離乳食の牛肉レシピ
離乳食に牛肉はいつから?後期・完了期の旨味たっぷりレシピ
離乳食に牛肉はいつから使えるのか、豚肉と牛肉を食べさせる順番、脂身が少ない赤身肉とはどのような部位なのか解説し、離乳食にはももや肩の薄切り肉がおすすめなことを紹介。後期・完了期の簡単で冷凍保存しやすい離乳食レシピや牛肉を柔らかくする方法、安心な牛肉を選ぶための知識もお伝えします。
離乳食に牛肉はいつから?後期・完了期から使える部位
牛肉はたんぱく質や鉄分が豊富な栄養価の高い食材ですが、部位によっては脂身も多いため赤ちゃんにとっては消化の負担となりやすく、鶏肉よりは後に与えた方がよい肉類にあたります。
牛肉は豚肉よりも先に離乳食に使うべき?肉類を与える順番
鶏肉が1番先に与えるべき肉類なのは間違いありませんが、それ以降に牛肉と豚肉どちらを先に与えた方がいいか悩む方もいます。しかし、後期以降なら牛・豚どちらが先でも構わず、あまり神経質になる必要はないでしょう。
一般的にいうと「鶏→牛→豚」と言われますが、牛も豚もどちらも離乳食後期から与えて良い食材で、基本どちらも脂の少ない「赤身肉」を使用します。牛か豚よりも、食べさせる部位や量に気を付けるのが正解です。
牛肉を食べる頻度が少ない家庭もあるでしょうから、豚ももや豚ヒレを牛肉より先に食べさせたとしても問題はありません。
牛ヒレや牛モモの赤身・レバーなら離乳食後期からOK!
牛肉は部位によって脂の量に差があるので、離乳食で与え始める時期が異なります。1番最初に牛肉を与えられるのは、生後9ヶ月以降の離乳食後期からで、使えるのは牛ひれ・もも・肩などの赤身肉、それ以外はレバーも使って構いません。
比較的脂の少ないヒレ・もも・肩からスタートしよう!
ヒレ・もも・肩肉は、牛肉の中でも脂身が少なく、赤身が多いので、離乳食後期(生後9ヶ月~11ヶ月)から与え始めてOKです。
ただし、脂少なめと言っても、鶏のむね肉や豚の赤身の部分に比べると5倍以上の脂質を含んでいるので、初めて与える際や後期頃は下茹でして余計な脂を落としてあげた方が良いでしょう。
牛ひき肉を使いたいときは手作りがオススメ
離乳食ではひき肉が便利ですが、市販の牛ひき肉は脂質が多いので完了期以降に使った方が良い食品です。後期のうちに牛ひき肉を使った離乳食を作りたい場合は、赤身の部分を細かく刻んでたたいたものを使うようにしましょう。大量に作る場合はフードプロセッサーを使うと時短になります。
牛レバーもOK!赤ちゃんの貧血予防に使える食材
鉄分が多く脂も少ない上に、貧血予防にもおすすめで、後期から使うことができます。ただし、ビタミンAが多いので摂取しすぎないように注意が必要な部位です。
牛ロースやバラ・ひき肉は1歳過ぎの離乳食完了期からにしよう
ロースやバラ・ひき肉は脂身が多いので、離乳食完了期以降に少しずつ与えた方が良いでしょう。赤ちゃんがお味を気に入っても与えすぎないように注意してください。
肩ロース・リブロース・バラは茹でて脂を落としから使用する
牛肉のロースやバラには脂質が40%程度含まれる部位もあり、消化の負担となるので無理に離乳食として与える必要はありませんが、茹でて余計な脂を落とせば完了期以降に使うことは可能です。
牛ひき肉(ミンチ)・合いびきは使った部位が不明なので完了期からが無難
市販の豚ひき肉は、お店によってどの部分をひき肉にしているか差はあるものの、牛肉特有のコクや旨味を出すためにある程度は脂肪分の多い部位を混ぜているはずです。そのため、脂は多めなので完了期以降に与えた方が無難です。
合いびきとは豚肉との混合ミンチのことです。合いびきも使われている肉の部位が不明なので、完了期以降から使うようにしましょう。できれば下茹でして余計な脂はゆでこぼすようにしましょう。
1回の離乳食に牛肉を与える量やかたさ目安
牛肉を与える目安の量は、厚生労働省が策定した授乳・離乳の支援ガイドに掲載されている、後期と完了期で推奨されている1回の肉の量で表記しています。
離乳食後期(9~11か月) | |
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茹でてすりつぶす/たたいたものを茹でる 15g程度までOK |
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離乳食完了期(1歳~) | |
1㎝の細切り程度にカットする。20g程度までOK |
離乳食用牛肉の選び方は?ももや肩の「薄切り」「切り落とし」が使いやすい!
牛肉は赤身として販売されていることは少ないので、ももや肩の薄切りや切り落としを購入すれば少量から使え、脂身も取り除きやすいので使い勝手が良いです。細かく刻んでたたけばひき肉にすることができます。
カットしてから茹でるか、茹でてからすりつぶすか、どっちが良いの?
使いたい大きさに刻んでから肉の色が変化するまで下茹でした方がゆで時間が短くなるので柔らかく仕上げられます。
しかし、まな板や包丁の消毒を省きたい場合は茹でた後に刻む、もしくはすりつぶす方法がおすすめです。
牛肉は下茹でしたものは冷凍保存してOK
下茹でした牛肉は、すりつぶしたり、細切りにして1回分ずつ製氷器などに小分けして冷凍保存しておくと、お粥にのせたり、スープに混ぜたりできるので便利です。冷凍した場合は2週間を目安に使い切るようにしましょう。
離乳食の牛肉レシピ!赤ちゃんが喜ぶ旨味たっぷりの一皿
牛肉を使って簡単に作ることができて、赤ちゃんが食べやすい離乳食レシピをご紹介します。
牛肉には鉄分は豊富に含まれていますが、鉄分の吸収効率を高めてくれるビタミンCが含まれていないのが弱点です。そのため、ビタミンCを多く含む緑黄色野菜や芋類と組み合わせることで、栄養バランスがよくなります。
後期(9カ月~11か月)の牛肉レシピ
牛肉はモソモソして食べにくいので、食感で赤ちゃんが嫌がってしまわないように、初めて与えるときはじゃがいもやトマトといったとろみのつけられる食材や、水溶き片栗粉を使った調理方法を試してみましょう。
牛肉とトマトのトロトロ
材料
- 下茹でした牛肉 15g
- 湯むきしたトマト 1/2個
- 塩 少々
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湯むきしたトマトは種を取り除いて細かく刻み、牛肉も細かく刻みます。
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耐熱容器に、1と塩を入れて混ぜ合わせ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ600Wで30秒加熱します。
牛肉とじゃがいものつぶし煮
材料
- 下茹でした牛肉15g
- じゃがいも 30g
- だし汁 大さじ2
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じゃがいもは皮をむいて水に浸してアクを抜き、ラップに包んで電子レンジ600Wで1分加熱してつぶします。
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耐熱容器にだし汁、1を入れて混ぜ合わせ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ600Wで30秒加熱します。
完了期(1歳~)の牛肉レシピ
ハンバーグは手づかみ食べやお弁当にも重宝するので、たくさん作って冷凍するのもお勧めです。大人からの取り分けメニューは、大人用に濃く味付けする前に離乳食用を取り分けましょう。
【冷凍保存もOK】牛肉のミニハンバーグ
材料
- 牛もも薄切り 20g
- 玉ねぎ 10g
- にんじん 5g
- パン粉 小さじ1/2
- 牛乳 小さじ1/2
- 卵 小さじ1
- 塩 少々
- サラダ油 少々
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牛肉は細かく刻んでミンチ状にし、たまねぎはすりおろし、にんじんは細かく刻みます。
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牛肉は細かく刻んでミンチ状にします。
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ボウルに1の野菜と2の牛肉、パン粉、牛乳、卵と塩を少々入れて混ぜ合わせて赤ちゃんの1口サイズに成型します。
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フライパンに薄く油を敷き、3のハンバーグのタネをしっかり焼きます。
【取り分け離乳食】牛すき煮風
材料
【大人2人+赤ちゃん】
- 木綿豆腐 1/2丁(150g)
- 玉ねぎ 1/4個(50g)
- いんげん 5本
- 牛もも薄切り 100g
- 砂糖 大さじ1
- だし汁 1/2カップ
- みりん 小さじ1
- 醤油 大さじ1
- サラダ油 小さじ1
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木綿豆腐はキッチンペーパーに包み電子レンジ600Wで1分加熱して水気を切って8等分に切ります。いんげんはヘタを取ってラップに包んで電子レンジ600Wで30秒加熱して3等分と1cmに切ったものを用意し、玉ねぎはスライスします。
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フライパンにサラダ油を敷いて熱し、牛肉を食べやすい大きさにちぎりながら砂糖を加えて色が変わるまで炒めます。
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2に玉ねぎと豆腐を加え、だし汁とみりんと醤油を大さじ1/2(分量の半分)を加えて落し蓋をして10分煮て、離乳食分を取り出して赤ちゃんの食べやすいサイズに切ります。
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3にいんげんと残りの醤油を加えてさらに2分煮れば大人用も完成です。
牛肉を柔らかくするには玉ねぎとの組み合わせがおすすめ!
牛肉の赤身の部分は加熱すると固くなりやすいので、離乳食期の赤ちゃんが飲み込めずにぺっと吐き出してしまうこともあります。牛肉を含む、たんぱく質の多い肉類を調理するときにはたんぱく質分解酵素を含む食材を使うと、肉質を柔らかくできます。
離乳食期に使いやすいのは、アレルギーの心配が少なく、安価な玉ねぎです。すりおろすと酵素の力がUPします。ステーキ肉を玉ねぎのすりおろしに漬け込む方法がよく知られていますが、それと同じ要領で薄切り肉のうえに玉ねぎのすりおろしをかぶせて5分~10分放置してから加熱しましょう。
他にも離乳食期で使うことができる食材として、キウイ・パパイヤ・パイナップル・イチジク・梨といった果物が挙げられますが、アレルギーの心配があるので使い始めるときは注意しましょう。
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