなすレシピ!初期・中期・後期・完了期の使い方
なすを離乳食で使う際に気になるのがかたさや大きさ、量についてご紹介します。
量については厚生労働省が策定した「授乳・離乳の支援ガイド」に記載のある離乳食1食当たりの野菜の摂取量を掲載しているに過ぎません。なす単品で中期15g、後期30g、完了期50g使うよりは、1食に2~3種類の野菜、特にビタミン類やミネラルの含有量が多い緑黄色野菜と組み合わせていくのがおすすめです。
離乳食でなすを与えるときの量とかたさ目安
離乳食中期(7~8ヶ月) | |
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フォークの背などを使い粗めのすりつぶしか、2㎜程度に細かく刻みます。少し噛めばスルリと飲み込める程度です。1食15g程度。 | |
離乳食後期(9~11ヶ月) | |
5㎜角程度にし、大人が舌でつぶせる程度のものから始めましょう。皮を混ぜても構いません。1食30g程度。 | |
離乳食完了期(1歳~) | |
8㎜角程度にし、皮を混ぜてもOK。茹で卵の白身ぐらいの硬さにします。なすだけなら多くても50g程度 |
初期(6ヶ月)のなすレシピ・ペーストにして苦味がないか味見は必須!
初期からなすを使いたい場合は、柔らかく茹でて、すり鉢ですり潰し、ペースト状にする必要があります。鮮度の良くなかったり、アクがしっかり抜けていないと苦味が残ってしまうので、味見をしてから赤ちゃんに与えるようにしましょう。すり潰す際に、だし汁やミルクを加えてもOKです。
なすのペースト
材料
- 下ごしらえ済みのなす 15g
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なすをすりつぶします。
中期(7~8か月)のなすレシピ・豆腐やツナなどのたんぱく質と組み合わせ!
7ヶ月以降は、調理が簡単な豆腐や中期以降に食べられるツナ缶などのタンパク質食材と一緒に出し汁で煮込む調理方法がおすすめです。レシピは「なすと豆腐の煮びたし」ですが、豆腐をツナに替えても、ツナの出汁によって味付けの必要なくおいしく食べられます。
なすと豆腐の煮びたし
材料
- 下ごしらえ済みのなす 15g
- 絹ごし豆腐 大さじ1
- だし 1/4カップ
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ナスと豆腐は2㎜角程度に刻みます
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小鍋にだしと1をいれて水分が半分程度になるまで煮ます。
後期(9カ月~11ヶ月)のなすレシピ・皮ごと使って栄養を余さず摂ろう
後期になり、歯茎で噛めるようになってきたら皮も使った調理が可能になります。皮を取り入れるときに量が気になる場合は、ピーラーで一部をむいて少量から取り入れましょう。
なす・ピーマン・鶏ひき肉の味噌炒め煮
鶏ひき肉など、味噌炒め・肉味噌など、なすの定番料理を離乳食で作れるようになります。肉汁を吸い込んだなすの美味しさは格別なので、今までなすの味を好まなかった赤ちゃんにも食べさせてみてください。
材料
- なす 20g
- ピーマン 10g
- 鶏ひき肉 15g
- 砂糖 小さじ 1/4
- 味噌 小さじ 1/4
- だし汁 大さじ2
- 水溶き片栗粉(片栗粉 小さじ1/2 水 小さじ1)
- サラダ油 少々
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なすは薄くいちょう切りにして水煮10分浸してアクを抜き、ピーマンは5㎜角に切ります。
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フライパンにサラダ油を薄く敷き、鶏ひき肉、なす、ピーマンを炒め、だし汁と砂糖、味噌を加えてひと煮たちしたら水溶き片栗粉でとろみをつけます。
取り分け離乳食に!フライパンで焼きなす
取り分け離乳食のレシピで、分量は大人2人+赤ちゃん1人分です。単に焼いただけなのに、ジューシーでとっても美味しいので、赤ちゃんもなすの魅力に目覚めてくれるでしょう!
材料
- なす 2本
- かつおぶし 1パック
- 醤油 適量
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なすはへたを切り落とします。
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フライパンにオーブンシートを敷き、なすを置いて中火で10~15分、蓋をして時々ひっくり返しながら蒸し焼きにします。
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フライパンの蓋を閉じたまま焼きあがったなすを冷まし、皮をむいて離乳食用に30g分、5㎜程度に刻んでかつおぶしと醤油をかけます。
完了期(1歳以降)のなすレシピ・油や調味料を活かそう!
完了期頃になると調味料や油脂を使って、なすをより美味しく食べやすく仕上げられるようになります。また、なすを使った野菜デザートもご紹介します。
なすとトマトのチーズ焼き
なす・トマト・チーズ、この3つは定番の組合せで大好きな方も多いことでしょう。赤ちゃんにもぜひこの黄金トリオの美味しさを味わってもらいましょう。大き目になすを切れば、大人用の一品も完成します!
材料
- なす 1/4本
- トマト 小1個
- スライスチーズ 1/2枚
- オリーブオイル 少々
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なすは8㎜角に切って水に10分浸してアクを抜き、水気をふき取ってなすの皮の部分に薄くオリーブオイルを薄く塗ります。耐熱容器においてふんわりとラップをかけて電子レンジ600Wで1分加熱します。
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トマトは湯むきして種と皮を取り除き、粗く刻みます
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耐熱容器になす、トマト、チーズの順に入れ、オーブントースター900Wで5分焼きます。
まさかの野菜デザート!なすのゼリー
加熱したなすがりんごと食感が似ていることを活かした、おやつにおすすめなゼリーのレシピです。「なすをゼリーに!?」と驚くかもしれませんが、赤ちゃんは良くも悪くも食べ物への先入観がありませんから、おいしければ食べてくれますので1度お試しを!
材料
分量はゼリー5個分/大人用には生クリームなどを乗せてもOK!
- なす1本
- レモン汁 大さじ1
- 砂糖 大さじ1と1/2
- ゼラチン 5g
- お湯 3/4カップ(150cc)
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なすは5㎜程度のいちょう切りにして水に10分程度浸してあく抜きをします。
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1の水気を切って耐熱容器に入れ、砂糖とレモン汁と混ぜ合わせます。その後、ふんわりとラップをかけて電子レンジ600Wで5分加熱して一旦取り出し、ラップをはずしてさらに1分加熱します。
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2を氷水に容器ごと浸して粗熱を取ります。
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ボウルにお湯をいれゼラチンを加えてふやかし、粗熱を取ったなすと混ぜ合わせます。ゼリー容器に流し込んで粗熱が取れたら冷蔵庫で1時間~2時間程度冷やして固めます。
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