子供のための貯金方法
子供のために貯金したい!小学校卒業までに賢く貯める運用方法
子供用の貯金はいくら必要?子供名義の口座は贈与税がかかるって本当?子供のためにお金を貯めたいと思っているママとパパの疑問にお答えしつつ、高校卒業・大学進学までにかかる費用の目安、賢く貯金する方法をご紹介します。小学校卒業までに300万貯めるための年間・月額の貯蓄金額例もお伝えします!
子供のために貯金したい!金額の目安は?
子供が産まれたら、貯金について意識する機会が増えます。
しかし、家計を管理する上で、子供のための貯金に充てるべき金額に迷ってしまうこともあるでしょう。
まず考えたいのが、子供1人が高校を卒業するまでにかかる学費です。
文部科学省「子供の学習費調査」によると、子供1人が高校を卒業するまでの学習費の年額は以下の通りです(注1)。小学校なら×6、中学・高校なら×3が必要です。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
幼稚園 | 222,264 | 498,008 |
小学校 | 321,708 | 1,535,789 |
中学校 | 481,841 | 1,338,623 |
高校 | 409,979 | 995,295 |
高校まですべて公立で520万、すべて私立で1770万
上記のデータを踏まえると、
- 幼稚園~高校まですべて公立で約520万円
- 幼稚園~高校まですべて私立で約1,770万円
の計算になります。
もちろん全額貯金をしておく必要がある訳ではありません。また、上記の金額は、学習塾や習い事などの学校外活動費を含めた金額です。
ですが、今は赤ちゃんや未就学児だとしても、成長とともに年にどれぐらいのお金が必要となるのか、1つの目安にはなるはずです。ちなみに、すべて公立とすべて私立を比べると、3.38倍かかる費用が違います。
大学進学のために必要となる貯金額
さらに大学に進学するとなればもちろん出費がありますが、実は子育て中の一番大きな出費が大学進学時だと言われています。
大学進学~卒業までにかかる費用
大学でかかる費用はまず入学料として約25~40万円ほど見ておきましょう。
卒業までにかかる授業料の目安は以下の通りです。
- 国公立で300~500万円、
- 私立で400~700万円
- 医学歯学系で2,000~2,500万円
さらに自宅外からの通学となれば、生活費がプラスされます。大学生ともなればアルバイトができるようになりますが、学費と生活費を賄えるほど稼ぐのは難しく、学業に支障をきたしてしまっては問題。やはり多少なりとも生活費の仕送りは必要です。
奨学金制度を利用する方法もありますが、返済の必要がない奨学金をもらえるのはほんの一部の成績優秀者なので狭き門です。あとは、子供自身が働きながら返済する必要のある低金利の奨学金制度に頼ることになります。
結局、貯金はいくら必要?
子供が成長するにつれてお金がかかってきますが、いくら貯めるべきか。残念ながらそれは結局、各家庭の価値観、収入によるとしかいえません。
一般的には、高校卒業までに300万を目標にすると良いという話もありますが、自宅外の通学からとなった場合はやや不安が残ります。
子供が「医学部に進学したい」と言い出したときに「いいよ」と送り出してあげたいなら、高校卒業時までに1000~1500万は欲しいところです。高収入で、ボーナスのある家庭なら、子供の「医学部進学」が見えてきた中学・高校時点で貯め始めても間に合いますが、それ以外の家庭では子供が赤ちゃんの頃から貯めていった方が良いでしょう。もちろん兄弟の人数も影響します。
貯金しやすい時期、貯金が難しい時期
貯金は、しやすい時期と難しい時期が存在します。
うちは収入が低いから、あと18年経っても「この程度しか貯まらないだろう」とあきらめる必要はありません。
幼稚園・保育園は貯めにくい家庭も多い
例えば、妊娠を期に専業主婦になった場合、子供が小さいうちの貯金は少額になりがちです。しかし、子供が小学校に進学すれば、また働きに出て、世帯収入を増やすチャンスは訪れます。
また、共働き家庭の場合は、保育料がかかる時期は、辛抱のときだともいえます。「なんのために働いているのか」と高額な保育料に悩んだとしても、保育園を卒業してしまえば、世帯年収は仕事を続けた方が絶対に高くなるはずです。
1番の貯め時はやはり小学生
子供の成長につれてかかるお金も増えますが、小学生の間ならそれ以上に働いて貯蓄するのは比較的容易です。
あまり目標を高く設定しすぎても、精神的に追い詰められますが、子供がまだ赤ちゃんや未就学児のうちはやや高めぐらいの最終目標を設定し、「自分もお金を貯めるために頑張ろう!」と思った方が建設的です。
子供が小さいうちが貯め時!小学校卒業までに300万も可能!
「子供のために貯金を!」と思ったら、長期間で貯める必要があります。子供の年齢に合わせて、戦略的に貯める一例をご紹介します。
3歳までに100万円!子供が産まれたら貯金癖をつけたい
3歳までの子供には月額15,000円の児童手当が支給されます。
それに手を付けずに貯金に回せば3年間で54万円、プラス毎月家計から1万円ずつ貯金に回せば3年間で36万円になります。これで合計90万です。
さらに出産祝いや初節句などのお祝い金の中から10万円を貯金に回せば、合計で100万円貯金できます。
これまで貯金する習慣がなかった人にとって、目に見える金額が少ない貯金のしはじめは、誘惑に負けやすい時期です。しかし、3歳までに100万円を溜められれば自信になります。
幼稚園~小学生にかけては9年で200万が目標!
貯金用通帳の金額が少しずつ増えて行くと、貯金に対するモチベーションが上がります。100万円貯めた勢いで、その後もコツコツと貯金を継続していきましょう。
児童手当は3歳~小学校卒業までは月額1万円ですが、こちらも今まで通り家計からの1万円と共に
貯金に回すと、幼稚園~小学校卒業までに年間24万円ペース、9年間で合計で216万円貯金できます。3歳までの貯金と合わせると、300万円到達です!
もちろん余裕のある家庭は、もう少し貯めることが可能です。特に小学生になると、パート代の半分を貯金にまわすなど、「世帯収入を増やす」という選択肢も生まれます。
小学校卒業までなら支出を抑えることが可能なので、貯金もしやすい時期です。中学以降は塾も含めて、何かとお金がかかるので、ある程度の金額はこの時期までに貯めておきたいところです。
子供名義の口座を作るメリットとデメリット
貯金といえば、まずは貯蓄用の預金口座が必要と考える方が多いはず。
子供のための貯金なので、子供名義の口座を開設しようと考える方もいると思いますが、メリットとデメリットがあります。
メリット
世帯の貯金と管理が別になる
貯金は子供のためだけではなく、世帯の予備費としても考えている家庭が多いはず。「どっちみち貯金するんだから一緒で良いや!」と同じ口座に貯金をしても、結局いくらが子供用の貯金だったのかわからなくなってしまうこともあります。
またイレギュラーな出費が発生した場合にその口座から引き出しを行えば、金額によっては子供の貯金に手を付けることになります。
世帯全体用と子供の口座を分けることで明確な金額がわかります。今後貯金をしていくうえでのモチベーションも高まりますし、両方に貯金をしていかなければという気持ちを高めてくれます。
子供自身に管理を学ばせることができる
子供名義の口座があれば、親だけではなく子供自身にも金銭感覚やお金の管理方法を覚えてもらう良い機会になります。
祖父母や親戚からもらったお年玉やお小遣いを自分の口座に振り込むという作業を覚えたら、その後も「お小遣い→口座」が癖になるかもしれません。
大人になってもきちんとお金の管理ができるように、子供の頃から癖をつけておくと良いでしょう。
デメリット
子供が成人したら親が管理できない
親が作った子供名義の口座であっても、子供が20歳を超えたら管理人が子供自身になります。親は子供の委任状がないとお金を引き出すことができませんし、解約もできません。
子供名義の口座はお年玉や余ったお小遣いを貯金する用にして中高生ぐらいから本人に管理を任せる。学費用口座は親名義で管理する用にした方が使い勝手は良いでしょう。
贈与税がかかる場合がある
子供名義の口座を作った場合、親子とはいえ金銭の贈与になるとみなされ、法律的には「贈与税」の対象となります。贈与税には限度額が設定されていて、年間110万円以下であれば課税対象になりません。
もし子供の口座に貯金する額が年間111万円以上になる場合は、貯金する金額を少なくした方が得です。ただし110万円以下であっても毎年100万円くらいの貯金をしている場合は、課税対象とみなされる場合もあります。
子供の貯金を運用で増やす方法
子供用の貯金を始める時に見極めたいのが貯金方法です。頻繁に出し入れをするなら普通預金が便利ですが、少しでも増やしたいなら確実に増える定期預金や学資保険など、自分に合った運用方法を検討してみましょう。
堅実派におすすめの運用
投資などには興味がなく、元本が保証されている確実な商品にしか興味がないというタイプなら、やはり定期預金や積立貯金(財形貯蓄)が最適の運用方法です。
今は低金利の時代ですが、それでも毎年確実に増えることには違いないですし、簡単に引き出せないからこそ多少の誘惑には負けません。
他にも、長期ではなく短期の定期預金を自動継続で契約して、より金利の良いプランが販売されたら乗り換えるのも賢い運用です。
浪費家におすすめの運用
手元にお金があるとどうしても使ってしまう浪費家タイプには、普通預金や定期預金など引き出しや解約の手続きが簡単にできるプランはおすすめできません。
子供のために貯金をしていたはずなのに、困ったからといって生活費の足しに…というパターンを防ぐためにも確実に貯まる方法を選びましょう。
例えば途中で解約をすると逆に損したり、解約の手続きが面倒な商品なら安心です。学資保険や低解約返戻金型の終身保険などにすると貯金しやすいでしょう。
リスク覚悟で勝負したい方におすすめの運用
ある程度経済的に余裕があって、多少の損を承知でお金を上手く運用したいという方は、投資がおすすめです。
最近では、年間120万円までの取引なら非課税が適用される「NISA(ニーサ)」なども人気です。ただし、あくまでも損をするリスクがあるということを肝に銘じて行ってください。
子供自身が運用できる「ジュニアNISA」もあり!
日本に住んでいる0歳~19歳までの方が利用できるのが「ジュニアNISA」です。投資の勉強にもなりますし、運用金を少なくして長期的な資産形成を学ぶこともできます。
非課税投資額を有効に活用しながら、親子で投資やお金について学べるのが「NISA」の良さです。親子のコミュニケーションにも役立ちます。
賢く貯金をする方法
子供のためと思ってはいながらなかなか貯金をすることができない方は、確実に貯まる貯金方法を実践してみましょう。
目的別に貯金用口座を作る
子供為の貯金、世帯全体の貯金、自分用の貯金を別々に管理することによって、目標金額が明確になり、それぞれの貯金に対してのモチベーションも上がります。
貯金口座が1つになっていれば金額が増えるペースは速いでしょう。しかし貯まったお金に対する目的が明確になりにくいので、イレギュラーな出費にドーンと使ってしまう可能性も考えられます。
子供用、マイホーム用、車用、老後用など貯金の目的別に口座を分ければ、それぞれが達成した時に喜びを味わうことができます。
先取り貯金
貯金の方法によっても貯まり方に差が出てきます。毎月先に貯金用として分けておきますか?それとも月末に残ったお金を貯金に回しますか?実は効果的なのは前者の「先取り貯金」です。
残ったお金を貯金に回す場合、当然ながら残らなければその月の貯金は0円ということになります。あるとついつい使ってしまうのが人間の心理なので、結局毎月使い切ってしまい、口座を作ったもののなかなか貯金が溜まらないケースもあります。
先取りしておけば手元にないので使う心配もなく、毎月残った金額でやりくりすることに慣れてきます。苦しく感じるのは最初の数ヶ月に過ぎません。
支出を把握する
子供の入園・入学時期、結婚式に呼ばれてご祝儀が必要な日、友人の出産祝いが必要になる時など、お葬式以外の予定はほとんどが事前に把握できているので、支出予定は前もってわかるはずです。
他にも、電化製品の買い替えなどがありますが、これも毎月少額ずつで良いので貯めておきましょう。
一見苦しく感じるかもしれませんが、予定外の支出に怯えたり、ショックを受けるよりは長い目で見ると精神的に良いはずです。
お祝い金はわかった時点で、入園・入学・七五三などの行事は計画的に貯めておくことで、急な出費を防ぎスムーズに貯金を続けることができます。
節約を徹底する
貯金という目標があるからこそ、普段の節約への意識も高まります。
に効果的な方法をご紹介するので、ぜひ日々の生活に取り入れてみてください。
支出項目ごとにお金を分ける
お給料が入ったらまず生活費として使う金額を引き出し「食費」「日用品費」「レジャー費」など項目別に袋に入れて管理します。
その中でやりくりをしなければという意識も高まりますし、余ったら貯金に回すのが喜びになるので節約を徹底しやすくなります。
家計簿はマスト!
貯金をしたいなら毎月のお金の流れを把握するために家計簿をつけましょう。面倒だと思っている方も多いですが、レシートさえ保管しておけば暇な時間がある時にまとめて記入することもできます。最近はスマホのアプリでも家計簿をつけられるので、隙間時間を利用しましょう。
節約しやすいのは食費
家計の中でも一番節約しやすいのが食費です。
基本的にコンビニはスーパーよりも高いので、食材はスーパーでの購入を基本とします。なんとなくコンビニに寄るのは控えましょう。
安くて栄養満点のメニューをレシピサイトで研究したり、お得にゲットした大量のお肉で何品作れるかなどゲーム感覚で取り組むと、料理のスキルも自然に上がります。
クレジットカードを有効利用する
クレジットカードは買い物をするためではなく、ポイントを貯めるためにあります。公共料金の引き落としだけでも年間にすればかなりのポイントが貯まるので利用しなければ損です。
ただし、何枚も持っているともらえるポイントも分散されてしまうので、1枚に絞るのがポイントです。
子供の貯金を増やしたいなら計画的に!焦りは禁物!
「早く貯金をしなければ!」と急いだところで収入が増えるわけではありませんし、いきなり生活水準をガクッと落とすのは危険です。貯金は長期戦であり、根性でなんとかなるのはごく短い間だけ。無理なく貯める仕組みを作ることを優先してください。
ダイエットをしたことがある方にはわかりやすいでしょうが、貯金はダイエットとよく似ています。早く痩せたいからといって無理なダイエットをすれば大抵リバウンドして、逆に太ってしまいますし、時には健康を害します。
無理な貯金は、ストレスによる衝動買いのリスクを伴いますし、お金のことで家庭内がギスギスしてしまう可能性すらあります。焦らず、コツコツ貯めていきましょう。
ただし、子供のための貯金を始めるのは早いに越したことはありません。「経済的に無理」と諦めるのはまだ早いです。ご紹介した貯金方法を参考にして、1000円からでも貯金を始めてみてください!
参考文献