育児・お世話

赤ちゃんの平熱はどれくらい?

赤ちゃんの平熱は何度から?正しい計り方と発熱の基準

赤ちゃんの平熱は何度から何度なのでしょうか。大人よりも体温の高い赤ちゃんの平熱について、正しい検温の方法について解説します。体温が高い時、低い時の原因、発熱の基準と症状、快適に過ごすことができる温度や湿度など、赤ちゃんの体温についてです。

大人よりも高い赤ちゃんの平熱はどのくらい?

「赤ちゃんの平熱は大人より高い」とよく耳にしますが、実際赤ちゃんに触れてみると「熱がある?」などと心配になってしまうママもいると思います。
大人より平熱が高いのは何故なのか、赤ちゃんの平熱についての疑問を解決します。

体調管理に重要な役割の『平熱』とは

そもそも「平熱」って何だと思いますか?人間の体温から説明していきます。体温とは文字通り体の温度のことです。体の中心に近づくほど高くて安定しています。
人の体は、場所によって温度が違います。手足の先や顔の表面の温度は、季節や環境の変化を受けやすいため安定していません。
一方、中枢と呼ばれている体の内部の温度は、脳や心臓などの大切な臓器の機能を保つために安定しています。

この体の内部の温度を「中核温」といい、これを測れば安定した体温が測れるのです。しかし、身体の内部ですので日常的に測ることは困難です。
そこで、より体内の温度が反映され、身体に負担をかけずに簡単に検温できる部位として脇、舌下、耳等の場所が用いられます。

人には朝・昼・夜と24時間単位に体温が変化する体温リズムがあります。1日のうちで早朝が最も低く、次第に上がり、夕方に最も高くなります。様々な条件で変動する体温。
その平熱の範囲を知ることや、時間を決めて平熱を把握することが体調管理に役立ちます。

平熱の範囲

日本人の体温の平均値は、36.89度±0.34度とされており、36.6~37.2度の間に入る人が全体の約68%を占めます。
体温には、年齢による個人差があります。個人差もありますが赤ちゃんはやや高く、高齢者はやや低めです。

赤ちゃんの平熱を知る方法

では、赤ちゃんの平熱を知るにはどうしたらよいのでしょうか。検温の仕方やおすすめの体温計をみていきましょう。

平熱の正しい検温の仕方

小さな赤ちゃんはじっとしていることが難しいですが、きちんと検温してあげることが大切です。正しい検温の仕方を紹介します。

脇に挟むタイプは、ベッドに寝かせて脇の下に体温計をはさみます。
その際赤ちゃんはじっとしていませんのでより正確に測るためには脇の下に挟んだ体温計を腕ごと抑えるようにしましょう。

どうしても寝かせたままの検温が難しい場合には、お母さんが座り、ひざの上で赤ちゃんを抱っこし、抱きかかえるように身体ごと抑えて測ってみましょう。

赤ちゃんの検温タイミング

平熱の測り方として、起床時・午前・午後・夜の計4回を測り、この体温をこの時間帯の平熱として母子手帳に記入しておくとよいでしょう。
しかし食後すぐや睡眠中は体温が上がるので、食前か食間に検温するのが望ましいです。

体調は検温+機嫌や食欲で観察する

まだまだ未熟な赤ちゃんは、病気にかかると進行が早く重症化しやすい傾向にあります。
ママがこまめに赤ちゃんの体調を管理してあげることが大切です。赤ちゃんの体調管理のポイントをみていきましょう。

赤ちゃんの健康チェックポイント

1.体温
普段と比べて高くないか確認しましょう。


2.いつもと違う様子はないか
機嫌:あやせば反応するか、泣きぐずってばかりいないか。
食欲:母乳やミルクの飲み具合、離乳食の食べ具合はどうか。
睡眠:ぐずってばかりで眠らない、逆に眠ってばかりなど気になることはないか。
顔色:赤くほてっていたり、青白くなっていたり、変わった様子はないか。

検温だけでなく、様々な赤ちゃんの普段の様子を把握してチェックしてあげることが大切です。

赤ちゃんの体温を左右するもの

赤ちゃんは体温調節機能が未熟な為、周りの環境に体温が影響されやすいです。どのような環境にすれば赤ちゃんが快適に過ごせるのか見ていきましょう。

適切な室温は20度~28度

赤ちゃんにとって適切な室温は、20度~28度と言われています。季節によっても違いがあり、夏は26~28度冬は20~23度の間が適切な室温といえます。
赤ちゃんが過ごすお部屋には必ず室温計を設置し、何度の状態になっているかを確認するようにしましょう。

ただ、室温だけに注目していると室内が乾燥してしまうことがあります。赤ちゃんが快適に過ごせる湿度は40%~60%といわれています。
乾燥するとウイルスや細菌に感染しやすくなったり、鼻やのどの粘膜を傷めてしまうこともあるので、洗濯物を干したり加湿器を付けて湿度を調節するようにしましょう。

赤ちゃんの部屋にエアコンをつけるとなると夏は冷え、冬は乾燥が気になりますね。一年を通して冷暖房として使用するエアコンですが赤ちゃんが快適に過ごすためには設定温度はもちろんお部屋の空気管理が大切です。

着せ過ぎには注意

新陳代謝が活発で、大人の2倍以上の汗をかくといわれる赤ちゃん。実は、寒さよりも暑さに弱いのはご存知ですか?赤ちゃんは寒いと身を縮めて激しく泣くことがあります。
これは自分が寒さにさらされているという危険信号を周りに発していると同時に、泣くことで自分の体温を高め、身体を温めることで自らを守ろうとしているのです。

寒い時は泣くことで自分を守ろうとする一方で、暑い時は体内に「うつ熱」と呼ばれる熱をため込んでしまうことがあります。寒い時に沢山着せてあげるのは優しい親心ですが、着せすぎには注意しましょう。

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熱を計るときは運動・食事・お風呂の30分後

食事をすると、摂取した食べ物を消化吸収する際に代謝がよくなります。食べ物を消化吸収するため内臓が沢山動くので、そこに熱が発生します。
食事や運動、お風呂の後は赤ちゃんの体温は平熱より上がるのはこのためです。体温を測る時には食事、運動、お風呂のあと30分以上時間を空けて測るようにしましょう。

服・ふとん

先程記述した室温が快適な数値でも、赤ちゃんは暑がったり寒がったりしていることもあります。
服を着せすぎていたり薄着だったりすると、必要以上に体温が変動してしまうため、赤ちゃんの体温もこまめにチェックしてあげましょう。

赤ちゃんの体温が平熱より高いときの対処法

いざ赤ちゃんの熱が高いとどうしていいかわからなくなってしまうママも多いと思います。熱がどれぐらいあったら発熱なのか、どのタイミングで病院に行くのか等を詳しく見ていきましょう。

熱は何度から?赤ちゃんは平熱が高いことを考慮する

一般的に発熱と言われるのは何度でしょうか。大人なら37度を超えると体がだるくなったりしますが、元々平熱の高い赤ちゃんの場合はどうでしょうか。

微熱は何度から?37.5℃は心配?

赤ちゃんは大人に比べて平熱が高いので、37.5~38度の範囲が微熱といえます。
激しく動いたあとなどはすぐに37.5度を超えたりするので、病気か平熱かという判断は非常に難しいのです。
そのために普段から様々な赤ちゃんの様子を知っておく必要があります。

体温計が37度の意味

皆さんは何度からが発熱なのか知っていますか?赤ちゃんの熱を測ってみたら37度。「予防接種が受けられないかも」「保育園に行けない」などと思ってしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、日本人の体温の平均値は36.6度~37.2度の間です。

37度を発熱だと思うようになったのは、昔の水銀体温計が「37度」を赤い色で表示していたことが原因とされています。
発熱は何度からかというと、一概には言えません。赤ちゃんの平熱より明らかに高ければ発熱ということになります。

感染症法では37.5度以上を「発熱」、38.0度以上を「高熱」と分類しています。

発熱の様子と重症度の判断

赤ちゃんの急な発熱。ママもびっくりしてしまいますよね。重症度の判断は何を基準にすればよいのでしょうか。
熱の高さだけで判断するのではなく、そのほかの身体の状態をみて病院にいくか判断することが大切です。次のような場合は病院を受診する目安になると思います。

病院に連れていく目安

1.生後3ヶ月未満で、38度以上の発熱があったとき。
2.顔色が悪く、苦しそうにしている。
3.元気がなくぐったりしている。
4.38度以上の高熱が出て、頭痛や嘔吐の症状がある。
5.意識がもうろうとしている。
6.苦しそうに呼吸をしている。
7.強い腹痛を訴える。
8.ひきつけを起こしたとき。

赤ちゃんの発熱の対処法

生後6ヶ月頃を過ぎると、徐々に母親から受けていた免疫力が落ちていき、風や発疹などの症状が出やすくなります。
赤ちゃんの発熱時にママが焦ってしまわないよう、日ごろから準備しておくことも大切です。

水分補給

イオン飲料等で、赤ちゃんの水分補給をするようにしましょう。おしっこの回数や量が減ってきたら水分不足のサインです。

身体の小さな赤ちゃんの水分補給は大切です!小さな体で大人の3倍も汗をかく赤ちゃんは脱水症状になりやすいのですが具体的な水分補給のタイミング、水分補給を嫌がるときの白湯や麦茶の与え方など紹介。

体温調節

寒気で震えている場合は、布団などで暖かくしてあげましょう。赤ちゃんの顔色が赤くなったり、発汗がみられる場合には暖かすぎるサインですので、布団を1枚薄くしたり手足を布団から出してあげましょう。

解熱剤

発熱によって食欲不振になっている場合には、解熱剤を利用して熱を下げてあげるようにしましょう。しかし、解熱剤は赤ちゃんの成長にとってもよくない為、利用は最低限に、指定された時間の間隔を守るようにしましょう。

ひきつけの対処

ひきつけが起こったときには、嘔吐したものがのどに詰まってしまう可能性があります。赤ちゃんの体勢を横に向けて上げ、呼吸が楽にできるようにしてあげましょう。

注意したい発熱

これまで赤ちゃんの発熱についてみてきましたが、発熱の症状は風邪だけとは限りません。風邪ならば喉の痛みや鼻水、咳といった症状も現れ、3~4日もすれば熱は下がり回復するでしょう。
何日も高熱が続く場合は別の原因かもしれません。

突然の高熱や急激な体調悪化

発熱した時に、時期によっては風邪以上に疑う病気がインフルエンザでしょう。
インフルエンザが流行するのは毎年11月末から3月頃です。発症しやすい時期だけでなく、発症後の経過にも風邪とは大きく違います。

インフルエンザは突然38度以上の高熱が出て急に体長が悪化し、全身に倦怠感や関節痛といった症状が現れます。
まれに合併症を起こしてしまうことがあるので小さな赤ちゃんは特に注意してあげましょう。

だらだらと続く微熱

赤ちゃんは、夏場外に出るだけで体温調節ができずに高温になることがあります。発熱というのは、体内の熱を上げることによって身体に侵入してきたウイルスを殺すためであったり、病原菌の増殖を抑えるためのものです。
身体を守るために熱を出しているというのが発熱の仕組みなのです。

つまり微熱でも熱が長引いているというのはそれだけ身体の中でウイルス等の病原菌との闘いが長引いているということで、身体のどこかが調子が悪いということに繋がるのです。あまり熱が長引くようであれば病院を受診しましょう。

赤ちゃんの体温が平熱より低いとき(低体温)の対処法

低体温とは、一般的に熱が36度以下で続いている状態です。赤ちゃんの場合は37.5度までは平熱として考えられています。ところが何らかの理由で体温が36度以下になると、低体温の可能性が高まります。
赤ちゃんへの低体温による影響と、原因、対処法をみていきましょう。

赤ちゃんの低体温の影響

赤ちゃんが低体温症になると、どんな影響があるのでしょうか。

おっぱいやミルクの飲みが悪くなる

低体温症になるとおっぱいやミルクを飲む元気がなくなってしまうため、飲みが悪くなります。
充分に栄養を取れないと栄養失調状態となってしまい、体調不良になりやすくなったり、発達に悪影響が出るおそれもあるようです。

血液循環が悪くなる

低体温症だと血液循環もよくなくなるため、全身に血液を使って酸素がいきわたらないおそれがあります。
酸素がいきわたらないと発達に悪影響が出るおそれもあるそうです。

脱水症状にも

おっぱいやミルクが不足すると脱水状態の危険も出てきます。

低体温症の原因・対処法

赤ちゃんの体温は、周りの環境に左右されやすい面を持っています。
低体温を引き起こす原因も環境によるものが大きいので、赤ちゃんの過ごす環境を見直してみましょう。

エアコンに頼る室内環境

気温調節にエアコンを活用しすぎると、赤ちゃんの体温調節機能が働きにくくなります。常に快適だと体温調節の必要がなくなるからです。
設定温度を高めにしていても赤ちゃんの身体に冷風が直接当たることで肌表面の熱が奪われて、赤ちゃんだけが体温を下げていくこともあります。

エアコンの設定温度や自動運転に任せずに、赤ちゃんの肌を触って適温を調節してあげるようにしましょう。

汗を放置

赤ちゃんは汗っかきなので、すぐに汗をかいて肌着を湿らせます。授乳したり昼寝をしただけで汗をびっしょりかいているので、その都度着替えさせて肌を乾燥させます。
「自然乾燥するだろう」と放置していると湿った布が当たる肌は熱を奪われて、どんどん冷えていきます。

これを1日に何回も繰り返していると低体温になる恐れがあります。汗をかいたらこまめに着替えさせてあげましょう。

冷たい飲み物や離乳食

赤ちゃんには基本的に白湯やミルク、母乳といった冷たさを感じない飲み物を与えます。これは、寒い時も暑い時も同じように考えます。
気温の高い日に、冷やした飲み物を飲ませてすっきりさせたいところですが胃腸を刺激しすぎてしまいます。刺激が強すぎると下痢や嘔吐も心配です。

冷たい飲み物を与えすぎると、体内から冷やされてしまい熱生産が追いつきません。飲み物や離乳食の温度にも気を付けてあげましょう。

生活リズムがバラバラ

赤ちゃんは家族で部屋を暗くして静かにしたり、カーテンを開けて朝を知らせなければ1日の生活リズムがわかりません。
もしも大人と一緒になって夜中まで明るい部屋で過ごしたり、昼まで眠っている生活を続けると赤ちゃんの自律神経が乱れて生活リズムが構築されません。1つバランスが崩れると、その周囲のバランスも乱れてきます。

外に出たり運動することが減って、体温調節ができなくなると低体温になったり、自分で発熱する働きも鈍くなってしまいます。
毎朝同じ時間に起きて朝日を浴び、日中はお散歩をしたりして一定の時間に寝るという生活リズムを作ってあげるようにしましょう。

赤ちゃんが生活リズムを獲得するにはパパママのサポートが必要不可欠!一日のタイムスケジュール例や月齢別の発達具合を参考にしましょう。生活リズム表通りにいかないとき、バラバラになったときの取り戻し方も解説。

赤ちゃんの体温を正確に測るために

検温の数分もなかなかじっとしていられない赤ちゃん。どんな体温計が測りやすいのでしょうか?

赤ちゃんの体温計の選び方と特徴

最近では脇に挟むタイプ以外にも様々な体温計がありますので紹介していきます。

大人のものに比べて全体的に小ぶりのもの

大人より小ぶりの方が、身体の小さな赤ちゃんには使いやすく便利です。

検温部分が自由に曲がるようになっているもの

赤ちゃんにフィットしてくれるので、赤ちゃんが動いても痛がることもなく抜けにくいので測りやすいのが特徴です。

短時間で測定できるもの

計測結果の正確性という点ではムラが出やすいですが、数秒で測ることができるのは大きな魅力です。保育園に通う忙しいママさんにもぴったりです。

温度表示が見やすいもの

大きな文字で表示してくれるものは、目の悪いママが起床時や就寝前に計測するのにも便利です。

耳に当てて測るもの

耳の穴にセンサー部分を入れるとわずか数秒で体温が測れます。熱があるのかないのか瞬時に判断できます。

おでこで計測するもの

おでこにさっと触れるだけで簡単に測れるので忙しい朝にはぴったりです。値段は耳のタイプより高めなので、検温が頻繁に必要な新生児のうちに購入しておくことをおすすめします。

様々な種類がありますので、用途によってうまく使い分けてもいいかもしれませんね。

赤ちゃんの平熱を知り体調管理を万全にする

これまで赤ちゃんの平熱についてみてきましたが、みなさんはどう感じたでしょうか。

赤ちゃん自身の体温調節機能を発達させながら赤ちゃんを寒さや暑さから守ることはとても大変で、小さな赤ちゃんには特に気を遣いますが赤ちゃんが自分の意志で気持ちを伝えられるようになるまでの数年間は、特にしっかりと体調管理をしてあげましょう