夜間断乳を成功させよう!進め方や注意事項をアドバイス
赤ちゃんが生まれると、昼間も夜中も授乳をする生活が始まります。生まれたての赤ちゃんは、ほんの少ししか母乳やミルクを飲めないから、さっき飲んだかと思えば2~3時間でまた授乳…ということが続きます。赤ちゃんは母乳やミルクを飲んだ分だけ成長し、少しずつ体力も付くに従い授乳間隔は徐々にあきはするものの、生後6ヶ月を過ぎても夜間の授乳が続くとママは慢性睡眠不足状態に……。さらに夜泣きが加わると、ママもへとへとになってしまいます。
ですが、もしも赤ちゃんが夜中に目覚めることなくぐっすり寝てくれれば、ママも十分な睡眠が取れるようになるのですが、それを可能にする方法のひとつが「夜間断乳」です。「夜間断乳」とは、文字通り「夜間のみ断乳する」ことで、昼間はそれまでと同じように授乳するのですが、夜間断乳は本格的な断乳や卒乳に向けた準備の準備とも言えます。
この記事では、夜間断乳について適した時期、具体的な進め方や注意事項をお伝えしていきます。「夜泣きや夜間の授乳に悩まされている」というママ、ぜひ参考にしてください。
夜間断乳しよう!4つの大きなメリット
夜間断乳は、赤ちゃんにとってもママにとってもメリットがあります。夜間断乳を実行している期間は赤ちゃんの必死の抵抗にあい、泣きに泣かれてしんどい思いをするかもしれませんが、それを乗り越えて得られるメリットは大きいといってもよいでしょう。
メリット1.夜泣きをしなくなる
夜泣き対策のために夜間断乳に踏み切るママは多いのですが、その成果は間違いないようです。
夜泣きをする赤ちゃんは、眠りにつく前の不安定な気持ちをママのおっぱいを口にすることで解消するのだといいます。赤ちゃんが泣くと、ついついママもおっぱいをあげてしまいがちですが、こういった場合のおっぱいは赤ちゃんにとっては眠りに就くための睡眠導入剤のようなもので、とくにお腹がすいているから…というわけではないようです。
夜間断乳をすると、赤ちゃんはしかたなく眠りに就く別の方法を身につけていきます。それは、赤ちゃんにとっては大きな成長の証。それまで1時間おきに泣いていたような赤ちゃんも、6~7時間まとめて寝るようになったという事例も多く耳にします。夜泣きから解放されれば、ママもぐっすり眠れますね。
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メリット2.赤ちゃんとママの生活のリズムが整う
睡眠は、心身の健康には欠かせないもの。夜間断乳をすると、赤ちゃんもママもまとまった睡眠がとれるようになります。ママも赤ちゃんも夜間にゆっくり体を休められるので朝の目覚めもすっきり。
また、赤ちゃんは夜中の授乳がなくなった分おなかがすいていますから、朝ごはんもよく食べるようになるのだとか。朝ごはんをしっかり食べれば、昼間は元気いっぱい過ごせます。昼間たくさん体を動かして夜はぐっすり眠るという整ったリズムで生活ができてきます。
メリット3.断乳するときのおっぱいトラブルが軽減される
母乳育児をしているママが断乳するときに気をつけたいのが、乳腺炎などのおっぱいトラブルです。いきなりに完全断乳をすると、このトラブルに見舞われるリスクが高くなるのですが、夜間断乳も取り入れながら少しずつ授乳回数を減らしたり授乳間隔をあけていくと、断乳時のおっぱいトラブルが軽減されるそう。
他にも、歯が生え始めた赤ちゃんに長時間おっぱいを吸わせると、乳首が切れてしまうことがよくあります。経験したことのあるママはご存知の通りかと思いますが、乳首が切れてしまう痛みはかなりのもの。夜間断乳で授乳回数が減れば、このトラブルも減ります。
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メリット4.赤ちゃんの歯の健康も守れる
寝る前に歯磨きをしても、夜中に授乳をしてしまうと虫歯のリスクも上がってしまいます。母乳そのものが虫歯の原因になるというわけではないようですが、口内環境を保つという面で見たときに夜間の授乳は望ましいとはいえないとのこと。
虫歯は治療も大変ですし、食生活にも影響を及ぼします。寝る前にしっかりと歯磨きをして夜間断乳をすることは、赤ちゃんの歯を守ることにもつながるのです。
夜間断乳はいつから?時期の目安&見極め
メリットがたくさんある夜間断乳ですが、いつから始めたらよいかという時期は、生後6ヶ月~8ヶ月ごろがベストタイミングとされています。その理由は次の通りです。
・夜に授乳して朝までお腹が持つ量の母乳やミルクを飲むことができるようになっている
・ママの言葉や表情をある程度読み取れるようになっている
生後間もない赤ちゃんは、いっぺんにたくさんの量のおっぱいは飲めないため、夜間も含めて3時間おきに授乳をする必要がありました。ですが、生後6ヶ月ごろになると、ある程度まとまった量を飲めるようになります。夜、寝る前に飲んで朝まで持つ量のミルクや母乳が飲めるようになれば、基本的に夜間の授乳はなくても大丈夫。
言葉のコミュニケーションをおっぱいの代わりの「安心」にしよう
また、生後6ヶ月を過ぎれば、ママの言葉や表情に対する赤ちゃんの理解度もぐんと増します。すべてを理解できないとしても、ママの気持ちは伝わります。一方的に夜間断乳をするより「夜はおっぱいなしでたくさん寝ようね」と語りかけてあげたほうが、赤ちゃんも安心できるでしょう。
睡眠不足で疲れているママ、職場復帰をするママ、赤ちゃんは順調に育っているのに「夜泣きが悩みの種」というママ、ぜひ生後6ヶ月~8ヶ月という時期を視野に入れてみてください。
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ただし、赤ちゃんの成長には個人差があります。月齢はあくまでも目安として考え、数字にとらわれすぎないことも大切です。
スムーズな夜間断乳の流れ・5つのステップ
それまでは、「泣く→おっぱい」という図式で眠りに就いていた赤ちゃん。夜間断乳で、おっぱい以外の方法で寝ることを身につけていきます。それは、ママも同じこと。赤ちゃんとママとで力を合わせて夜間断乳を成功させましょう。その流れをご説明します。
ステップ1.夜間断乳をする日程を決める
夜間断乳は「3日間が勝負」と言われています。まずは、夜間断乳をする3日間を決めましょう。いきなり「明日から」ではなく、できれば1ヶ月以上、余裕を持って準備期間をとることをおすすめします。
ステップ2.赤ちゃんに伝える
夜間断乳をすることに決めたら、「もう少ししたら、夜のおっぱいはバイバイだよ」と、赤ちゃんに伝えていきましょう。
伝えても伝えなくても結局赤ちゃんはおっぱいをくれないママに対して徹底的に抵抗してくるでしょうが、伝えることで赤ちゃんなりになんとなーく予感することは出来る…こともあるかも知れません。これが、予感も何もなくいきなりおっぱいがもらえなくなったのでは、赤ちゃんにとってはトラウマ並みのショック受け混乱してしまうことに。
はっきりと理解できるかどうかは別にして、赤ちゃんへ理解してもらうことも尊重するママの姿勢を大切にしましょう。
ステップ3.寝る時間を決める
夜間断乳を計画したら余裕を持って、できるだけ同じ時間に寝る習慣付けを開始しましょう。そのためには食事の時間、お昼寝の時間も調整して、生活のリズムを作っていくことがポイントになります。昼間は体をたくさん動かして遊ぶようにすると、その疲れで寝る時間も定まってくるでしょう。
寝る時間が決まってくると、その時間には、赤ちゃんも自然に眠気を催すようになります。
ステップ4.入眠儀式で眠りの前の流れを作る
眠る前の準備という意味合いも込めて、入浴からふとんに入るまでの流れを作っていきましょう。このときに、入眠儀式として眠る前に必ずすることを決めておくと、赤ちゃんも「ねんねだな!」と察知し眠りに入りやすくなるようです。
入眠儀式としては、それまでの授乳の代わりに、絵本の読み聞かせや子守唄、ママが作ったお話を聞かせるなどをして、コミュニケーションをはかってあげる方法がおすすめ。ママの優しい声は、赤ちゃんにとっての精神安定剤のような働きをしてくれるはずです。
絵本の場合は、部屋を明るくしておかないと読めませんが、ママの創作話なら電気を消した部屋でも大丈夫。聞きながらうとうとする赤ちゃんも多いのだとか。
お話といっても難しく考える必要はありません。「あるところに、かわいい赤ちゃんがいました。名前を○○くんといいます。ママもばあばも、○○くんにはメロメロです……」など、赤ちゃんを主人公にして思いつくままにお話を作ってみてください。
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ステップ5.授乳以外の方法で赤ちゃんを寝かしつける
ステップ4までの流れで赤ちゃんが寝てくれればラッキーですが、赤ちゃんはおっぱいが手軽で一番即効性のある「安心を得られる方法」であると知っていますから、なかなかそうはいかないことも事実。赤ちゃんがおっぱいを求めて泣き始めたとしても、なんとか授乳以外の方法で赤ちゃんを寝かしつけましょう。特に初日~3日は激しく泣くかもしれませんが、ここがママの頑張りどころです。
抱っこでゆらゆら、添い寝をして背中をトントンなど、赤ちゃんの不安な気持ちを大らかに受け止めながら、やんわり眠りに誘っていきましょう。2~3日は泣き疲れて寝てしまう赤ちゃんも多いようですが、それも赤ちゃんが成長するワンステップです。
夜間断乳を成功させる7つのポイント
事前に「おっぱいバイバイだよ」と伝えておいても、それまで通りおっぱいを求めて激しく泣くこともあるでしょう。そんなときの対処法も含め、夜間断乳を成功させるポイントをお伝えします。
1.夜間断乳をするという気持ちを貫く
初日から2日目くらいまでは「赤ちゃんは必ず怒って泣く」と覚悟を決めておきましょう。そのうえで「夜間断乳を成功させる」という固い決意をも持っておいてください。泣き声に負けてつい授乳、再び夜間断乳に挑戦したもののまた授乳……ということを繰り返していると、赤ちゃんが混乱するばかりか、生活のリズムも整いきません。
3日目になると、赤ちゃんもおっぱいがないことに慣れてきます。赤ちゃんのためにもママのためにも「夜間断乳をやり遂げる」という強い気持ちが大切です。
2.その他のスキンシップを充実させる
赤ちゃんは、ママの温もりが大好きです。夜間断乳でおっぱいに触れられなくなると、不安や寂しさを感じることもあるかもしれません。抱っこや添い寝、手をつなぐなど、授乳以外のことでたくさんスキンシップをはかってあげましょう。
3.部屋は暗くしたまま
夜間断乳に慣れるまでの間は赤ちゃんが泣き止まない夜、ついつい赤ちゃんの気分転換を図りたくなります。泣き止ませようとして電気をつけて絵本を見せたり、お気に入りのDVDを見せたりすると、赤ちゃんが興奮して、さらに寝つけなくなってしまうことも。
しかし夜間断乳を成功させるためには、どんなに泣いても部屋の電気はつけないようにしましょう。寝るときの部屋の状況を変えないことが大切です。
4.飲み物などの安心グッズを用意
とはいえ、夜はママも眠いですし、赤ちゃんが泣いたときに身一つで応戦するのも限界があります。
赤ちゃんが泣いたときのために、ストローマグマグに入れたお茶や白湯を用意したり、ぬいぐるみやタオルなどのお気に入りグッズ、オルゴールや子守唄、クラシックCDなどを用意しておきましょう。
おっぱいには及ばないにしても、代わりにマグマグをくわえることで仕方なしに安心してくれる子もいるようです。
5.日中は体をたくさん動かすようにする
昼間たくさん体を動かせば、その疲れで夜も眠りにつきやすくなります。ママと一緒に遊んだら、赤ちゃんも大満足です。ただし、興奮しすぎると逆効果になることも。夕方以降は、おうちで静かに過ごすようにしましょう。
6.パパやばーばの協力を得やすい日を選ぶ
寝かしつけや抱っこは、パパやばーばなど協力者がいるとママも助かりますし、気持ちの支えにもなります。パパの休日など、家族の協力を得やすい日に夜間断乳を始めるとよいでしょう。
7.おっぱいのケアをする
それまでしていた授乳がなくなると、おっぱいが張ってしまうことが考えられます。あまりにも張って痛いと、赤ちゃんに吸ってもらいたくなりますが、そこはぐっとガマン。冷やしたり搾乳したりして、乗り切りましょう。何もケアをしないで耐えていると、乳腺炎になる恐れがあるので、気をつけて。
ただし搾乳は、空になるまで搾らないことが大切です。搾りすぎると、さらにたくさんの母乳が作られてしまうので注意しましょう。
夜間断乳をした先輩ママの体験アドバイス
先輩ママたちも、取り組んだ夜間断乳。ぜひアドバイスを参考にしてください。
ラッコスタイルで乗り切りました
ラッコママ(27歳)
子供が1歳のときに夜間断乳をしました。初日は激しく泣いたのですが、ラッコのように私のお腹の上に乗せ、背中をトントンしていたら30分くらいで寝てしまいました。
次の日は、最初からお腹の上に乗せてトントンしたので、泣くこともなく…こんな感じであっさり夜間断乳完了。夜、子供がまとめて寝てくれると本当に楽ですよ。よかったら、ラッコ寝トントン、試してみてください。
好きな歌を口ずさんで♪
あややん(25歳)
夜間断乳初日のギャン泣きが本当にすごくて一瞬気持ちがくじけそうになりました。でも、「これも赤ちゃんのため」と思いひたすら抱っこしながら、好きな歌を口ずさんでいました。歌うと少しは気持ちがまぎれて泣き声が気にならなくなるし、赤ちゃんにとっては子守唄がわりになってくれみたい。それからは、私の歌で眠ってくれるようになりました。夜泣きもなく、まとめて眠れるすっきり感を味わっています。
寝顔を見つめてしまいました
さつきむすめ(32歳)
9ヶ月で夜間断乳を始めるときに「どんなに泣かれても授乳はしない。泣くことは赤ちゃんの意思表示。泣いて意思表示ができるのは、いいことだ」と自分に言い聞かせました。赤ちゃんが泣くと「泣き止ませなくちゃ」と思ってしまいますが、赤ちゃんの意思表示を受け止めてあげればよいのだと、保健師さんがアドバイスをしてくれたからです。
とはいえ、初日、2日目の夜泣きのすごさといったら、本当にハードでした。何をしても泣き止まず、結局は泣き疲れて寝たのですが、私もヘトヘト。ところが、どういうわけか3日目の夜は泣くこともなく眠りにつき、夜泣きもなし。私のほうがクセで目覚めてしまい「そろそろ泣くのでは?」と待ち受ける始末(苦笑)。朝になっても「いつ起きるのか」と寝顔を見つめてしまいましたが、生れて初めて7時間もまとめて寝てくれたのには感動。くじけずに頑張ってよかったです。
勝負は3日間!夜間断乳はあまり構えずぎず…が成功のコツ
夜間断乳は、ママにとっても赤ちゃんにとってもメリットがたくさんですね!いつかは赤ちゃんも、授乳からはさよならするときがきます。夜泣きに疲労困憊しているママ、慢性の寝不足に悩まされているママは、夜間断乳してみませんか?
ママが日中を生き生き過ごせるようになれば、赤ちゃんにもいい影響を与えることになります。「3日頑張る」の決意で、ぜひ乗り切りましょう!