子供のシャンプーの基礎知識を覚えよう
大人よりも何倍も細い子供の髪。大人のシャンプーをそのまま使用しても大丈夫なのかと不安になることはありませんか。子供のシャンプーは大人のものと同じで大丈夫なのか、そして、子供のためのシャンプーを買うときはどのように選べばよいのか、シャンプーのやり方について見ていきましょう。
ベビーシャンプーから切り替えるタイミングは物足りなさを感じた時
生まれたばかりのときは、髪の毛も少なく長さも短いですので、ベビー用のシャンプーで全身洗っていたという方が多いでしょう。赤ちゃんを抱っこしながら洗いますので、頭と体を別々の洗浄剤で分けることも難しく、低刺激なベビー用シャンプー1本で頭から顔、首、体、足をやさしくこすって洗い上げます。
ですが、徐々に髪が濃くなり、活発に動くようになると、ベビー用のシャンプーでは頭皮の独特のにおいがキレイに落ちなくなってしまいます。そのように、ベビー用シャンプーに物足りなさを感じ始めるタイミングで赤ちゃん用の全身洗浄剤を卒業し、子供用のシャンプーやボディーシャンプーに切り替えていくのが自然な流れと言えるでしょう。
切り替えるシャンプーは子供用か大人用か
赤ちゃん用の全身洗浄剤を卒業した後は、体は大人と同じ石鹸やボディーシャンプーで問題ありません。スクラブ入りのボディーシャンプーや清涼成分(ミントから抽出された成分等)が多めに入っているボディーシャンプーは、子供には刺激が強すぎますので避ける方が良いでしょう。
体を洗う洗浄剤は目に入ることは少ないですが、頭皮に使用するシャンプーは目に入る可能性があります。大人用のシャンプーは目に入ると痛くなってしまうことがありますので、目に入っても痛くない子供用のシャンプーを選んでください。
子供のシャンプーは大人用シャンプーを薄めてもOK
子供用のシャンプーは、意外と高額です。容量は大人のシャンプーよりも少ないのに、価格は大人のシャンプー以上ということもしばしば見られます。「わざわざ子供用のシャンプーを買いたくないな・・・」という方は、洗面器に大人用のシャンプーを1プッシュ入れ、お湯を100mlほど足してから、よく手でかき混ぜて泡立ててから使うという方法があります。
子供の髪を充分に濡らしてから、泡立てた大人用シャンプーを乗せて地肌をやさしく洗いましょう。子供の髪を充分に濡らしていないまま泡立てたシャンプーを乗せると、泡がつぶれてしまい、キレイに洗えなくなってしまいます。
子供のシャンプーにトリートメントを使う?使わない?
子供の髪はシャンプーだけでも充分にキレイになりますが、細すぎてもつれやすい髪や長く伸ばしている髪の子供は、シャンプーの後にトリートメントを使用しても良いでしょう。もちろん、子供用のトリートメントなら目に入っても痛くなりにくいので安心ですが、子供用のトリートメントがない場合でもお湯で2、3倍に薄めてから使用すれば、初めてトリートメントを使用する子供でも特に抵抗なく使えます。
子供のシャンプー正しい洗い方・子供が嫌がるときの対策
では、シャンプーでの正しい子供の頭の洗い方について見ていきましょう。また、子供がシャンプーを嫌がる場合の対策についても探っていきましょう。
シャンプーで子供の髪と地肌を洗う手順
シャンプーで頭部をキレイにするには、キレイにするための作法と順序があります。子供はもちろん大人も、作法に則って頭をキレイにしていきましょう。
1.髪を粗くとかす
髪がもつれた状態でシャンプーをすると、さらにもつれがひどくなってしまいます。また、もつれた部分をキレイに洗うことができませんので、シャンプーしてもイヤな臭いや汚れが残ってしまうことにもなります。お風呂やシャワーをする前には、必ず粗めのくしやブラシで髪を梳き、もつれのない状態にしておきましょう。
2.髪を充分に濡らす
髪をぬらさないまま髪にシャンプーをつけると、地肌にシャンプーの成分が直接触れることになってしまいます。肌が敏感な子供なら、かゆみや痛みなどの刺激を感じることもありますから、髪を充分に濡らしてからシャンプーをつけるようにしてください。
また、髪が充分に濡れていないと、シャンプーが泡立つまでに時間がかかることもあります。髪を余計な摩擦で痛めてしまわないためにも、シャワーなどで充分に濡らしてからシャンプーを使うようにしましょう。
3.シャンプーで地肌を丁寧に洗う
髪の汚れはお湯で簡単に取れますが、地肌の汚れはしっかりとシャンプーで取り除く必要があります。耳周りや生え際、頭頂部、こめかみ部分など、洗い残しがないように丁寧に洗っていきましょう。
4.シャンプーの泡を流す
泡が残らないように、丁寧にシャワーで洗い流していきます。シャンプーが泡立っていない場合もありますから、丁寧に髪をさわってヌルヌルした部分がなくなるようにシャワーをかけましょう。
5.トリートメントが必要な場合
髪がもつれやすい場合や長い場合など、トリートメントをするときはシャンプーのすすぎを完全に終えてから始めます。まずはトリートメントを10円玉から500円玉大、手に取り、髪全体に馴染ませます。馴染ませにくいときは、トリートメントを2、3倍のお湯で薄めてから髪全体に塗り込みます。その後、シャワーで流し残しがないようにキレイに流しましょう。
子供がシャンプーを嫌がる場合の3つの対策
お風呂は喜んで入るけれど、シャンプーとなると嫌がってしまうという子供がいます。また、シャンプーが嫌なばかりに「お風呂に入りたくない」とぐずる子供もいるでしょう。子供がシャンプーを嫌がるときは、どのような対策を取ることができるでしょうか。
顔に水がかかるのが嫌な場合
顔に水がかかるのが嫌で、シャンプーをしたくないと言う子供は少なくありません。そのような子供にはシャンプーハットを使ったり、シャワーで流すときだけタオルで顔を隠したりすることができるでしょう。
ただし、シャンプーハットを使うと、シャンプーハットが頭に当たっている部分は上手に洗えないというデメリットがあります。顔にシャンプーや水がかからないように注意しながら、シャンプーハット部分の髪を洗うなどの対策を取りましょう。
タオルで顔を隠して顔に水がかかるのを避ける場合は、強くタオルを当てすぎて、息が苦しくなってしまわないように注意して下さい。また、髪を手早く洗わないと、子供がまっくらで過ごす時間が長くなってしまいます。何も見えない状態でいる恐怖感を子供に与えないためにも、手早く洗うか、目の上にタオルを当てるなどの工夫が必要になるでしょう。
シャンプーが目にしみる場合
シャンプーが目にしみるから、シャンプーをすることが嫌いになってしまった子供もいます。このような子供には、目にしみにくい子供用のシャンプーを使ったり、大人のシャンプーを数倍に薄めて使用してください。
また、目の周りをタオルで覆ったり、水泳用のゴーグルを掛けたりすることも良いでしょう。ある程度の年齢になったら、お湯でシャンプーを流すときだけ目をつぶるように指導することもできます。
シャワー自体を嫌がる場合
シャンプーがというよりは、シャワー自体が嫌という子供もいます。この原因としては、シャワーの温度と水の勢い、シャワーの音が苦手だということが考えられます。まずシャワーの温度ですが、子供は大人よりも熱さに敏感なことが多く、大人にとってはちょうど良い温度でも、子供にとっては熱すぎるということがあります。大人が使うときよりも1、2度ほど温度を下げてシャワーを利用するようにしましょう。
次に水の勢いですが、これも、子供は大人よりも敏感に察知しますので、大人にとっては心地よい水勢でも、子供にとっては痛い可能性があります。シャワーの水量を3分の2ほどに落として水勢を弱くしてから子供にかけるようにしましょう。
最後に、シャワーの音が苦手な場合は、シャワーの水量を減らすことで音を減らすことができます。また、シャワーを流すときにお母さんやお父さんが子供に話しかけたり歌ったりして、シャワーの音をかきけすこともできるでしょう。お風呂場は音が反響しますので、大人には気にならない音でも、子供には反響して頭が痛くなるほど大きな音に聞こえていることがあるのです。子供が大きな音で不安を感じないように工夫して下さいね。
子供のシャンプーは乾かし方にも注意しよう
髪を洗うときだけでなく、乾かし方にも作法があります。子供のサラサラの髪をさらにキレイにサラサラにするためにも、丁寧に乾かしていきましょう。
まずはタオルでしっかりと水分を取る
ドライヤーを当てる時間が長引けば長引くほど、髪は熱によるダメージを受けてしまいます。少しでもドライヤーを当てる時間を短くするためにも、まずはタオルでしっかりと髪の水分を取りましょう。髪を濡れたまま放置しておくと、冬場は風邪をひきやすくなってしまいますし、夏場も頭皮に雑菌が繁殖する原因になってしまいます。頭を洗ったら、なるべくすぐに乾かすようにしたいものです。
タオルで髪を乾かすときは、まずはタオルで髪を挟みこみ、ゆっくりと押して水分をタオルに染み込ませます。髪をこすり合わせるようにして乾かすと、髪の表面を傷つけてしまいますので、絶対にしないようにしてください。
髪の水分がほとんど取れたら、次は地肌を軽くタオルで拭きます。つめを立てないように注意して、指の腹でもみこむように水分をタオルに染み込ませていきます。
ドライヤーで仕上げる
タオルでしっかりと髪を乾かしたら、仕上げにドライヤーを使用します。ドライヤーは、髪から必ず15センチメートル以上離し、髪の表面の温度が高くなりすぎないように注意します。温度を調整できるドライヤーを使用するときは、低温から中温にダイヤルを合わせ、髪に熱風が当たらないように配慮しましょう。
また、ドライヤーを髪の同じ部分に連続して当てないことも大切です。髪全体を行ったり来たりしながら、まんべんなくドライヤーの風が当たるように工夫して下さい。特に夏場は温度が高くなりますので、ドライヤーの余熱で髪自体の水分まで奪われてしまうことがあります。
ドライヤーで髪を乾かし切ってしまうのではなく、髪先が少しだけ湿った状態でドライヤー乾燥を止めるようにしてください。
手ぐしもしくは目の粗いくしで梳かす
ドライヤーで髪を乾かすとき、手ぐしで髪をほぐしながら乾かすようにしてください。髪を軽くほぐすことで、髪の表面の温度が上がり過ぎることを防げますし、髪を早く乾かすことができます。
もつれやすい髪質の場合は、髪が完全に乾くまで一度も髪をとかさないと、もつれがひどくなってしまうこともあります。また、もつれがほどけず、もつれ部分を切らなくてはならなくなることだってあります。乾かし切ってしまう前に、何度か手ぐしや目の粗いくしで梳かすようにしてください。
ドライヤーの風が苦手な子供は?
ドライヤーの風が苦手な子供もいます。背中に温風が当たることが気持ち悪く感じることもありますし、濡れた髪で背中が濡れることが気持ち悪いと感じることもあります。そのような子供には、ドライヤーを当てるときにタオルを肩にかけてあげるようにしましょう。タオルがドライヤーの熱が直接背中に当たることを防ぎますし、濡れた髪で背中が濡れてしまうことも防げます。
丁寧なシャンプーで子供のサラサラ髪を守ろう
子供がシャンプーを嫌がる場合は、つい、「今日一日くらいはシャンプーをしなくても良いかな?」と思ってしまいますよね。ですが、子供は汗をかきやすく、特に頭皮から汗を大量にかきますので、毎日シャンプーでキレイに洗わないと、頭皮にかゆみや湿疹が生じてしまいます。
皮脂を放置することで独特のイヤな臭いが発生するし、フケが出てしまうこともあるでしょう。子供が嫌がってもなるべく毎日1回はシャンプーで頭部をキレイにするようにしてください。
キレイに髪や頭皮を洗い、丁寧にシャンプー・トリートメントでケアをすることが、子供特有のサラサラとした髪をキープすることにつながります。もちろん栄養バランスの良い食事や規則正しい生活、充分な睡眠量なども髪質に影響しますが、頭皮や髪のケアはダイレクトに髪質に影響を与えます。面倒でも子供が嫌がっても、こまめに丁寧にケアをするように心がけたいものです。