お宮参りの服装はどれにするか悩む
お宮参りとは、その土地の守り神である産土神(うぶすなかみ)に赤ちゃんの誕生を報告し、健やかな成長を願う行事です。呼び方は地域によっても様々で、初宮詣(はつみやもうで)・初宮参り(はつみやまいり)・産土参り(うぶすなまいり)などと呼ばれているところがあります。
神社でご祈祷してもらうのが正式な方法ですが、最近では神社へ行ってお参りするだけという人も増えています。
今回は、お宮参りの服装のマナーについて解説。赤ちゃん、母親、父親、祖父母、上の子など、それぞれにふさわしい格好をご紹介します。
お宮参りの服装「赤ちゃん編」
お宮参りの主役である赤ちゃんの服装を解説します。
既に新生児の退院服としてベビードレスを購入した方は、お宮参りに活用することも可能です。基本的な服装を見ていきましょう。
赤ちゃんのお宮参りの服装は白羽二重かベビードレスの祝い着が一般的
赤ちゃんのお宮参りの服装は、肌着の上に白羽二重(しろばぶたえ)という産着・内着を着せ、その上から祝い着をかけるのが正式な服装です。
しかし、最近では白羽二重ではなく、白いベビードレスの上に祝い着をかける着せ方が主流になっています。
祝い着とは、赤ちゃんに覆いかけるように着せる晴れ着のことを指します。地域によっては呼び方が異なり、産着や初着、掛け着ともいいます。この祝い着をつけると「お宮参り」らしさがぐっと際立ちます。
その他、帽子・スタイ(よだれかけ)、季節によっては靴下を着用します。
お宮参りの赤ちゃんの服装
- 正式な服装………肌着 + 白羽二重の内着 + 祝い着
- 一般的な服装……肌着 + ベビードレス + 祝い着
- 少しカジュアルな服装 …肌着 + ドレスオール + ケープ
男の子の祝い着は、黒や紺などシックな色が人気
男の子の祝い着は、鷹や兜、鶴などの熨斗目模様の紋付で、黒・紺・グレー・白などの色が人気があります。
女の子の祝い着は、赤・ピンクなどの明るい色が人気
花やちょう、御所車などの友禅模様で、赤・ピンク・黄色などの色が人気があります。女の子の場合は紋はつけません。
ベビードレスはシンプルなもので良いが、季節にあった素材のものを用意
退院時に着せる人も多く、レースなどの装飾がついたものが一般的ですが、あまり着る機会がないので、シンプルなものを選ぶと使用回数が増えて経済的です。
お宮参りの時は、祝い着を羽織るので、ベビードレスはあまり見えません。ただし、暑い季節にお宮前りをする時は、祝い着は写真撮影の時のみにして、基本は半袖や薄い生地のベビードレスで過ごさせてあげてください。
ベビードレスは、赤ちゃん用品の専門店やデパートなどで、お宮参り用にセットになったものが売られています。小物の色で男女を区別している場合がありますので注意しましょう。金色の刺繍なら男女関係なく使用できます。
祝い着を着せるタイミング・着せ方
祝い着は家から着せていくのではなく、神社についてから着せるようにすると、赤ちゃんも抱っこする人にも負担がかかりません。家での支度は、肌着にベビードレスを着せて神社へ向かいます。季節によっては靴下も履かせましょう。
祝い着に襦袢(じゅばん)のひもを通しておくと、神社についてからの支度が楽になります。着せ方はそれほど難しくありませんが、前もって練習しておくと、当日に慌てずに済むでしょう。
- 赤ちゃんに帽子をかぶせ、ヒモはあごとのところでちょうちょ結びにします。
- 赤ちゃんを抱いて、赤ちゃんの背中から祝い着をかけます。片方は脇から(赤ちゃんの頭があるほう)もう片方は肩からヒモを通し抱っこしている人の背中でちょうちょ結びをします。地域によってはこのヒモにお守りなどをさげる場合があります。
- よだれかけを付けます。帽子のひもを隠すように上からかけます。
赤ちゃんのお宮参りの祝い着は「母親の実家が用意する」にこだわらなくてもいい
昔は母親の実家から贈られた祝い着をまとうのが慣例になっていましたが、今はそれにこだわる必要はありません。父親の実家で購入してもらってもいいですし、自分たちの好みの柄を選びたいのであれば、自分たちで用意するのもいいでしょう。
お宮参りには初穂料も必要ですし、その後に会食を予定しているご家庭もあるでしょう。費用の分担については両家で相談することをオススメします。
赤ちゃんのお宮参りの祝い着はレンタルもあり
お宮参りのための白羽二重やベビードレス、祝い着は使用回数が少ないので、最近ではレンタルする人も増えています。お宮参りに必要なものがセットになっていますし、収納や保管のことを考えるとレンタルするのはとても合理的です。
最近ではお宮参りとは別の日に記念撮影をする場合もあり、写真スタジオで衣装のレンタルサービスもあります。
ですが、意外に知られていませんが、祝い着は、男の子は5歳、女の子は3歳の七五三の着物に仕立て直すこともできます。手直しができる人が身近にいる場合は、検討してみても良いでしょう。
また、弟妹を考えている場合などは購入したほうが経費を抑えられる場合もあります。
お宮参りの服装「父親・母親・祖父母・上の子編」
赤ちゃんが和装の祝い着の場合は着物、洋装の場合は洋装にというように赤ちゃんの服装に合わせるのが正式な方法ですが、最近では赤ちゃんが和装の祝い着の場合でも、洋装でお宮参りする人は増えています。
神社でご祈祷する場合には、やはりある程度のフォーマルさは求められますが、お参りをするだけなら、上品な服装であれば問題はありません。
赤ちゃんの成長と幸せを祈願するのにふさわしい服装を心がけましょう。
父親のお宮参りの服装はダークスーツが一般的
礼服が正装ですが、黒や紺といったダークスーツを着用するのが一般的です。ネクタイも派手な色は避け落ち着いた色にしましょう。母親(赤ちゃんのママ)が着物の場合は、もちろん紋付でも良いです。
母親のお宮参りの服装は和装・洋装どちらでも可
赤ちゃんが和装だからといって、母親も着物を着なければいけないという事はありません。フォーマルな服装であれば、洋装でも大丈夫です。
産後1ヵ月というのは、ママにとっても外出は大変です。授乳の事も考えると、着物を着ることに不安を覚える人もいるでしょう。授乳や体調を考えて、負担の少ない服装を選ぶようにしましょう。
和装の場合は黒留袖・色留袖、訪問着もOK
着物を着る場合、黒留袖や色留袖を着るのが正装とされていますが、最近では訪問着や色無地・付下げが一般的です。同じ着物の部類に入りますが、夏浴衣はふさわしくありません。
着物を着る場合、途中で授乳するという事は困難なので、着る前にたっぷりと授乳し、その後はミルクに切り替えるなどの対策をしっかりしましょう。
また、赤ちゃんがお乳を吐いたりする場合もあるので、抱っこする時は胸にタオルを当てておくなど、汚れてもすぐに対処できるようにしておきましょう。母乳のみで育てている場合は、赤ちゃんが哺乳瓶を受け付けない場合があるので、前もって赤ちゃんに哺乳瓶を慣らしておく必要があります。
洋装の場合はフォーマルスーツやワンピースが一般的
洋装の場合は、フォーマルなスーツやワンピースなどがおすすめです。もともと持っているスーツでもいいですし、七五三や入園式など先々の行事の事も考え、新しく購入してもいいでしょう。
フォーマルスーツの場合、かっちりしたスーツだと赤ちゃんのお世話をするときに窮屈に感じることがあるので、フレアータイプのスカートなど、ゆったりしているもののほうがお世話しやすいです。
ワンピースは、見た目も着心地もいいですが、授乳が必要なら前開きの物を選ぶようにしましょう。または、最近のマタニティウエアは、一見マタニティに見えないものもあるので、授乳口付きのワンピースもおすすめです。
礼服と合わせるのは通常かかとのあるパンプスなどになりますが、神社の石畳は滑りやすく、つまづきやすい砂利道などが多いので、赤ちゃんを抱っこする祖母や母親は赤ちゃんの安全を考えてかかとの低いパンプスかぺったんこの靴にしましょう。
スーツであれば何でもいいというわけではありません。派手な色のスーツ、胸の開きが大きいものや肩など露出の多いもの、膝が出るようなミニスカート、素足につま先が出るサンダルなどは避けましょう。
祖父母など親族のお宮参りの服装
祖父母や両親の兄弟姉妹などが一緒に行く場合などは、服装のバランスがとれていることが大切です。
お宮参りは、父方の祖母(母親からすると義母)が赤ちゃんを抱っこする慣習がある地域も多いので、義母は色留袖などの正装で来るかもしれません。しかし、その場合でも、ママや実母側はフォーマルスーツで問題ありません。
和装・洋装ではなく、あくまでバランスがとれていれば良いのです。ただし、事前に相談しておくのに越したことはないでしょう。
赤ちゃんの兄や姉など上の子のお宮参りの服装
赤ちゃんの兄や姉の服装は、もし七五三や入学式などの行事が控えている場合は、それ用の服を用意しておいても良いでしょう。
しかし、子供の場合は堅苦しく考える必要はなく、男の子はポロシャツやシャツなど、女の子の場合はワンピースなど、少しよそ行きの恰好程度で大丈夫です。靴だけでもきれい目な靴にするときちんと感がでます。
お宮参りに行く時の持ち物
お宮参り当日は、バタバタして落ち着きませんので、必要な持ち物は事前に準備しておきましょう。
- 祝い着
- 帽子
- よだれかけ
- お守り・犬張子・ひもせん・でんでん太鼓など
(地域によって祝い着のヒモにさげます)
- 初穂料
- おむつ・おしりふき
- 授乳ケープ
- 哺乳瓶・ミルク・お湯
- 赤ちゃんの着替え
- 母親の着替え
- ハンドタオル
- バスタオル
ハンドタオルやバスタオルなどは、寒い時にかけたり、おむつ替えなど赤ちゃんを寝かせるときに敷いたりとなにかと重宝します。
また、忘れがちなのが母親の着替えです。
赤ちゃんの着替えは持っても、母親の着替えを持っていくことは考えていない人が多いようです。しかし、この頃の赤ちゃんはうまくゲップができずお乳を吐いてしまうことがあるので、母親の衣服も汚れてしまう可能性もあります。
神社へ行ったあとに、会食などを予定している場合は、念のため母親も着替えを持参しておきましょう。
お宮参りの腹側は礼節を持って選びましょう
赤ちゃんの初めての行事となるお宮参り。
お宮参りの服装は堅苦しく考えることはありませんが、神様に赤ちゃんの誕生を報告する伝統行事ですので、礼節を持って選ぶようにしましょう。赤ちゃんの祖父母などが来る場合は、両親だけでなく、事前の打ち合わせが大切です。しっかりと準備をして、素敵な時間をお過ごしください。