とびひの治療・早く治すには?

とびひ治療は長期戦!1日も早く治したい時のケア方法

とびひの治療方法は?とびひに感染したら、どのような治療を行うのか、治療期間、皮膚科と小児科の受診ポイントや似ている病気、薬の特徴を紹介。早く治したい時のホームケア方法やガーゼや絆創膏を使った傷口の保護の是非、多くの家庭にあるイソジンやワセリンを使った民間療法も紹介します。

とびひ治療は長期戦!1日も早く治したい時のケア方法

とびひの治療はどうする?1日も早く治したい時は?

赤ちゃんや子供がとびひになったらどうする?

とびひの原因菌は、普段から肌にいる常在菌であることがほとんどです。予防しようにも、赤ちゃんや子供の肌はとってもデリケート。汗疹や虫刺されからとびひに発展することも珍しくありません。

誰もが発症・感染する可能性のあるとびひは、どのように治療するのが効果的なのでしょうか?
一般的なとびひの治療法、とびひを一刻も早く治すにはどうしたらいいのか、自宅でできるケア方法もご紹介します!

とびひ治療は長期戦も覚悟!早期発見できたらラッキー

テーブルにかじりつく赤ちゃん

とびひの正式病名は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といい、細菌が原因で起こってしまう皮膚の感染症です。
水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)と痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)の2種類がありますが、夏に0歳~6歳ぐらいの皮膚がデリケートな赤ちゃんや乳児が多くかかるのは水疱性膿痂疹です。

発症すると、かゆみのある水疱(水ぶくれ)やかさぶたができ、その中にウミを持ちます。水疱を掻き壊すと、細菌が手につき、その手で他の身体の部位を触ると感染が拡大します。「とびひかもしれない」と思ったら、すぐに治療を開始するのが早期治癒のポイントです。

小児科or皮膚科の選択

赤ちゃんのとびひの具合を確かめる医師

虫刺されや汗疹の場合、ほとんどのママは病院には連れて行かないと思います。
しかし、初期のとびひは軽い湿疹に見間違えてしまうことがよくありますので、湿疹が皮膚にできた場合は子供が痒がってないか、湿疹が増えてないかよく観察してください。
とびひだと気が付いたら、症状が悪化するのを防ぐためにも、自然に治るのを待つのではなく、早めに病院に連れて行きましょう。

皮膚科と小児科のどちらに連れていくかという問題ですが、もし熱などもある場合は別の病気の可能性も考えて、念のため小児科を受診しましょう。

とびひと判断がつく場合は皮膚科の受診をおすすめします。皮膚科は、風邪などの感染症をうつされるリスクが低いです。また、とびひはアトピー性皮膚炎や乾燥肌など、肌のバリア機能が弱っているときにかかりやすいので、肌状態をチェックし、今後のケアの相談に乗ってもらえるという利点があります。

とびひと似ている水疱瘡

とびひが治り元気に立ち上がろうとする赤ちゃん

初期症状として同じような水疱ができるとびひと水疱瘡ですが、最大の違いは水疱が広がるスピードです。水疱を掻いた手で他の部位を触ることで接触感染するとびひと違い、水疱瘡は空気感染もするため、1日で全身のあらゆる場所に広がります。
一般的に水疱瘡は37℃~38℃の軽い発熱がありますが、赤ちゃんの場合、ほとんど熱が上がらないこともあります。

もしとびひか水疱瘡か判断ができない場合は、小児科を受診しましょう。事前に病院に連絡し、感染症専門の出入り口や待合室がある場合は利用を促されるはずです。

内服薬と外用薬で原因菌を退治!

立ち上がるのに失敗して回りの目を気にする赤ちゃん

とびひの治療で大切なことは、原因となっている細菌を取り除くことです。
病院では患部への塗り薬とともに、内服薬が処方されるケースが多いです。からだの内外から原因菌を退治することで、治癒を早める目的があります。

かゆみのせいで患部を掻いてしまうと、症状を悪化させ、他の部位に感染する恐れがあるので、かゆみを緩和させる抗ヒスタミン薬も同時に処方されることがあります。

とびひの薬の役割

1.原因菌を退治する
2.かゆみを抑え、症状の悪化と全身への感染を防ぐ

もしも処方された薬が効かなかった場合は、再診し、状態を説明しましょう。薬に対して耐性(その抗生物質が効かない)がついている可能性があります。
薬の効果を感じられないからと病院を変えるより、別の薬を処方してもらう方が治療の早道です。

市販薬は軽度のとびひ・応急処置として有効

とびひが痛くてギャン泣き中の赤ちゃん

とびひで大切なことは、早期に治療を開始することです。
とびひは広がるのが早いので、病院が休診だったり、どうしてもすぐには連れて行けないときは、市販薬を塗ることでかゆみを和らげ、全身への感染を防ぐことができます。軽いとびひの場合は市販薬のみで治ることもあります。
市販薬は、症状にもよりますが、かゆみ止めと抗生物質の軟膏で対処してみてください。

間違った処置をすると早く治してあげたいというママの気持ちとは裏腹にどんどんとびひが増えていってしまいます。「昔、皮膚科で処方されたから」と成分のよくわからない薬を塗るのはやめましょう。薬局・ドラッグストアに行った際は、薬剤師や登録販売者へ相談することをおすすめします。

かさぶたにも菌がいる!治療は根気よく続けること

弟がとびひにかかり慰める姉

とびひは治療から7~10日ほどで症状が改善します。しかし、「だいぶ良くなったから」と自己判断で薬をやめるのはNG!治療は菌が完全になくなるまで続けることが原則です。

見た目にはすっかり治ったように見えても菌が残っていると再発し、結局症状が長引いてしまいます。治療終了の最終的な判断は医師に委ね、根気よく治療を続けましょう。

とびひを早く治したい!有効なホームケア方法とは?

保育園や幼稚園に早く通わせたい。発表会や写真撮影などの大事な用事があるのに見える部分にとびひができてしまった。痛々しいので早く何とかしてあげたい。

病院で処方された薬を塗る以外に、とびひを早く治すためにママがお家でできることをまとめました。

患部を清潔に保つため、シャワーで洗い流す

とびひにかかった赤ちゃんのケアをするママ

とびひの場合、患部を清潔にするのは基本中の基本。こすると皮膚が傷つき、新たなとびひの原因になりますので、泡立てネットなどでキメの細かい泡を作り、ぬるめのシャワーでしっかり洗い流しましょう。熱めのお湯はかゆみを増幅させるのでNGです。

シーツや枕カバーなど寝具の洗濯も忘れずに

衣類は毎日洗うと思いますが、意外に忘れがちなのがシーツや枕カバーなどの寝具。顔や手足など、寝ているときに患部がこすれるような場合は、原因菌が付着している可能性があります。
また、とびひになりやすい夏場は寝ている間にも汗をたくさんかきますので、寝具は汗を吸い込み、意外に汚れているものです。少したいへんですが、しばらくは寝具も毎日洗って清潔にした方が良いでしょう。

ただし、とびひはくしゃみや咳から感染する風邪やインフルエンザとは違うので、兄弟がいる場合は皮膚の接触のみに気をつけていれば大丈夫です。必要以上に神経質にならないでください。

患部を触らないためにガーゼで保護する

ママの脚にしがみつき甘える赤ちゃん

とびひは、感染力が強いので他の部位の発症を防ぎ、兄弟や友達に感染させないように患部をガーゼで保護する必要があります。ガーゼを当てる前に、綿棒で塗り薬を厚めに塗りましょう。薬が薄いと、傷口とガーゼがくっつき、はがすときに皮膚も一緒にはがれてしまうことがあります。「薬を塗るときは、たっぷりと!」が原則です。

絆創膏はNG

患部を覆うという意味で、絆創膏は便利に思えますが、とびひの治療には向いていません。かぶれてしまうと、余計にかゆくなったり、とびひが増える原因となります。患部はガーゼで保護しましょう。

あくまで自己責任!病院に行けないときの自宅治療

とびひのホームケアを確かめる赤ちゃん

巷では病院に行けない場合のとびひの治療法や応急処置法が色々と伝えられていますので、メリットやデメリットの両面から紹介します。
ただし、こうした治療は決して医師や専門家が推奨しているわけではありません。「治った!」という方もいますが、体質によっては悪化してしまう可能性もあります。実行するときはあくまで自己責任で、様子を見ながら慎重に行いましょう。

イソジンが効く!?うがい薬ではないので注意!

「とびひにはイソジンが効く」という話がありますが、ここでのイソジンとはあくまでイソジン傷薬のこと。有名なうがい薬は、アルコールが含まれているため患部に塗ると沁みてしまいます。早とちりしてうがい薬を皮膚に塗らないように注意しましょう。

イソジンの主な成分であるポピドンヨードは、殺菌、消毒作用があるので菌を死滅させる効果があります。刺激が弱く、皮膚や粘膜の殺菌・消毒に向いているのは確かです。
ただし、イソジンはヨードアレルギーがあると使用できません。また、消毒薬はからだに良い菌も殺菌してしまうため、かえって治りが遅くなるリスクもあります。

オキシドールなどの消毒液は軽度のとびひには有効

とびひの危険性がある砂場で遊ぶ赤ちゃん

とびひは早期治療が大切ですが、とびひ専用の薬を常備しているご家庭は多くありません。けれどもオキシドールなら、すり傷などの消毒薬として常備している家庭も多いはず。

原液か、2~3倍に薄めた液をガーゼに浸して患部を洗います。その後、通気性の良いガーゼで保護をすることを一日に数回繰り返します。グジュグジュの状態のとびひやアレルギーがある場合は避けてください。軽度のとびひには効果が期待できます。

ただし、オキシドールなどの消毒液は刺激が強いので、アトピー性皮膚炎や乾燥肌で肌のバリア機能が弱っている人には逆効果となる恐れがあります。

ワセリンはあくまで応急処置としてのかゆみ止め

病院にすぐに行けないときに、ワセリンは肌を保湿し、炎症を抑えるため、かゆみ止めとしての効果が期待できます。
ただし、使用できるのは軽いとびひのみ。グジュグジュと悪化しているとびひには不向きです。また、開封から時間が経っている場合、容器の中で菌が繁殖していて、とびひを悪化させる原因にもなります。
あくまで応急処置としての使用に留めましょう。

「もうすぐ治るよ」と子供の不安を取り除いてあげよう

とびひは1度感染しても免疫ができるものではなく、何度でも発症します。
肌の強い弱いは体質が大きいですが、赤ちゃんや子供は大人に比べれば総じて肌がデリケートなので、乳児期は誰でも感染する可能性があります。日頃の入浴や手洗い、爪を短く切る、汗を吸い取りやすい衣類を着る、虫除けスプレーをつけるなどの生活習慣を大切にしましょう。

とびひの患部は痛々しく見えますが、適切な治療をすれば長引くことなくキレイに治ります。「かわいそう」と過度に心配すると子供も不安になりますので、「お薬塗ればよくなるよ」と前向きに、根気よく治療を行ってくださいね。